珠洲地方の方言

さいはての街・珠洲

地方独自の言語=方言は,日本語の豊かさの一部です。
地元を離れて生活した学生時代には,ちょっと恥ずかしかった言葉が,今ではとてもとても大切なもののように思われます。
標準語に言い換えても何かしっくりこない微妙な言葉の雰囲気が好きです。

方言珠洲の方言で会話すると標準語で言い換えると
ちきないA「風邪ひいて,何やらちきないわ」
B「ほんねんったら,はよ寝さし。寝て治すが一番やわ」
A「風邪をひいたので,何だか苦しいわ」
B「それなら,早く寝なさい。寝て治すのが一番よ」
かやるA「どこ行くが? そんなに急いだらかやるがいね」
B「なっとないわいね。こんながくらいでかやらんわいね」
A「どこへ行くの。そんなに急いだら転ぶでしょ」
B「大丈夫。これくらいで転ばないわよ」
はんでくA「あんた,この苗木,はよはんでってくだし」
B「ちょっと待たし。今,はんでくし」
A「あなた,この苗木をはやく持って行ってください」
B「ちょっと待ってね。今,持って行くから」
けなるいA「おやけなるい。まあそなイチゴや」
B「ほんなけなるがらんと,一緒に食べさしんかいね」
A「あら,うらやましい。おいしそうなイチゴだこと」
B「そんなにうらやましがらないで,一緒に食べましょうよ」
ちびたいA「ちびたいビール1本くだし
B「はい,おまちどう。ちびたいビールね」
A「冷たいビールを一本ください
B「はい,お待ちどうさま。冷たいビールね」
ほかすA「このゴミ,ちょっとほかしてきて」
B「だめやぞ,これ。不燃物が混じっとって分けんと捨てられないよ」
A「このゴミを捨ててきて下さい」
B「だめよ,これ。不燃物が混じっていて分けないと捨てられないよ」
ほぞこくA「母ちゃんゴメン。障子破ってしもた」
B「何やて。ほんなほぞこいとるさかいやがいね。まったくしょうがない子ね」
A「お母さんゴメンナサイ。障子を破ってしまったの」
B「何ですって。そんなにふざけているからよ。まったく仕方のない子ね」
ぎょうさんA「おやあ,ぎょうさん柿なっとるがいね」
B「ええ,ぎょうさんなっとるし,どったけでも取ってかし」
A「あら,たくさん柿が実っているのね」
B「ええ,たくさん実っているからどれだけでも取っていって下さい」
おとしべA「おや珍しい。なんや,おとしべに行かなんだがか」
B「おおそうや。もう年やし,おとしべ行くがやめたわ」
A「おや珍しい。なんだ,出稼ぎに行かなかったのか」
B「そうだよ。もう年だから出稼ぎに行くのはやめたよ
こっしゃえるA「この煮しめ,まいがにこっしゃえてあるがいね」
B「おやそうけ。今朝,あわててこっしゃえたがやけど」
A「この煮しめ,おいしいのに作ってあるのね」
B「あらそう。今朝あわてて作ったんだけど」
へしないA「母ちゃん,ぜんざいまだけ」
B「もうちょっと待たし。モチやわらこうなったらね」
A「へしないなあ
A「お母さん,ぜんざいはまだなの」
B「もう少し待ってね。モチがやわらかくなったらね」
A「待ち遠しいなあ
びっちゃA「オラ大阪の子ども,ことし中学卒業でないがか」
B「びっちゃぞきゃ。高校やがいね」
A「ほうやったか…」
A「うちの大阪の子ども,ことし中学卒業じゃないのか」
B「違うわよ。高校卒業よ」
A「そうだったか」
こっすい弟「あ,兄ちゃんの持ってったケーキのほうがでかい。こっすいなあ」
兄「何言うとる。早いもん勝ちや」
弟「あ,兄ちゃんの持って行ったケーキのほうが大きい。ずるいよ」
兄「何を言うんだ。早い者勝ちさ」
きずいA「肉もすかん,魚もすかんてて,きずいやなあ」
B「だって私,菜食主義者やし,野菜しか食べんげ」
A「肉も嫌い,魚も嫌いだなんて,わがままだなあ」
B「だって私,菜食主義だから,野菜しか食べないのよ」
じらこねる子「ねえ,これこうてま。ねえ,こうて
親「だめだめ,いつまでもじらこねとらんと,はよ行くぞ」
子「ねえ,これ買ってよ。ねえ,買って
親「だめだめ,いつまでも駄々をこねていないで,早く行くわよ」
いじくらしいA「この暑いがにギャーギャーとこの子どもらいじくらしい
B「ほんとに。ちょっこし静かにしっとってくれりゃいいがに」
A「こんなに暑いのにギャーギャーとこの子どもたちうるさいわね
B「本当に。少し静かにしてくれればいいのに」
てんごするA「テーブルの上に置いといた書類,知らんか?」
B「子ども,てんごするさかいによせといたわ」
A「テーブルの上に置いてあった書類を知らないか?」
B「子どもがいたずらするから,しまっておいたわ」
がるA「あんた,なんでほんなに息切らしとるが?」
B「あんたんとこ来るがに,犬にがられてしもて…」
A「あなた,なぜそんなに息を切らしているの?」
B「あなたの所へ来るのに,犬に追われてしまったの」
しゃわしきないA「ほんとうにうちの子どもはしゃわしきない。なんもちんとしとらんわ
B「男の子やもんの。ほんなもんやわ」
A「本当にうちの子ども落ち着きがないの。少しもじっとしていないわ
B「男の子だもの。そんなものよ」
かやるA「なしてん。かやったんか。血イでとるぞ」
B「おいや,さっきほこの坂でかやってん。何か薬ないか」
A「どうした。転んだのか。血が出てるぞ」
B「おう,さっきそこの坂で転んだんだ。何か薬はないか」
かしまA「ちょっとあんた,ほのセーター,かしまでないけ」
B「ほんとや。かしまてがに何も,気イつかなんだわ」
A「ねえ,あなたのそのセーター,裏返しじゃないの」
B「本当だわ。裏返しということに全く気付かなかったわ」
かんでくA「あんた,ほんなに荷物かんで,どこ行くが」
B「東京の息子んとこまで,もちでも持って行こうかと思うて」
A「あなた,そんなに荷物をかついで,どこへ行くの」
B「東京の息子の所へ,もちでも持って行こうかと思って」
ねまるA「あんた,ほんなとこに立っとらんと,ここにねまらしけ
B「足痛とうて,ねまっとられんげんわ」
A「あなた,そんな所に立っていないで,ここに座りなさいよ
B「足が痛くて,座っていられないのよ」
こわいA「今日の飯,なんやこわないか
B「うん,いつもよりこわいわ」
C「水ちょっこし足りなんだがでないけ」
A「今日のご飯,何だか固くないか
B「うん,いつもより固いわ」
C「水が少し足りんかったんじゃない」
感謝
 このページの例文は,珠洲市が発行している『広報すず』(第440号~第463号)を元に作成しました。

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