珠洲たの通信・2008年1月号

 2月上旬にはサークル通信を書くつもりだったのですが,ブログ等でお伝えしているとおり,この3連休,急に信州松本方面へ自家用車で行くことになり,さらに帰ってきてからは体調を崩してしまって職場も1日休んだりと,順風満帆な日々を過ごすことは出来ませんでした。そこで,大きく予定が狂ってしまったというわけです。で,今頃になってサークル通信を書いています。
 やっとサークルのある日には体調も戻り,なんとか2月のサークルには参加することが出来ました。これで,昨年の末から3度目の体調不良です。もっと健康管理に気をつけないと行けない歳になってきたのかなあ。いやだいやだ。

■1月の例会の参加者(4名)
 M.S(NYSB)  T.M(N町M小)  K.H(S市M中)  M.O(N町U小)

資料の紹介

1 「ブログ的気楽レポ」B5  8ぺ   M.O
 今年も「気楽レポ」形式で毎月のレポートを書いていこうと思います。ただ,テーマによって,4ページ以上になる内容のものは,別刷りにすることもあるでしょう。今回も「自問清掃」については別のレポートとしました。
 さて,気楽レポの内容です。
 一つ目は,「パソコン壊れた!」と題して,今までの自分のパソコン歴を遡ってみました。これまで使っていた2001年購入のVAIOがどうも調子が悪いので,本体だけ買い換えることにしました。OSはXPのまま。その方が使いやすいし,サクサク動くだろうからね。なんと,我が家ではめでたく10台目のパソコンとなります(娘たちに与えたのを入れると12台目)。パソコンが無くては生きられぬ生活になっております。
 二つ目の話題は,個人懇談会でのお話。1学期末の懇談会でもいろいろ本音でお話ししたお母さんとの2学期末の会話。半年でこんなに違うのかと思うほど,ゆったりとお子さんの成長について話が出来るようになりました。教師もちゃんと云うべき事は云って,しかも心を割って(胸襟を開いて)受けの姿勢で話すことが大切です。
 三つめの話題もやはりクラスのこと。ある男の子が,どうも耐性がないというか弱いのです。自分にもっと自信を持てばいいのに,どうもそうならない。ちょっとでも自分が否定されると,すぐに挫けてしまいそうになる。マイナスに考えてしまうんですよねえ。最近,そういう子をたびたび見かけるようになった気もします。もう少し打たれ強くならないと,この先社会に出ても大変ですよね。
 いじめを無くすることと同時に,いじめに負けない気力体力をつける方法も模索していかなければいけないと思うこの頃です。
 最後が今月の本棚。
○鈴木邦夫・斉藤貴男・森達也著『言論統制列島』(講談社,2005,238ぺ,1500円)
○網野義彦著『歴史を考えるヒント』(新潮選書,2001,190ぺ,1100円)
○宮本常一著『忘れられた日本人』(岩波文庫,1984,334ぺ,700円)
○管賀江留郞著『戦前の少年犯罪』(築地書館,2007,294ぺ,2100円)
○吉本佳生著『スタバではグランデを買え!』(ダイヤモンド社,2007,284ぺ,1600円)
○石本伸晃著『世の中がわかる憲法ドリル』(平凡社新書,2007,289ぺ,840円)
○平田治著『子どもが輝く「魔法の掃除」』(三五館,2005,254ぺ,1400円)
○板倉聖宣著『新科学入門(上)大きすぎて見えない地球,小さすぎて見えない原子』(仮説社,2005,203ぺ,1800円)
 以上です。今月は,いろいろと毛色も違っているし,どれもこれもおもしろい本ばかり。宮本民俗学の本については,これからも少しずつ読んでいくつもりです。
 なお,1年ぶりに盛り上がっている「宮沢賢治」については,別刷りレポートで…。

2 「目薬のなぞ」 B5  4ぺ   M.S
 3年前に出会ったマサキ(仮名)。今は彼の担任ではないけれど,6年生の彼が,3年前出来なかったことで,現在,できる様になったことってたくさんあるのではないだろうか…と振り返ってみた…するとあるわあるわ…。
 おじいさんが「マサキは一生牛乳は飲まないだろう」と言っていたそうですが,今じゃそれもクリア。食事にしろ授業時間のことにしろ,出来る様になったことだらけだそうです。
 障害児教育(特別支援教育という)の中でいつも話題になること-それは「出来なくても当たり前と思ってやっていこう」という<共通理解>。でも,その「出来なくて当たり前」が「ずっと出来なくても当たり前」となるというのは大変困ります。どの子も少しずつ成長しています,というか成長したがっています。今まで出来なかったことが出来るようになると,自分に自信がつきます。
 障害を持っている子たちの周りの大人は意外と「こいつにはどうせ無理だ」と思っていることが多いのではないでしょうか。そういう考えが,その子の成長を阻んでいることだってあるのです。
 だがしかし,ただがむしゃらに何でも「やらせよう!」「できるようにさせよう!」という態度はかえって困ります。何事も仮説・実験の基本に立ち返って,おそるおそる子どもたちに問いかけて突破していくことしかないのでしょうね。

3 「ちょっとした話 3題」 B5  5ぺ    M.S
 3つの話題を1本にまとめてきてくれました。
 一つ目の話題は,算数の引き算の指導のこと。
 足し算と違い,引き算は今まであったタイルがどっかへいっちゃうので,なかなかそのあたりのことを理解できない子がいます。これは障害児に限ったことではありません。
 例えば,「6-2」と言いながら,6このタイルからタイルを2こ取ってしまうと,最初6こあったということが分からなくなりますよね。だから,ある子にとってはとても心配になるのです。また,この式をタイルで表すこともできません。タイル6個とタイル2個をならべて「-」の記号を書いても,それでは足し算と同じような感じです。
 さて,どうするか。Sさんも,悩みながらいろいろと試みているようです。
 私の中で一般的方法は,最初の6はタイルで表し,あとの2は数字のまま。そして,タイルを2個取ると,その取ったことが分かる様に抜け殻タイルを置いておく。ま,低学年を持ったことはありませんが,こんな風に教えるのが一番いいのだろうと思います。これとて,とったタイルをどこに置くのか,そんなことまで気になったりするんですけれども,さて,低学年の先生方,どうしているんですか?
 ちなみに荒井公毅さんの『たしざんひきざんプリント集』では,両者ともタイルをおいています。
 二つ目の話題は,「人はいろいろでいいのだ~」ってなこと。年賀状を巡る話から,友達と話をしたことをまとめてきてくれました。
 三つ目の話題は,年末のサザンで見た「時代の移り変わり」。会場にはいる時,感想文用紙をもらったり,「お子様預かりコーナー」があったりと,時代の変化を感じたそうです。

4 「久しぶりの『もし原』」 A4  2ぺ    T.M
 3年前に劇化してまで取り組んだ仮説実験授業《もしも原子が見えたなら》。今,4年生担任のMさんは,よく5,6年生から「せんせー,僕ら原子の勉強しとらん」と言われていたようです(今の5,6年生も以前,Mさんが担任していた)。そこで一念発起。小規模校の良さを生かして,4年生から6年生まで全員で≪もし原≫を始めましたそうです。
 総合的な学習の時間に,まさに総合的な学習をやっているというこの姿。こういう実験的な実践を認めた管理職も大物です。子どもたちを中心に考えることで,こういう楽しい実戦が可能になるのでしょうね。
 続編を期待しています。

5 「My BOOK 2008年1月号」 B5  2ぺ   K.H
 つきに3冊くらいは読んでいきたいという新年の近いと共に,今年も本の紹介をしてくれるようです。今回紹介してくれたのは,以下の2冊。
○小原茂巳著『未来の先生たちへ』(仮説社)
○遠山啓著『数学の広場 数の生い立ち1』(ほるぷ出版)
 小原さんの本は,月刊『たのしい授業』に連載されていた大学での講義をまとめたものです。他にはガリ本でしか読めなかった文章も入っているようです。教師の卵たちに「楽しい授業のエキスを惜しみなく与える」授業を展開する小原さん。すごいなあ。
 2冊目の遠山さんの本も数学教育の「基礎・基本」が書かれているようです。こんな本を読みながら教科書を料理できる様になりたいものですね。

6 「忘年会のトピック『作文指導』について」 A4  2ぺ   M.T
 忘年会の席上,子どもたちの楽しい作文を聞かせてくれたMさん。
 そのときに,
「どうしてそんなに楽しい作文を書ける様な子どもたちになったのか,半年間の自分の指導を振り返ってまとめてきてよ」
とお願いをしておきました。その約束を果たしてくれました。ありがたやありがたや。
 ポイントだけ紹介します。先行実践は『たのしい授業』だと言います。
<作文指導のポイント>
・たのしい作文を読んで聞かせる。
・題名を書きたいことにする(行事作文には行事名を入れない)
・出来たら会話文を入れる
・ワンワンニャンニャンことばや擬態語・擬音語を入れよう

 これだけだそうです。
 う~んそうかなあ。まだありそうだけど…。
 でも,この中の「いい作文を読んで聞かせる」という部分が,ふつうの教師はよくできません。すぐに作文を書かせたくなるのです。そこをぐっと我慢していい作文を読んで聞かせているうちに「私も書いてみようかな」と思えばしめたものなのだそうですが。
 冬休みの日記からも毎日1篇ずつ読んで「おもしろかった表現」をほめあっているとか。やっぱりこういう日常的な取り組みがあって,たのしい作品が出来るんでしょうなあ。

7 「自問清掃について」 B5  8p   M.O
 本校でというより,本町でずっと前から取り組んでいる「自問清掃」。
 どうもある校長が始めたらしい。そしてある教育長が始めたらしい。そのある方々は,どうも私もすでに知っている人らしい…と,ま,ここまでわかりました。
 年末に自問清掃の提唱者と言われている竹内さんの『自問活動のすすめ』を読んでその内容を把握し,現在の本校の子どもたちのようすと比較して思ったことをまとめてみました。大変読みにくい文章になってしまって,こまったのですが…。ま,しっかりまとまるまで取っておくと,時間だけが過ぎそうなので,年末には本校の職員に配布しました。
 ネット上で調べても,「自問清掃」についてのマイナスの評価がなかなかありません。というか,「うちの学校は自問清掃をやっています」というようなものしか無くて,どうも参考になりません。今回のレポートをネットで公開することで,「自問清掃の善し悪し」がもっと広く議論されるかも知れません。し,されないかも知れない…。

8 「宮沢賢治関連本の紹介(日蓮・田中智学とエスペラント)」 B5 8p  M.O
 宮沢賢治日蓮宗,あるいは,国柱会との関わりなどが気になってしかたがないこの1年。やっと,なんとなく分かった様な気がします。
 要するに,「わしは日蓮宗の信者だ」と言っても決して一枚岩ではないのです。これって当たり前のことですよね。日蓮宗だから戦争に賛成する,日蓮宗だから戦争に反対するなんてことは言えないのです。それはキリスト教であっても浄土真宗であっても同じことでしょう。
 個人が置かれている状況・環境と,ある宗教とが出会うとき,同じ「日蓮を信じる」と言ったことろで,その思想的な現れ方はそれこそ千差万別になるのです。
 そこを考えずに「宮沢賢治は田中智学を支持していたから,もし生きていれば八紘一宇の政策にも賛成しただろう」と思う方がおかしい。そこには,時代に規定されて生きる個人の思想とのぶつかり合いが必ずあるはずです。
 ある個人を崇拝すると言っても,その人のすべてを知ってから決めるわけでもないでしょう。その人の一部分を見て「これは私がついて行くべき人だ」と判断することもあるのではないでしょうか。だからこそ,歴史的な出来事を見る時には注意が必要です。
 現在の国柱会は「宮沢賢治も田中智学を支持していた」ということを過大に評価し,一般市民に示すことで,自分たちの組織の理解を求めることに大いに利用しています。「雨ニモマケズ」が「欲しがりません勝つまでは」と一緒になって戦意高揚に利用されたことを思う時,いつの時代も,都合のよい解釈には注意せねばと思うのです。結構がんばってまとめたレポートです。難しいけど,読んでください。ネットでの読める様にしておきますね。
 松岡幹夫著『日蓮仏教の社会思想的展開-近代日本の宗教的イデオロギー』という本が,一昨年来のいろんな疑問を解いてくれました。難しい本だったけど,読んでいて楽しかったです。6300円も払った甲斐があったよ。

9 「めっちゃかんたんストローロケット」 紹介    T.M
 直径の違うストローを2本(8mmと6mm)使ってつくる超簡単な,ストローロケットを作ってみました。
 細工は,太い方のストローの先っぽから空気が漏れないように折り曲げるかティッシュを詰めるかするだけ。これで,4mくらいは軽く飛ぶロケットが出来ます。高学年だと<的当て>をするといいでしょう。サークルでは,逆さまにしたペットボトルに当てて倒してみました。おもしろかったです。
 簡単で,すぐに遊べるというものづくりって魅力的ですねえ。
 ストローロケットには,他にもいろいろとバージョンがあるそうです。

 他にも,「大笑いするエルモ人形」(紹介:S),「尋常国語読本巻10・久田船長」(紹介:O),「学級通信」(O)などがありました。
 人形の笑い方は尋常ではなかったです。どんな動きをするのか詳しく知りたい人はYouTubeでも見てください。載っています。
 『国語読本』は尋常です。(^^)

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