珠洲たの通信・2022年3月号

2021年度

 新年度が始まりましたね。みなさん,子どもたちと出会ってからそろそろ1週間たちましたが,いかがお過ごしでしょうか。教室では(あくまで教室では),たのしい毎日を過ごしていることと思います。
 世界情勢的には,全く信じられないことが続いていて,自分の無力さに今更ながら情けなくなる毎日です。今回の軍事侵攻とこれまでのものと,どこがどう違うのか。なんかよく分からないです。今までにも,いろんな侵攻はあったのに,なんでここまでハンタイしなかったのか??? もう少しじっくり勉強してみたいと思っていますが,まだなかなか手に着きません。
 さて,わたしの日常はやっと元に戻りました。神さんが40日ぶりに帰ってきたからです(40日間,孫誕生の世話のために長女宅へ行っていた)。そこで,3月中全くやっていなかった農作業をはじめることにしました。ご近所より半月~20日遅れの畑作りです。ここ数日(9日~12日),急にやったので,腰どころか足の付け根まで痛いです。歳を感じますなあ。
 今年1年,どんな年になるのでしょうか? 現役の時には,子どもも代わり,あるときには学校まで変わったりして,新しいことと出会う機会が“強制的に”ありました。そのことが逆に,マンネリ化しがちな生活に変化を生み,リズムを生んでいたような気がします。
 一方,今はどうなのか。さほど変わらないような気もしますが,なにか少しずつ変わっているようにも思えます。わたしは今年もNPOを中心に行動していくのは間違いないですが,その中でも,いろいろと変化がありそうです。能登学舎でのバイトも,何が入ってくるか分かりませんしね。少なくとも,わたしが退職した当時に思っていたことと,今の生活はけっこう違っていますからね。
 さて,サークルのお話です。3月は,コロナの予防接種を受けた後の副作用などで,やや少人数で行いました。わたしも,まだ独り者(+介護)だったために4時過ぎに帰宅。だから全内容は報告できませんので,あしからず。

今月話題の本・グッズ

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■3月の例会の参加者(4名)
 S.M   K.M   N.T   O.M   

資料の紹介

1 サークル資料「1年が終わる」 B5  4p   S.M
 通知表上に表す評価や所見の話。管理職の愚痴や研修会での発言を紹介しながら,「そもそも通知表とは何のために出しているのか」ということを考えています。そして結論は「所見は必要ない」ということ。
 わたしも通知表さえ必要ないと思っているのですが,通知表廃止を決断するのは管理職。その管理職だって「本校は通知表を廃止します」と言うことなんてなかなかできない。保護者の要請もあると思いますからね。そこで,必要悪として残るならば…と,対案を出したのが小原さんの「通知表の所見はラブレター」という言葉なんでしょう。
 数ヶ月の努力具合やサボりグセを3,4個の数字で表せるわけがない。漠然としたことなら子ども自身もすでに自覚していることだろうし,知識・技能等具体的すぎると点数には表せない。だから唯一,教師から子どもに気持ちが伝わるのは所見欄なんだよね。子ども自身が「自分でも頑張ったよな」と気づいていること,あるいは,子ども自身は気づいていないけれども教師の目から見て「これはよかったよ,よく頑張ったよ」と思ったことをしっかりと文章にして子どもと保護者に伝えてあげる。それが教師からのラブレター。それでいいんだと思います。
 がしかし,心温まるラブレターを書くための所見欄に「具体的に見たとおり書け。お前の気持ちは入れるな」と言われたのでは,ちょっと興ざめ。それなら「所見廃止論」へと進む気持ちも分からんではない。
 わたしの通知表との付き合い方は決まっています。それは「頑張らない」です。通知表は学校から出る評価の一つ。それはそれで冷たく冷静に対処する。その代わり,学級通信などで子どもたち同士,あるいはわたしからの他者評価をたくさん詰め込んで,毎日のようにいい評価を渡してあげる。こうすることで,通知表を相対化していくわけです。このことは,言葉にして学級通信にも書きます。「通知表なんて,あくまで評価の一つでしかありません」とね。だから,通知表の評点なんて点数のみの平均点。授業態度なんてなんの考慮もしないし,ノートのきれいさなんてものも全く考慮なし。授業中の発言が多いとかもどうでもいい。市販,自作テストの点数のみ。ただし,わたしは到達度評価的な考え方を持っているので,まとめのテストをしたときには,そちらの結果を優先します。だって,〈今,ちゃんとできている〉のですから,以前の点数と平均をとる必要なんてない。オレの人生を60等分して平均なんて出してほしくない。とりあえず,今を見て!って感じ。この通信を打ち込みながら,板倉先生の『私の評価論』をもう一度読み直してみようという気になっています。
 二つ目の話題は,卒業生からのお手紙のこと。わたしも6年生をよく担当しましたので,卒業生で分担して学校の先生方に御礼の手紙を書く…という活動があることは知っています。そして,学級会で,だれがどの先生に書くのかも決めるんですが,なかなか決まらないこともあったりして…ってことは,ほとんどありません。こんな時の卒業生は,けっこう優しいです。
 Sさんがもらった手紙は,それこそSさんへの手紙になっていて,とっても素敵でした。この手紙は,他の職員には合わないですよね。誰に渡してもOKのような手紙もありますからね。
 これからもずっと楽しくて優しくて明るく陽気なS先生でいてください。
 素敵なメッセージです。
 三つめの話題は,授業書《ふしぎな石じしゃく》「カッパ兄弟!」のこと。
 磁石に夢中になる子どもたちの様子,めっちゃ可愛いですね。
 また,カップに入った水とストローを見せたら,子どもたちから「《空気と水》ですか」という言葉が出てきたってことにビックリします。これ,1年生ですよ。もちろん,わたしがこれを紹介したのは,《空気と水》の応用編として遊べるぞ~と思ったからなのですが,それが授業書を受けた子どもたちからも出てきたことに驚きました。

 おもちゃ「カッパ兄弟!」の箱には,右のような中身が入っています。ガチャの丸いケースがちょうど2匹のカッパの体になります。で,一方のカッパの頭の上にお皿を乗せます。そして,水の入ったコップからストローでカッパのお皿に水を入れて,そのお皿をとなりのカッパの上に乗せるというゲームです。ストローに水を入れるときには,ストローの口を指で押さえないとこぼれてしまいます。ここが難しいです。また,カッパの皿に水がたまっていくときには表面張力の様子も見ることができます。このように,一石二鳥のゲームなのです。

2 「終わらない」 B5 3ぺ    N.T
 卒業式が終わっても過去問過去問!と追い立てられる日々。それでも,卒業生とのいい思い出は,次年度への実践の糧となります。
 3年間,理科を担当してきた卒業生とのお別れ。その子どもたちが残してくれたメッセージは,仮説実験授業の威力を見せてくれましたね。6年生を送る会で「どんな教科が好きですか」と聞かれた子どもたち。なんと卒業生9名中7名が「理科」と答えたというから驚きです。やんちゃな子の多いクラスだから「体育」なんてのもたくさんでてきて当たり前なのに…。また,学校だよりの一言欄には「3年間の理科が楽しかった」と書いてくれた子もいたそうです。そして科学者の道に進みたいという言葉も。
 最後の理科の時間には,板倉先生が書かれた「たのしく学び続けるために」という論文を読み聞かせしたそうです。読み終わると,子どもたちから自然と拍手が…。これもまた素敵です。わたしなら泣いちゃっていますね。子どもたちへは,水分子ストラップとモザイクアート写真をプレゼントしたそうです。これもまた素敵です。
 もうひとつは,担任をしていた5年生の保護者からの嬉しい言葉。PTAが発行している記念文集に「先生からの良い影響を受け,この9ヶ月で急成長しました」(注:原稿の締め切りが1月である)と書かれていたそうです。これも素敵です。
 わたしたち自称「たのしい授業学派」は,教育課程にはないことに取り組んでいます。それは,単に,やっている内容が,教科書と違うという形式的なことだけではなくて,これまでの常識的な学校現場の教育観とは相容れることができず,どうしても取り入れざるを得ないからやっていることです(換言すると,嬉々として学びに向かう子どもたちの姿がそこにあるからこそ,やらざるを得ないのです)。だから,常識的価値観しか持っていない学校現場の住人からの圧力や無理解は,あります。あるに決まっているんです。
 では,その圧力や無理解に対して,自分をどう立たせていくのか,どう自分に自信を持たせていくのか…そのためには,自分以外の人の力が必要です。その力は残念ながら普通の職員室にはありません。では,どこにあるのか。それがあるのは教室であり,その教室の様子を聞いてくれる家庭の中です。子どもたちと保護者からの圧倒的支持を受けることで,「たのしい授業学派」は「たのしい授業学派」のまま,この生きにくい学校現場で生きていくことができるのです。そして,少しずつ,理解者を増やす。いつの間にか,ヒューマニズムあふれる学校現場になることを夢見て,今日も,こっそりプリントを印刷しているのです。

3 「喃々レポ 2022年3月号」 A5  4p       O.M
 能越ケーブル会社が光回線を珠洲市内に張り巡らしてくれたことをきっかけとして,これまでのわたしのネット環境が大きく変わることになります。具体的には,メールアドレスとホームページのURL,そしてブログのURLも変更になります。スミマセンが,この通信の読者の方,設定を変えておいてください。
 ※メールアドレス *********
 ※珠洲たのHP https://suzutano.com/
     なお 移行し切れていないデータは  https://www.suzutano.com/
 ※ブログ(Amebaブログに移行)  https://ameblo.jp/sougensyu/
     検索は,ブログ名「世の中まとめて好奇心」で
 今は移行中ですが,4月末で全て切り替わります。現在,Google検索をしてみると,HPもブログも旧サイトに誘導していきます。これは,これまで20年以上使ってきたアドレスなので仕方ないのだと思います。今後,少しずつ新しいものに変わっていくと思います。今回の住所変更で,Google検索は,単にロボット検索をかけるだけではなく,ちゃんと過去のデータなとも参考にして検索結果を上位に出してくれることが分かりました。
 ほかには,3月号の『たのしい授業』に触発されて,わたしの学年はじめでやっていたことやっていなかったことをまとめてきました。誰かのお役に立てば幸いです。

 他には,「金沢大学能登里山里海SDGsマイスタープログラム2020年度卒業課題研究成果報告集」や,わたしが金沢大学能登学舎のバイトで作成した研究冊子「2021年度耕す会Newsletter」の紹介(いずれもO.M)がありました。
 そうそうわたしが4時ごろ帰った後で,参加者の娘たちが「カッパ兄弟!」で遊んでいる写真が送られてきました。その写真を紹介しておきます(一番左の写真)。
 また,後日,サークルメンバー同士で,ミニ体験講座を開いたそうです。わたしは参加していませんが,とてもたのしく有意義は会だったようです。その様子も次回紹介してくれることでしょう。今月は,写真だけ載せておきます(右の3枚)。どんな内容か分かりますか? 

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