珠洲たの通信・2022年5月号

2022年度

 ご無沙汰しております。お元気でしょうか。
 つい先日,樫田準一郎先生が亡くなりました。享年91歳でした。樫田先生との思い出は,一言ではとても伝えられません。先生にどれだけ感謝していることか。そして,ある意味,責任を感じていることか…。人様から「お前の思い過ごしだ」「先生は,ご自分で判断されたのだ」と言われようと,わたしの中では,そんな思いなのです。葬儀には(変更できない)用事があって出れないので,お通夜には会場内で参列させてもらいました。親族でもないのに…です。塚本真如僧侶の読経の間,わたしはずっと遺影を見て,いろんなことを思い出していました。遺影の中の先生は,右手でピースをして笑っていました。
細やかな人情を取り戻し,豊かな自然を守り抜いて,21世紀の珠洲市を担って立つ子供たちに譲り渡して行くことが,私達大人に課せられた使命であろうと考えています。(1993年珠洲市長選時の「リーフレット」より)
 わたしの思いは,次回のサークルで紹介したいと思います。今日はこれくらいで本論に移ります。

例会の参加者(5名)

S.Mi  S.Ma  N.T  W.T  O.M 

今月の写真

今月の資料の紹介

1.「忙しい」 A4 1ぺ  N.T
 今年度,異動になったNさん。「4月を駆け抜けて,5月も走り続けています」だって。この短い言葉で,彼の置かれている現状が伝わってきます。
 しかし忙しい中にも「やりがい」はちゃんとあると言います。
 若い先生が多くて協力的な職員に囲まれ,初めての研究主任もどうにか自分なりの「やりがい」を求めて進めているようです。
・せっかくするのなら少しでも自分や周りのためになることをしたいと思います。
・できないことはできないと伝えて,周りに助けてもらいながらやっていこうと思います。

 これらの言葉は,ストレスをためないで仕事を続けるための大切なPointを語っているなと思います。下手に力を入れないで,でもこの機会を前向きに捉えて…。
 では,なぜ「忙しい」と感じるのか。ひとつには,いろんな形でいろんな所から降りてくる研修です。とくに教員○年目の研修を重荷に感じているようです。ここ数年,オンラインでの受講が可能であることを経験してしまった若者たちは,研修の内容によっては「なんでたったこれだけのために一日かけて金沢へ行ってこないといけないの」と疑問に思うわけです。今回はその講座の内容を聞いて納得。主催者の県教委は「服務違反」の話をしたかったようです。講師の話よりも「○年目の若者たちに,ちゃんと服務に関する話をしたぞ」という事実が欲しかったんです。わたしは「なぜ現職教員がよく不祥事を起こすのか」と「なぜ教員採用試験の競争率が上がらないのか」の原因は,同源だと思っているんですがね。みなさん,どう思いますか?
・忙しいですが,子どもたちとたのしく!を忘れないようにしたいと思います。
とNさん。子どもたちとたのしくできる時間があるからこそ,この忙しい現場でなんとか生きていけるんだと思います。子どもたちから力をもらって乗り切ってください。またサークルに参加することでも,僅かでもその力を与えることができるといいなと思います。
 パソコンを使ったいろんな教材も見せてくれました。わたしはほとんど忘れてしまったので…紹介できません。下の写真を見て,その一部を思い出せました。
 5年生理科で「天気の変化」という単元があります。そのとき,観測地点を決め,雲の移動を時間毎に調べて記録するという,実にくだらない内容の勉強があります。これを実際にやるとなると,数分おきに窓から見える雲を記録するということになるのですが,雲が形を変えながら動いていることなんて,20分間ほど寝転がって,ぼっ~と空を見ていれば分かることですよ。
 ま,とにかく,その学習を一度でやってくれるのが,パソコン(やスマホ)のタイムプラスの機能です。機械が一定時間でシャッターを切って写真を撮ってくれるので,それを連続再生すると,雲の移動も形の変化も一目瞭然です。こういう便利な機能を使えば,教科書なんてすぐに終わりますね。

 サークル2次会の喫茶店では,大きなアリの模型を見せてくれました(写真はページ下)。模型の下の10円玉と比較すると,その大きさが一目瞭然。このようなグッズを集めてしまうのも「仮説研究者あるある」ですよね。でも,この模型を見せたときの子どもたちの驚く顔や歓声を思い浮かべると,少々の出費には代えられないんです。

2.「楽しさは求めつつ。時間と格闘?」 B5 2ぺ S.Mi
 最近の学校は,運動会が早いですねえ。新学年になれないうちにやっちゃうと言うか,新しい児童会を盛り上げるためにやるというか…。○○小はもう終わったそうです。これでじっくり勉強できる。指導主事訪問に向けて,ですかね(^^;)  久しぶりの6年生。今年度,これから何度この言葉を聞くことになるのかな(^^;)
 まずは算数の話題。「算数のことは,達人に聞け!」という姿勢で,自分で単元の指導法を考える前に算数の達人高橋さん(福井県)に連絡をとってみたそうです。この姿勢,「無駄なことには時間を使わない」「人のふんどしを大いに使う」というのは,とても大切なことだと思います。
 教科書単元の授業を考えるとき,例えば今回の「対象な図形」にしても「文字と式」にしても,軽い単元だから(授業書をやるための時間を確保するために)早くできるようにして終わらせる方法を考えるのか,子どもにとっては大切な〈概念〉との出会いだから,授業書はなくてもじっくり教材研究をして教えるのか,最初に指導者としての立ち位置を決めた方がいいと思います。そうしないと,どれもこれもさっさと済ませる方法だけになって,問題は解けるけれども意味は分かっていない…というこれまでの算数優等生の世界に連れ込みそうで…。
 上述したようなことは,高橋さんが書かれたレポート「6年生算数教科書トリセツ作成の試み」にも詳しく説明されています。このレポートに書かれていることこそ,教科書の進めるときには一番大切なことだろうと思います。
 Sさんは,次単元「分数のかけ算・わり算」の指導方法でも迷っているようです。それは,「かけわり図」を通して量の乗除の意味をしっかりとらえさせてから分数に入るのかどうか,という迷いでしょう。分数乗除の計算ができればいいのなら,さっさと済ませることもできますが…。さて,実際にはどうしたのかな。6年生の算数は余裕があるので,大切な〈概念〉は授業プランを使ってしっかり教える時間はあると思います。
 あと,型分計算ドリルを実践中。朝の算数タイムの時間にやっているそうですが,こういうのは毎時間・毎日やるのがいいでしょうね。ぜひ,算数の授業時間を使ってやってみてほしいな。スキルタイムは,あくまで「不必要なタイム」でしかない。スキルタイムのない学校ではSさんの方法は利用できないですよね。だからだれでも真似できる方法でお願いしたい! スキルタイムなんてぶっ飛ばせ! じゃあスキルタイムで何をするの?と言われたら,専用のノートを一冊用意して算数教科書のまとめの問題でもやらせておけばどうかな。3学期,これらの問題をやる時間がなかったら「もうやってあるよね」と言えるし。わたしは最後に新居先生の《正負の数》をやったよ~。
 「漢字マッキーノ」の進め方や使った後の用紙の保存の仕方の話も出てきました。こんなことって,教えてもらわないと,わりと難しいんですよね。
 各教科の授業がなかなか進まないという話。これって「6年生あるある」ですよ。6年生は学校の中心としてはたらくことが多く,最近のように縦割りを中心に活動している学校では,事前に学級で個に応じた指導が必要ですからね。学級での事前指導→縦割り班活動→学級での事後指導,という流れには,それなりの時間がかかります。ましてや年度当初に運動会があったんだから,教科書単元が進まないのは無理もありません。全然心配要らないね。
 そんな中,我慢できずに始めたのが仮説実験授業《もしも原子が見えたなら》です。理科は担当していないので,総合的な学習の時間を使って行っているそうです。1時間目の最初は「先生は,何を始めるのだ?」という雰囲気だったらしいですが,〈すべてのもの〉に〈原子カード〉を貼る頃には活き活きしていたようです。やっぱり子どもには,本物の授業を見分ける力があるってことです。
 そうそう,算数の余った時間などに子どもたちにやってもらっている『面積迷路』(ムック,2018)というのを教えてくれました。小学校の算数を知っていれば解ける問題ばかりですが,大人でも頭を悩ませる問題があるようです。大人の時間つぶしにもなりそうなので,ボケ防止に1冊購入しようかな(結局メルカリで新版を購入してしまった)。

3.「喃々レポ・2022年5月号」 A5 8ぺ  O.M
 今月は,自宅の竹藪の整理中に見つけた植物の話題と,5月上旬に行ってきた立山旅行の話題の二つ。
 まずは,竹藪でのこと。自分家の竹藪に入るのは今年が始めて。正式な場所・範囲も,相続の手続きの際に頂いた登記の図面を見て判断しているくらいですからね。サークル後も,数回竹藪整理に行ってきたのですが,体力以上の作業を続けたために2日間ほど熱を出して寝込んでしまいました。体力がないんだよねえ,全く。
 さて,竹藪で見つけた植物がこのまま持続する(生育していく)ためには,ある程度の「暗さ=太陽光をさえぎる」ことが必要です。なのに,気合いを入れて竹を整理すると光が入りすぎになるんです。これは困った。ある一定の場所だけ,暗さが残るように考えて伐採をしていかんとね。そろそろヤブ蚊も出る頃だし,あとは秋かな。
 立山では「雪の大谷」を見に行くのが旅行の主目的だったのに,途中で立ち寄った「立山資料館」の影響で,俄然「立山信仰」について興味が出てきました。そこでレポートも,その内容が多くなりました。三霊山の一つである立山には,天国と地獄が共存しています。それは,立山の地理的・地質的・地学的な成り立ちによるものでもあることも,よく分かります。室堂付近にある地獄谷という名前の谷は,今でも有毒な火山ガスを出し続けていますし,落差日本一(350m)の称名(しようみよう)滝は,それだけで神々しく感じます。天狗平と呼ばれる,山が崩れてできた高原には「餓鬼の田圃」という場所があり,言葉を聞いただけで,飢えのイメージがつきまといます。
 この立山信仰を曼荼羅で表したものが多数残っているのが,立山の麓にある地区・芦峅寺(あしくらじ)です。いやー,興味は尽きません。
 Sさんは,立山少年自然の家へ子どもを引率して行ったときに,この芦峅寺あたりもぐるっと散策したそうです。遠くて近い県・富山県にある立山。ぜひ,もう一度,訪れてみたい観光地です。
 今回も旅行へ行く前に,ちゃんと『ブラタモリ』を見ていきました。最近,旅行の前には,録画してあるブラタモリを見るのがわたしのroutineになっています。今回は,#88「立山」,#87「黒部の奇跡」,#86「黒部ダム」を見ました。いまは,8月に訪れる予定の伊豆方面の番組を見ています。
 そうそうこのサークルのあと,NHKBSで新日本風土記「立山・地獄・極楽めぐり」の再放送をしていました。なんという偶然でしょう。この番組もじっくり観て,またまた興味が深まった感じです。

 ほかには『2022年度版~SDGs未来都市で学ぶ~里山自然観察・体験』用資料(O)の第1次案をまとめてきました。わたしの所属するNPOの仕事です。市の観光課などと絡みながら作成しています。だいぶん形になってきました。次回は7月上旬までに,部分的な改訂をして持っていくことになっています。さてどうなることやら。

今月の体験コーナー

授業書案《ものとその所有》第3部   紹介 O.M
 今月の授業書体験は《ものとその所有・第3部》でした。「国家と領土」について考えてもらいました。それぞれの国家が主張する領土が,どのような経過を辿ってその国のものになったのかってことですね。わたしは,日本に関する部分では小笠原諸島の歴史が興味深かったです。外国の話ではフィリピンやアラスカのことかな。
 現在進行形である領土問題を考えるのは生々しすぎて,頭がカッカして冷静さを失ってしまいがちです。こんなときこそ,授業書で基本的な考え方を学んでおくのは,とても大切なことだなと思いました。

「コロコロストーン」というおもちゃ  紹介 S.Mi(写真は本ページ下)
 ゆるく凹んだ円盤の中央に穴が一つ空いています。その円盤には4カ所の持ち手があり,円盤を持った4人が,それぞれ自分のビー玉を円盤の中に投入します。そして自分のビー玉が円盤の穴から落ちないように,釣り合いを取るというおもちゃです。
 このおもちゃは直接手をつながないけれども,一緒に持つことで相手の動きに影響されますので,初対面の相手とでもできそうなゲームです。

喫茶店で第2部
 今月の第2部参加者は少人数でしたが,わりと具体的な単元の話が出ました。そこでわたしは帰宅してから,これまでのフォルダの中を漁って以前書いた指導案を見つけ出し『珠洲たのサイト』に掲載することにしました。何回も使い回した指導案もあります。
 なお指導案を考えるときは,まず先行実践などの文献にあたることが大切です。

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