珠洲たの通信・2007年9月号

2007年度

 運動会や体育祭,さらには9月の祭りシーズンも終わり,ようやく子どもたちも一段落したところだと思います。ただ,中学校ではそろそろ文化祭の準備にかかるのかな。現場はじっくり授業をする環境ではないのでしょうね。教育課程は「教科・道徳・特別活動」でできているっていうんですから,こういう状態が続くのは当然なのかも知れませんね。でも,以前はもっとじっくりと授業をしていたような気がするんだけれどもなあ。これは,過去を美化するおっさん病が私にも出てきたという証かも知れませんね。今は今,この状態にあわせて時間をみつけるしかないのでしょうな。
 さて,10月のサークルは,今日(13日)に終わりました。来週の予定だったのですが,来週には県教研があり,それにサークルのメンバー数人が出席せねばならなくなったからです。そんで,急に(ホンの2,3日まえに),例会を1週間早めることに決めたわけです。メーリングリストではちゃんと回したのですが,未だにネットやメールが道具になっていないメンバーもいたので十分伝わったのかどうか,ちょっと心配です。あいにくサークルの開催を知らなかった人,ごめんなさい。

■9月の例会の参加者(5名)
 M.S(NYSB)  K.H(S市M中)  M.O(N町U小)  R.S(N町U小)  R.Y(N町Y小)

今月の写真

資料の紹介

1.『アウシュヴィッツ』 B5  10ペ  M.S
 なに? ポーランドへ行ってきたって…。しかも一人で。
「なぜですか?」と聞きたくなりますね。Sさんは「アウシュヴィッツの空気を肌で感じたかったから」と答えています。小学4年生で『アンネの日記』を読んだときに初めて聞いた言葉「アウシュヴィッツ」。そこへ行ってきたのです。
 最近,戦争についてのアンテナが動くようになっていたのですが,その流れで行動したようです。
 アウシュビッツを扱った映画といえば,『ライフ・イズ・ビーティフル』『戦場のピアニスト』『シンドラーのリスト』などが有名です。それらはちゃんと見てあります。また,中谷剛著『アウシュヴィッツ博物館案内』(凱風社)という本も関空までの列車移動中に読んだようです。予備知識をしっかり身につけて,いざ,出発です。
 負の世界遺産としてのアウシュヴィッツ。
 ユダヤの民や同性愛者などを絶滅させることこそ世界平和につながるという思い。神国日本が支配してこそアジアに真の平和が来るし欧米に負けないアジアになるのだという思い。両方に共通するものは「我こそは世界の覇者に」という思いでしょう。今,アメリカが行っている「テロとの戦争」。見方によっては,「アメリカが支配する世界こそ平和な世界である」と思っているように感じるのですが…。
 日本人の案内役であるナカタニさんがおっしゃっていたという「私もどちらにもなりうる」という言葉の重さ。<時代の流れ>というのは勢いがついてしまうと個人では止められないのでしょう。だからそうなる前に,危ないと気づいた人たちの少数意見を聞かなければならないのです。たとえば,自衛隊の給油活動。20年前なら自民党でさえ言い出せなかった事が,今では国民の半数が賛成派になろうとしています。
 ナチス・ユダヤ人を扱ったものに『ぼくの神様』ってのもあります。AIのあの少年が出ているのでDVDを持っています。『コルチャック先生』も以前映写会で見ましたね。
 秋の夜長で平和を考える。平和を考えるというのは,戦争の原因を考えるということでもあります。そういえば『平和の種をまく』という今年の課題図書(高学年用)。なかなかよかったですね。そこにヒントがあるかも知れません。

2.『暑かった2007年夏のはなし』B5  4ぺ    M.S
 ポーランド旅行での番外編をまとめてきてくれました。
 まずはフィンランド航空の機内で配られていたコカコーラの缶の意匠(上の写真)。よく見ると,150ml,15cl,0.15Literと,3種類の単位で内容量が書かれています。その下の説明は,それぞれ違う国の言葉みたいですがよく分かりません。
 単位の仕組み「K(キロ),h(ヘクト),D(デカ),d(デシ),c(センチ),m(ミリ)」を教える時に使えるなあと思って持って買ってきたようです。さすがです。中身のあるのがほしいと思って同じものを注文したそうですが,プシュっとあけて渡されたとか…残念!
 あと,ホーランドはポーランド語だということとか,無表情な店員,サービスのないお店のはなし。ポーランドの歴史の一部も紹介してくれました。
 おみやげは,塩の宮殿・ヴェリチカ鉱山の絵はがきとそこで手に入れた岩塩。同行した日本人観光客が塩でできたオブジェを購入する中,岩塩の固まりを数個買うSさんの姿は,それだけで十分異様です。
 せっかくだからと自分から自己紹介して,その場を和ませたのも彼女。社交性は大切ですね。

3.『9月例会レポート』 B5  2ぺ  K.H
 夏休みに行ってきた「東日本たのしい授業フレッシュ・サマーフェスティバル」の参加記を書いてきてくれました。
 小原さん,山路さんなどの講演や講座に参加して,エネルギーをもらってきた様子が分かります。わたしは,今年はどこにも出かけなかったので,ちょっと寂しい夏休みでした。うらやましいなあ。でも,こうして,会の様子が聞けるのもサークルのよいところです。伝達講習会というか環流集会というか,そんな感じですよね。
 でもやっぱり本物の体験をしたい。

4.『ブログ的気楽レポ・9月号』 B5  10ぺ  M.O
 今回の話題も本を中心としたものです。
 夏休み中,毎日学校に出勤しなければならないのは仕方ないのですが,子どもがいる時よりもじっくりと自分のための<教師としての基礎的な勉強>をすることができます。今年の夏は,数年ぶりに「斎藤喜博」の著作集を読みました。そこで,斎藤さんの本から学んだことを書いてみました。なんと8ページにもなりました。
 教員として校長として,名人であった斎藤さんの一言一言は,けっこう心に響きます。それは「マネができるかどうか」ということを通り越して,教師として生きるスタンスみたいなものを感じるからかも知れません。今回読んだ斎藤さんの著書には全体を通して「自分たちの実践に科学的な裏付けがほしいけれども,それはまだまだ無理だ」と思っている節があります。時代が反映しているこれらの文章をもう少し分析するとおもしろいかも。「斎藤喜博研究」みたいなのは,出ているのかな?
 今月の本棚で紹介した本は,以下の6冊です。
○新澪ハルカ著『捨て犬トッティ(上・下)』(けやき出版,2006,370ぺ,1600円)
○板倉聖宣・松田勤著『電子レンジと電磁波』(仮説社,2006,138ぺ,2000円)
○板倉聖宣・田中良明著『偏光板であそぼう』(仮説社,2007,130ぺ,2000円) 
○藤岡信勝編著『教科書が教えない歴史』(産経新聞社,1996,253ぺ,1400円) 
○『DVDBOOK・NHK世界遺産100(全5巻)』(小学館,2005,60ぺ,各2940円)
○藤野紘著『日本人の美しい和のふるまい』(夢新書,2007,204ぺ,720円)
『サイエンス・シアターシリーズ』の本以外は,特にお勧めというわけではありません。趣味の世界,物好きの世界です。

5.「MY BOOK 2007年9月号」 B5  2ぺ  K.H
 次の9冊の感想を紹介してくれました。
・板倉聖宣著『仮説実験授業の考え方』(仮説社)
・佐藤多佳子著『一瞬の風になれ①~③』(講談社)
・小原茂巳著『授業を楽しむ子どもたち』(仮説社)
・広中平祐著『生きること学ぶこと』(集英社文庫)
・明橋大二著『十代からのハッピーアドバイス』(一万年堂出版)
・小原茂巳著『ボクのたのしい教師入門』(仮説社)
・板倉聖宣著『子どもの学力教師の学力』(仮説社)
・泉嗣彦著『医師がすすめるウォーキング』(集英社新書)
・たのしい授業編集委員会編『いじめ不登校と教師の仕事』(仮説社)
 夏はじっくりと栄養補給。子どもへの対応に対してしっかり予想をたて,2学期からの実践で結果を出したいものですね。

6.「学級活動指導案」 A4  2ぺ  T.M
 題材名「健やかな体」。内容は,「しっかり食べよう,運動しよう」の呼びかけです。
 展開を聞いて,すぐに出てきたのは「こんなん当たり前じゃん」という感想。子どもの立場で考えると,優等生が常識的なことを言うだけで授業が進んでいくようなパターンでした。
 そこで,もう少し大胆に,子どもたちが「えっ」と思う展開にできないか。当たり前のことを確認する授業だけれども,一段上の「当たり前」を感じることができる授業として組んでみようということになりました。
「宇宙飛行士が地球に帰還する時の写真から行けばどうか?」という意見。さて実際の授業はどうなったのでしょうか?
 あとで報告が来るはずです。よろしくお願いしますね,Mさん。

7.食べものづくり「麩のスナック」   紹介 T.M
 簡単で,バリエーションもあって,安くて…。これなら私でもできます。作る→食べる→後かたづけまで,30分もあれば十分。元本は奥園壽子さんの『ズボラ人間の料理学』という本だそうです。富山の会で習ってきたものをさっそく教えてくれました。
 麩を油で炒めるだけ。公民館には調理室もあるのでとっても便利。できたお菓子は,公民館の主事さんや勉強に来ていた女子高校生にも味見をしてもらいました。「これが,もと,麩?」とちょっぴり感動も。

 このほかにも,「理科学習指導案(理科大会用)」「学級通信・バジル」(O)などもありました。
 前書きにも書いたように,10月の例会は,すでに終わりました。今度は11月17日にお待ちしております。

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