珠洲たの通信・2007年10月号

 11月に入りました。朝晩はけっこう冷え込むようになりましたね。秋の夜長は読書に最適ですが,残念ながら睡魔に勝てない日々が続いております。
 それでもやっぱり,ほかの季節より,授業にカンする準備や記録をとることができるので,なんか授業していても楽しいです。あんまり意味のない行事なんてなくていいですよね。というか,意味のある行事でも,多すぎるのはちょっと…です。
 わたくし,今日,誕生日です。あと1回干支が来ると,なんと還暦。すごい!
 そんなわけで,前書きがわりに還暦のことについてのミニ知識。
 還暦って,その字の通り,暦が1巡して還ってくるという意味です。
 中国には「十干(じっかん)十二支」というのがあって,十二支の方は割と有名なのですが,十干(じっかん)の方はあまり知られていません。干支(えと)というのは「干」と「支」が合わさって一つなんです。
 実は,それぞれの「年」には,戌年や亥年の前に十干言葉もついていて,戊(つちのえ)戌とか壬(みずのえ)戌なんてよばれているのです。ほら,あの「丙午(ひのえうま)の迷信」って知っているでしょ。あれですよあれ。それでいくと今年は「丁亥(ひのとい)」となります。
 十干十二支は,「甲子(きのえね)」「乙牛(きのとうし)」…と続きます。で,10と12の最小公倍数が60なので,60年でひと回りするわけです(注意:ですから,10×12=120種類あるわけではありません)。
 私が生まれた1959年の干支は「己亥(つちのとい・きがい)」です。次に己亥になるのは西暦2019年です。教師やってられるのもあとわずかだなあ…(^_^;)
  ・壬申の乱(672年) みずのえ さる
  ・戊辰戦争(1868年) つちのえ たつ
  ・辛亥革命(1911年) かのと い
  ・甲子園開園(1924年) きのえ ね
 長い前書きはこれくらいにして,例会の紹介をしますね~。先月は,第3週の県教研に参加する人が多くなったため,急遽,第2土曜日に開催しました。メールでしか案内しなかったので申し訳ありませんでした。まだの人は,メーリングリストに入って下さいね。

■10月の例会の参加者(7名)
 M.S(NYSB)  R.S(N町U小)  R.Y(N町Y小)  K.H(S市M中)  H.H(S市S小)  T.M(N町M小)  M.O(N町U小) 

資料の紹介

1.『0と1では大きく違う』 B5  4ペ  M.S
 養護学校では「何かと理由をつけて」やっていなかった仮説実験授業。夏の大会で仲間に刺激され後押しされて,ついに《空気と水》に挑戦したようすをまとめてきてくれました。
 仮説学派よろしく,まずは,自分のクラスのメンバーがこの授業書でどういう反応を示すか予想しています。
・予想を立てるということが分かるのはK
・それをみて,これは何かをえらべばいいと分かるのがHR
・意味が分からないけど,促されて適当に丸をつけるのはM
・全く分からないのがHN
・理由を発表できるのはK
・実験をしたあと,自分にもやらせろと反応するのはKとHR
と予想したそうです。
 市販の授業書では,図と予想が別々に出ていてこのままでは分かりにくいので,編集をしてみたそうです。これは障害児学級でなくともわかりやすいと思いました。
「理科をやるよ~」という言葉に反応したのは予想どおりK。黒板には仮説の会員から分けてもらった絵カードを貼り,予想を立ててもらいます。
 授業書の絵に色を塗ったりと,全く予想どおりの展開を見せる子ども達を相手にSさんの仮説実験授業が始まります。HNさんも前に出てきて,コップから出てくる泡に興味津々の様子。
 次の時間はスポイト競争。しかし,スポイトに水を吸わせるのがそんなに簡単なことではなかったようです。
 3時間終了して,感想を聞きました,といっても書くことはできないので…
 「楽しかった人!」の声に,KとHRさんが,ハイっと手をあげてくれました。Mは?という顔。HNはひたすら色ぬりをしていたようです。
0と1とは無限大に違うから…
という中さんのメッセージをタイトルにしたレポートでした。
 次は《自由電子が見えたなら》をやってみようと思っているそうです。

2.『まだまだアウシュビッツ』 B5  2ぺ  M.S
 先月,話題にしたアウシュビッツ。今月は,その流れで今やっていることを教えてくれました。
 一つは,強制収容所の所長だったルドルフ・ヘスが書いた自伝『アウシュビッツ収容所』という本。ナチスには,この本の著者以外にも「ルドルフ・ヘス」という人物がいるので注意して下さい。
 私も読んだのですが,とても刺激的な内容でした。翻訳物ですが読みやすいです。文庫本なのに1500円もしていることに驚いているSさんでした。
 もう一つは,DVDです。『SHOAH(ショア)』という5枚組のドキュメンタリー作品で,2万3000円もするそうです。収容者やナチスの生き残りの証言集です。まだ内容は見ていないそうなので,いつかその話が聞けると思います。

3.『あわせて10』 B5  4ぺ  M,S
 「5の合成」の理解のあとの続編です。
 タイルがないと足し算の計算ができなかったMさん。ついにタイルなしでも計算ができるようになってきたそうです。
「タイルがなくてもできるようになったんですね。信じられません。うれしいです」
と母親からの連絡もあったとか。
 自分の子どもの理解が,今,どの状態かをちゃんと知っているなんて…ほかの親も学んでほしいなあと思います。できないことばかりを言わないでほしいものですよね。
 ここでは,よけいなお世話で子どもの思考を混乱させた反省が報告されました。
 10のタイルに5の線を1本引いておいてあげたところ,その線に目がいき,よけいに「あわせて10」をとらえにくくしていたというのです。次の時間にその線を消したところ,ちゃんと10のかたまりとして認識していたようです。授業も予想実験ですね。

4.『子どもたちの歌声』 A4  5ぺ  T.M
 初めて音楽で県教研に行くことになりまとめたレポートを持ってきてくれました。もともとは中学校の理数教師なのですが,小さい小学校に来て5年目。今ではすっかり音楽教師としての姿のMさんです。
 4月のアンケートでは「音楽が嫌い」という子が半分いて,歌もあまり歌わなかったようですが,なんとかけっこう歌うようになったとか。
 これまでの指導は「先生もこれだけ歌っているんだから,あなたたちも歌って!」というような指導だったけれど,今年は天沼裕子さんの「歌う時には耳が大切」「声は後ろに出す」という指導方法を得て,子どもたちと取り組んでいった様子を伝えてくれました。
  歌う時は耳が大切 ← ふつうは口が大切としか言わない
  声は後ろに出す  ← ふつうは前に出すと思っている
 このギャップが,子どもたちに新たな認識を持たせたのでしょうね。ま,このことをうまく伝えることのできる「M流子ども盛り上げ言葉」もたくさんあったと思います。
 歌唱指導の一つのポイントとしてとらえることができます。
 ただ,歌唱指導の順序としてはどんな段階があるのでしょうか? この段階でこのポイントをを出すとよいというようなものを作ってくれませんか,Mさん!

5.「学級通信」 A4  3ぺ  T.M
 10/1号と10/5号は,仮説実験授業《足は何本?》の授業感想集。
「ふつうのムカデとか見たことがあるけど,足は数えていないので,何十本もあることがわかりました。これから,いろんな虫や動物の足を見つけて調べてみたいです。」(子どもの感想)
 Mクラス(4年生)は,11月3日の学習発表会で《足は何本?》をテーマとした劇を発表するそうです。そのときのもようは,次回か次々回のサークルでみることができると思います(昨年は,サークル忘年会の席上で,「世界の国旗」の劇を見せてもらいましたね)。
 10/3号は,「朝の連続小説」『青空晴之助』(杉山亮作)を読み終わりましたという報告と子どもたちの感想です。みんなが評価5を与えていて,すごいです。
 私の学校は朝読があって子どもたちが静かに本を読んでいます。この本も学級に置いてありますが,人気です。朝読より朝連の方が,学級の一体感を高めるためにはいいと思っています。両方やって,子どもたちの感想を聞きたいものですね。

6.『ブログ的気楽レポ・2007年10月号』 B5  6ぺ  M.O
 今回は,体育の授業,<コンビニから見える世界>の授業プラン,そして「今月の本棚」と3本の話題をまとめてきました。
 体育の授業では,持久走とサッカーの授業をどういう風に進めているのかを紹介。私のレポートをネタに「子どもたちの運動量を多くしてしかも技術も伝える」という方法を出し合いました。これまでいろんなことを試してきて,「これはおもしろい。使える」という方法をいつの間にか選んでいるんだなあと思います。
 サッカーについては,「室内サッカーをする」というHさんの意見も出て,これがたいへん参考になりました。わたしも,最近,今年の6年生に対し,体育館で室内サッカー(ソフトバレーボール使用,4対4)をやったところ(雨の日だった),子どもたちは大喜び。「先生,中の方がおもしろい!」という子も出るくらいです。ボールはあたってもいたくないし,ヘディングもたくさん見られるようになります。
 <コンビニから見える世界>は4時間ものの「環境を考えるプラン」です。実際に体験しながら紹介しました。これについては,県教研へのレポートにまとめてゲリラ的に発表してきました。「フードマイレージ」について教えるいいプランだと思っています。後半をもう少しふくらまそうと思います。
 今月の本棚は,以下の5冊。
○桑原史成著『イムジンガン-垣間見た北朝鮮』(草の根出版会,2003,p.1431800円)
○ルドルフ・ヘス著『アウシュビッツ収容所』(講談社学術文庫,1999,p.460,1450円)
○福岡伸一著『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書,2007,p285,740円)
○板倉聖宣著『世宗大王の生涯』(仮説社,2007,p128,1800円)
○村田稔著『車イスから見た街』(岩波ジュニア新書,1994,p176,640円)
 お勧めは,ヘスと『生物』ですね。

7.『MY BOOK 2007年10月号』 B5  1ぺ  K.H
 感想を紹介してくれた本は次の2冊。
○板倉聖宣講演集『仮説実験授業への招待』(ガリ本)
○小原茂巳著『たのしい教師入門』(仮説社)
 Hさんは,同じ本を何度も読んだりするようです。そうすると再発見が多いとか。私も見習わなくては…と思うのですが,ついつい新しい本を読みあさる方に向いてしまうのです。

8.ゲーム「ワードバスケット」      紹介 M.S
 いやー,盛り上がりましたね。なんですか,このゲームは。ひらがなのゲームが盛り上がる。これは「ゴン太くん」以上かも。知的で,スリル満点です!
 10月のサークルに参加していない君のために「ワードバスケット」について少し説明してあげよう。
JAGAの有名会員、小林俊雄氏の『しりとりアクション』ゲーム。
50音カードをしりとりの要領でバスケットの中に投げ入れる、スピーディーで楽しいゲームです。ルールも簡単で、子供から大人まですぐに盛り上がります。(「日本ゲーム協会[JAGA]」のHPより引用)

 そう,このゲームは単なるしりとりゲームなのです。
 ただしバスケットのなかに入れるカードは,1枚だけ。例えば,バズケットの中に「け」があれば,「けむし」と言って「し」のカードを入れたり,「けっこんしき」と言って「き」のカードを入れたりするのです。
 で,このゲームの興奮するところは,ほかのカードゲームのように,カードを入れる人の順番が決まっていません。言葉ができた人は,素早く発声して,カードをバスケットに投げ込むのです。投げ込まれたら,さっきまで頭の中を巡らしていた言葉(ワード)を消し去り,新しく言葉を探さなくてはなりません。ここが,頭を使うところです。
 他のカードゲームと同じように,役札のようなものもあったり,オールマイティーのようなものもあります。
 これはさっそく注文しようと家に帰った皆さん。
 残念ながら今は製造していないようです。インターネットからカードの図柄はダウンロードできるようですが,自分で作るってたいへんだしね。さて,本屋・おもちゃやめぐりでもやるか。もしお店に見つけたら,まとめ買いして下さい。みんなほしがっていますので…。

 このほか,「1年学年通信」(H),「ボーリング柱状図」「学級通信」(O)などもありました。
 11月の例会は第3土曜日です。
 なお,12月には,忘年会も計画しています。いつもどおりのサークルをしたあとで,宝立町公民館近くのお寿司屋さんで忘年会をします。お寿司をつまみながらも,レポート発表や授業の話をするのが楽しいです。こんなこと,学校の飲み会にはないでしょ。このサークルの良さです。忘年会と言っても「授業や仕事のことを忘れて飲もうね」などというのではありません。「授業や子どものことで盛り上がろうね」ということです。ま,職場や私的な出来事で嫌なことは忘ましょうね。兎に角,予定に入れておいて下さいね。といってもイツするのかは11月に決めましょう。

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