《世界の国旗》を深く学ぶために

研究は読書から

やっぱりまずは,授業書《世界の国旗》とフラッグス!

授業書《世界の国旗》

「総合的な学習」や「6年社会科」の授業にぴったり。特にオリンピックの年には,必ず授業をしてきました。塗り絵をしながら授業を進めます。1人でも読めます。そして国旗に興味を持つようになるでしょう。

カードゲーム「フラッグス」

「楽知ん研究所」で販売

「フラッグス」は,仮説実験授業《世界の国旗》と《世界の国ぐに》で広がる世界観を,さらにゲームでたのしんじゃおうという思いで作ったカードゲームです。

世界の国旗を学ぶための参考書

■板倉聖宣著『絵とき・世界の国旗』(仮説社,2000)
 板倉さんが子ども向けの楽しい絵本をつくってくれました。
 授業者が,授業書《世界の国旗》をやる前にこれを読んでおくと,より授業書の内容が頭に入ってくるでしょう。また,授業後,教室に置いておくと、子どもたちは喜んで見ることでしょう。全ページ,カラーなので,とってもきれいです。
 授業書には絵柄が出てこない(言葉だけの)国旗も出てきますし,授業書では触れられていない国旗も出てきます。世界地図の上に国旗を重ねて見やすくしてある図もたくさんあります(これを拡大して,まとめの掲示物として使うことも可能です)。
 国旗の形は,各国で使われているような正確な縦横比となっています。

■講談社編『世界がよくわかる国旗図鑑』(講談社,2003)
 授業書《世界の国旗》をやると,世界の国旗に関する興味が一気に高まります。そこで,「この色や形にはどんな意味があるのだろう」と気になったりします。そういうとき,「世界の国旗事典」のようなものが1冊あると便利です。
 本書は,そんな本の中でも,①と図鑑の中間の本です。
 前半1/3は,国旗をいくつかのグループごとに分けて見ています。これは①の本も参考にして編集されたようです。おもしろいのは「ニックネームで呼ばれる国旗」という分類。全部で20種類紹介されていますが,わたしが知っていたのは,わずかに5カ国。
 後半2/3は資料編です。国旗の意味だけでなく,正式な国名や面積・人口なども紹介されています。特に面積では,「アラブ首長国連邦:北海道くらい」などと日本の面積と比べて書いてあるので,子どもたちにとってはわかりやすいです。
 ただし,本書の国旗の縦横比は,「タテとヨコの関係」というページ以外は,すべて2:3になっています。

■辻原康夫著『徹底図解・世界の国旗』(新星出版社,2007)
 副題に「国旗の由来・配色の意味から,正しい比率と色まで」とあるように,徹底的に本国で使っている国旗を忠実に再現した「国旗図鑑」となっています。
 国章の意味も詳しく載っているし,旧国旗にも触れている国もあります。
 おすすめの1冊です。

■辻原康夫編著『世界の国旗全図鑑』(小学館,1998)
 上と同じ著者による図鑑です。
 本書の特徴は,何カ国かの「国内の県旗,州旗」などが収録されいることです。アラブ首長国連邦の7つの国の国旗もあるし,アメリカ合衆(州)国の各州の旗も紹介されています。
 また,植民地や少数民族・先住民族の「国旗(というのかシンボル旗)」も多数掲載されています。チベットや東トルキスタンなどの旗もちゃんと載っています。「旧国旗」という章もあります。
 国旗の縦横比はすべて2:3。国旗の縦横比を捨てて,たくさんの旗の収録を目的に編集された本です。紹介されている旗の数はなんと492です。
 ロシア連邦の共和国や,アメリカ合衆国の州の旗に興味のある方にとっては便利な本ですよ。

■苅安望編著『二訂版・世界の国旗と国章大図鑑』(平凡社,2006)
 いま手に入る本で<国章>についてこれだけくわしい本は他にないのではないでしょうか(2022年現在,同じ著者による『紀章の世界史 大図鑑』2020年発行,が最も詳しそうです。なにせ価格は13200円ですから)。
 例えばカナダの国章には
「盾にはイングランド・ライオンとスコットランド・ライオン,アイルランド竪琴,フランスのイチハツの花,カエデ,上方にカエデを持つライオン,両脇にユニオン・フラッグを掲げたライオンと旧フランス王旗を掲げたユニコーン…」
などと,「あんたそこまで気を遣いますか?」という説明が書かれています。
 国旗の縦横比も正確な比率を採用しています。はしがきで「実に40年ぶりに外国並みに正確な比率を採用した国旗図版を持った書籍となる」と書かれていますが,これは言い過ぎでしょう。

Kindle版もあります

■苅安望編著『列強「植民帝国」旗章図鑑』(彩流社,2009)
 めちゃめちゃマイナーな本ですが,植民地に興味を持った方は,ぜひ一度目を通しておくといいですよ。
 ポルトガル,スペイン,オランダから始まって,英国,フランス,デンマーク,スウェーデン,ドイツ,イタリア,ベルギー,ロシア,米国,そして最後に日本の植民地で使われていた旗が出てきます。
 右のカントン部分にヒロマルを入れた旗は,朝鮮統監府の旗です。

■外務省編集協力『世界の国一覧表』(東京官書,毎年だった)
 財団法人「世界の動き社」が編集発行していた年報です。とても40ページ足らずのとても薄い本です。日本の政府が国として認めている国のデータが一覧表として載っています。国旗はすべて2:3の国連パターンです。
 ただ,これを編集発行していた「世界の動き社」が,天下り先とか何とかの問題で解散したらしく2007年度版を最後に発行されていません。月刊「世界の動き」の編集員は2名で,役員が10名いたという法人だったらしい。あはは…。
 そんなわけで,日本政府が正式名称として使っている国名などは,外務省のHPを見るしかないかも。

■『データブック・オブ・ザ・ワールド』(二宮書店,680円,毎年)
 それで,今,安くて,最新の世界各国のデータがよくわかる本としたら,これが一番いい。中国の省や米国などのの州についてもデータもあり,なかなか利用価値が高そう。国旗の縦横比は2:3です。

■吹浦忠正監修『学習漫画・世界の国旗事典』(集英社,1990)
 ま,こういう本も気楽に読めます。各ページの国旗は「色を塗りましょう」となっていて,まるで『世界の国旗』みたいです。縦横比は2:3です。

■ホイットニー・スミス著『世界旗章大図鑑』(平凡社,1977)
 板倉さんが『世界の国旗』のあとがきで「いまのところもっとも信頼できる国旗の本」として紹介しています。古本屋で探すと見つかります。私は3500円で購入しました。

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