珠洲たの通信・2020年1月号

 どうせやるなら20200202にやれば…という〈キッカケの論理〉で決まったわたしの「退職を祝う会」。サークルのみなさんにはいろいろと準備をしていただき,本当にありがとうございました。とても楽しくて,想い出に残る会となりました。今年は,西暦2020年に加え令和2年と言うことで,ほんとうに2に関係のある日となりました。この会に関するわたしなりの感想やまとめは,次回のレポートでまとめようと思っていますので,ここではこれくらいにしておきます。
 1月からこの間,新型コロナウイルスで大騒ぎになっています。田舎でもマスクがなくなっているとか…。病院で足りなくなるのが心配なのですが。このような危機的な状況からわたしたちが学ぶべきことも多いと思います。


■1月の例会の参加者(4名)
 M.K  , M.O , T.N , M.S

資料の紹介

1 『Crescent Moon』 B5  2ぺ       T.N
 妻子が帰省して独りぼっちになった冬休み。行動派のNさんは,体がウズウズ。結局,学生時代にバイトをしていた奈良市の旅館からのお誘いに応えて,車で向かったそうです。着いたのが午前2時っていうからビックリですね。さすが若い。その旅館では学生時代同様,部屋の掃除をしたり食器洗いをしたりして過ごしたそうです。しっかり夜の町をハシゴして楽しんだようです。なかなかできないことですね。
 二つ目の話題は,職員旅行。バスの中で話題になった大津事件。職員でもサークルでもあまり知っている人はいなかった「大津事件」を調べてみました。
大津事件は、1891年(明治24年)5月11日に日本を訪問中のロシア帝国皇太子・ニコライ(後の皇帝ニコライ2世)が、滋賀県大津市で警備にあたっていた警察官・津田三蔵に突然斬りつけられ負傷した暗殺未遂事件。(Wikipedia)
 とても大きな外交問題になったそうです。そういえば私の本棚に保田孝一著『最後のロシア皇帝ニコライ二世の日記』というのがあるのを思い出しました。明治維新に関する本を集めたときに手に入れたけど,まだ読んでいませんでした。これをキッカケに読んでみようっと。
 三つ目は,「学校だより」の好きな教科(4年生特集)の欄に,体育に次いで理科が多かったことがうれしかったということ。3月になったら「想い出に残る授業」を聞いてみるのもいいですよ。きっと子どもたちがたのしかった授業をふり返り生き生きと書いてくれると思います。
 そして3学期スタート。例によって宿題が全て揃うことはなかったけれども,「みんなが元気に学校に来てるからそれでいいや!と思えました」とNさん。そうですね,子どもの好奇心さえ萎縮させなければ,きっといつかは自分でやろうという人間になるはずです。そう信じていきましょう。

2 「伝えていきたいことがあるのに」 B5  4ぺ  M.S
 中学校現場で減らない宿題。提出できない量を出しておきながら,提出しない子がいると嘆く先生たち。ちゃんと提出できている子をみて,「おまえたちも同じ人間だろう」「○○ちゃんができるんだからあんただってできるだろう」とばかりに迫る…そして授業改善や宿題の出し方について考えようとしない。すべてを〈出さない子どもたち〉のせいにする。日本の教育界は,こんなことを何十年くり返して来たのだろう。「宿題は家庭学習の習慣を創る」と思っている人もいるようですが,だとすれば,学年が上がるにつれてだんだん提出率が悪くなる理由が分かりません。結局は,その子のやる気をつけるかどうかでしかないでしょう。その意欲さえも奪っているのが〈宿題〉だと気づいたときには,すでに退職ってこと?
 〈あまい〉はおもしろい視点ですね。わたしも保護者からみると〈あまい〉んだろうな。でもその〈あまさ〉が,子どものやる気を引き出すことにつながるのなら,大いにあまくていいんじゃないの。「〈厳しさ〉が子どもを鍛える」というスタンスの大人が子どもに好かれているとすれば,それは〈しかる基準〉がしっかりしているからだと思います。実は〈あまい〉と言われているわたしたちも〈しかる基準〉がしっかりしているからこそ,平気で〈あまい〉対応ができるんですよ。〈あまい〉対応をしても大丈夫だという余裕があるといえばいいかな。結局,〈厳しさ〉と〈あまさ〉は補い合って発展していく…これぞ,弁証法の世界。
 「25年前のレポート」。四條畷の発表会にはじめて参加した若かりし頃のSさんが受けとめた言葉がたくさん書かれていました。
「練習問題は必ず点検する。すぐその場で!」
なんて,教師の中では常識ではありません。
「担任をしたら,その1年間は子どもたちに一流の仕事をする。クラスの中では手抜きをしてはいけない」
 いいね~。いいものは色あせない…そのとおりです。

3 「秘密結社? 地下組織」 A4 2ぺ  M.K
 楽知ん研究所の講座に足繁く通っているKさんが,楽知んの現状を見て考えたことやこれからのことをまとめてきてくれました。
 学校外での「仮説実験授業」や「たのしい科学の学び」の可能性は,これまでも,一部の「科学教室塾」や大人向けの「わくわく教室」,さらには「サイエンス・シアター」などでも実験的に行われてきました。しかし,一時期の「サイエンス・シアター」を除き,これらの活動を成功させるためには,主催者の努力や工夫に寄るものが大きく,わたしたちがおいそれと手を出すことはなかなかできませんでした。それを組織的に,効率的に,そしてフィードバックもしっかりして行おうとしているのが,楽知んが進めている「親子孫でたのしい仮説実験講座」です。
 Kさんは,こんな過疎である能登の地でも,この講座をしっかりやってみたいと思っているようです。そして,参加者がたとえ0人であっても,それはこの講座を開催している人,しようとしている人たちへのフィードバックとなるのでムダではないとも言っています。そして,やっぱり最後は,現場をみて次の感想となるのです。
そして,いろんな意味で「やりっぱなし」の校内研究のことが,残念な思いで,思い起こされました。どこにも「つながって」いなくて,どこにも「つながらなかった」校内研究のことが。どうすれば,すこしでも実りにつながるのだろうと思います。
 「どうでもいいことは改善せず」でいくのか,少しでも「どうでもいいこと」ではなくするのか。力関係を考えながら,少しでも「つながり」を考えていければいいですね。「ひとは旅と恋と本で成長する」…同意します。

4 「あれやこれや」 A4 2ぺ     M.K
 「ぼくは勉強のしかたがわからない」という身近にいる高校生男子。さて,どうしたものかと考えるKさん。自動車免許の学科試験でも,点数が足りなくて何度も受けているとか…。
 彼の過去をたどると,小学生の時の苦い記憶があるそうです。とてもここには書けないことです。
 が,この出来事から教訓を得るとすれば,わたしたち教師は〈課題をスムーズにこなせない子たちにこそスポットをあてて自分自身の指導法をふり返る〉ことが大切だと思います。それが回り回って分かっていると思っている子たちにもプラスに働く指導法や教授内容が見つかるのではないでしょうか。ほかより遅れていることを,「ほかより遅れているから早く着いてこい」というだけでは,教師とは言えない。それくらいのことなら専門家でなくても言えますから。
 「プッシュ型・プル型」の話。水を飲みたくもないのに水場に連れてこられたキリン。むりやり飲まされてもおいしくないどころか,「おまえなんかと二度と来るもんか」と思われるのではないか。水が飲みたいのにそこまで行く道が分からない。飲んでも良い水なのかどうか分からない時に,一緒に道草しながら歩いてみたり,その水を先に飲んで大丈夫だよと安心感を与えたりするのが,おそらく大人の役割なんだと思います。もちろん教師もその最たるものではないかな。

5 「ブログ的気楽レポ2020年1月号~特集:京都の旅」 A5  6ぺ   M.O
 12月上旬~1月上旬にかけて,なんと3度も京都に行ってきました。何十回も京都に行っているわたしですが,それでもまだ訪れたことのない場所がたくさんあります。そんな話題を紹介しました。お宿「いしちょう」,本能寺,大豊神社,晴明神社,青龍殿・将軍塚,智積院,バスの一日乗車券,先斗町での食事などです。
 今回の旅で,智積院の境内で見つけたオレンジ色の実について,クチナシの実だということを書いたのですが,わたしのフォルダには以前に撮影した同じ花の写真があって,興味を持って調べたことが書かれていました。なんだ,ちゃと知ってたんじゃないか。でも記憶にはないのです。どうしよう,この萎縮してきたノーミソ。

6 「サンフランシスコ平和条約とその後の日本」 A5  8ぺ  尾形正宏
 6年生社会科で戦後の学習の計画をたてようと教科書を開いてみました。
 教科書では,1951年に,日本がサンフランシスコ平和条約,日米安全保障条約を結んだことや,その後の米ソ冷戦のこと,朝鮮戦争の勃発や日中国交回復のことなど,いろんな出来事がばば~っと出てくることがわかりました。これらをバラバラに考えていたのでは,子どもたちの頭も混乱するばかり。現在の国際状況につながる問題として,このサンフランシスコ平和条約を教えられないかと考えて作ったのが,このプランです。ただし,このプランどおりに授業をしたわけではなく,もっと簡単な問いと答えで進めていきました。提示用のPPも作りました。
 サンフランシスコ平和条約締結の際,全面講和か部分講和かで,政治も世論も割れました。色々調べると,まだまだ興味深いことがいっぱいありました。今,日本がアメリカにいいようにされているのは,すべてこの1951年にあるようです。
 このプランはネットの情報のみで作ったので,もう少し文献を読んでみたいと思います。こういうときこそ図書館が役立つはずですが…市立図書館にはそんな関係の本があるかどうか…。

 ほかにも,Nさん提供のあやしいおもちゃの紹介がありました。Nintendoの製品らしいです。スマホに煽られながら輪っかを動かすと相当筋力を使います。わずかな時間でしたが,次の日,筋肉痛になりました(^^;)
 さて,2月も定例会を開きます。みなさん,お友だちも誘って,どうぞお越しください。

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