珠洲たの通信・2024年6月号

図書館の本の整理 2024年度

 なかなか雨が降らないので,家の中の仕事がはかどらない。晴耕雨読のリズムで生活しているわたしとしては,晴れた日=外で作業ができる日に,部屋の中でキーボードを叩いているというのは,なんとも情けない気持ちになるのである。梅雨に入ってからも,降りそうで降らない日々が続いていた。今朝(2024/07/08)からやっと雨が降り始めたので,こうして通信を書き始めたというわけ。
 地震前まで例会の会場にしていた宝立公民館についてだが,これまでで,半日×3回(3回目は今日の午後),図書室の本の片付けをしてきた。正月の地震では,図書室にあった本棚が思いっきり倒れ,部屋中に本が散らばっていたそうだ。発災後すぐにこの公民館が自衛隊の本部となっていたこともあり,隊員によって本棚は起こされ,いくらかの本は本棚に並んでいたけれども,並べ方に統一感はない。机の上や床には,まだたくさんの本が積まれていた。
 そこで,もう一度,本棚からすべての本を取り出しテーマ別に並べ直すとともに,壊れた本棚は外に出して,さらに本も文庫本や古い本を中心に半分以上捨てることにした(タイトル写真)。
 しかしまだ公民館は使えない。宝立町鵜飼地区のほとんどは,水道は出ないし下水も直っていない。公民館の駐車場には臨時のトイレがあるけれども…。9月からは,なんとか使えるようになるかも…だ。

今月の参加者 N.T N.R S.Mi S.Ma O.M 

今月の写真

今月の資料

1.「講師3ヶ月め」 B5  4ぺ  S.Mi
 間借り生活も早半年。ベテラン教師のSさんは,小・中,分け隔てなく子どもたちとも関わっています。これが本来の姿なんだろうけれども,なかなかまねできないことでもあるのでしょうね。「先生,中学校の先生になってよ」と言ってくる男子の話なんて,心ぽかぽか。小学校の時のいい思い出(怒られたことも含めて)が,そんな言葉を引き出してしまうのだと思います。
折り染めうちわ
 図工で取り組んだ折り染めうちわのお話。今のカリキュラムだと,図工の授業時間は,週に2時間もありません。この割り切れない授業時間の運営は学校によって様々ですが,1学期ずっと週1という学校もあるようです。担任以外が図工を持つと,準備・後片付けも含めて1時間で終える必要があって,これじゃあ,なかなか連続ものを作成するのも大変です。
 一応図工の教科書はあるものの,別に,あまり教科書教材にこだわる必要はないでしょう。気になる人は学習指導要領に戻って考えればいいし,気にならない人は,たのしいネタを見つけて何かを手作りして感想を述べ合えばOK!
 Sさんは,まず①折り染めを体験してもらい,②自分で染めた折り染め紙を使ってうちわを作ったそうです。どの子も大喜びだったとか。そりゃそうだ。
内閣府の人に聞いてみた
 避難所になっている校舎内を歩いているある人の背中に「内閣府」という文字を見つけたSさん。さっそく,好奇心が疼き出して,あとを追いかけ,いろいろと質問をしたそうです。というのも,当時,6年生社会の授業でちょうど「自然災害と復旧復興」という単元を勉強していたからでした。
 単元を終えてから子どもたちに質問を考えてもらい,その内閣府の方に質問したそうです。
 いろいろな質問の中で…震災とは関係ないけど…素敵な回答があったので紹介します。

質問:内閣府に入るためには,どんな勉強が必要ですか。
回答:さまざまな人の気持ちに寄り添い,バランスのとれた政策を実現するために,好き嫌いなく,こつこつと勉強することが大事だと思います。


 さすが内閣府職員ですなあ。

断捨離・その2
 先月紹介したハードオフで10円だったという品物の続編。
 諦めきれないSさんは,後日,金沢へ行ったときに「セカンドストリート」というお店に,同じ品物を持って行ったそうです。すると,なんと約3400円だったそうです。査定にも2時間くらいの時間をかけてくれたとか。即決でお金を受け取ってきたそうです。ちなみにハードオフの査定時間はわずか10分。これで何か分かるはずはないね。
 それにしても,世の中,いろいろですねえ。
仮設校舎
 小学校の仮設校舎の完成予定が8月30日だそうです。8月31日(土),9月1日(日)に引っ越しするんですかねえ。だれが運ぶの? 新学期になったら,子どもたちと引っ越しするのがいいと思うけどな。

2.「喃々レポ・2024年6月号」 A5  8ぺ   O.M
 6月1日,これまでお世話になってきたお寺の前住職さんが亡くなりました。そこで,今年4月から「門徒総代」という役を引き受けたわたしは俄然忙しくなったのでした。
「責任役員」という仕事
 これまでのわたしは,宗教やお寺・神社に関しては,なんとなくつきあってきただけなので,詳しいことは何も知りません。そこで,お寺さんから頂いた2冊の本を読んで,少し勉強しました。わたしが引き受けた「責任役員」と一般的に言われる「門徒総代」というのが,どんな関係にあるのかを調べてみました。「宗教法人法」の中身(の一部)も初めて読んだし,浄土真宗本願寺派の宗旨というのも初めて見ました。
 お寺の役員をしない限りは,今回,レポートにまとめたことはどうでもいいことなんです。ましてや,たのしい授業には全く関係ないことですね。
 ただ,無宗教で生きていこうと思ってきたわたしにとっては,今後,自分の立ち位置をどのように取っていくのかが問われてくるんです。「科学的な考え方」「わたしの家と寺との関係」「伝統を引き継ぐこと」「住民の一員としての役割」などをひっくるめて,これからどのようなバランスで生きていくのか。なかなか悩ましい問題ではあります。
 今後も時々,サークルでも,宗教関係のお話を聞いてもらうことになるかもしれません。さしあたって,今夏には,宗教と科学に関する板倉論文でも読みあさってみたいと思っています。が,どうやって論文を探せばいい?
 さて夏には,祠堂経(しどきょう)というお参りがあるそうです。これがとんなものなのか,全く知りません。ただ,役員として事前の準備から事後の後片付けまでいろいろ時間を取られるようです。そこで今年の仮説実験授業研究会全国合宿研究会には参加しないことにしました。役を引き受けておきながら,自分の都合を優先するのは申し訳ないからです。これも何度か経験すれば,だれかに仕事をお願いすることができるようになるでしょう。
わくわく科学教室「虹のなぞをさぐる」(仮称)
 今年の夏休みにも「わくわく科学教室」の講師の呼びかけがありました。
 選んだテーマは一度は取り上げてみたかった「虹」にしました。仮説実験授業には《虹と光》という授業書があって,一度だけ6年生で授業したことがあります。また,KITサマーサイエンススクールでも高学年を対象にやったことがある気がします。だから,霧吹きなどのグッズもそろっています。
 心配なのは天候ですが,もし太陽が出ていなかったら,「よじのぼる水=サイフォンの原理」をやろうと思います。2本立てで準備するのは大変ですが,まあ,なんとかなるでしょう。
 あとはブログネタとして,ナミテントウムシの交尾の写真と,震災に負けるなステッカー各種(上記写真)の紹介をしました。

3.デジタル化「新居信正・教育現場より愛を込めて」 A5  19ぺ  O.M
 途中までデジタル化してあった表記の講演記録をやっとまとめました。
 今回,Mさんから,この資料についての問い合わせがあって,わたしもすっかり忘れていたので,いつ頃まとめたのか,本HPの検索機能を使って調べてみました。そうしたら,2011年12月2012年2月のサークル例会で発表していることが判明。パソコンのハードディスクからその頃のファイルを探すと,ちゃんとありました。検索機能は便利ですね。
 そして,このレポートが中途半端になっていることを知り,数ページ付け加えて,一応完成させました。
 内容は,新居さんの講演記録ですが,その内容には,大正時代に受験の神様と言われた藤森良蔵の言葉がふんだんに取り入れられていて,さながら「藤森良蔵語録」のようになっています。この講演記録を文字起こした平尾さんには,頭が下がります。改めて感謝します。
 藤森良蔵については,板倉聖宣著『かわりだねの科学者たち』(仮設社,1987年)に,1章を設けて書かれています。(「第七章 藤森良蔵と考え方研究社」,本書185ペ~240ペ) 今回のレポートを読んで興味を持たれた方は是非,読んでみてください。今の教育に通じる「学びへの心構え」がたくさん載っています。

4.クレステッドゲッコーについて 口頭  10分  N.R
 Nさんの娘Rちゃんが,クレステッドゲッコーというトカゲを持ってきました。ペットショップで見て一目惚れし,お父さんに買ってもらったそうです。4月のサークルの時には,模型を頭に乗せていましたね。よほど欲しかったのでしょう。とても大事に扱っていました。
 そしてサークルでは,そのトカゲについて,発表してくれました。なんと,わたしたちがレポート発表をしている間にもメモ帳に発表内容を書き加えていたらしいです。小学校2年生になったばかりなのに,たいしたもんです。下の写真が,Rちゃんの発表用メモとクレステッドゲッコーというトカゲ。

手のひらにクレステッドゲッコー

中学校教科書の展示会…道徳の教科書を覗いてみた

 例会の会場である松波公民館和室前のコーナーに,次期から使用される中学校教科書が展示されていた。現役の時に管理職から「ちゃんと見て,意見を書いてくるように」とよく言われていた,あの教科書展示である。
 道徳教科書をパラパラ見ていると,当サークルで〈授業プラン〉を紹介したことのある『ジョイス』『サルも人も愛した写真家』が載っている教科書もあった。
 特に『サル…』のお話は,「NHK道徳ドキュメント」で放映されたのお話の全体を載せるのではなく,主人公である写真家の松岡さんが決断する前の場面で物語が切られていた(下の鉛筆マーク)。こういう主人公の決断を予想するような道徳授業の展開は…官制の道徳教育研究者の間では…以前からあまりよくないと言われていたようだが,なあ~んだ,わたしたちがやってきたこと(授業プラン)をまねしているんじゃん!

松岡さんは,迷いました。長年愛して観察してきたサル。そのサルの駆除に手を貸してくれと頼まれたのです。
松岡さんは,どのような決断をしたのでしょう。
『中学道徳3』(教育出版)より

「NHK道徳ドキュメント」の映像を使ったわたしたちの実践記録「サルも人も愛した写真家」は,こちら。

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