年末,学校に能登町役場の人が来られて,成人式を迎える教え子に向けての私のことば(15秒間の動画)を撮っていきました。2016年の成人式で流すためだそうです。役場の人曰く「成人式当日には,中学3年生の時の担任は,会場に来て一緒に写真を撮るのですが,これまで小学校の先生はあまり出番がなかった…だから,ビデオで登場!!」ってわけだそうです。今年成人式を迎えた子どもたちは,私がU小に赴任したときにすぐに担当した6年生です。当時,2クラスありました。両クラスとも,そして男女とも,たいへん個性的な子たちが揃っていて,中学校から高校への進路もいろいろだったようです。
さて,その子どもたちから,成人式当日に,2件の連絡が入りました(私は東京にいました)。一人は,携帯への電話,もう一人はFB上でのつぶやき…です。いずれも,高校生になってからも時々連絡をくれていた子です。私の電話番号やFBを知っているってのは,そういうことですからね。
ここで,私自身のことを振り返ってみると,長女の時には,成人式に出席していないと思います。次女の時には,母親が風邪をひいてしまったので,代わりにビデオとカメラをもって出席したって感じです。三女の時は,夫婦で参加したような気がします。ともあれ,何か子どもの行事に,親がギャーギャーと出かけるのはあまり好きではないのです。家にいれば,晴れ着姿もちゃんと見れますからね。最近の親は,夫婦で来ることが当たり前になっちゃっていて,不思議な気がします。ま,時代ですがね。
教え子の場合は,成人式後の祝賀会に招待されることがあって,なかなか楽しい思いもしました。これも,中学3年生の担任から見れば,たまにしかありませんけど。
成人になった子どもたち。これまでは,<日本が平和な国であること>を心配して生きていく必要はなかったかも知れません。日本が平和な国であるのは当たり前だったからです。だから,平和について考えるような子は,ちょっと変わった子,政治的な子だと思われていたかも知れません。
でも,これからは違います。日本も,いつテロが起きるか分からない国になりかけています。これから,どんな日本を作っていくのかが,成人,一人一人に問われているのです。
「学生が学生でゐる平和かな」…1月11日の『北陸中日新聞』朝刊より。
■12月の例会の参加者(6名+忘年会から3名)
K.H(元教員) M.S(N町M中) M.O(S市T小) M.K(N町U小) K.T(N町U小)
K.Y(W市育休中)
資料の紹介
1 「流れる水のはたらき実践記録」A5 14p M.O
今年も理科専科ということで,指導主事先生を迎えた授業公開をしなくちゃならない…ということになっていました。それで,今回は5年生の「流れる水のはたらき」の授業プランについて,先行事例などを少し詳しく調べ,計画を立てました。
公開授業そのものについては,先々月のサークルで指導案を検討してもらいました。検討結果を取り入れ,資料やプリントを少し訂正したおかげで,よりスムーズに,楽しく授業ができたと思います。
今回は,そのお礼を兼ねて,第1時~11時までにやったことや課題をまとめてきました。こういうのをまとめておくことで,自分の備忘録にもなります。
今回の新しい取り組みは,以下の通りです。
・教室の中と外の流水実験を組み合わせた
これまでは,どちからでやっていた。派手な実験は外で,じっくり見てほしい実験は中でってのが,なかなかいい。
・ジグソー法を取り入れた
理科の授業では,はじめての試み。教材さえ準備できれば,十分考えてくれるし,たのしい授業になることが分かった。これからも,やってみたい。
・川の代わりに,砂浜で観察
・地域の教材化としての「自分の家の下」
自分の家の下の土も,川が運んできた土でできていることを印象づけた。
また,「〈クリップ動画〉を活用した理科の授業」(A4)というレポートもまとめてきました。これは,市の視聴覚教育研究会で作成する「実践記録」に掲示するためのものです。担当者が忙しそうだったので,私がかわりにまとめました。
■流れる水のはたらきの授業…「知識構成型ジグソー法」と「地域の教材化」の試み
この年の実践記録を元に,その後も何度か授業を行い,再編集ものをサイトに載せてありますので,よろしければご参照ください。
2 「知識構成型ジグソー法を用いた授業」A4 1p M.O
理科の授業以外にも取り上げた「ジグソー法」の実践例について簡単にまとめてきました。ついでに,今回の授業で使った資料(エキスパート活動,ジグソー活動用)も持ってきました。
2015年末現在で,「知識構成型ジグソー法」についてのまとまった本は,一般の書店に手に入る物としては,出ていません。が,CoREFのHPに,CoREFがまとめたハンドブックがPDFとして掲載されています。それを読むと「知識構成型ジグソー法」のことが分かると思います。
CoREFのHPは,ここです。
一方,教育研究活動の常として,流行ってのがあります。これまでも,いろんな教育方法・教育理論が,教育界を席巻し,そして,いつの間にか消えていきました。いずれも,最初,取り入れたときはその理論的な立場まで理解した人がやっていくので大丈夫なのですが,だんだん流行ってくると,我も我もと,猫も杓子もやってしまい,そのうち,単に形だけをマネする人や形さえも真似しない人が出てきたりします。そして,「なんだ,オレのクラスではうまくいかないなあ」で消えていくんです。そしてまた,次の方法が出てくる。ま,こんな繰り返しにならないように,このジグソー法はじわじわと広げていきたいと思っています…が,すでに,轍を踏むような傾向があるような情報も伝わってきています。実践を試みる人は,せめて,CoREFのHPをしっかり読んで欲しいです。
3 「小林誠先生講演会 参加記」A4 2p M.O
12月に金沢で行われた,「石川県版クリスマスレクチャー小林誠先生講演会」に参加してきました。この会は,県教委が主催する歴とした研修会で,昨年に続いて2度目です。
講演の中身よりも,講演後の質疑応答がおもしろかったので,私なりの視点でまとめてみました。このレポートは,職員室にも配りました(研修会報告というやつ)。普通は,研修報告ってしないんです(みんなやってますが(^^;;)が,今回は,報告したいことがあったので…ね。
4 「風向き・2015年12月号」B5 4p M.S
学校現場での話題と断捨離の話をまとめてきてくれました。
最近,学校現場の話を書く度に,愚痴っぽくなっている自分がいます。Sさんにも同じような傾向がある気がしています。本来なら,もっともっと「楽しかった取り組みの事実」を書かなくちゃならないのに…ね。やっぱり,「こんなんやったら,子どもたち喜んだよ」ということを中心に話ができるといいなあと思います。愚痴も少しは必要だけど…ね。
さて,授業の話題がなかなか書けない立場にあるSさん。そんな中で,自分の学級を「オープンな場所にしている」という話をしてくれました。その一例として,「ごん太」のカードゲームを教室に来た生徒さんたちに教えたところ,教室のアスカさんと一緒にやってくれるようになったということを紹介してくれました。これは,なかなかすばらしい話だと思います。このオープン・スペースが,他の教室の子どもたちの癒やしの場になっていることは確かです。今後の展開も楽しみです。今の子どもたちには,心がほっこりできる場がもっともっと必要ですからね。
5 「MY BOOK 2015年11月号,12月号」B5 4p K.H
先月は,みなさんの都合が悪くて,サークルの例会がなかったので,今月は,2か月分紹介してくれました。(税込み,税別いろいろです)
○徳大寺有恒著『徳大寺有恒のクルマ運転術』(草思社,1300円)
○海野和男著『四季のネイチャーフォト』(ソフトバンク,1020円)
○竹田かずき著『グラフの世界へようこそ!』(ガリ本,1500円)
○伊勢革観著『料理人10年プラス教師10年』(ガリ本,1000円)
○長尾和宏著『病気の9割は歩くだけで治る!』(山と渓谷社,1200円)
○池上彰著『伝える力』(PHP新書,800円)
昆虫写真家の海野和男さんの写真は,本当にキレイです。私も,これとは違う昆虫写真撮影テクニック本を持っていて,「どんなふうにしたらこんなにきれいな写真が撮れるのかなあ」って思って読んでいたところでした。Hさんは,時々,海野さんのFBもシェアしてくれているので,きれいな生きものの写真も見ることができます。
仮説の会員である竹田さんのガリ本『グラフの世界へようこそ』は,グラフ入門の書として,とてもよくできた本だと思います。これまでに研究会で取り上げられたグラフについて,とても分かりやすくまとめられています。「グラフなんて書いたって余り意味がない」「書くのも見るのも面倒くさい」と思っている方にこそ,読んでもらいたい本です。
6 「小原茂巳講演記録・二題」B5 10p K.H
小原さんの講演記録を起こして持ってきてくれました。2013年の時のものです。
・13年3月「東日本たのしい授業フェスティバル」…演題「子どものすばらしさの発見とたのしい授業」
・13年7月「千葉勝浦大会全国大会」…演題「授業記録の魅力」
です。いずれも,示唆に富んだ話が紹介されていて参考になりました。
「子どもの価値は,その子どもを躍動させて初めて言えるのです。子どもたちを躍動させることができない人たちは建前的にどんなに美しいことを言っても,子どもの価値を発見できないです。」(板倉聖宣さんのことばを紹介して)
他にも,「指導案は如何に書き換えられたのか」(Tさん),「簡単クリスマスクッキーと変身紙皿」の紹介(Yさん)などがありました。
後半の忘年会では,久しぶりのメンバーも来てくれて,時間が経つのも忘れて,わいわいがやがや,楽しいひとときを過ごすことができました。
今年も,流行に流されることなく,たのしい授業の実践を一歩ずつ積み重ねていきたいです。
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