珠洲市内の小中学校の校歌には,「長浜」という言葉が入っている歌があります。この長浜というのは,『能登名跡志』に
鵜島三ヶにて家三百軒あり。村の長さ二十町余あり。この辺より三崎までを長浜の浦というて塩多く焼く所なり。風景類い無し。
惣じて此の松波より三崎まで十里(四十キロメートル)の間を長浜の浦とて,布浦・高麗の端より雲津の鉢崎(はちがさき)と云(いう)まで,村々一目に見ゆる也。秀景まことに名所なり。八景あり。
『能登の揚浜塩田』より孫引き,130ぺ
とあるように,概ね,旧内浦町の布浦~珠洲市の三崎町の砂浜の海岸線を指しているようです。
中世~江戸時代,そして昭和の初め頃までは,この砂浜で揚げ浜式製塩が盛んに行われてました。
この頁のタイトル写真は,その長浜を一望したものです。
珠洲市立正院小学校 校歌
作詞:密田良二 作曲:供田武嘉津
一 白砂の磯辺に立てば しずかなる 海原遠く 朝日さす 越の山なみ
ああ強く 明るきわれら 珠洲の正院 わが小学校
二 松風の長浜さして 波とどろ ひまなくよする 月かげに 匂う白玉
ああ清く やさしきわれら 珠洲の正院 わが小学校
三 見渡せば 黄金のみのり 八丁の 広野をめぐる 美しき 能登の島山
ああやまず つとめんわれら 珠洲の正院 わが小学校
珠洲市立みさき小学校 校歌
作詞・作曲:川崎順
一 松は緑に砂白く その名もゆかし長浜に
越山望む学び舎は 珠洲の象徴ぞわが母校
二 われ等この地に生いたちて 高き理想を授けられ
われ等不滅の伝統に たゆまぬ心学びたり
三 愛と希望のこの庭に 明るく強く温かく
やがての世紀国担う 珠洲のほまれぞわが母校
旧珠洲市立宝立中学校 校歌
作詞:川口久雄 作曲:内田美代民
一 桜咲く校舎を越えて 晴れ初むる雪の立山
清らなる曙の色 新しき光を求め あやまたぬ理性に生きむ
二 青潮の見付の島よ 風薫れ漁の舟に
わたつみの幸限りなし たくましき身体きたえて 天かくる気魄ふるわむ
三 長浜の浦照る月よ 見事なる稲穂の垂りに
吼木なる鐘も響くか 故郷の歴史を訪ね 眼をは世界に向けむ
四 珠洲岬の潮は騒げど ゆるぎせぬ黒峰の山
自立せよ宝立の友 世のために学にいそしみ 創造の道を拓かむ
旧珠洲市立宝立中学校 応援歌「海上はるか」…現宝立小中学校でも活用中
一 海上はるか立山の 雄しき姿仰ぎつつ
長浜の辺に吾立てば 気高き望み胸をうつ
二 月影うつす見附島 宝立山の春がすみ
あゝ清らなる故郷の ゆかしき伝え思うかな
三 まことに生きる若人の 見よ団結の旗印
進むゆく手の朝ぼらけ 母校をになう友よたて
珠洲市立緑丘中学校 校歌
作詞:大沢衛 作曲:中村外治
一 南より北より遥か 灘はこび寄り合う潮も
長浜の浦に凪入る 美しきかな 珠洲のこの海
二 天平とともに栄し 港舟坂充つ甍
眼下に今も賑わう 友垣の緑なる丘
三 さし招く手の形せし 半島のふところを出て
清らかに豊かに注ぐ ふるさとの川光あれ
四 渡り来し海辺の森に 羽やすめまた海目指す
渡り鳥の誠と知恵を 身につけてわれらも行かん
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