珠洲たの通信・2019年9月号

 県教研,学校の発表と,慌ただしく過ぎていく毎日。しかも,来年度の組合の組織を立てる季節でもあります。
 世の中は,台風19号とラグビーワールドカップと新天皇の即位式など,いろいろとテレビが特集を組むようなできごとが続いています。中でも,理科教師としては,台風19号の被害が気になります。今回の映像などを教材化するのも大切なんですが,あのような災害を防ぐためには今後どうすればいいのか,その道筋がよく分かりません。またまた上流にダムを造ったり,河の堤防を高く厚くしていくのでしょうか。でも,このようなコンクリートの巨大化は,かえって被害を大きくするだけのような気もします。もしもその堤防が決壊した時には,さらに甚大な被害が予想されるからです(堤防が高くなると避難する人も少なくなるでしょう)。もっとソフトに「流れる水のはたらき」とつきあう方法はないものでしょうか? そんなことを考えていました。
 ラグビーの方は,完全にニワカファンになっちゃって,毎試合を楽しんでいました。ルールが分かってくるにつれて楽しくなってくるのが自分でも分かりました。食わず嫌いってあるんだなって思います。ま,嫌いだったわけではないけれども,今まで,試合をじっくり見るなんてことはありませんでしたからね。ジャパンチームと言っても多国籍なのがおもしろいです。そしてそれを日の丸振って応援しているってのもおもしろいです。ここまで来ると,民族なんて関係なくて,単に住んでいる場所(国で)で応援するのがおもろい! こんなスポーツ,他にあるんでしょうか? オリンピックよりも国際親善じゃんって思いました。

■9月の例会の参加者(3名)
 M.S  K.H  M.O 

資料の紹介

1「珠洲たのレポート 2019年9月号」 B5  2ぺ   K.H
 今月は,夏休み中に読んだ本の紹介をしてくれました。
・小原茂巳著『授業を楽しむ子どもたち』(仮説社)
・菅野仁著『友だち幻想』(ちくま新書)
・齊藤孝著『50才からの孤独入門』(朝日新書)
・中村文著『研究会って楽しいな☆』(ガリ本)
・小原・山木編『たのきょう2号』(ガリ本)
・五木寛之著『ただ生きていく…』(PHP研究所)
・五木寛之著『孤独のすすめ』(中公ラクレ)
・内田良・苫野一徳著『みらいの教育』(武久出版)
 最初の『授業を楽しむ子どもたち』なんて,読むのが4回目だそうです。それだけお気に入りの本なんでしょうね。元気が出る本。「ツッパリも優等生もおとなしい子もそれぞれが楽しめる授業なんて素晴らしい!」と濱岸さん。ですよね~。それが仮説実験授業なんです。
 『友だち幻想』の菅野仁氏は社会学者。私もお借りして読みました。中学校の図書室に置いてあったそうです。「みんな仲良く」を求めすぎて失敗している学級のいかに多いことか。先生たちにも読んでもらいたいです。
 いろんな本を紹介してもらえる(そして時々貸してもらえる)というのは,自分の守備範囲が広がるようでうれしいです。「読書会」なんてサークルもあるようだけど,こういう気になった本の紹介というのも気楽でいいですね。

2 「仮説実験授業全国大会2019盛岡大会」 B5  2ぺ     K.H
 今夏行われた全国大会参加記です。今年は,Hさん,Sさん,Oが参加しました。Hさんが参加した分科会のことについて報告してくれました。
 全国大会まで行くと,実は,みんなバラバラに行動しているので,だれがどの分科会に出てどんな話を聞いてきたのか,とても気になるんですよね。20以上の分科会があるので,ホント,迷います。しかも,ナイターもあるので,目移りしてならない。 こうして他の分科会の話を聞いたり,レポートを借りて読んだりすると,2度,大会に参加した気分になれます。

3 「わくわくする子どもたち」 B5  3ぺ      M.S
 次の「前書き」に同感。ラグビーワールドカップへの自分の興味関心を取り上げて曰く。
 ちょっとだけルールが分かっただけで,ただ野蛮に感じていたスポーツがおもしろく思えたのです。これって,子ども達も同じかなと,勝手に押しつけ考え。仮説の授業書で同じ現象があるような気がします。はじめはよく分かっていなかったけど,考えるうちに楽しくなってくる。問題に正解すると,思わず声に出る~!みたいなのかな。
 今月は,はじめて子どもとやってみている授業書《おもりのはたらき》について報告してくれました(中間発表です)。Sさんは,今年の夏の刈谷の会でこの授業書の講座に参加し,しっかりと実験のコツなどを学んできてからの授業実践です。抜かりはありませんな。起き上がりこぼしやヨットなど,子ども達が喜ぶものづくりも取り入れながらの授業なので,子ども達は喜んでくれると思いますよ。
 刈谷では,若い人が多くてちょっといつもと違った雰囲気を感じたそうです。考えようによっては,それはとてもいいことかもしれませんね。新しい波が来ているとも言えるから。全国大会とは違うんですから。
 あとは,最近の再任用の方々への感想。いろんな方がいろんな形で現場に残っているけど,どんな気持ちで授業をしているのかね。わたしは再任用しようとは全く思わないので,先輩たちの気持ちが分かりません。「もっと子どもたちと授業をしたい」と思っている人よりも「少しでもお金が欲しい」と思っている人が多いような気がするのは私だけかな。ま,いろんな人がいるから,決めつけちゃいかんけど。

4 「わたしの地学見学(2019年夏編)」 A5   8ぺ    M.O
 今年の夏休みを「地学の目」で切り取ってまとめてみました。
 紹介した場所は,清津峡(閃緑岩の柱状節理:新潟県),厳美渓(軽石凝灰岩の方丈摂理,甌穴:宮城県),達谷窟毘沙門堂(おそらく凝灰岩の中に本堂が食い込んでいる:宮城県),いわき市石炭・化石館(フタバスズキリュウの地元:福島県)です。いずれも仮説実験授業全国大会へ向かう途中や帰路で立ち寄った場所です。今年は,岩手県雫石まで車で行ったので,途中,ずいぶんといろんなところを回りました。岩石めぐりもなかなかおもしろいなあと思いました。これも神さんが賛成してくれるから回れることですので,感謝しないとね。
 つけ足しとして,9月11日の午後1時間ほどだけど,金沢大学の学生と観察した平床の露頭のことを紹介しました。珠洲に金沢大学の先生が来られるというので,私が案内するというよりも,私自身がここの露頭の地層のことを教わりたくて行ってきました。そしたら,新しい発見があったので,それをまとめてきました。今年の地層見学会には,子どもたちにしっかり伝えたいと思います。

5 「わたしの社会学習(2019年夏編)」 A5   8ぺ   M.O
 夏休みを「社会科の目」で切り取ってまとめてみました。これもまた,東北の旅の途中で寄った場所の紹介です。初めての場所もあれば,訪問するのは3度目という場所もあります。いずれにしても,新しい発見があったりして,とても刺激的な旅になりました。
 紹介した場所は,「前島密記念館」(上越),飯盛山(白虎隊のところ,会津),毛越寺・中尊寺(世界遺産,平泉),白水阿弥陀堂(本堂の阿弥陀堂は国宝,福島県),日光東照宮・輪王寺(栃木県日光),宮澤賢治記念館・童話村・イギリス海岸(岩手県花巻),そして高速道路で見た汚染土を運ぶトラックや放射線を測る機器のことです。
 上越に「前島密記念館」があることは,以前,このサークルでお聞きしたので知っていました。しかも,それ以来,前島密の自伝や評伝を何冊か読んでいたので,いつかは行ってみたいと思っていたのでした。今回それが実現できて嬉しいです。そこの館長さんらしき人ともお話ができてよかったです。事前に,ある程度の知識があると,こういうときには助かります。質問もできるしね。こういうのも,サークルで話題になったからこそ,私の好奇心に火がついたわけです。やはり,ありがたいのはサークルです。
 わたしが旅を計画する(途中下車する場所を決める)ときには,神社仏閣(特にお寺さんと仏像,お庭),博物館,科学館,自然など,さまざまものに注目して決めます。その時に,何に興味があるのかによっても変わります。今回の社会見学の場所は,私よりも神さんの意見を優先して決めました。平泉も日光もわたしは3度目ですが,神さんが行きたいというので決めました。
 これまでは,「これからの授業に役立つ場所はないか」というようなことも考慮しながら見学場所を選んでいたような気がします。でも,来年からは違ってきます。本当に,自分の興味の赴くままに行けるんですから。でも,時間はいっぱいあっても,そこは,お金との相談ですが…。

6 「今月の本棚2019年9月号」 A5   4ぺ   M.O
 今月は,短い記事を集めた「ブログ的気楽レポ」は書かなかったので,項を改めて本の紹介を書いてきました。紹介したのは以下の本です。
・『空が青いから白を選んだのです-奈良少年刑務所詩集』(長崎出版,2010)
・坂本菜の花著『菜の花の沖縄日記』(ヘウレーカ,2019)
・樹木希林・内田也哉子著『9月1日…母からのバトン』(ポプラ社,2019)
 いずれもおすすめの本です。『奈良少年刑務所』は,学校に来ている図書館司書さんから教えてもらいました(というか貸してもらいました)。菜の花さんは,珠洲市出身の女性で知り合いの娘さん。そして『9月1日』は,テレビでも取り上げられていたので,読んでみたくなったのでした。いろいろと考えさせられる本ばかりでした。 

高校生になったら沖縄で暮らしてみたい――。
そう考えた少女、坂本菜の花は、15歳で故郷・石川県を離れ、ひとり沖縄にやってきました。高校は無認可学校「珊瑚舎スコーレ」。
クラスメートがお互いをサポートしあい、ともに成長する場が学校、教員はその手助けをする存在。そのような教育方針を掲げる珊瑚舎で、彼女はさまざまな人に出会い、経験を積み重ねていきます。(Amazonの紹介文より)

 他にも,簡単な万華鏡(紹介:S)などもありました。 
 10月は第4土曜日です。みなさん,お誘い合わせの上,おいでください。

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