珠洲たの通信・2008年10月号

2008年度

 朝晩,めっきり寒くなってきましたね。我が家でも,昨日,つ,ついに「こたつ」を出しました。まだ電気は入っていませんが…。
 この10月は,けっこうじっくりと授業に取り組めたような気がします。それと,HPの方もいろいろと充実させることができました。また,見てやって下さい。特に「金大連携ゼミの概略」については,しっかりまとめておきました。今回のゼミで習ったことは主に中学校理科でしか使わない実験や操作ですが,そのバックとなる教授たちの考え方は大変おもしろかったです。ゼミを受けながら「教科書にとらわれずに研究をしないと,結局は子どもたちに申し訳がないなあ」と何度も思いました。
 ゼミについてのいくつかは,次回のサークルでも紹介をしますが,前述したようにHPの方にはすでにアップしてありますので,興味のある方はそちらをご覧下さい。
 12月には,中さんの会を計画しています。詳しくは今週中に案内を送ります(たぶん)。併せてご検討いただければ幸いです。

■10月の例会の参加者(5名)
 M.S(NYSB)   H.H(S市S小)  M.O(N町U小)  K.H(S市M中)  T.M(N小U小)

今月の写真

資料の紹介

1 『ブログ的気楽レポ』 B5  12ぺ   M.O
 内容は,「金大連携ゼミもの2つ」「タローラによる分業の授業」「化石探し体験」「今月の本棚」の計4本です。
 金大連携ゼミの報告では,「植物細胞分裂の観察」と「寒天を使った模擬地層ボーリング」についてとりあげました。「植物細胞分裂の観察」には,教科書に出ている酢酸カーミン液ではなく,酢酸ダリア液という溶液を使うととてもよく細胞分裂の様子をみることができることを教えて下さいました(作業時間も短くて済む)。また,「寒天を使った地層」は,ボーリングの模擬体験ができるということが面白くて,今度,6年生でやってみるつもりです。昨年来,地層の状態をイメージするために何かいい方法がないかと探していたところなので,よかったです。
 「タローラによる分業の授業」は,その出典も含めて調べてみました。教師向けの社会科の参考書にも出ていたりするのですが,どれにも出典は書いてありませんでした(TOSSランドにも出典はなかった)。そこで検索して情報を集めたところ,西川満氏が1989年の『歴史地理教育449号』に掲載したのが最初だそうです。その後も続編を書かれており,それらの論文もHP上に公開されていたので,コピーして持ってきました。授業後の学級通信を忘れたので,次回持ってきますね。
 「化石探し体験」では,実際に「木の葉化石」が入っているかも知れない石を割って化石探しをしました。なかなか見つからずにいたところ,「クモのようなもの」が見つかって大騒ぎをしていました。
 今月の本棚で紹介した本は以下のとおり。
○板倉聖宣著『磁石につくもの新発見!』(ナトゥラ・ジャパン,1982,36p)
○板倉聖宣著『反磁性と常磁性の新実験』(ナトゥラ・ジャパン,1983,76p)
○板倉聖宣他著『科学の歴史』(小学館,114p,復刻版)
○板倉聖宣他著『授業科学による教育観の変革2』(ガリ本図書館,2006,167p)
○北川達夫・平田オリザ共著『ニッポンには対話がない』(三省堂,2008,207p)
○梶田叡一著『新しい学習指導要領の理念と課題』(図書文化,2008,176p)
○安彦忠彦編『「活用力」を育てる授業の考え方と実践』(図書文化,2008,p159)
 板倉先生の本が4冊,その他が,3冊です。『授業科学による教育観の変革2』はとても貴重な論文がたくさん入っていて,おもしろかったです。数十年前の論文を読みながら「教育界の常識はなかなか変わらないなあ」とまたまた感じた次第です。この本から『教科の論理と心理』というシリーズを知りました。『理科』と『算数』を読んだので,11月に紹介します。

2 『2倍3倍の世界③』 B5  2ぺ   K.H
 選択数学でやっている《2倍3倍の世界》の第三弾の感想を持ってきてくれました。数学の時間の前に席替えをしたらしく「席替えが楽しかったのとマップメジャーがすごかった」というような感想もあり,「授業の感想をとるときには<感想の視点>を決めて書いてもらわないと何が何だかわからなくなるね」という話をしました。「話が長かったり,くじ引き(席替え)がびみょうだった」という感想もあり,これも数学の内容とはあまり関係のないことですから。

3 『徒然レポート10月号』 B5  4ぺ   M.S
 内容は「<2010のと大会>にむけて」「12月,中さんがやってくる」「おれ,酸素やった」「顔がない!」の4本です。
 「のと大会に向けて」は,2010年の仮説実験授業全国大会を和倉で開こう!という決意表明です。もちろん実行委員には,石川近隣のみなさんにご協力をいただいて…です。来年の夏の大会で宣言をしてくるつもりです。どうかこれをお読みの皆さん,オレも混ぜてくれといって入ってきて下さい。主催者になるって忙しいけれどもおもしろいですよ。
 「12月」は,中さんの会に向けての相談というか,その方向についてです。組合の会の後で,サークル主催の会を開く予定です。詳細はだいたい決まっています。みんなに呼びかけて12月の土日,たのしい教師への道の勉強をしませんか。
 「おれ酸素やった」は,ある時ある教え子となんと実習で再会したときのお話。そこで,実習生から先のような言葉が飛び出したのです。
その中で,Y君に「もしも原子が見えたなら,覚えてるんやね」と言うと,「あれなかったら,今ないかも」と言うのです。「あれがあったから,中学校での理科もわかったし,おもしろかった。勉強もキライじゃなかった。そして教職課程におるかも」というのです。
 仮説教師冥利に尽きるとはこのことではありませんか。
 教え子が教職課程をとっている。その道を選んだ一つの大切な経験に《もしも原子が見えたなら》の授業があったというのですから。
 「顔がない」は,光の屈折の関係でアザラシの顔が見えなくなっている写真の話。光の学習の時に使うとおもしろいかも。

4 『楽しい音楽をめざして』 A4  8ぺ   T.M
 今年度の県教研へ持っていくレポートを持ってきてくれました。
 内容は,5年生での「お囃子づくり」,6年生での「鼓笛隊」の指導についてです。
 その指導の過程で,5,6年生とも特別支援学級の子どもたちとの交流の姿も描かれています。このあたりの話がとても印象深かったです。
 このレポートは音楽分科会から全国教研への推薦レポートとなりました。やっぱりなと思いました。
 実は,ここにでてくる5年生というのは,わたしの担任している学級のことです。
 5年生の指導では,「作曲する」という作業のハードルを低くするためにいろいろな仕掛けをしています。これだけいろいろやってくれると,苦手意識のある子も,「やってみようかな」という気になるんじゃないかなあと思いました。
 「作曲なんてできるはずがない」→「オレにもできた」という喜びは,なかなか味わえるものではありませんからね。

5 『学級通信』 B5  10ぺ   M.O
 今回持ってきたのは次の通り。
・№81 「はなしあい」が私は大好きでした
・№84 『サンタのおばさん』(文藝春秋)を読んで
・№86 山路敏英『ともだち』の授業の感想
・№88 いっぱいあるよ。英語じゃない「外来語」
・№91 「社会科見学」の感想・千枚田編
 №81は仮説実験授業《花と実》を終えてのある女の子の感想の一節です。こんなのが出るから仮説はやめられないんだよなあ。
 №84の『サンタのおばさん』は,以前「今月の本棚」でも紹介しました。今回,読書感想文を書かせなければならないというせっぱ詰まった時に,ある方が「この本を読み聞かせすればいいよ」と教えてくれました。ギリギリまで他のと迷ったのですが,結局,感想文提出締切2日前に読み聴かせをし,すぐに感想文を書き,その日の晩にわたしは全員の感想に目を通し,クラスからの選出者を決め,1日前に清書をしてもらって提出しました。見事,郡優秀賞でした。あははは…。
 感想文の書き方などの指導は,ほんの少しです。
「本の内容からドンドン離れなさい」「本はたんなるきっかけです。主人公の経験したこととよく似たことなどありませんでしたか」そんなことを書いて下さいとお願いしたのです。
 原稿用紙の使い方なんて,全く気にせずに書いてもらいます。もちろん話の順番なんてどうでもいい。思い浮かんだことを羅列してもらっていいのです。別にお薦めはしませんが,感想文や作文をキライになってほしくはありませんからね。

 そのほかにも,何でもシールにする文房具(紹介:S→写真),「ブログ的気楽レポ9月号」(O),板倉聖宣「授業科学と名人芸(授業科学研究2より)」,西川満「分業でタローラづくり(1~3)」,「鶴彬の新聞記事」,(紹介:O)などがありました。
 学期末で,またまた進度が気になる頃です。大切な概念はじっくり,どうでもいい内容はすすっと進めるくらいの度胸が大切ですね。これは子どものためにもなるのですから。

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