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「ハングル(한글)」を学ぶ
研究は読書から
2022.10.08
『ハングルを読もう』の講座を担当することになった私は,『ハングルを読もう』(仮説社)に書かれていた「参考文献・おすすめの本」を手に入れて読んでみました。
●板倉聖宣著『ハングルを創った国王・世宗大王の生涯』(仮説社,2007,128p,1890円)
板倉さんがチャングムを引用をしています。
まえがきで「そのドラマは,本書の111ページに掲げた「李王家の系図」の最後の部分に出てくる9代国王=成宗が即位した1469年から始まっています。ですから,世宗大王の時代からほぼ100年後の話ということになります」と書いているんですよ。チャングムファンの私は,またまたうれしくなってしまいました。
偉大な文字=ハングルを創った世宗大王は,今でも国民的な英雄です。最高額のお札にも肖像が載っています。
今の日本人は,リンカーンやニュートンやアンデルセンや孔子は知っていても,おとなりの韓国=朝鮮の有名人は,だれも知りません。そんな中で,板倉さんは,先ず知っていてほしい朝鮮=韓国の歴史上の人物として「世宗大王」をあげたのです。
世宗は,すべてについて民主的だったわけでもなく科学的だったわけでもありません。でも,「風水の話を参考にしてはならない」という話題や「ハングルの○記号は0を知っていたからだ」というような話には思わず引き込まれるのです。
2度目のreview
読んだのは2回目です。世宗はハングルを創っただけではなく民衆にとって利益になるようにといろいろな施策を施したようです。日本より200年以上も早く農業技術書を出版したりしています。
また風水学については次のような世宗の態度が紹介されています。
▼じっさい,『世宗実録』の1433年7月7日の条には,世宗の重臣たちの討議の中で,風水学が問題になったとき,「風水の学は雑技中でもっとも荒乱なるものだから,参考にしてはならない」という話が出てきます。世宗は,「風水学者」に仕事の場を与えても,その活躍を不信の目で見ていたのです。(87p)
そんな世宗だったからこそ,民衆にも覚えやすい「ハングルの仕組み」を創り上げることができたのでしょう。
●片野次雄著『世宗大王とハングル』(誠文堂新光社,1985,192,1300円)
板倉さんの本を読んだとき,他に世宗についてはこの本が詳しいとあったので手に入れたものです。古本やから購入しました。3年間積ん読状態でしたが,この機会に取りだして読んでみました。
これは歴史書というよりも,歴史小説のような感じもします。というのも,なんか表現が「まるで映画を見ているよう」なものだからです。
たとえば世宗が王様になるときの描写を紹介すると…
▼やがて,日中の猛暑から解放されるかのように涼風が吹き出して,夜になった。満点に,みごとな星がかがやいていた。文官百官はひれ伏した。(11p)
てな調子ですから。
ま,それだけに,世宗時代のことをおおざっぱに知るにはとても読みやすい本です。
「訓民正音」についても詳しく出ていて,授業書《ハングルを読もう》をする方は,上記の板倉さんの本と合わせて読んでおくといいですよ。
●金両基著『ハングルの世界』(中公新書,1984,215p,680円)
本書は,ハングル入門って感じでおもしろく読めます。
第1章が「ハングルのたのしい学び方」となっていて,はじめてハングルを見る人にも「なるほどこういう仕組みになっているのか」と分かるようになっています。
第2章は,ハングルがたどってきた歴史がまとめられています。
ハングルは創られたときから反対派の攻撃に遭ってきました。しかし日韓併合の頃からは,ハングルを使うことが自分たちのアイデンティティーの一部となってきた感もあり,戦後は,韓国=朝鮮国民に広くハングルが行き渡ることになったのです。
●森田芳夫著『韓国における国語・国史教育』(原書房,1987,530p,10000円)
値段が値段なので読んでみるまでは購入する気になれません。
そこで石川県立図書館からお借りして読んでみました。
530pの内半分は資料なのですが,その資料も大変充実していました。
韓国で使われていた文字について,ハングル以前からハングルの発明(ここは他の本の方が詳しい),日帝に支配されていたころから,開放されてからの国語教育・韓国語教育について詳しく書かれています。
こんな本は,はじめて読んだので当然知らないことばかりでしたが,とくにハングルが国内に広がるためにキリスト教が果たした役割はおもしろかったです。確かに庶民に布教するためには,漢字では大変ですし伝わらないでしょう。そこでいち早く聖書の中身がハングルで翻訳されて出版されたのです。
ハングル以前に小学生が学んでいたものに『千字文』というものがあります。それは漢字4文字を調子よく発音できるように並べたものです。『ハングルの世界』の著者も,千字文でハングルを覚えたと書いていました。でも,それがどんなものなのか見たことがありませんでした。しかし,本書の付録にはちゃんとすべてついています。またその後に出た『類合』というものも出ています。これも漢字4文字で3000語の漢字を覚えさせれるために作られた熟語集です。この抜粋(1/10)も出ていておもしろいです。
例えば,
天覆地載 乾坤分位 東西南北 上下中外 左右前後 邊隅裏内 …
なんてね。
また,日本が韓国を併合したときの教育内容について,改めて読んでみて,本当にとんでもないことをやったんだなあと感じました。「国語=日本語」ということがあったのですからね。
この本ならもう一度読んでみてもいいかな。
●高信太郎著『まんがハングル入門』(光文社,1995,221p,840円)
ハングルの文字の仕組みと簡単な表現がまんがで書かれています。
出てくる単語にはすべて発音がカタカナでついているので読みやすいです。
これを1冊読んだからといってもハングルが話すようになるわけではありませんが,特に漢字語由来のハングルがたくさん出てくるので,いいです。
「日本と発音が似ているなあ」ってものがたくさんあることに気づくことができます。
文字ばかりだ抵抗があるなと言う方は,こういう本からハングルに入門するのもいいかもしれませんね。
高さんは,この続編も書いています。いずれも光文社から出されています。
『マンガで韓国語がしゃべれる』
『まんが漢字でハングル』
私はこの2冊をブックオフの105円コーナーで購入しました。
2冊目の「漢字」のものは,ほとんど字典です。これだけ覚えれば,すごいですが,私の記憶力では無理だなあ。
そうそう高さんの本には,もう1冊『超簡単 まんがハングル』というものもあるそうですが,これは手元にありません。順番で言うと,この本が初心者向けで,『ハングル入門』の前に読めばいいそうです。
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