珠洲たの通信・2007年12月号

 あけまして,おめでとうございます。
 昨年は「珠洲たのしい授業研究会・結成20周年」ということで,「何かやるか」と言っていたのですが,ま,こっちの気合いも今ひとつってことで,たんたんと過ぎていきました。でも,たんたんと過ぎていくことができるということ自体ありがたいことなのだから…と宮沢賢治的雰囲気に浸っております。
 さて,この1週間は,どうも調子が悪い。だいたい年末から調子が変だと思っていたパソコンがついにクラッシュ。デフラグをすると,いろんなファイルが消えてしまうのです。これまでに作ったレポートもいくつか消えたようだけど,どれくらい消えたのかは不明。ある程度はバックアップをとってあるけど…。ただ,メールアドレスがなくなったし,メールの一部も消えてしまった。全くやってられない。
 それで,急だったけど,パソコンを購入。OSはあえてXPのまま。ディスプレイなしで54000円也。会社は初めて聞くところ(e-machines)。スペックは以前のVAIOよりは上だけど,映像入力端子がなかったりして,今までと同じ状況にはない。ちょっと使い勝手が悪いけど,ファイルがいきなり消える状態よりはまし。これであと2年間は持たせたいが…。
 そんで,この箱物を頭脳いっぱい状態にするのにまたまた時間がかかるはずが,こちらも体調を壊してしまって,3連休のうち1日はぐっすりお休み。やっと起き出して,サークル通信が打てる状態にまで身体もパソコンも回復したというわけ。
 あ~,長い前置きが終わった。
 それにしてもあたらしいキーボードは打ちにくいなあ。

■12月の例会の参加者(6名)
 M.S(NYSB)  K.Y(NYSB) T.M(N町M小)  K.H(S市M中)  H.H(S市S小)  M.O(N町U小)

資料の紹介

1 「平成19年度 企業派遣研修の報告」 A4  4ぺ  T.M
 11月上旬から12月上旬にかけて1ヶ月間,企業研修に行っていたMさんが帰ってきました。そんで教育委員会に提出した報告書を持ってきてくれました。
 この研修に参加していちばんよかったことは,
「一生お話しすることもなかった多くの方と知り合うことができ,自分のネットワークが広がったこと」
だとMさん。一期一会のお客様,職員の方々とのふれあいが,自分の一番の財産になったようです。また,「無駄なく動くことの大切さ」も学んだといいます。利益を生み出すためには,本当につまらないムダはなくしないといけないでしょうね。
 学校で生かせることととして協働意識の強さをあげていました。「しっかり打ち合わせした分担で働くということより,さりげなく心を配ってお手伝いするという行動」が随所にみられたようです。学校現場でも,「分担,分担,分掌,分掌」とやかましいですが,それがかえって,「自分のテリトリー以外は知らない」という「仲間」意識を作ったのではマイナスですからね。
 「自分のできることを考えて,新しい発見を楽しんでやるという自分の気持ちを変えることなく精一杯やればいいんだという確認になりました」というMさん。「どちらに転んでもしめた」で生きるその生き方に,マイナスはありませんなあ。

2 「巨大空気砲」 B5  4ぺ  M.S
 11月27日,石川県全体を襲った大きな振動。私はちょうど理科の授業をしていて,突然,放送で「地震です。机の下に入りなさい」と指示があって,みんなで机の下に潜り込みました。私は気がつかなかったのですが,何人かは「揺れた」とか「窓がガタガタいっていた」とか言っていたので,地震だったんだと思ったのです。
 でも,おうちへ帰ってテレビを見ていると,どうもそうではなかったらしい。能登半島上空に戦闘機が超音速で訓練をしていて,その衝撃波で空気に振動があったというのです。
 その中身についてはよくわからなかったのですが,それについて,Sさんが「たのしい授業メーリングリスト」で発信したところ,いろいろとおもしろい反応が返ってきました。それをまとめて持ってきてくれました。
 このときの振動を「巨大空気砲」ではないかということで,盛り上がったメーリングリストだったのですが,サークルではいろいろと「?」も出されました。
○昔,和倉の花火で,あのでかいのをあげたときに,加賀屋のガラスが割れるという事故があって,それからは,遠くであげるようになったらしい。
○あの段ボールで作った空気砲ならば,確かに空気がブワーッと動いて来るような気がするが,今回の場合はあまりそんな気がしない。
○空気砲の場合は,大きな風を受けるという感じだが,今回は,外の木々は確かに揺れていなかった。なぜ木は揺れないのか??
○昔,低周波がなんとか…と聞いたことがある。
○ある建物は揺れて,ある建物は揺れないとか,場所によって,すごく揺れた場所があるとかいっていた。これは共振ではないか。
 ま,このあたりは,高校の先生にでも聞こうじゃないかということになっています。だれか,聞いてみましたか? わたしはまだ聞いていません。これを機会に聞いてみますね。でも新聞でも「詳しい理由はわからない」っていってるからなあ。

3「6年学級通信 第5号」 B5  2ぺ  H.H
 5月に4号を出してから久しぶりという,いつもどおりの彼らしい学級通信です。ということは,「出したい内容・お知らせしたい事柄」があったということが想像できるでしょう。そのとおりです。
 その内容とは,11月3日に行われたある会で奥能登地区代表としてクラスの子どもたちが発表をしていたときのこと。
 約20分の発表が終わり,最後の児童の作文に差し掛かろうとしたところで…なんと,予定では作文を読むはずの子が,突然体調を壊して座り込んでしまったのです。
 Hさんは,離れたところでビデオを撮っています。
 さて,どうしたものか…と思っていると,何事もなかったかのように,Kくんが作文を読み始めたのです。そして,予定通り挨拶をして終了。会場の人たちには,こういう交代劇があったことに気づかなかったのではないかと思います。
 「とっさの短い時間の中でよくぞ冷静に判断し,対処できたものだと思います」とHさん。まさにその通りですね。「一見なんでもないようなことのように思えますが,普通は,このような時は,固まってしまって何もできなくなるものなのです」とも言っています。
 じっくり練習して臨むのが本番かもしれませんが,いつ何時やってくるのかわからないのもやはり人生の本番です。そのときに,どうやれるのか,できるのか。それもまた,日頃の練習があってのことなのだと思います。

4 「ブログ的気楽レポ2007年12月号」 B5  8ぺ  M.O
 ん~,なかなか思ったように変換してくれないなあ。自分で作った辞書は,ちゃんとバックアップをとって新しいATOKにも教えてあげてあるのだけれども,何を優先して変換するのかは,はやり何度もやらないといけないようです。こういうクセまで新しいパソコンに引き継げると,いろいろと便利なんだけれどね。
 さて,本題です。今月のブログ的の話題は,3つ。
 まずは「うれしいおみやげ」。
 4月担任になったときから気になっている女の子から,この間,旅行に行ってきたということでおみやげをもらったという話。おみやげをもらったからうれしいわけではなくて,その女の子の気持ちがうれしかったのだということ。自分の気持ちをバッと出せない(というか,逆の雰囲気を出すことしかできない)彼女が,それでも精一杯私におみやげを買ってきてくれて,それを手渡してくれたのがうれしかったのです。
 二つ目の話題は「<生類憐みの令>が終わりました」です。
 2学期後半は,《生類憐みの令》《世界の国旗》の2本の仮説実験授業の授業書をやっていました。楽しい授業ができたという満足感はあるものの,たくさん意見を言っている子が「つまらなかった」といっているのはなぜかちょっと気になりました。これを理解できるのはもう少し後かなあ。
 3番目の話題は,いつもどおりの「今月の本棚」です。今回は以下の8冊を紹介しました。
○石井光太箸『神の棄てた裸休』(新潮社.2007,310ぺ,1500円)
○佐藤誠朗著『幕末維新の民衆世界』(岩波新書.1994,242ぺ,620円)
○M・V・プラント著『ドイツ公使の見た明治維新』(新人物往来社.1987,274ぺ,2000円)
○田中彰著『岩倉使節団-明治維新のなかの米欧』(講談社現代新書,1977,206ぺ)
○中山茂著『一戸直蔵-野におりた志の人』(リブロポート,1989,256ぺ,1400円)
○三好京三他者『写真・絵画集成 ジュニア文学館・宮沢賢治全3巻』(日本国書センター,1996年,各巻190ペ,全巻柵36000円)
 この中でもお薦めは,石井氏の『神の棄てた裸体』です。新聞の書評に取り上げられていて,どうしても気になって取り寄せて読んでみました(最近はすぐに飛びつくことはないのですが,本書のいくつかの書評が気になったのです)。思った通りというか,それ以上の内容の本で,感動というかびっくりしました。ノンフィクションとはいえ,ここまで赤裸々な物語も珍しいです。もう「小説なんてバカらしい」とさえ思ってしまいます。小説ならば,「そりゃ,まあ,スキにして…」ですが,ノンフィクションだと,「だから,オレにどうすればいいっていうんだ!」と迫ってくるようで,やるせなさだけが残ります。そんなしんどい本を読まなくてもいいのにね。でも,それが本の良さなのです,たぶん。
 中山茂著『一戸直蔵』もおもしろかったです。
 この本は,シリーズ『民間日本学者』として発行されており,これまでに42冊が出ているようです(もうでません)。でも当初の予定だともっと出すつもりだったようです。というのも,本書の裏表紙には本シリーズの予定が載っており,そこには板倉聖宣著『藤森良三』というものありましたからね。このシリーズの残りの本も読んでみたくなったけど…。
 あと,宮沢賢治関連で,「宮沢賢治略年表」も作ってみました。こういうのを一度作っておけば,あとは何かと便利でしょうから。今回作ったものは,6年生にも紹介しました。じつは,「一戸直蔵」の年表も作ったんですが忘れてきました。次回,持ってきますね。
 今回は,そのほかの本も,なかなか硬派で,結構骨のある本でした。ま,寝転がっては読めない本ということですね。その分,たくさんノーミソが刺激されました。でも,こうして,感想をまとめておかないと忘れちゃうんですがね。

5 「My BOOK 2007年12月号」 B5  2ぺ  K.H
 五十嵐一博著『数学科の授業づくり』,たの授編集委編『たのしい生活指導』,築山節著『脳が冴える15の習慣』の紹介をしてくれました。
 『脳が…』は,アマゾンでもあっという間にベストセラーになったとか。
 最近,こういうての本がはやるのは,やはり今ある脳(要するに自分の脳)をいかに有効に活用できるのかを考える人が増えたからでしょうかねえ。
 この本が教えてくれることで,脳を活性化するための習慣をいくつかお教えしましょう。
 習慣1 足・手・口を動かそう。
 習慣2 生活のどこかに「試験を受けている状態」を持とう
 習慣4 家事こそ「脳トレ」。雑用を積極的にこなそう。
 習慣13 「失敗ノート」を書こう。自分の批判者を大切にしよう。
などです。なかなかおもしろそうですね。その通りという気がします。

6 「感動した!?」 B5  4ぺ  M.S
「この子たちにはどうせ跳べないだろう」と決めきっていたとび箱。でも「どうせこの子たちには」と思っていたのは教師だけだったようです。
 先日の「はじめてのおつかい」に,ダウン症の子が出ていました。「この子にはできない」と思っていたのは何を隠そう親だった。我が子を一番信じていたはずの親だった。お使いから帰ってきた我が子を抱きかかえて,うれし涙と申し訳なさの涙で泣く母親に,その子は「お母さん,泣いちゃダメだよ」と諭していました。だれが学んでいるのだろうか,誰が成長しているのだろうか。それは障害を持った子ども達ではなく,私たち大人であり,親であり,指導者なのですよね。
 傷害があるとかないとかではなく,信じて待つことが大切なんですよね。もちろんそこには,しっかりとした教育技術も必要です。

7 ビデオ『足は何本』  約20分   T.M
 学習発表会でやった出し物「足は何本?」のビデオを持ってきてくれました。
 これは仮説実験授業《足は何本?》をやった子ども達が,さらにそれを劇にして発表しやすいように,研究会の伊藤さんが台本と効果音を用意してくれているものです。Mさんの学級は少人数なので,適当に台本を改良し,ひとり何役もしての発表だったようです。あまり準備もいらなくて,でも,見ている人にもしっかり学習してもらえる内容でした。
 今年も忘年会会場のお寿司屋さんへ行って,小部屋に入り,お酒を飲む前にテレビにつないでわいわいみんなで見ていました。
 毎年のことですが,ここのお寿司屋さんもいろいろと協力してくれます。ありがたやありがたやですね。

8 『学級通信』 B5  数ページ  M.O
 もう手元に残っていないのもあるので,どれとどれをサークルに持って行ったのか定かではありません。
 確か,話に出したのは,「接続詞作文」という方法の説明と,それで書いてみた子供達の作文を載せたもの。これは仮説社の『たのしい授業プラン・国語』に出ていた実践の追試です。
 それから,《生類憐みの令》の授業記録。
 あとは,人権週間にちなんでということで,児童会執行部で取り組んだ人権集会の流れと,そのあとの子供達の感想文。
 どれも「すぐにでもまねができるようなもの」を選んで持ってきているつもりです。私にとって学級通信は,親へのお知らせというよりも,教育実践記録のようなものですね。

 ほかにも何かあったようですが,いつもどおり,酔っていたので,あまり覚えていません。わたしの書いてきた『自問清掃を自問する』は,もう,そんなことを話している雰囲気でもなかったので提出せずにお蔵入りです。1月に持ってきますね。というか,もうすでに学校には公表しましたが…。
 そうそう,企業派遣から帰ってきた担任を迎えた子ども達の作文が秀逸でしたっけ。どうしてあんなにおもしろい作文が書けるのでしょうか。もうそれはそれは大笑いでした。Mさんには,こんど絶対にその指導法のエキスを教えてもらえると思います。楽しみにしていますよ。
 ともかく,ここまでキーボードをうってきてやっと少しなれてきました。VAIOとふつうのキーボードは矢印キーの位置が違うのでめっちゃやりにくいんです。そんなこともVAIOばかりとつきあってきた私には新発見。「そうか,学校のパソコンが使いにくかったのは,このせいか」と改めて思ったくらいですから。
 というわけで,みなさん,パソコンのクラッシュにはお気をつけください。そして,私にメルアドをもう一度教えてください。こちらから連絡できません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました