気温の変化が激しくて体調を整えるだけで体力を使ってしまいそうな毎日ですが,みなさん,いかがお過ごしですか?
「○○の秋」には,人それぞれのお気に入りの「○○」がいっぱいあるのですが,学校現場では「研究発表の秋」という言葉が真っ先に思い浮かんだりして,寂しいですね。
さて,珠洲市で開催されている奥能登国際芸術祭には多くの観光客が見に来てくれています。週末ともなると,どの地区へ行っても,パスポートを持った多くの人たちが街の中をうろうろしています。このイベントの真新しさが原因なのか分かりませんが,本当に人数が多いです。
私も作品の全てを回ってきました。夜景を見ようと,わざわざ,夜に出かけたところもあります。これが終わったら,№1~,自分の感想などをまとめておきたいと思っていますが,できるかなあ。
■9月の例会の参加者(4名)
M.S(N町M中) M.O(S市T小) T.N(S市T小) M.K(N町O小)
今月のオモチャ
資料の紹介
1.「No title」 B5 2ぺ T.N
書き出しが秀逸です。
「皆もすなるレポートといふものを,私もしてみむとてするなり。」
私は,中学時代頃から徐々に古文が嫌いになり,高校では完全にノックアウト。そして,国語の勉強は諦めた…だから,こういう言い回しはできないんですが,なかなかおもしろいですね。Nさんは,初めて参加した刈谷で行われた「たのしい授業フェスティバル」で自分が得たものについてまとめてきてくれました。
出口先生の《ばねと力》の講座を受けたときの感想は,本人が体験しないとわかんないことです。
一番印象に残ったのが「科学で全てと言うときには,例外なく全てである。それでも子どもは感覚に頼ってしまう。」という言葉で,自分自身も「感覚に頼ってしまう」ことを「釣り合い」の実験で体験したよくわかりました。今になってようやく科学の世界の入り口に立つことができた気がしました。(N談)
人の認識って,そうなんです。そう簡単には,学問などの権力に支配されないのです。
こういうことが分かってくると,「今さっき教えたのになんでできないの?」なんて子どもたちに言えなくなります。だって,子どもたちは常識の世界に浸っているのですから…科学的な認識の成立をじゃまする,いろんな刺激があるのですから。そう,これまで彼らは,一生懸命生きてきたのですから。
Nさんは,ここで学んだことを,早速,夏休みの登校日から実施していました。この行動の速さは,すばらしいです。子どもたちの笑顔を見ることで,自分もうれしくなる…こういう経験を積んでいくと,教師業もますます好きになることでしょう。「たのしい授業のネタ」は,「早くこの授業をしたい」という気分にさせてくれます。〈教科書にあるから教える〉のではなく,〈自分が子どもたちに伝えたいから教える〉という経験をたくさんつんでいってね~。
それにしても〈サソリの標本〉で,ママに叱られたのは,想定外でしたね。以後,ビックリものには気をつけましょう(^^;;
2 「免許更新と最近の話」 B5 6ぺ M.S
免許更新の歳になったSさん。せっかくなので,目的意識を持って参加することにしました。
明星大学の山路先生と,早稲田大学の露木先生の授業を受けたそうです。山路さんは,仮説実験授業研究会の実践家として知られている元中学校教師。当然,講座はたのしく受けたようですが,試験がしっかりとあって,ちゃんとできたかどうか心配だと言っていました。一方,露木さんの講座は,富山の研究会仲間からの情報で選んだそうです。早稲田大学の校地をフィールドにしたネイチャーゲームなどを体験し,午後から教室で1時間の講義。その後は,グループで新聞づくり。そして試験はなし。なんともたのしそうではありませんか。しかも,学校に帰ったらすぐに子どもたちを対象に実践できそうな内容です。
その他,金大の村井敦志先生の授業もたのしかったようです。子どもを引きつける授業づくりの鉄則が,言い得て妙でした。
その1 まずはワンマンショーの授業に強くなる。
その2 大人もおもしろがる授業を作って,子ども用に翻訳する。
その3 メッセージのある授業を作る。
その4 意外性とストーリー性。
その5 リサーチは,鳥の目と虫の目で。
私も常々そう思っているなあと思います。特に「その2」なんて,新しいプランを考える時には,教師にも楽しんでもらえる授業にしたいと思うくらいです(だから,指導案を配付せずに校内研究をしたこともあります)。メッセージももちろんだし,意外性も。教材研究をするときには,先行実践にあたったり,地元の人に聞いたり…。いずれにせよ,教科書の中で終わっていたのでは,刺激的な授業は作れそうもありません。
「最近の話」では,子どもたちが教師の誕生会を企画してくれた話をしてくれました。子どもたちは秘密にして準備しているつもりでも,担任にはバレバレ。でも,そこは,知らない振りをして対応しています。担任の誕生日を祝う会が,いつの間にか,違う方向へ。これもまた,子どもらしくて,思わず笑っちゃいました。でも,下手でも,こういう会を企画しようとしてくれる子どもたちでよかったですよね。小学校教師は,担任をしてこそ,その意味があると思っています。
3 「ブログ的気楽レポ2017年9月号」 A5 8ぺ M.O
二つの話題についてまとめてみました。
一つ目は,今年の夏に読んだ『主体性論・実践論・組織論』という本の引用と,私の感想です。この本は,1974年の板倉聖宣先生の講演記録ですが,いま読んでみても,とても刺激的で,ドキドキします。同じ内容の文章を,教師になり立ての頃に読んだはずですが,30年後のいま読みなおしてみると,私が如何に板倉先生から影響を受けてきたのかがよく分かります。その割には,成長していませんが。今回は,第1部「教育論(主体性論)」に関する部分だけまとめてみました。近いうちの,他の章についても,まとめてみたいと思っています。
二つ目の話題は,「見れども見えず」についてです。《花と実》の授業書をやっているときに,子どもたちからの意見で花壇にある「ホウセンカの花の観察」をすることになりました。そのホウセンカの花のつくりについて,初めて知ったと思ったことが,実はずっと前から,何度も読んだことのある文章に書かれていたということに気づき,愕然としました。自分が予想をもって見ない限り(読まない限り),文章から得るものも少ないものだと知ったのでした。
この経験は〈本を読む〉ことについても,〈自分の問題意識がとても大切である〉ことを示唆しています。私は,活字が好きで,常に何か本を読んでいたいタイプなのですが,残念ながら,内容については余り頭に残りません。それは,自分の中の問題意識(予想や意見)が余りハッキリしないままに読んでいるからなんだと思った次第です。
4 「全国合宿研究会参加記」 A5 6ぺ M.O
今年の仮説実験授業全国合宿大会は,長崎で開催されました。今年は,親戚が帰省する関係で,大会3日目の朝にホテルを発ってしまいましたが,それでも,たくさんのことを学んできました。それをまとめてみました。
私は,「たのしい毛筆〈自分の字で書く〉〉「算数プラン〈割合〉の授業」の2本のレポートを持っていき,それぞれ国語と算数・数学分科会で発表させてもらいました。
特に国語分科会には初めて出たので,とても新鮮でした。といっても,そこは仮説のなかまたち。たのしいことしか話題にしませんので,すぐにでもやってみたいと思う物ばかりが紹介されます。担任を持っていないので,補欠の時にでもやってみるかな。
算数でも〈たのしい授業〉の追究がメインですが,それと同時に「子どもの負担を如何に軽くするか」という視点でも話が出てきます。これは,水道方式による計算の型わけに関連するわけですが,今年も数年前の石川大会に引き続き,「÷ふた桁」の計算が〈見えて〉きました。そのうち,出版物にもなりそうですので,4年生のわり算の計算が指導しやすくなるはずです。
その他,ナイターや全体会の話題も少しまとめてきました。ナイターで教えて貰った本はなかなかおもしろいノンフィクションでした。「原子論とキリスト教」に興味がある方に,お薦めします。
スティーブン・グリーンブラック著『1417年,その一冊がすべてを変えた』
5 「学校防災教師養成講座」 A4 4ぺ M.K
自分で「常識だ」と思っていたことが,「常識ではなくなっている(見直しをかけなくてはいけない)」事例を紹介していただきました。興味深い研修でした。
とKさん。世に,行かなければならない研修は数々あれど,こうして自分の中に,学んだことがちゃんと位置付く研修にはめったに出会えません。大切にしたいものですね。
本研修会では,数名の講師が,いろんな視点で教えてくれたようです。災害に備える力として「コミュニティ・レジリエンス」「科学的知見に基づいた最新の防災対策」が必要だそうです。
東日本大震災以来,「人はなぜ逃げないのか」などについても,いろいろと本を読んだりしましたが,人っていざというときにどうすればいいのか,なかなか身につきませんよね。「知っているのとやるのとでは大違い」―このギャップをどのように縮めるのかがポイントのようです。
体験
○大道仮説実験〈熱〉の実験 実験紹介 M.K
圧縮発火や摩擦熱による沸騰,火打ち石,ハスの実など,〈熱〉に関するグッズや実験をたくさん見せてくださいました。
これらの実験は,ちゃんとした道具があれば,だれもが指導者になれるようにプラン化されています。ここが,「楽ちん研究会」のすごいところです。大道仮説実験の可能性は,私の退職後の世界も広げてくれるかも。
他にも,いろんなおもちゃの紹介(Nさん),全国大会に持っていったレポート(O)などがありました。
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