珠洲たの通信・2022年9月号

2022年度

 10月に入ってわりとゆったり過ごしているわたしです。「珠洲たのHP」の更新状況を見れば,それが分かりますよね。
 旧HPにあった1994年以来の「サークル通信」をすべて再編集し,新サイトに移動し終えました。(えらい!編集をしながら「そうか,こんなレポートもあったなあ」「このときのレポートも読んでみたいなあ」と浸ったり。だからなかなか作業が進まなかったです。で,ネット上では匿名(イニシャル)で書いたはずの「お名前」が本名なのを発見!「これじゃ,誰が珠洲たのに来ているのか,みんな分かるわけだ…」なんて反省したり…。今後も,ネット上では,本名や顔は分からないように編集しているつもりですので「珠洲たの通信」のチェックをお願いしますね。
 あと旧サイトのままなのは,わたしの趣味の分野と「能登大会の記録」などです。「能登大会」については,あのHPのレイアウトそのものが想い出なので,あのままにしておきますね。スマホなどだとちょっと見にくいけど。
 Facebookにも書きましたが,珠洲たのHP上に「珠洲たの倉庫(会員限定)」というページを作りました。ここには,いろいろな授業ですぐ使えるデータを貯めていこうと思います。不特定多数に拡散しては困るデータや印刷原稿などをみなさんと共有することで,授業の準備が少しでもスムーズに進めばいいと思っています。授業用の印刷用データや使えるPowerPointなど,まだまだたくさんあるので,欲しいものがあったら,これまでどおりとりあえずMessengerでつぶやいて下さい。ただし授業書などは自分で購入して下さることが大前提です。コピーに頼るのは,緊急の場合だと思って下さい。無料のDropboxには限りがあります(2GB)ので,1年程でこの倉庫に移動しておきます。

例会の参加者(5名)  N.T  W.T  S.M  H.K  O.M

今月の写真

今月の本棚

仮説社で販売

今月の資料の紹介

1.「Restart」 B5 1ぺ   N.T
全国大会は残念ながらキャンセルとなりましたが,刈谷フェスティバルやオンライン講座などたのしいことがたくさんでした。
とNさんは夏休みを振り返ります。
 刈谷では,前日入りしての観光も存分に楽しんだようです。サークルメンバーで,一台の車で出かけたので,車中もワイワイとたのしく時間を過ごしたそうです。上の写真は,その道中の車外の写真です。たのしそうですね。
 Nさんは《おもりのはたらき》《自由電子が見えたなら》《背骨のある動物たち》の授業書体験講座に参加したそうです。どの講座もおもしろく,学ぶところがいっぱいあったそうです。
 まあ,久しぶりの売り場に興奮して,「金に糸目をつけず」に欲しいと思ったら買ってしまったそうです。1年に一回あるかないかの機会を逃したら,絶対に後悔しますからね。わたしの経験上,「買わなければよかった」と思ったことは一度もありません。特に新しい授業書をやろうとするときには,「あれがあるからやってみよう」ってなりますから。仮説実験授業研究会の研究は,一から勉強する必要はありません。だれかの作った授業書を、誰かの作った授業ノートを,誰かの作った演示物・実験方法を学ぶことで,素敵な授業ができます。もちろん,何か付け足したかったらオリジナルをはめ込んでもいい。
 そんな余裕のある実践を続けていると,いつのまにか教科書の授業も,ある程度子どもの口に合うように料理できる力も付いてくると,わたしは思っています。
 川崎では講座担当者として参加しました。担当した授業書は《空気と水》。これまでNさんが何度もやってきた授業書で,北海道の西尾さんと一緒に進めたそうです(おお~,N・Nコンビだ。N2だから窒素分子コンビか(^^;) 今回も講座を担当することで,他の方からのアドバイスを頂いて実験の見せ方などを試行錯誤することで,自分のこれからの授業にも大いに参考になったようです。
 なおこのあたりのことについて,講座を主催した神奈川の横山裕子さんは,次のように書いています。

■スタッフの連携も大進化で,画面の外のアシスタントやカメラマンの活躍が,スムーズな進行を作り出しました。中には,メイン講師は北海道から,実験講師は石川県からという,オンラインならではの講座も出現。(156p)

■そして,この若者たちの成長がすごかったです。Zoom画面の使い方はもちろんのこと,授業書の理解のしかたや実験技術をどんどん自分のものにしていきました。講師たちは1時間の制約の中で何を伝えるのか,伝えたいのかをあきらかにしながら,問題や説明をシャープに絞り込んでいきました。

月刊『たのしい授業・2022年9月号』(仮説社)

画面越しとはいえ,100人以上の前で講座ができたことも自信になりました。
とNさん。またまた顔が広がりましたね。
 レポート後半は,2学期最初の取り組みのこと。始業式直前の登校日に《もしも原子が見えたなら》をはじめたそうです。ときどき管理職がのぞきに来る中での授業で,やりにくいだろうなと同情します。が,子どもと保護者が味方にいれば,なんてことはありません。子どもたちの自学ノートや休み時間にも分子に絡んだものが現れていたりして,ウラヤマシイ限りです。
 これからも夏休みに仕入れたたのしい話題を,どんどんどんどん,目立たないように,でも少しずつ広まるように…やっていきたい,というNさんでした。
 「行動を反省をさせておいてからのバランストンボづくり」には笑いました。叱るのは短く,たのしさは長く…です。

2.「サークル資料」 A4 2ぺ   W.T
刈谷に行ったりzoomで川崎の講座に参加したりと色々できた夏休みでした。色々動くことでも充電できたかなあという感じです。
と,Wさん。「動くことで充電できる」という言葉が,とても印象的で素敵だなと思いました。一般的には,動き続けて体はクタクタだから,体を動かさないで家で休むことで充電するというところでしょうか。それなのに,Wさんは逆のことをやっているのです。体を使って遠くまで出かける。しかもその内容は映画を見たり,酒を飲んだりするのではなく,本業の授業と直結していることを学んでいる。これで「充電できた」という気持ちになれるというのは,教員としての本望だと思います。わたしも,その時々に興味のある本を読みまくり,分子模型を作りまくり,研究物に目を通りまくり…という夏休みを過ごすことで,2学期からのエネルギーを得ていたなと思います。
 さて,そんな2学期が始まり,Wさんはさっそくサークルメンバーの「いい実践」を模倣し始めています。ひとつは朝の連続小説『ルドルフとイッパイアッテナ』(Nさんがやっていること),もうひとつは「交換日記」(Sさんがやっていること)です。始めて2週間。子どもたちとの距離がちょっぴり近くなったかなと感じているそうです。
 また,刈谷で教えて貰った授業プラン〈日本の食料自給率〉もやってみたそうです。子どもたちの感想も紹介してくれました。いくつか転記しておきます。
▼日本の食糧自給率がもっと多いと思ったけどほとんどが外国から輸入されていたのでビックリしました。R
▼分かりやすくまとめられていて,問題でたのしく勉強することができました。K
▼プリントだからあきなかったし,わかりやすかったです。また,プリントで学習したいです。K

 素敵な感想がたくさんありました。「分かりやすくまとめられていて…」なんて,なんて上から目線! 子どもたちはいいものはわかるんですね。わたしたち教師は,こういう子どもの感覚を大切にして,教材を選んでいきたいものです。
 最後の話題は,マンホール。直接授業に関係ないようでいて,実は教材として有効な話題だと思いました。
 Wさんは,最近,マンホールのデザインにはまっているそうです。そんで,出かけるたびに,マンホールを見つけては写真を撮っているのです。特に,「ご当地マンホール」というものは,その土地の特徴が絵柄の中にあるので,なかなか興味深いです。日本の都道府県や石川県の市町村の話題を授業するときにも,マンホールクイズをするといいなと思いました。
 実際,上のような写真を見ながら,わたしたちもどこのマンホールかを当てたりしていました。おもしろかったです。
 そうそう,写真を撮るときには,ちゃんと自分の足の一部も入れるのがいいそうです。ちゃんと行ってきたよという証拠になるとか。確かに,きれいなマンホールの写真なら,ネットを見ればいっぱい出てきますからね。

3.「喃々レポ・2022年9月号」 A5 12ぺ   O.M
 最初の話題は網野善彦氏(1928-2004)と彼の著書についてです。M小学校職員室で,網野氏の名前が出てきた際に「以前我々のサークルでも網野さんを話題にしていた」という話も出てきたということで,その頃の読書記録などをまとめてきました。サークルの記録を見ると1996年~2008年まで網野さんが話題に出ていました。ずいぶん長い期間です。これについては「網野善彦氏の著書を読む」にまとめました。
 また,網野さんの講演会を聞きに行ったときに見た「逆さ日本地図」(上の写真)が家にあったので,みなさんにお分けしようと持ってきました。私はもう使いませんから。わたしは毎年教室の黒板の上に貼っていました。
 二つ目の話題は「倍数めがねとエラトステネスの篩」についてです。これも,メンバーからの話題提供からわたしが自分の実践と今時の情報を集めてみたものです。これについては,体験コーナーに詳しく書いたので,そちらをご覧下さい。
 3つめと4つめは本の話題です。今月紹介した3冊は,いずれもとても影響を受けた本です。
○峯岸昌弘著『たのしい鉄棒運動への道』(ガリ本)
○佐無田光他著『きみのまちに未来はあるか?ー「根っこ」からの地域をつくる』(岩波ジュニア新書)
○木村功著『不思議な日本語段駄羅ー言葉を変身させる楽しさ』(踏青社)
 いずれもお薦めです。だから紹介したんですが(^^;)
 峯岸さんの本は器械運動についてというよりも,もっと広い〈授業論〉として読むことができますし,そのような視点で読まないととてももったいない本です。
 教師は〈子どもが○○をできることだけ〉を目指していてはいけない。「なんとなくできそう」「できるかもしれない」くらいで次に進む。その姿勢が教師にも子どもたちにも余裕を与えることになるのではないか。そして,結果として〈できる〉への近道になるのではないか,そんなことを感じました。
 また,段駄羅については,サークル後に,こんな作品も届きました。
英王室 和解無しかと(若いな,しかと)考えよ
台風の 大型過ぎて(尾形過ぎて) 学校寂し

 2つめは,ちょっと惜しい。「おおがた」と「おがた」はルールからやや外れ。またできたら交流しましょう。
 なお,段駄羅についても珠洲たのHPにページを作成しています。

今月の体験コーナー 

「倍数めがね」と「エラトステネスの篩」   紹介  O.M
 みなさんから話題を頂いたことをきっかけに,パソコンの中のファイルを探してみました。そして,PowerPointやExcelのデータなどを見つけました。
 今回は,実際に数種類の数字カードを使って「倍数めがね」を作ってみました。どの数字カードを使うかによって,倍数の並び方が変わってきます。倍数の並び方は,そのまま公倍数のイメージづくりにもなります。倍数めがねは,単に倍数を見つけるだけではなく,その波及効果を考えることも大切です。かといって,切り抜くのに時間がかかり過ぎるのではこれまた困ります。ビンゴカード(写真)は,捨てがたい工夫です。そんな意味で落とし所をどこに置くのかですね。最初にしっかり作っておけば,今後の練習問題のつまずきはなくなります。
 体験者の感想を書いておきます。
▼10までと6までのもので比較できたことがおもしろかったです。/自分でも少し調べてやってみて、面白いなあとか子どもたちはこれしながらどんなこと考えるのかなあとか思いを馳せることができました。/子どもたちともやってみて感想をもらおうと思います。(W)
▼自分で法則を見つけ出す楽しさがありました。倍数を見つけていく過程が面白かったです。数字の不思議さ面白さに触れられる体験活動だと思いました。子どもたちと一緒にやろうと思います。倍数メガネのデータ化にも挑戦してみます。(N)

なにやら,飛ぶオモチャの紹介もありました。小さなドローンは,今風で,まあまあ分かるのですが,回転しながらLEDを光らせて飛ぶオモチャにはビックリしました。こんなものが数千円で買えるんですね。欲しくなります。障子戸のある部屋ではできませんが。

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