珠洲たの通信・1999年6月号

1999年度

 ようやく雨が降ったかと思ったら,広島などではすごく大きい被害が出てしまいました。自然の力はすごいと,改めて思いました。
 さて,今月はいつもより早い「サークル通信」の発行です。
 というのも,みなさんと同様,これから2週間くらいは学期末で忙しく,とてもゆっくりと「通信」を書いたり「レポート」を書いたりする暇が無いようなきがするからです。ボクの学校の個人面談は,なんと15,16日です。それまでに,まだいくつも仕事があるので,早めにこっちの仕事を終えておこうという魂胆だというわけです。
 さて,先日,「ダイオキシン」のことと木炭作りの時に出る「燃える気体」について分からないことが出てきたので,ニフティーサーブの「理科の部屋」の電子会議室へ,初めて質問を出しました。すると2つとも2日後には回答が寄せられており,疑問は解決。参考図書まで教えていただきました。詳しいことは次回のサークルでレポートをしてきますが,このニフティーの電子会議室の便利さは,インターネットとは,また違った<よさ>があります。こうして,パソコンの前に座っていながらも,いろいろな人に質問したり会話をしたり出来る生活は,やっぱりすごいです。3年前には考えられなかった生活ですからね。

■6月の参加者(4名)
M.S(珠洲市I小)  M.O(珠洲市H小)  R.I(鹿西町R中)  H.H(珠洲市T小)

資料の紹介

1.『今月の本棚シリーズ・6月号』   4p  M.O
 前回のサークルからだいぶん日があったので,たくさん読みました。実はこのほかにも図書館から借りて読んだ絵本とかもありますが,それは省略です。
 こうしてみると,科学教育関係(と仮説関係),歴史を見直す本,川柳・都々逸・狂歌,そして夏の旅行に備えての本,ということになるでしょうか。色々な本を読んでいるようで,結局,いま自分が興味ある事へ行っているんですね。
 買ったときには興味があったのに,ちょっと読まずに置いておくと読む気がしなくなる本もたくさんあります。それだけボクは本に対しては移り気なのですね(あくまで本に対してだけですよ)。
●山本正著『タンポポの研究』(国土社,1980)
●板倉聖宣編『新総合読本4 自然界の発明発見物語』(仮説社,1999)
●清水龍郎著『高校生におくるたのしい学び方考え方』(仮説社,1999)
●番組制作スタッフ編『たけしの万物創世記』(幻冬舎,1998)
●樋口清之著『日本の風俗の謎』(大和書房,1984)
●山藤章二他選『平成サラリーマン川柳傑作選(2匹目)』(講談社,1992)
●中道風迅洞編『現代どどいつ叢書第三集 風のあしあと』(自費出版,1999)
●相田みつを著『いちずに一本道いちずに一ツ事』(角川文庫,1998)
●北川幸子著『プラハの春は鯉の味』(日本貿易振興会,1997)

2.『量率グラフを書こう』   10ぺ   M.O
 仮説実験授業研究会では「グラフに描く」ということをとても大切にしている人がいます。『たのしい授業』誌上でも,必ずと言っていいほどユニークなグラフとその見方が紹介されています(ちなみに6月号は「東京の公立小中学校の教員の年齢構成」のグラフでした)。
 そんな中でも,ボクが「これは便利だ」と思うのが「片対数グラフ」「量率グラフ」です。
 今回は「量率グラフ」を簡単に書いてくれるソフトを手に入れる方法と,その使い方を紹介しました。このソフトは,和歌山サークルの尾崎さんという方がVBで作られたものです。手に入れる方法は,「たのしい授業in和歌山」のホームページからダウンロードできます(無料です)。
 このソフトを使えば,パソコンできれいなグラフがかけるので,OHPのシートも手軽に作れます。

3.学級通信『続・気球№13,14』  7ぺ  M.O
 №13は「アクロスティック」の作品紹介です。何気なく,余った時間に教えたのですが,なぜかとてつもなく好きになった子どもたちがいて,自由勉強帳にどんどん書いてくる子が数人います。クラス全員や家族全員などテーマを決めてやってくる子がいて,楽しんで読んでいます。
 また№14は授業書《燃焼》の最後の感想文集です。「またたのしいのでやりたいと思います」なんて言われても,今は,教科書を進めています。ん~,現実は厳しい。

4.『あたらしい学校に変わっての2ヶ月の私』   3ぺ  R.I
 今年,新しい中学校に異動となったIさん。この2ヶ月間の感想が綴られています。余裕のある朝の生活をおくる中学生。Iさんも落ち着いて生徒の顔を見ていられるとか。
 中学1年では授業書《光と虫めがね》から出発。とてもいい評価をもらったそうです。「今まで,自分でもよく分からずにやっていた研究問題1の意味が3日目の授業でやっと分かったんだけど,今回それを意識して授業することが出来ました」とIさん。その結果「テストも50点満点で46点となかなかでした。評価も③が一人で後は④以上と最高」だったそうです。
 中学2年生には《生物と細胞》です。この授業でも,80%の生徒さんが「評価4」以上をつけているので成功です。一人だけ1を付けた子がいて,しかも「理科は嫌いな教科である」と言われて気になっているようですが,焦らず少しずつこの子がどう変わるか変わらないか見ていきたいものです。
「あわてない,あわてない。一休み,一休み」と一休さんの気分でいきましょう。

5.科学の授業通信『RIKAだより』   8ぺ   R.I
 1枚は1年生の《光と虫めがね》の授業の感想文集。もう1枚は2年生の《生物と細胞》の感想文集です。
 1年生から2人紹介(いずれも抜粋です)
・ぼくは,とちゅうでねむくなる科目だけど実験とかがたのしくてねむる間もなかった。
・友達の意見は,私の考えていないことやするどい所をついていました。友達の意見が参考になり,とってもよかったです。自分の意見を発表するのが楽しかったです。

 続いて2年生から(これも抜粋です)
・私はライトスコープを使った実験がとても楽しかった。それと,プリントでしていくと自分で予想をたててから正解が分かるので,すっごくよく頭に残るし,いいと思いました。
とまあ,こんな感じの感想で,生徒さん達も本当に楽しく授業を受けていたことが分かります。
 中学校では,教科書を無視することはできません。受験もあります。しかし,仮説は受験にプラスにこそなれマイナスになったという情報は聞いたことがありません。<もし原>や<重さの原理>をしっかり身につけた子たちは,ものを見る眼が違います。何よりも「たのしい勉強がある」ことを知ったということは強いです。

6.『5年国語科指導の流れ』  8ぺ  H.H
 これはすごいことを始めました。
 自分の為だと言いながらも,国語の授業の指導案を記録していこうという壮大な計画。今までも,ノートにメモったことはあるそうだが,ちゃんとワープロ打ちして記録に残そうと言うことらしいです。組合の書記次長兼学教研の幹事という立場にありながら,さらにこういう事をやろうというのですから恐れ入ります。是非是非,ボクにも分かるように書いて欲しいなあ。
 今月は,1『から』,2『おれはかまきり』,3『ヤドカリ探検隊』,4『詩の世界』の指導略案と『言葉の組み立て』用のプリントを持ってきてくれました。

7.『計算プリント』   7枚      紹介 M.S
 小松のサークルのメンバーにもらったというなぞの「計算プリント」です。問題は暗算でできる簡単な四則計算です。タイムを競うのですが,このプリントののいいところは横に答えがついていること。自分で答え合わせができます。
 Sさんの3年生のクラスの子どもたちは喜んでやっているそうです。知らない間に力が付く?かな。百マス計算よりは,面白そうですよ。
 この問題の出典は,知りません。分かったら教えてね。

 このほか,たのしいハンコ,新居原作『算数書・1あたり量とかけ算』(ワープロ打ち原稿:S),板倉論文『講座:力学の歴史物語(2)慣性の法則と地動説と原子論』,伊能忠敬の万歩計,板倉聖宣監修『調べてみようわたしたちの食べもの(全10巻)』〔小峰書店,1999〕(紹介:O)がありました。

珠洲たの通信・写真編

 「マンガスタンプ台帳」と題したこの帳面(左の写真)には,数百種類stamp2以上のスタンプの見本がおさめられています。内容は「下手な駄洒落とそれにあった絵柄」「四字熟語」「妖怪」「家紋の数々」などです。一つ500円です(小さいのはもう少し安いハズ)。学校の先生の中には,最近なら,よくディズニーやキティーちゃんのハンコを押している人もいるようです。が,この「マンガスタンプ」は,<決してうまいとは言えない絵柄に,寒~い駄洒落を配した,とてつもなくたのしいハンコ>です。あまり流行りすぎると,先駆者効果が無くなるのですが,いいものは少しずつ広めましょう。子どもたちは「今日はどんなハンコだろう」とノートを見るのが楽しみな様子です。
「私も欲しい」という人は,メールを下さい。こっそり,会社の住所を教えてあげます。なんてウソ。ここに住所を書いておきます。
「田丸印房・京極店」 〒604-8042 京都市中京区新京極通錦角 
です。京都へ行ったら寄ってみよう!!

さて,続いては本の紹介です。
板倉聖宣氏が監修した食べ物の本-『調べてみようわたしたちの食べもの』(小峰書店)です。全10冊です。
内容は,
米・小麦・じゃがいも・キャベツとはくさい・みかんとりんご・メロン・だいず・牛乳と肉・たまご・魚
となっています。カバーのはしがきで板倉さんは次のように書いています。
おいしい食べ物の話は,写真を眺めたり話を聞いたりするだけでも楽しいものです。食べ物の話題はつきませんが,私としては,とくに子どもたちの素朴な疑問を大事にしてたのしく読めるように配慮したつもりです。そして,食べ物を通して広く社会についての見方,考え方も身につくようにと,応援してきたつもりです。

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