珠洲たの通信・1999年10月号(7月含)

 大変に遅れてしまいまして,申し訳ございません。
 10月の例会後,週末がとても忙しくて,じっくりと通信を書いている余裕がありませんでした。そこで,11月の例会の予定も電子メールでの連絡となり,メールを持っていない人には申し訳ないことをしました。
 11月13日~14日の金沢でのサイエンスシアターでは,本番が近くなるについてエンジンがかかりました。その割にはうまくできたと思います。このサイエンスシアターは日常的な研究会があってこその楽しさというものがあり,スタッフとして関わることで,参加者以上に楽しんでしまいます。今回も,いろいろな発見があったし,いろいろな本も買いました。交通費・本代などで10万円近くもの身銭を削ってしまうのも研究の楽しさからです。
 と,ここまでは,本当にリアルタイムで書いていたのですが,これからの部分は,何と2000年の1月7日に書いています。今日はサークル通信の12月号も発行してしまったので,やっと時間ができて昨年のものをまとめようと思っている次第です。毎月,欠かさず仕事をこなしていくのが,一番難しいことかも知れませんね。そんなわけで,ここでは,10月と7月のサークルで出された資料の紹介をしたいと思います。もしかしたらまだ抜けているかも知れませんが‥もし何か気付いたら教えて下さいね。

10月の例会

■10月の参加者(4名)
M.S(珠洲市I小)  M.O(珠洲市H小)  T.M(内浦町O中)  K.H(珠洲市H中)

資料の紹介

1.『今月の本棚シリーズ・10月号』   4p  M.O
 今月も色々な分野の本を読むことができました。板倉さんの『教育が生まれ変わるために』は,現在の行き詰まった教育界の未来を明るく照らし出してくれます。永六輔さんの本は刑務所での講演を集めたもので,ちょっと変わっていて面白いです。今回の骨有り本は『原子力の社会史』です。内容もあり中身も充実していて,これから何度か開くことがあると思われるしっかりした歴史本です。
●板倉聖宣著『教育が生まれ変わるために』(仮説社,1999,290ぺ,2000円)
●新島洋・清水直子編著『闘う首長-自立する地方自治体とは』(教育資料出版会,1999,230ぺ,1700円)
●小林卓二著『静電気のふしぎ』(さ・え・ら書房,1987,63ぺ,1100円)
●ウォルター・ウィック著『視覚ミステリーえほん』(あすなろ書房,1999,40ぺ,1800円)
●ウォルター・ウィック著『ひとしずくの水』(あすなろ書房,1998,35ぺ,2000円)
●へれん・ばなーまん作・絵『ちびくろさんぼのおはなし』(径書房,1999,62ぺ,1000円)
●永六輔著『悪党諸君』(青林工藝舎,1999,227ぺ,新書判,800円)
●名和秀雄著『虫のいい噺』(中央法規,1995,180ぺ,1600円)
●吉岡斉著『原子力の社会史-その日本的展開』(朝日選書,1999,320ぺ,1500円)

2.『授業書《2倍3倍の世界》の一場面から』   3ぺ  M.O
 小6で実施した,仮説実験授業の授業書《2倍3倍の世界》での授業の一こまです。
 幾つかの問題をやった後で「面積2乗の法則」を見つけてもらう質問があります。その質問の解答を幾つかのパターンに分けてみました。そのパターンとは「自信がないけど」「出てきた例だけ挙げる」「一般化(他の例を持ち出す)」「一般化(数式などで一般化する)」です。
 こうして子供達の考えを分類したりすると面白いです。

3.学級通信『CHALLENGE』№17   2ぺ  K.H
 食欲の秋,実りの秋。内容は行事予定などですが,10月10日にちなんで「目は心の窓」なんていうコラムもあったりして,中学生向けにしてはとても優しい通信となっています。Hさんのを見て,「最近,こんな通信を書かなくなったなあ」とちょっと反省しました。

4.『「エコログ」は使えます』   8ぺ  M.O
 珠洲の理科分科会にも配付した資料です。
 中村理科の「エコログ」というセンサーの紹介です。一つ4万円もしますが,それだけの価値のあるセンサーです。
 ボクはこのセンサーを,この夏,スイスまで持っていきました。8月11日の日食の日(スイスは皆既ではなかった)に,宿にセットして「気温と光」の関係を調べました。詳しくは,珠洲たのホームページの「レポート綴」を見て下さい。

7月の例会

以下は,7月の例会でのレポートです。暫く見つからなかったので,探していたのですが,この前発見したので遅ればせながら,紹介します。7月の例会の参加者は,S・N・H・Oの4人です。

5.『今月の本棚シリーズ・7月号』  4p  M.O
 『ビールと…』の本をなぜか2册持っていますので,興味のある人にプレゼントします。
●有田和正著『21世紀の学力・学習技能』(明治図書,1999)
●板倉聖宣責任編『電気となかよくなろう・前編 静電気の世界』(板倉研究室,1998)
●網野善彦著『中世的世界とは何だろうか』(朝日選書555,1996)
●大野晋著『日本語練習帳』(岩波新書,1999)
●千野栄一著『ビールと古本のプラハ』(白水社,1997)
●広田照幸著『日本人のしつけは衰退したか』(講談社現代新書,1999)
●下山 弘著『「江戸川柳」男たちの泣き笑い』(プレジデント社,1994)
 『日本語練習帳』は,今,ベストセラーになっています。

6.『ニフティーサーブの電子会議室について』   6ぺ  M.O
 ボクは2年前,新しいパソコンを購入するなり,まず最初にニフティーサーブに加入しました。日本海ネット(インターネット)はそのころはまだオンラインで加入できなかったので,少しでも早く「電子メールの世界」を楽しみたかったからです。で,それからずっとニフティーサーブとインターネットとを両立させてきました。
 このニフティーサーブの電子会議室というのは,いわば,あるテーマ毎に分かれて行う井戸端会議のようなものです。ボクは,これまで他の人が書き込んだ文章を読むだけの人でしたが,あることを知りたかったので,「理科の部屋」で発言(質問)をしてみました。すると,それを読んだ人たちが大変丁寧に教えて下さるので,この電子会議室のありがたみがやっとわかったというのをレポートしました。
 ニフティーのいろんなフォーラムの電子会議室は,インターネットとは又違った楽しみ方があり,特にいろいろと疑問を持っている人は使い勝手がとてもいいです。会費もわずかなので,入ってみてはどうですか?

7.『水泳指導について』   1ぺ  Y.N
 5年生の体育で取り組んだ水泳の指導での様子です。
 NHKの「ためしてガッテン」に出ていた「エレブレ」という方法を実際に取り入れてみたところ,結構泳げるようになったという報告でした。
ただ,子どもにはクロールができることが素晴らしいという意識ではなく,「命を守るための水泳」「形はどうでも長く浮いていられる」ということを教えていきたい。そのためにも『エレブレ』は有効な方法であると考える。
と,まとめています。その通りだよね。学校はスイミングスクールじゃないんだから。

8.学級通信『とれいん20プラス1』№5,№7   16p  M.S
 №5は,『ネパールの水がめ』という授業の記録です。
 赤十字?から貸してもらった「水がめ」を実際に教室に持ち込んで,水瓶の重さを体験しながら,「ネパールの子供達がおかれている状況」「赤十字の役目」を学ぶという授業です。
 一方,№7の方は『地雷ってなに?』という授業です。
 この授業も,赤十字から借りた「地雷の見本」「義足の見本」を持ち込んだそうです。大人だって受けたいですね,こんな授業なら。
 授業の進め方は,
・義足と松葉杖を見てどんな人が使うのかを考える-なぜ,足が悪くなったりしたのかを考える-地雷の模型を見る-地雷についての話を聞く
です。授業の後,読書タイムで『地雷でなく花をください』を読んであげたそうです。
 これらいずれの授業も,ともすれば「遥か遠くでの出来事」と思ってしまいがちな内容です。しかし,実物や模型を持ち込んでの授業を組むことで,珠洲の子供も少しは身近に考えたのではないかと思います(実際,そういう感想が多かったです)。
「心をものであらわす」(西川先生の言葉)ということの大切さを再確認しました。

 このほか,7月には「忘れられないご馳走」の授業用プリントと子供の感想文(O),板倉聖宣「打撃力のなぞ-力学の歴史講座③」(紹介:O),有田和正「歴史はだんごと串ざし」(紹介:O)がありました。また,10月には板倉聖宣「私にとって科学教育とは」『理科教室/1999年10月号』(紹介:O)がありました。

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