珠洲たの通信・2007年11月号

2007年度

 今日12月8日は,太平洋戦争開始日。日本時間では午前1時30分,ハワイ時間では12月7日の午前6時のことでした。せっかくそういう記念日にこれを書いているので,ネットにあった「宣戦の詔書」の現代文訳を引用してみましょう。

 天の助けを持ち、万世一系の天皇の位につく大日本帝国天皇は、まさに忠誠で勇武なるあなた方国民に示す。
 私はここに、米国および英国に対して戦争を布告する。陸海軍の将兵は全力をふるって交戦に従事し、官僚は職務を全うし、国民はそれぞれの本分を果たし、全ての国民が心を一つにし、国家の総力を挙げて戦争におもむく目的を達成するために、手落ちのないように心がけてほしい。
 そもそも、東アジアの安定を確保し、これによって世界の平和に寄与することは、おおいに輝かしい皇祖考(=明治天皇)、それを立派に受け継いだ皇考(=大正天皇)が述べられたことであり、私もそれを心に留めてきたところである。多くの国と親しく交際し、あらゆる国とともに共栄を図ることは、帝国が常に国交の重要な意義としているところである。今や、不幸にして米英両国と戦いを始めるのが避けられなくなっている。これは私が望むものではない。先に、中華民国政府は、帝国の真意を理解せず、無用に事をあらだてて東アジアの平和を撹乱し、ついに帝国と戦争を行うに至り、すでに4年を経過した。幸いなことに国民政府がこの状態を更新しようとしており、帝国はこちらと国交を結び互いに提携するようになったが、重慶に残存する政権は、米英の庇護を頼り、自国内で争うことを止めようとしない。米英両国は、残存政権を支援し、東アジアの騒乱を助長し、平和の美名の下に東洋制覇の高望みを強くしている。さらに、同盟国を誘い帝国の周辺に軍備を増強して我が国に挑戦し、帝国の平和的通商にあらゆる妨害を与え、ついに経済断交を行い、帝国の生存に重大な脅威を加えている。私は政府に、平和のうちに回復させようとし、じっと我慢をしていたが、かの国はほんの少しも互いに譲り合う気持ちがなく、無用に時局の解決を引き延ばして、その間にさらに経済上軍事上の脅威を増大し、我が国を屈服させようとしている。このようにして、東アジアの安定に関する帝国の長年の努力はことごとく水泡に帰し、帝国の存続がまさに非常に危険な状態に瀕している。このような事になり、帝国は自存自衛のため、勢いよくたちあがり、一切の障害を破砕するほかにない。
 天皇歴代の祖先の御霊が我々にはついている。私は、あなた方国民の忠誠さ勇武さを信頼し、祖先の遺業を成し遂げ、速やかに災いの元を除き去り、東アジアの永遠の平和を確立し、これによって、帝国の栄光を保全することを望む。

http://www.shgshmz.gn.to/shgmax/public_html/news/war_declare.html

 やはり,古今東西,戦争というものは「東アジアの平和」のため仕方なく」やるもんなのですね。もちろん,それは,天皇によると大日本帝国の「自存自衛のため」なのです。まさに戦前の軍隊も「自衛」隊のつもりだったんですね。
 さて,11月の例会は,久しぶりの2人でした。これでサークルになるのかわかりませんが…。その代わりと言っては何ですが,メールに添付されて送られてきたレポートの特別参加がありました。
 さて,12月の例会の後は忘年会を予定しています。予約の関係もありますので,忘年会に参加する方は,Oまで連絡してください(既に連絡済みの方は結構です)。ま,当日いきなり参加でも大したことはないんですがね…。

■11月の例会の参加者(2名+α)
 M.S(NYSB)  M.O(N町U小)   M.T(東京よりレポート参加)

資料の紹介

1 『デシに追われて…』 B5  4ペ  M.T
 前々回のサークルで,ポーランドへの機内で手に入れた「センチリットル(cl)」という単位が書かれているコカ・コーラ缶の話がSさんからありました。それを「世の中まとめて好奇心」というボクのブログに乗せた所,それを見た東京在住のTさんが,単位に関するレポートをまとめて送ってきてくれました。こんな時にメールは便利ですね。
 内容は,たとえばm(メートル)の場合,「フィンランドでは,㎞(キロ),hm(ヘクト),dam(デカ),dm(デシ),cm(センチ),mm(ミリ)の全ての接頭語を教えている」というのです。日本では,この中の,キロ,センチ,ミリしか,教えていません。かさの勉強では,なぜかdl(デシリットル)がでてきたりするし,ha(ヘクタール)やhpa(ヘクトパスカル)なんてのもあるのですが…。どうも一貫して教えていないんですよね。フィンランドの教育がしっかりしていることがこれだけでも分かります。レポートにはフィンランドの教科書のコピーがあって,単位換算用のものさしも出ていました。
 そんな話をクラスの子どもたちにした数日後,ある子が,珍しい30センチものさしを持ってきました。なんと,20㎝の所に「2dm」と書かれているのです。それは,この子のお母さんがひいおばあちゃんからもらったものらしいです。
 それで,Tさんは,以前の教科書を探してみました。
 すると『尋常小學算術書 第四學年兒童用』(昭和2年)に「ヘクトリットル」や「デシメートル」が載っているということを発見。
 デシに追われていろいろと調べてみました。調べれば調べるほど,「全ての単位を教えた方が分かりやすいのに…」と思ってしまいました。昔は教科書に載っていた「デシメートル」や「ヘクトリットル」が今は教科書から消えてしまったのはなぜなんでしょうね。
とTさんは問いかけます。なぜ教えられなくなったのか? いつ頃から教えられなくなったのか? 文部省の学習指導要領の一番古いものを読むと分かるかなあ。それとももっともっと前なのかも知れませんね。あとで調べてみます。

2 『つれづれ…』 B5  4ぺ  M.S
 右の写真(省略)のような木のオモチャを持ってきてくれました。カメさんを前に進めると,上に乗った甲羅の部分の木の球がくるくる回ります。かわいく…です。下の足の部分の球と上の甲羅部分の球が接しているために起きることです。Sさんのはポーランド土産ですが,右の写真はネット上で「ドイツのおもちゃ」として載っていました。最初にこれを考えたのは誰なのでしょうかね。
 さて,このレポートには,Sさんの近況が述べられています。「落語・スローガン・ものさし・SHOAH」という柱で書かれています。

3 『ブログ的気楽レポ・2007年11月号』 B5  5ぺ  M.O
 今月の話題は「仮説実験授業」「県教研参加報告」,そしていつもの「今月の本棚」です。
 仮説実験授業で取り上げたのは,《生類憐みの令》《世界の国旗》です。いずれも「社会の科学」の授業書です。≪生類≫は討論が大変盛り上がって,1時間に1問か2問しか進めないほど。≪国旗≫の方は,それなりに色塗りをしながら,これまた楽しく進めてきました(いずれももう終了しました)。
 《世界の国旗》用の掲示物(例えば本ページタイトルの写真)をつくろうと思って,久しぶりに無料の「世界地図・日本地図」を検索した所,便利なHPを見つけたので紹介しました。珠洲たのブログに紹介しておきましたので,興味のある人は一度ご覧あれ。
 今月の本棚には,以下の本の感想を書いてきました。
○中田哲也著『フード・マイレージ』(日本評論社,2007,226ぺ,1800円)
○アジア太平洋資料センター編『徹底解剖 100円ショップ』(コモンズ,2004)
○小野俊太郎著『モスラの精神史』(講談社現代新書,2007,275ペ)
○守屋慶子・高橋通子著『先生ってなにする人?』(金子書房,2007,326ぺ,2800円)
 今回の本は,どれもお薦めできます。新しいことがいっぱいつまっていますよ。きっと読んだあとで,世の中の見方が変わるでしょう。これホントです。

4 「2007年度 地震の授業プラン・記録と資料収集先」B5 6ぺ   M.O
 今年の「大地のつくり」は,地元の教材化も取り入れて単元を組んでみました。地域の教材化の部分は,掲示用の模造紙で説明しました。文章化してきたのは,地震の部分の授業プランです。この2時間目を今年の理科大会での公開授業としました。おもしろかったです。
 今回これをまとめたのは,自分の記録のためと,もちろん,これから地震の授業をしようと思っている人のために参考になればと思ってのことです。なんせ,ネットから情報を集めるだけでも,数十時間は使っていますからね。こんなのをまとめておけば,次に調べる人は少しは時間の短縮になると思います。このレポートはHPにアップしておきました。

追伸:この記事が『理科教室』編集者の目にとまり,結局,同誌に掲載して貰うことになりました。

5 学級通信『バジル』 15号分 B5 50ぺ  M.O
 各号のテーマは,次の通り。
「地層見学に行ってきました」「理科大会本番」「能登半島地震から7ヶ月」「震度の大きい所は,どんな場所?」「理科大会の授業」「神目神社の奉納額の授業」「授業参観・学年懇談会」「なるべく漢字を使おう!」「体調の不調を訴える子どもたち」「どこでもミュージアムを観て」「本物にふれ,本物から学ぶ」「<生類憐みの令>とは何だったのか?」「バカだから保護する必要がある?」「ペットを飼うのは<自由の制限>なのか?」「人間も<生類>の一部なのだろうか?」
 「神目神社奉納額」の授業プラン&記録はHPにアップしましたので興味のある人はご覧下さい。

 このほか,「門前にワニがいた」(紹介:O)がありました。また,この日に配布したわけではありませんが,「珠洲たの通信・10月号」といっしょに,県教研に持っていったレポート「『フード・マイレージ』でみる日本の食」(O)もあげておきます。

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