ヒストリアクラブの1年

特別活動など

U小学校(当時) 尾形正宏

 うちの小学校のクラブ活動は教師がクラブを立ち上げ,児童の希望をとって人数を調整して行っています(年間10時間くらい)。
 過去3年間,パソコンクラブ(パソコン室が空いていたのでもったいない),科学クラブ(いろいろなものづくりネタ),漢字クラブ(漢字カルタや漢字の宝島)など,毎年,違う内容をしてきました。
 それで,今年はどんなクラブにしようかなあ…と思っていたのですが,黒曜石の原石も手に入ったことなので,「ヒストリアクラブ」としました。そう,歴史上の出来事の中から,いろいろと体験しようというわけです。あのNHK番組「歴史秘話ヒストリア」から採ったのは言うまでもありません。
 だいたい,こういうわけのわからないクラブに入ってくる子は,「おがちゃんがやるから何かおもしろいに違いない」「今までやっていなかったことをやらせてくれるのだろう」と予想してくるわけです。第1希望で8名の子が来てくれました。
 第1回目は,クラブ長を決めたあと,どんなクラブなのかを紹介し,「やってみたいこと」をクラブ員たちに聞いてみました。すると,火おこし,土器づくり,戦国時代ごっこなどという希望が出てきました。Rなんて,ずっと「戦いごっこ」と言い張っていたのがおもしろい。

第1幕 火おこし体験

 一応,クラブの時間のたびに,やり方などをまとめたプリントを用意しました。「火おこし体験」では「火おこしの種類」と「まいぎり式のやり方」の用紙を用意しました。プリント製作の際に引用したのは「Firefoxをコン太と学ぼう!」というサイトです。ありがとうございます(右の画像はその一部)。まいぎり式の火おこし器のセットは,サークル仲間がいくつか持っていますので,そちらからお借りしました。
 たまたま本校に来ていたALTも一緒になってたのしく火おこし体験ができました。

第2幕 黒曜石で矢じり(のようなもの)を作る

 黒曜石を割って矢じりのようなものを作る体験をしました。準備したプリントは「黒曜石の世界」というサイトから引用・編集しました(右の画像はその一部)。
 黒曜石の原石は,ネットから手に入れようと思えば,簡単に手に入りますが,このときには仕上げに使う「鹿の角」が手に入りませんでしたので,黒曜石は荒削りの状態でした。それでも,鋭い切れ味で紙や段ボールが切れるので,子どもたちは充分満足していました。

第3幕 静かに座って 写経に挑戦!

 第3幕として「書経」に挑戦してみました。
 部屋にはお香を焚いて(お香がなかったので理科室にあった線香にした。クラブの部屋は理科室なんです),自分で墨をすり(普通の書写の授業では墨汁を使っているので墨の刷り方を知らない子がいてビックリ),短めの文章(延命十句観音経やどっかの寺の生活信条,これはネットにあった)を写してもらいました。
 できた作品は「家に持って帰りたい」って言っていました。満足だったんでしょう。
「お母さんもやっていたのを見たことがある」とか「おばあちゃんの家へ行くと朝からお経をあげている」なんて話題も出てきて楽しかったです。
 今回は「黒羽山・大雄寺」というサイトの写経の説明を参考にプリントを作成しました(右の画像はその一部)。

第4幕 水墨画に挑戦(たぶん)

 実は,第4幕の記録がありません。そこで何をやったのか覚えていないのですが,おそらく,「水墨画体験」をしたと思います。わたしは6年担任のときにも社会科の時間に「水墨画体験」をしたことがあるので,そのやり方は概ね分かっているからです。
 簡単な原図を見つけて模写をすると,それなりの作品ができあがります。また,山水画が簡単だと思います。
 今では,YouTubeでも小学生でもできる描き方の動画があるので,それを見せるのもいいでしょう。 

第5幕 自分の「紋」を作ってみよう

 まずは宇出津町の奇祭「あばれ祭」の時によく見ている宇出津町の各町内の紋を紹介して,動機付け。宇出津の子は「祭りが一番」ですのでね。
 少しだけ加賀藩や徳川家紋,水戸黄門の話をしてから,各町内の一覧表を見せてあげました(下記2枚目のプリント)。
 「梅木」の紋は,加賀百万石前田家の紋とそっくりです。
 「本町」の「丸に二引」という紋は,能登国の戦国大名であった畠山家の紋と同じです。
 あなたは,自分の家の紋を知っていますか?
 今日は,自分独自の紋を作ってみましょう。
 というわけで,○の中にお気に入りの紋を描いてもらいました。残念ながら,写真はなし。

第6幕 チャンバラごっこ

 みんなでチャンバラごっこをやりました。水道管の凍結防止用のウレタン?を買ってきて約60㎝ほどに切り分け,それを刀にします。
 わたしは一クラス分のチャンバラを持っています。今までも,同学年の体育の準備運動に使ったりしていたからです。しかし,今回の学年を越えた戦いはおもしろかったです。4年,5年は男子4名,6年生は女子ばかり4名のクラブ。子どもたちの希望どおり男子対女子で戦いました。ま,圧倒的に女子が優勢でしたが(^o^)
 クラブ活動での位置づけですが,まず最初に「長篠の合戦」や「百万石まつり」などの写真を紹介して「家紋」というものを教え「自分の紋」を作ってもらいます(第5幕参照)。そのあとで,その紋を担いで足軽として戦う…というわけです。でも,今回は,紋を担ぐのはやめました。〈幟をどんなふうに止めているのか〉分からなかったし,うまくいかなかったからです。
 次回,百万石まつりを見たときには,どうやってあの幟が止まっているのかシッカリ観察したいです。だれか,ご存じの方はいませんか?

第7幕 昔の教科書を読んでみよう

 宇出津小学校の物置には,戦前の教科書がたくさん保存されていました。おそらく町の人から寄付していただいたのだと思います。
 今回はこの教科書を読んでみることに挑戦したいと思います。
■国語の教科書
 昭和13年(1938年発行)の『尋常小学国語読本(第11巻)』です。これは今の5年生用だと思います。その「第二十四課 月の世界」を読んでみましょう。
■算術の教科書
 『尋常小學校算術第5學年上』(昭和14年発行)の中の「色々ナ問題」を解いてみましょう。使われている言葉や漢字などにも注意しましょう。

第8幕 「大仏」の大きさを体感しよう(2時間)

 奈良の大仏の顔と右手づくりに挑戦しました。といっても,今日は,その下地となる新聞紙を貼り合わせただけで時間が来ました。
 5年生4名(全員男子)には右手を,6年生4名(全員女子)には顔を作ってもらいます。
 以前,担任をしていたころ,子どもたちと一緒に運動場で奈良の大仏の実物大を書いたことがあります。今回は,クラブ活動の一環として取り入れてみました。

 本格的に大仏を描くのは次回となります。
 1日目の仕事はひたすら新聞紙を貼り合わせるだけなのに,子どもたちは,
「ええ~,こんなに大きいの~」
といいながら貼り合わせていました。

 2日目,インフルエンザで2名が欠席,顔のほうは間に合いそうにないので,みんなで手をかきました。大仏の手のひらに載って写真を一枚。
 これで「ヒストリアクラブ」は終わりです。

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