江戸狂歌の世界

短詩型(笑)文学を楽しむ

江戸時代の粋な文学の一つに「川柳・狂歌」があります。「俳句・短歌」と聞くと,「ちょとオレには関係ないね」と思う人もしばしつきあってくれ珠恵(いい変換だ)。
気に入った狂歌を集めてみました。男女の恋心から,季節の歌まで,なかなか味わい深いものが含まれているとは思いませんか。今後,ほかの本も読んでみます。期待しないで待っていてください。

人口に膾炙していると思われる江戸狂歌(日本歴史で習ったかも)

  • 世の中にかほどうるさきものはなし ぶんぶといふて夜も眠られず(蜀山人)
  • 白河の清きに魚(うお)もすみかねて もとのにごりの田沼恋しき
  • 泰平の眠りをさますじょうきせん たった四はいで 夜も眠れず
  • 上からは明治だなどといふけれど 治明(おさまるめい)と下からは読む

出典『日本古典文学大系57 川柳 狂歌集』(岩波書店)

・つかわれて骨は折れても腹たてなうちわと聞ば他人ではなし(巴人集)
特和歌後萬歳集 巻第1
・又ひとつ年はよるとも玉手箱あけてうれしき今朝のはつ春(もとの木網)
・をそろしきとらの年の尾ふみこえて光のどけき玉の卯の春(花道列禰)
・蝶ととび千鳥とふれる淡雪のこよいはとまれ七くさの葉に(棟上高見)
・さく花を何にたとへん飛鳥山きのふの雲はけふ雪とふる(逸咀英)
・つけば散るつかねばすまの山寺のさくらにめでゝおそき入相(竹杖爲輕)
・相性は金生水と思はるゝ水にうつりし山吹のいろ(子子孫彦)
巻第五 
・諸共にあはれと思へお月さま國のなじみはおまえばかりじゃ(庭 桃丸)
巻第六 哀傷歌
・すかし屁の消易きこそあはれなれはかなき物と思ひながらも(紀 定麿)
巻第八
・ちぎられぬ物とはいまぞしるこ餅一本箸のかた思ひにて(手柄岡もち)

『天明新鐫五十人一首 吾妻曲狂歌文庫』より

・たのしみは春の櫻に秋の月夫婦中よく三度くふめし(花道つらね)

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