珠洲たの通信・2020年3月号

 ついに定年退職! 現在,まったく仕事はしていない。再任用もなし。いつかはこういう日が来るんだから,それがみんなよりも3年早くてもいいじゃないか。ゆっくり休んでいる間に,なにか「やりたいこと」が出てきたらやるよ。お金のために我慢してはたらくのはおしまい。スパッとやめる。ん~,いいね~。でもちょっとヒマだけど。
 さて,新型コロナウイルス騒ぎで混迷を深める一方の日本,そして世界。仕事がなくなり給料があたらなくなる…そして,マスク2枚が,そのうち届く。いつ届く?
 そういえば,民放のテレビ番組でミュージカル「アニー」の時代背景を説明していた。そこでは,1930年代に世界恐慌に巻き込まれた米国において,無為無策の米大統領フーバーの名前を入れて,ホームレスが住む掘っ立て小屋を「フーバービル(HooverVille)」などと言って揶揄していたらしいことが出てきた。
 フーバービルに居住するほとんどのホームレスは仕事がなく、公的な慈善事業に助けを求めたり、家を持つ人々から路上で食料を乞うたりした。民主党はフーバービル以外にもフーバー大統領を非難する造語を造った。例えば「フーバーブランケット」(古い新聞紙が毛布に使われたことから)、「フーバーフラッグ」(裏返しにされた空のポケットを旗に見立てた)、「フーバーレザー」(すり減らした革靴の底を補強するダンボール)など。またガソリンを買い求めることができないために馬に引かせていた自動車を「フーバーワゴン」と名づけた。(Wikipediaより)
 今回の全世帯マスク2枚配付を「アベノマスク」と言って揶揄している世間。新聞を読む前から,わたしもこの言葉を使っていたので,出てくるべくして出てきた言葉だ。こっちの方は,マスクという言葉を使っているのでフーバーには負けるな。「アベノ防御服」ぐらいがよかったかもしれない。

■3月の例会の参加者(5名)
 M.K  , K.H , T.N , M.S , O.M(退職)

資料の紹介

1 珠洲たのレポート  B5 2p                 K.H
 まず3冊の本を紹介してくれました。
・ブレディみかこ著『ぼくは,イエローで,ホワイトで,ちょっとブルー』(新潮社)
・五木寛之著『無意味な人生など,ひとつもない』(PHP研究所)
・大江英樹著『定年前』(朝日新書)
 いずれも,わたしもお借りして読んでみました。『ぼくは…』は,ノンフィクションのお話で,日本の学校教育の異常さが浮き彫りに描かれています。ほかの2冊は「あなたはあなたのままで大丈夫」というようなものです。特にお金がない,○○がないと一喜一憂して過ごすのではなく,その〈なくなったこと〉さえも楽しみに変えて生きていくことができる…というような視点は大切だと思います。『定年前』を読んだのは定年前寸前だったのですが,「老後はコミュニケーションが9割」という言葉に,そりゃそうだなと思った次第です。
 その他の話題は,研究会の代表を巡るもの,新型コロナのこと,そして一日の楽しみのことなどです。
 それにしても,好きな本が読めるといっても,一日中,ずっと座ったまま読んでいるわけにもいきませんからね。時間を有効に使うための方策を考えないといかんね。

2 「Crescent Moon」 B5 2P        T.N
 「突然のサヨナラ」と題された今回のレポートは,新型コロナでいきなり休校になり,そのまま子どもたちとお別れとなってしまったことに対する〈無念さ〉と,それでも,ただでは終わらないぞという〈したたかさ〉が溢れています。
 最後の授業書として取り上げた《宇宙への道》。地球の大きさを考え,人工衛星の高度を考え,いよいよ地球から脱出か…というところで,いきなりの休校措置。
子どもたちも「宇宙への道,どうするんですか?」と残念そうにしていました。「来年も担任になってしてください!」という声もあって,授業書の魅力のすごさを感じるとともに,最後までできなかった悔しさが募りました。
とNさん。
 さて,最後の授業は,授業プラン〈エナジースティックで遊ぼう〉をしてみたそうです。
「手をつないだら光って音が鳴るおもちゃ」程度の認識で買っておいたのが役立ちました。
とふり返っています。そう,少々お金はかかるけど,気になったもの,楽しそうなものは,手元に置いておくのが一番です。そして,その出会わせ方も考えた方がいい。上っ面だけで,楽しいからと出会わせるのはもったいないですよね。少し,その原理が分かったりする1時間もののプランを考えてやってみると,たかがおもちゃ,されどおもちゃとなるでしょう。で,楽しい出会いのできるプランができたら,みんなにもやってみてもらうといいんです。
 最後,トイストーリーの話題。ヘルメットで集光する場面が出てくるそうです。聖火の点火式のようです。こんなことが見えてくるのも授業書《光と虫めがね》に関わったからでしょう。まさに〈見れども見れず〉だったんですね。

3 「子どもたちがいないと」 B5 1p   M.S
あれもこれも…ができなくなった現状にガッカリした2週間。それにしても毎日が長い。子どもたちがいないからでしょうね。
とSさん。やはり話題はコロナの影響からです。
 それでも,たのしい授業学派は,気合いをいれます。「駆け込みで楽しいこと」をしようと計画を練るのでした。Sさんが子どもたちのために準備したのは,「シュート棒づくり」「折り染めラミファイル」の二つのものづくり。すぐにネタが浮かぶのも,たのしい授業のネタがたくさんあるからでしょう。研究の積み重ねの大切さとそのありがたさを感じますね。みなさん,いい別れができましたか? 

4 「ブログ的気楽レポ2020年3月号」 A5   6p     O.M
 コロナによる突然の別れ。わたしにとっては,これで「教員生活最後」ってことになりますので,これまた焦り感も人一倍でした。珠洲市の場合,休校までに少し時間があったので,担任にお願いして,高学年に1時間ずつ理科の時間をいただきました。そして,5年生とは〈爆発〉,6年生とは大道仮説実験〈しゅぽしゅぽ〉をしました。1時間,まるまる授業をしたので,感想などをとる時間もありませんでしたが,みなさん,とっても楽しそうでした。こうしてわたしの教員生活最後の授業は終わったのでした。
 二つめに「小学校の教師にとり,日常のすべてが教材研究」ということを書いてみました。これをまとめながら,「じゃあ,4月からのわたしの日常は,いったい何の為に過ぎていくのだろう」という思いが少しだけでてきました。でもすぐに「いやいや,自分が直接授業しなくても,わたしがやっていることは流れ流れてだれかの役に立つかもしれない」「サークルのメンバーや研究会のメンバーがいるもの」ということを想像できてきて,今までとは何も変わらないことに気づきました。
 最後は,支部執行委員長として組合の情宣に書いた挨拶文です。こういうのも,どこかに残しておくといいなと思って,今回紹介しました。その文章の最後に,パンデミック映画『感染列島』に出ていた言葉「たとえ明日,地球が滅びるとも,今日,君は林檎の木を植える」を紹介したのですが,少し反響がありました。

5 「プログラミングの授業の感想」 A5 7p    O.M
 「今年度中に,ICT支援員と一緒に,どんな授業ができるのか,打ち合わせをして考え,実践してみてくれ」という要請が昨年12月ごろにあって,それじゃあ,わたしがやってみます…と考えてやってみた授業についてまとめてきました。実際には,そのICT支援員がいなくなり,力強い同僚のNさんにICT支援役をしてもらっての授業となりました。
 当日は,教育委員会事務局からもたくさんの参観者がありました。そのうちの数名は放課後の授業整理会にも参加していました。これは,来年度,市の予算で児童用に準備する予定の「micro:bit」などの有効性について知りたかったからのようです。
 6年理科での授業でしたが,たったの1時間しかなかったものの,Nさんのおかげで「準備8割」ということで,スムーズに進めることができました。子どもたちの感想も,いいものでした。これらの実践記録については,2020年度の市の理科研究会でNさんが発表してくれるはずです。今年から本格的に導入されるプログラミング教育ですが,この実験授業が,少しでも,みなさんのプログラミング導入に対するハードルを低くしてくれればいいなと期待しています。
 このレポートのほかにも,授業指導案(授業覚え書き)や授業に使ったプレゼンの写し,プリントのコピーなども持ってきました。

6 授業プラン体験「感染症を〈正しく〉恐れる」(村西正良) 紹介 O.M
7 授業プラン体験「かぜとインフルエンザ」(中一夫)   紹介 M.S

 「新型コロナウイルス感染症」に関して,仮説実験授業研究会でも様々な場面でいろいろな話題が出てきています。今,現在のリアルな患者数などの値を,いろいろなグラフで表したり,そもそも論(ウイルスとは…)についてしっかり学習するプランを発掘したり…。
 今月のサークルでは,その中でも,2つのプランを参考にわたしたちの知識の確認と,ものの見方考え方を学びました。これらのプランは,わたしたちの研究会員が作っているので,ちゃんと「問題」→「予想」があります。だから,予想を立てながらわいわいと楽しんで感染症を学ぶことができました。
 こういうプランを体験するといつもそうなのですが,わたしは,ここにあげられている文献などを無性に読みたくなります。そんなわけで,この1ヶ月は,感染症に対する文献や映画などを読みまくって(見まくって)きました。どんなものを見てきたのかは,次回のサークルに紹介しますが,わたしの「ブクログ」にはすべて感想を書いてあるので,早く知りたい方はそちらの方をご覧下さい。

 今日(4月13日)は,朝から風雨が強くて外は大荒れなので,愛犬の散歩以外は外に出ていません。4月1日から,外の作業をしなかったのははじめてです。確かにヒマですが,こうして通信を書くという仕事もあるので,なかなかいいです。
 新型コロナウイルス感染症の影響はいつまで続くのでしょうか? このままずるずると休校を続けるわけにもいかないでしょう。持病をもっている人やお年寄りには感染させないように,国民全体が弱く感染して抗体を作っていくしかないのでしょうか。壮大なる実験だけど,後遺症があまりにも大きそうなのが気になります。失業もあるでしょう,つぎ込んだお金は国債発行でまかなうらしいですが,要するに国の借金が増えるということです。いやー,心配ですね。今月も,三密にならないように配慮しながら,サークルはしますね~。

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