珠洲たの通信・2015年6月号

2015年度

2023/02/01 記

 またまた数年前のレポートを出して,ニュースを編集しています。そのつもりでお読みください。

話題になった本

資料の紹介

1.「ブログ的気楽レポ」A5 6ぺ   O.M
 「植物の発芽と成長」の単元の指導案を持ってきました。授業はもう終了していたようです。このときの指導主事は,サークルなかまのMさん。
 授業で取り上げたのは,「水の中でもタネは発芽するのか」という問題です。教科書で「水だけでは腐る」という学習が終わったあとで,「ならば,空気ポンプで空気を送り続けたら…」ということを考えてもらったわけです。この問題は昔から行われていて,これまでわたしも何回か授業で取り上げてきました。なお,この指導案集は,ここからリンクしてあります。
 この授業とMさんとの整理会をきっかけに能登の海にもよく流れ着くアマモのタネについての話がでてきました。後日,詳しいことを知りたくてのと海洋ふれあいセンターのHさんに聞いたことも書いておきました。授業づくりをきっけけに自分の興味が広がるってのも,教師の楽しさのひとつですな。
 また算数で使っている授業用プリント(小数・分数のかけわり図用)を持ってきました。タイルを貼っていきタイル算で答えを求め,最終的には,分数✕分数(や小数✕小数)の計算規則を見つけていきます。しかし,これがなかなかスムーズにはいかないのです。

 実際にタイルを操作して,(下の用紙)ならべたり貼ったりしてもらうのですが,これが,そんなにすんなりいきません。教師からすれば「全体量が長方形になる」ということぐらい分かると思うのですが,子どもたちにとっては,そう簡単な問題じゃないんです。
 これまで,タイルを扱ってこなかった子どもたちはもちろんのこと,昨年,私と一緒にタイルを扱った子どもたちでも,新しい問題となると,「…。」となるんです。だからこそ,タイルによる丁寧な説明があってはじめて,量の乗除の意味が理解できるのだと思います。
 これは,計算はできても意味が分かっていない子が何人もいるのが現状だと言うことです。
 かけ算なんて,誰も分かっちゃいない。分数が「単位量1を分割したものである」なんて,誰も分かっちゃいない,ってことが分かる授業でした。
 小さいときから,いろんなものを使わないで,タイルを使って教えていけば,いろんなことがもっと楽に理解できるのに…と,残念です。

6年生の分数✕分数の授業の導入です。
左のプリント(問題2)は5年生の問題(分数✕整数)です。このプリントの右側に実際にタイル(1のタイルと1/3のタイル)を置いてもらうのですが,どのように置いたらいいのか分からない子が,毎年,数名いるのです。そこで,2✕3の意味からお話することになります。(それが問題1のプリント[ここでは省略]です)
一方右側のプリント(問題3)になると,1/4のタイルと1/12のタイルが必要となりますが,これがスムーズにできる子は全くの少数派です。(プリントの問題はまだありますがここでは省略します)

Mのレポートより

 そんなわけで,毎年,ここで格闘しているのですが,その分,子どもたちからは,「タイルを貼っていくのがたのしかった」「かけ算の意味が分かった」「かけ算の法則を自分で見つけることができた」と好評です。
 あとは《足はなんぼん》のこと。初任研の一環として担任の先生が見に来ました。「この授業は仮説実験授業という」ことを伝えておきました。
 ほかの話題としては,NPO活動としてアサギマダラの観察会に参加したこと,本の紹介などをしました。紹介した本は,以下のものです。
・磯田道史著『天災から日本史を読みなおす – 先人に学ぶ防災』(中公新書)
・夏目漱石著『門』(青空文庫,Kindleで無料)
・遠山啓著『量とはなにか〈1〉内包量・外延量』(太郎次郎社)

2.「すずたのレポート」A5 6ぺ   N.M
 級外になったNさん。なかなか忙しそうですが「授業の準備も学担での理科のときよりしっかり準備できている」「思っていた以上に充実した日々を過ごしています」と書いています。よかったよかった。
 さて,H小で行われている「ふじだなおとぎ会」という行事。子どもたちがクラス毎に藤棚の横のStageで発表するそうです。しかも新任の先生も何か発表をしなくてはならないらしい。そこでギターを持ったNさんの写真もありました。所変われば…ですねえ。
 さて授業の話題は,「4年 動物のからだのつくりと運動」での一コマ。「手の骨と関節」を知ってもらうためにたのしい導入と,分かりやすい小道具を使った実践でした。同僚の人から教えてもらったそうですが,元ネタってどこかにあるのかな。もし分かったら教えてください。授業の進め方は,以下の通りです。
①「この軍手を相手の手に着けさせると絶対にじゃんけんに勝てます!」といって,代表者に軍手をつけてジャンケンをする。この軍手には,ある仕組みがあって「パー」しか出せないようにしてある。
②なんで勝てないのか,みんなで考えて,「手には曲がる場所=関節」があることを知る。
③全員に透明なビニル手袋を着けさせて,関節にシールを貼らせる。
④シールの間に切ったストローを貼る。

 なかなかたのしそうな実践ですね。半分,骸骨になった子どもたちが喜んでいる様子が目に浮かんできます。
 そのほかとして,お店に売っていたキャベツを培養土の上に置いておいたらちゃんと根が出たという実験も。がしかし,モンシロチョウは卵を産んでくれなかったそうです。やはり最初から育てないとチョウも違いが分かるのかな(^^;)

3.「MY BOOK 2015年6月号」B5 2ぺ  H.K
 わたしが以前紹介した本を読んでみた感想を持ってきてくれました。遠山啓著『水道方式とはなにか』(太郎次郎社)です。
 算数教育用語が出てくるのですが,中学の数学の教員であるHさんにとって,よく分からない言葉が出てきたと言います。たとえば,加法九九,減法九九。あるいは黒表紙,緑表紙という教科書の歴史などです。
 サークルのメンバーでさえそうなのですから,教科書を使って普通に数学を教えている先生たちは,こういう基礎的なことはあまり調べたことがないのかも知れません。そういうわたしだって,新居信正先生がいて,色々学んだからこそ,知っているんですけれどもね。
 ちなみに,黒表紙と緑表紙の本は,わたしの本棚に全冊揃っていますよ。古本屋から集めました。

4.小原茂巳さんの講演記録(テープ起こし)⑦⑧ B5 12ペ   H.K
 今月も小原茂巳さんの講演を文字に起こして持ってきてくれました。2本とも2011年8月のものです(講演場所は違います)。話の内容はどれもおもしろくて,さすが小原さんだと思いました。
 今回は,講演の紹介と言うよりも,「テープ起こし」という作業について,書いてみます。
 Hさんはテープ起こしをした文章を小原さんご本人にも送ったそうです。すると,小原さんから,「正直言って読みにくいです」「大胆に編集しなおしてください」と厳しくも温かいメールが届いたそうです。
 この小原さんの指摘は「講演を聴くことと講演記録を読むこととはまったく違う」ということを教えてくれます。わたしたちサークルのメンバーは,すでに色々なこと(小原さんのこと仮説のこと)を知っているので,サークル内で読む分にはこれでいいのですが,小原さんとしては「初めての人でも読めるように」編集して欲しいということが頭にあるわけです。
 仮説実験授業研究会でもよく言われているように,講演のテープ起こしは大変難しいです。もちろん,他に拡げるときには,大胆な編集をした上で講演者に了解を取り,配布することになります。著作権の意味も含めて,「拡げる」ことには気をつけないといけませんね。

追伸:退職後のわたしは,ある講演会の内容を文字化するバイトをしています。その際,担当者からは,なるべくそのままで文字化してくださいと言われています。それを編集するのは,別の人がやるからです。また,短い講演+討議を記録して通信を作成する作業もやっていますが,こちらの方は,小見出しを作り,要点を取り上げて大胆に編集したものを講演者に見てもらってから発行しています。(2023/02/01追記) 

 その他にも,柳田植物公園のバラを撮影した「カメラレポート2015年6月」(H.K)などもありました。 

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