わたしとBeatles

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2022年4月のまえがき
 今でもレコードで聴いているThe Beatlesの曲。音楽がこれほど人に影響を与えるなんて,聞き始めたころには思ってもいなかった。そんなBeatlesとわたしとの出会いについて,HPを立ち上げたころに書いた文章が以下のものである。捨てるのももったいないので,再録しておくことにする。若い頃は,自分のことをボクと書いていたので,そのままの表現にしてある。

ボクにとってのビートルズ

 ビートルズに関するページは他にもたくさんあるので,ディスコグラフィー的なことはそちらのページでどうぞ。
 ここでは,ビートルズに対する,ボクの個人的な思い出を書いてみました。

『Let It Be』(1970)

●みんな一度は,はまったんだろうか? The Beatlesに
 今頃の子たち(中学生~高校生)はどんな音楽を聴いているのだろうか? 不幸にしてボクはよく知らない。ボクたちがそうであったように,やはり,いわゆる「洋楽」なんぞを聞き始めるのであろうか?
 ボクとビートルズの出会いは,中学1年生の時である。そのころ,すでにビートルズは解散してしまっていてリアルタイムのビートルズは知らない。しかし,ソロ活動がはじまったばかりで,ボクの中学生から大学生にかけての学生時代は,元ビートルズのメンバーたちのソロ活動とジョンの死の1~2年後までということになります。

 ボクがはじめて買ったビートルズのLPレコードは右の「青盤」と呼ばれている2枚組のものです。後期のビートルズのベストアルバムです。このレコードは,当時中学3年生だったブラスバンド部の先輩に「ビートルズはいいぞ」と言われて購入したものです。これが決定的に,その後のボクの生活を変えました。フォークギターを手に入れ,ギターをさわりだしたのもこの少しあとです。

通称『青版』

 それまでテレビから流れる「恋のダイヤル6700」とか天地真理とかフォーリーブスとかしか聞いたことのなかったボクにとって,このベストアルバムから吐き出されてくるメロディーは,すごく心地よくて,かっこよくてたまりませんでした。それで,このアルバムはすり減るまでよく聞きました(なにせ手元に金などほとんどないのだから,新しいアルバムが買えない)。
 今,このレコードは手元にありません。数年前担任した中学生の女の子に,無茶苦茶ビートルズファンがいて,家まで遊びに来たときにあげちゃいいました。
 このアルバムで特に心に残っているのは,「Let it be」「Hey Jude」「Something」「Strawberry fields forever」「The long and winding road」などです。でも,やっぱりどれもこれもすごい曲でした。最初の出会いが後期のビートルズだったためか,今でも,前期のエネルギッシュな曲より,後期のスタジオで完成された曲の方に親しみがあります。と言ってもどれも好きですけどね。

●高校生のころ・その1 新しいステレオと友達
 高校の入学を祝って当時出たところのコンポーネントステレオ-「東芝・Aurex」を購入しました。それまで,ステレオと言えば「一大家具」という雰囲気で,木目調の重々しい重厚感のあるものでしたが,この頃からコンポ式のステレオが出始めたのです。中学生の間は,姉が学生時代使っていたという古いプレーヤーを使っていたのですが,これでやっと自分のステレオが手に入ったのです。
 高校生の頃は,少しはお小遣いも手に入りました。中間や期末テストが終わった日の放課後,真っ先にレコード屋さんに飛んでいき,あらかじめ目を付けておいたレコードを手に入れ,帰宅して針を降ろすときのドキドキした気持ち。その日に,少なくとも3回は新しいLPを聞いたものです。
 そのうちビートルズを聞くだけでなく,演奏もしたくなるのが世の常。高校に入学して,中学生の頃からドラムをやっていたというHくんと知り合いました。ボクはボクで,中学の頃からギターの好きな仲間でよく集まっていましたから,自然と話はバンドの方へ。
 高校では,普通のクラブ(部活動)に入っていたのですが,あることが原因で,1年生の途中でやめ,それからというもの,ますます音楽が中心の生活となっていきました。
 勿論,この頃になるとビートルズだけでなく,いろいろなアーチストのアルバムを聴いていましたが,やっぱり基本にはビートルズがありました。
 高校1年生が終わるまでに,ビートルズの公式LPはほとんど手に入れていたんじゃないかなあと思います。
 ちなみにボクの手元にある通称ホワイトアルバム『The BEATLES』のシリアルナンバーは「No. A199169」となっています。この間,ボクの収集はポール・マッカートニーとジョン・レノンのソロにも及びました。

●高校生の頃・その2 ブートレッグ盤とバンド結成(文化祭)
 いまじゃあ,非公式な録音テープも堂々と「アンソロジー」という形で世の中に出回っています。しかし,以前は,違いました。「海賊盤」と怪しげな名前で呼ばれるレコードがありました。「公式な音源ではないレコード盤」という意味なのでしょう。雑誌でしか見たことのない海賊盤が欲しくて欲しくて…。
 田舎に住んでいるボクたちは,この海賊盤を手に入れるために,金沢まで行かなくてはなりません。当時は,国鉄能登線で,朝,6時頃の一番に乗り,約3時間半ほどで金沢に着きます。金沢の町はちょうど10時頃でお店も開店する時間です。ボクたちは「山蓄」に走り込み,いろいろと物色です。金沢へは,そんなにたびたびいけないので,じっくりと遊びます。ビリヤードを覚えたのもこの頃でした。
 高校3年生の文化祭では,バンドを組んでステージをすることにしました。曲目はビートルズとウィングス(ポールマッカートニー)のものです。演奏した曲目は次の通り。当時のカセットテープのケースにはこう書いてあります。

Isikawakenritu IIDA highschool An Annual school festival(1977.9.25[sun])
1) Get Back
2) All My Loving
3) Day Tripper
4) Don't Let Me Down
5) Let It Be
6) MEDLEY  While My Guitar Gently Weeps ~ Jet

 およそ25分の演奏です。今,これを書くに当たって数年ぶりにこの録音テープを聞いていると,もう「なつかしい」をとおりこして,若いときのパワーに圧倒されます。本当によく練習したなあ。あのときは大学受験なんて頭の中になっかったような気もするし,しかしちゃんと考えていたようなきもするし…(記憶がだんだんあやふやになってます)。それにしても,昔のテープはなんて音が悪いんだろう。でもでも,このテープはボクの青春時代の大切な宝物です。
 ボクが,この時担当したのは,ボーカルとピアノでした。
 音楽が生活の一部どころかそのほとんど占めていたボクの中学・高校時代は,今の自分にすごく大きい影響を与えているんだなあと改めて思います。

 なお,この頃読んだ本にハンター・デヴィス著『ビートルズ』(1969,草思社)があります。そんなに活字が好きな方ではなかったのですが,2段組300ページ以上の本をよく読めたものだと思います。

 音楽だけでなく,ビートルズの生い立ちや歴史,日本社会に与えた影響などを知るにつけ,ボクの中にも変化が生まれてきました。ビートルズは,ボクに,「常識的に考えるだけではいけない」「今ある姿が本来の姿とは限らない」「はみ出しても怖くない」など,いろいろ教えてくれました。
 今,教師となって「平和や環境」の問題を考え・行動している自分を思うとき,ビートルズから受けた影響って大きいなあと思わざるを得ません。吉田琢郎の唄に「ビートルズが教えてくれた」というのがあったけど,まさに,そういう思いを持った人がたくさんいたんだろうなあと思います。

●大学生時代とジョンの死
 なんといっても大学時代の思いでは,ジョンの死です。1980年12月8日。ボクは3年生だったかなあ。
 京都の大学にいたボクが,その第1報を聞いたのは,行きつけの食堂「きらく」の前でした。その向かいの店にバイトしていた女の子がいたんですが,その子が教えてくれました。このときの情景をはっきり覚えているので,相当ショックだったのだと思います。「主夫」業に一段落したジョンが,音楽活動を再開した矢先でした。
 ポール・マッカートニーが麻薬所持で捕まり,ウィングスの日本公演が流れたのもボクの学生時代のことでした。ウドー音楽事務所まで電話したけど券が取れなかった初の日本公演は,ポールの強制送還で終わりました。
 音楽とは全く関係のない学部に進んだボクは,都会で大いに羽を伸ばしました。

 河原町にあった,その名も『THE BEATLES』というパブは,いつもビートルズの音楽がかかっていました。そんなに何度もいける身分ではありませんでしたが,それでも「ホワイト・ホース」とかいうスコッチをキープしたりして通いました。この店では,メニューがビートルズの古レコードに書いてありました。真ん中にリンゴの絵のあるやつです。店を仕舞うとき,記念にそのレコード(メニュー)をもらってきました。そのメニューは,今も,家にあります。

 また,京都大学に近い百万遍という交差点の近くに『Ringo』という喫茶店がありました。ここもたまに通ったものです。その近くにビリヤードがあって,そこにもいきました。
 この頃にはCDというのも出始めた頃でしたが,まだまだ普及までは行かないようでした。ボクはビートルズばかりでなく,いろいろな分野の音楽に出会い,その中にはいまもまだ付き合っているアーチストもいます。 

2022年の後書き
 それまで『Let It Be』と題されていた,Beatlesの最後の演奏の模様を収めた有名な映画が,昨年,再編集され,しかもタイトルも『Get Back』となって戻ってきました。その放映は,Disney+というチャンネルで見れるということだったので,わたしは,1ヶ月だけ料金を払い,3本で約8時間の番組を3回も視聴しました。まだまだ見たいくらいです。メンバー間の赤裸々な関係や,冗談を言い合いながらも素敵な曲が完成されていく様子を見ることができて,とてもよかったです。BDが出たら買いますよ~。

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