珠洲たの通信・2022年4月号

2022年度

 今月号のサークル通信から,新しいレイアウトで編集していきます。もしかしたら,タイトルだけ華々しくて,中身はあまり変化なし…という風にもなりかねませんが,さて,どうなることやら。
 これまでの「珠洲たのしい授業の会通信」は,第1号以来ずっと同じような雰囲気のレイアウトでした。B4版二つ折り(4ページ)にもこだわって編集してきました(時折,6~8ページになったときもある)。ただ,ここ最近のネットやクラウドの普及によって,この「通信」を印刷する必要性をほとんど感じなくなってきました。学級通信でさえもカラーの時代。時がデジタルの方向へ流れていくのだから,その時代に合わせてもいいですよね。印刷したい人は,自分で印刷してください(編集はA4です)。そんなわけで,今まで通信の印刷用に使っていた「EpsonA3版白黒プリンター」も手放しました(先月,生協に持っていってもらった)。

例会の参加者(7名)

 H.K  K.M  S.Mi  S.Ma  N.T  W.T  O.M 

今月の資料の紹介

1.「異動」 A4 2ぺ   N.T
 初任以来,5年間勤めていたT小学校を異動となり,M小学校へと転勤したNさん。さっそく,担任した子どもたちと仮説実験授業を楽しんでいるようです。
 さて,レポートの話題は離任式から始まります。離任式の挨拶では,子どもたちの前で「不思議紐のおもちゃ」を示し,「人の縁はどこで繋がっているかわからない」という話をしたそうです。
 不思議紐というのは,円筒形の筒に6つの穴が開いていて,それぞれの穴からは紐が出ていて輪っかかなんかをつないであるものです(下の写真)。この6カ所のうち一つの紐だけ長くぶら下がっている(写真の場合は下の真ん中の紐が長い)のですが,ほかの5カ所のどこを引っ張っても,ぶら下がっている輪っかがあがってくるという仕組みです。なぜそうなるのかは,ここには書きません。どうしてもタネを知りたい人は『ものづくりハンドブック3』(仮説社)に「ひっこみ思案」と題して掲載されていますので,ご覧下さい。謎解き用のオモチャがあるハズなので,次回のサークルに持ってきますね。
 さてその離任式では,保護者をして「息子はこの1年でずいぶん成長しました。先生のおかげです」と言ってくれた,その息子さん(Sくん)がとても別れを惜しんでいたということです。素敵な出会いと素敵な別れですね。
 さて,新しい勤務地では5年生11人の担任となりました。新任式では,レインボーストリーマーでご挨拶。教室では,「ホロスペックフィルム付の名刺」「曲がるスプーン」をプレゼント。新しい学校では,何をやってても興味を持ってくれるのが新鮮だったそうです。ただし,その分,気をつけてやらないとね…(^^;)
 出会いの授業は予想実験授業プラン〈見れども見えず〉を。〈目的意識的な実践・実験を行う〉という基本的な考え方に触れてもらいました。仮説あるあるの「間違えたくない」「難しい」という反応から,とてもたのしそうな反応へと少しずつ変化する様子も見られたようです。
 その後,本格的な授業書として《空気と水》と出会った子どもたち。どの子も大変楽しんでいるようすが伝わってきます。以下,授業書終了後の感想より。

・理科は好きじゃなかったけれど,5年生の理科はとてもたのしいです。(男子)
・ぼくは理科が苦手だったけど,少し好きになったと思います。特に楽しかったのはスポイトリレーです。勉強しながら楽しめるのがスゴイと思いました(男子)
・当てた数は少なかったけど,なんだか答えがワクワクしていつも楽しみにしていました。またもっともっとやりたいです。おかげで理科も好きになれました。(女子)

 いやー,授業書って本当にいいものですね。
 最後の話題は,研究主任になってのこと。やらされている感が強いとストレスも貯まりますので,ぜひ,積極的に自分を出せる場をつくって欲しいな。

2.「科学の見方を身につけよう」 A4 3ぺ  K.M
 級外になったKさん。3年~5年の理科や2年~5年の図工などを担当したそうです(ほかにも体育,社会,書写)。
 Kさんは,今年度,組合の大きな役を引き受けていて,自由にできる時間もあまりない中,気合いを入れて資料を書いてきてくれました。ありがたいですねえ。
 やっぱり出会いの理科の授業は仮説実験授業の授業書,そしてプラン。3年生とは,実験結果がはっきり分かる《空気と水》をチョイス。4年と5年は西本さん同様〈見れども見れず〉で予想を立てることの大切さに気づいてもらうことに。
 Kさんの出会いの授業の工夫として,これらの授業書の前に,「ガリレオ・ガリレイの研究例を出しながら,〈科学的に考えるとはどういうことか〉を言葉で教えようとしたことがあります。子どもに説明したこの話自体は,とても工夫されていて,「なるほどなあ。よく調べたなあ。」と思いました。振り子や斜面から自由落下に繋がる話も,それはそれで面白いです。でも,やっぱり,一つや二つの実験を見せながら,強引に話を持っていっている感じがして,わたしは教師側の押しつけを感じました。
 やっぱり,仮説実験授業をやっていく中で
「本当のことは多数決で決まらない」
「実際にやってみることが大事なんだ」
「僕たちは科学者の追体験をしている」
「オレの考えたことは科学者が考えたことと同じじゃないか」
ということが分かっていくのだと思います。子どもによっては,それをうまく言葉にできないかも知れませんが,どっか心の芯にストンと落ちていくことが大切なんだと思います。
 はじめて授業書を体験する子どもたちの中には,当然,間違うことを極端に恐れる子,発表できない子,テレビで見たと言い張る子,簡単な問題だよと馬鹿にする子,など,いろんな子どもたちがいます。これは,これまでの教育(正解することだけがよいとする評価)の成果なので,仕方ありません。これらの子どもたちの現実を姿を前提としながら,科学的な考え方・科学的な姿勢を身につけていけるように持っていきたいです。そのために仮説実験授業があるのだと思います。
 いかに教科書の授業を早く終え,授業書の時間を確保することができるのか。わたしの教科書研究はこれが一番重要でした。〈見れども見えず〉の授業のあとで,
「科学的な見方」ということがわかった。結果が出るまでは,決めつけてはいけないとわかった。
という子どもの感想があったそうです。でも,やっぱりときどき決めつけてしまう。それが子どもなんですよね。

3.「実は20年ぶり(笑)」 B5 4ぺ  S.M
 最近,低学年ばかり担当していたSさん。今年は6年担任となりました。20年ぶりのことだそうです。こりゃ,1年間,教材研究のし甲斐がありますねえ。6年生に関する教材はもう若者たちにプレゼントしたモノも多く,今になって慌てているそうです。
 さて,そんなSさんの学級通信。これまでの命令形(「走れ!」「跳べ!」)とは違って,なんとも普通の題名です。その名も「○○○○」―なんと温かな響きなんだ。大丈夫か!とちょっと心配にもなります。Sさんは学級通信の題名について,初日に配布した通信(裏面の保護者向けの文章)に次のように書いています。
6年生のみんなが「こもれび」のような存在で,松波小学校を包み込んでいく1年になっていくといいなと思って,このかわら版(お便り)のタイトルとしました。
 いいですね~。
 6年生には教師との交換日記を書かせていて,毎日その日のうちに返事を書いて返却しているそうです。忙しい中,時間を見つけるのは大変だろうなあ。
 子どもたちとの出会いは「ホログラム名刺」「エナジースティック」。これまでの積み重ねがあるので,ネタに困ることはありません。
この2週間で一番うれしかったのは,寡黙少年が「今週はとても楽しかったです。」と(日記に)書いてきたことですね。
とSさん。たのしさは人を積極的にしますね。ゆっくり焦らず…。
 総合の時間では〈見れども見えず〉を実施。これで珠洲たのメンバー3人が同じ教材で新しい出会いを演出したことになります。へ~。
 新年度だったので,使っている市販ドリルの紹介や,その利用の仕方なども話題にのぼりました。毎時間決まったドリルをすることはとても大切なことです。どんな方法が無理なくできるのか,自分にあうものを見つけてください。
 一方,学力偏重主義の学校内の変革については,まだまだ道半ば。「新年度から…」という話が「5月から…」になったりして…。さて,その後,どうなることやら。

4.「喃々レポ・2022年4月号」 A5 8ぺ    O.M
 今月は,教育月刊誌『ひと』と,その編集に関わっていた平林浩先生について書いてきました。
 3月末,リモートによる平林浩講演会に出席した際に書いたわたしの感想文を元にまとめてみました。
 わたしは教師になってからずっと『ひと』『たのしい授業』を購読してきました。そのうちに『ひと』は発行されなくなりましたので,欠かさず読んできたのは『たのしい授業』のみとなります。
 板倉聖宣さんも,『ひと』創刊当時から編集者に加わっており,一般向けに教育論文もたくさん書いています。それらの論文は,後ほど,何冊かの単行本になっています。そのうち,今回は『私の評価論』(国土社,1989年)を紹介しました。この本は,教育評価に留まらず,およそ評価というものに関することの基礎基本として読んで欲しい本です。そうそう,本書は,後ほど『教育評価論』(仮説社,2003年)として再編集されています。こちらの方が手に入りやすいでしょう。

5.「NPO保全林を使ったSDGs学習の可能性」 A5 8ぺ   M.O
 わたしが参加しているNPOへ,「修学旅行生向けに,なにか保全林での活動を準備できないか」という話が舞い込んで来ました。さらに「その際,学校の事前・事後学習で使えるワークシートなどもあった方がいいだろう」という話も…。で,現役に一番近いわたし(+α)にそのまとめ役が回ってきたというわけです。
 わたしが,このNPOの活動に本格的に関わりだしてからまだ2年足らず。何が教材になるのか,まだよく分かりません。SDGsの視点を入れるといっても,保全林だけで,教材とするのはなかなか厳しい。でも,がんばって担当者会のたたき台として作ってきたのが本レポートです。サークルでは「来てくれた修学旅行生たちから,〈珠洲市のよさ〉をフィードバックしてもらうのはどうか」という案も頂きました。一応,NPOの担当者会では,それも含めて提案させてもらいました。今月の12日に,市担当者との合同会議があります。それまでに,何か,もう少し形にしたいと思っています。もう,あまり時間がない…。

今月の体験コーナー

授業書案《ものとその所有》第2部  紹介 O.M
 今月の授業書体験は《ものとその所有・第2部》をやりました。この授業書の副題に「所有権の基礎基本と領土問題の考え方」とあるように,自分のモノから国家のモノまで扱っていきます。
 第2部は「いろいろなモノの所有」で,隕石,川の石ころ,などの所有者について考えてもらいました。特に意見が分かれたのは,「捨てたゴミは誰のモノか」という問題でした。ここでは,答えは書きません。
 次回サークルでは,時間があれば第3部をやります。第3部のタイトルは「国家と領土」。いよいよ領土問題の本質へと迫ります。乞うご期待!

サークル内ミニ体験講座 in スポ研
 コロナ再燃のため,予定していた3月末の尼崎での「たのしい授業フェスティバル」に参加できなかったメンバー。その欲求不満を自ら解消しようと,自主的に体験講座を開きました。講師はもちろん自分たち。仮説経験者は,自分の得意なものを活かして講師を担当したようです。
 講座で取り上げたのは,授業書《もしも原子が見えたなら》《ものとその重さ》〈空気とその重さ〉,そしてものづくりの定番「折り染め」です。
 そのときの写真をサークルのメッセンジャーから転載しおきます。

喫茶店で第2部
 喫茶店でも,教材に関する具体的な話題が出てきました。特に,あまりサークルで話題になってこなかった社会科については,いろいろと質問も受けました。5月のサークルには,そのあたりのことについて少しまとめて紹介したいと思います。事前に,こんなことをというものがあったら,連絡をしてくだされば,準備できるかも。

今月の写真

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