珠洲たの通信・2017年10月号

2017年度

 今日,帰宅すると,市役所から封筒が…。奥能登国際芸術祭に関するアンケート調査書が入っていました。
 奥能登国際芸術祭は,私の当初の予想よりも盛り上がりました。まずは,私自身が,盛り上がりました。当初は「パスポートを買ったって,全部は見にいかんだろうなあ。土日も,地元の祭などいろいろあるし…」と思っていました,が,終わってみれば,コンプリート。すべての作品を見に行ったことになります。しかも,神さんや帰郷した娘たち,さらには児童たちとも見に行ったので,現金でも数千円は払いましたね。3度見たところもある…。いやー,ハマったもんです。実際,私だけではなく,自分の予想よりもハマってしまった市民もいたんじゃないかなあ。
 〈芸術祭を勝手に応援する〉というような団体もできて,その主要メンバーが教え子だったりしていたので,本当は,もっともっと関わっていきたいと思っていました。
 3年後はどうなるのか。4億円もの予算は,あまりにも高額で,そんなことをするくらいなら,バスをただで走らせろとも思います。でも,眼の前の効果だけでは,この田舎の行く末は見えていることも確かです。高額と思える予算をつぎ込んでも,のちのちの人口流入や観光客の増加などに結びつくのなら,やってみる価値はあるでしょう。3年後にあるとすると,私は,退職しています。どんな風に関われるのか,興味深いですが,ま,先のことはどうなるか分かりません。
 さて,先月のサークルで話題に上った前島密(上野房五郎→巻退蔵→前島来輔)に興味を持った私は,ひたすら伝記を読んでいます。今読んでいる本が,3冊目。そろそろ,出てくる人物も決まってきたようです。前島密と坂本龍馬は,なんと,同じ年生まれです。直接会って話をしたことはないようですが,同じような思いで,幕末を過ごしていたのは確かです。おもしろいなあ。

■10月の例会の参加者(4名)
 M.S    M.O    T.N    M.K

今月の写真

資料の紹介

1 「深まりゆく秋の日に思う」 B5 4ぺ   M.S
 義務教育学校という特殊な学校で勤めることになったSさん。文化祭を前にして,これまでの中学校では感じなかった困難さに直面しているようです。中学生が主体の文化祭に小学生の担任としてどう関わっていくのか(小学生をどう関わらせていくのか)。まだまだ暗中模索・試行錯誤の毎日です。
 3年生2人の子どもたちとやった仮説実験授業《光と虫めがね》の様子を報告してくれました。討論があるわけでもなく,授業書はどんどん進んだようです。教師が,そのことに物足りなさを感じるのは,しかたのないことかな。でも,子どもたちは,笑顔で授業をしていたんだから,それでいいんでしょう。
 虫めがねを通った光が屈折して焦点を結ぶ様子を見るための新作実験道具を見せてくれました。底を切ったペットボトルの中に線香の煙を漂わせて見るだけの,簡単なものです。これなら,何人もの子が一度に実験できるので便利です。しかも,いちいち虫めがねを取り付ける必要もないので,いろいろなレンズの焦点距離を観察することもできます。ペットボトルに黒画用紙をはると,光線がもっとハッキリ分かるそうです。サークルの日はあいにく雨だったので,実験することはできませんでした。
 この連休中に,古くからの友人と新潟県魚沼市の東養寺裏山にある「科学の碑」に行ってきたという報告もしてくれました。1990年に建立された碑で,銘板には,板倉先生の「科学,それは大いなる空想をともなう仮説とともに生まれ,討論・実験を経て,大衆のものとなって,はじめて真理となる」「科学は,民主的な社会にのみ生まれ,民主的な社会を守り育てる」という言葉が刻まれています。わたしは「大衆のものとなって」「民主的な社会を守り育てる」という言葉が特に気に入っています。「そうだ! だから,オレは教師をしているんだ」って思ってしまいます。
 このあと,上越観光をして帰ってきたそうです。
 最後の話題は,指導主事訪問Bを控えてのこと。最近,指導の方から,算数の授業では「つかむ1問」「活用1問」「適用1問」を1時間の展開の中に入れなさい…と言われているらしい。最低でも3問だそう。それに対処することができるのかどうか。さてさて…というわけです。言うは易し,行うは難し(という言葉あったっけ?)。実際の授業がどのようになったのかは,次回報告してくれるでしょう。是非,指導案も見たいです。

2 「知っていたけど 知らなかった人」 A5 8ぺ   M.S
 前書きにも書きましたが,前島密について,授業プラン風にして紹介してくれました。
 前島密は,今の新潟県上越市の生まれです。その関係で,上越市には,「前島記念館」という立派な建物があるそうです。Sさんたちは,最初から,そこへ行くつもりじゃなかったのかな。たまたま見かけたから寄ったのかな?
 さて,この通信に,記念館の写真をコピーしようと,サイトを見て見て驚きました。この記念館が建てられたのは,1931年(昭和6年)11月7日だそうです。これって,ずいぶん早くないですか?
 1円切手の図柄にもなっている前島密のことは,子どもの頃,切手を蒐集していた私は知っていました。「日本の郵便の父」です。でも,密の理解については,子どもの時のまま止まっていました。
 しかし,今回の話を聞いて,密は,幕末~明治の世界を活き活きと生きた人物であったことが見えてきました。
 蘭学,黒船,海軍伝習所,船の操縦,大政奉還など,密の行動を知れば知るほど,「こりゃ,坂本龍馬勝海舟を知っているのではないか」「少なくともニアミスくらいはありそう」と思ってしまいます。明治になってからの話を聞いていると,渋沢栄一岩崎弥太郎といった起業家とも関係がありそうです。
 予想を立てながら話を聞いていた私の好奇心が,ふつふつと沸いてきました。そして,今,前島密にハマっているってわけです。
 サークルというのは,明日役立つ知識を得られるだけでなく,自分の好奇心を刺激してくれる場でもあるんですよね。そして,もしかしたら,いつかは自分の授業の中に組み込む日が来るかも知れない…のです。

3 「ブログ的気楽レポ2017年10月号」 A5 8ぺ  M.O
 久しぶりに6年生と行った仮説実験授業《2倍3倍の世界》を受けた子どもたちの感想を持ってきました。授業評価は5が12名,4が1名と,圧倒的な支持を受けた授業となりました。これが6年生の算数の授業なんですから,この授業書の完成度具合が分かるというものです。
・算数なのに予想を立てたり実験したりしたから(楽しかったです)。自分たちで文を読むのもおもしろかった(まい)。
 子どもたちの感想からは,「実験のある算数」「実用的な算数」に対する支持が多かったことが読み取れます。これは,この授業書の目指していることでもありますので,それがちゃんと子どもたちに伝わったってことですね。
 あと,資料と共に紹介したのが,「およその数の導入」のプラン。内容の吟味が不十分で上手くいかなかったプランですが,改良すればなんとなりそうです。ただし,私にもう一度その授業をする機会が訪れるかどうかは微妙。
 今回のレポートの内容の3分の2をしめるのが,連休中に行ってきた岐阜県の話題です。今回は,大垣市・養老・関ヶ原と回ってきたのですが,その中でも,大垣の石灰岩関係の話と関ヶ原古戦場跡を巡った感想をまとめてきました。
 特に大垣市で見た金生山(きんしょうざん,かなぶやま)という山とそこから取れる石灰岩,そしてその岩石に含まれているさまざまな化石などについて,地域の人に話を聞きながら,脳が興奮しっぱなしでした。今後は,日本の化石発見の歴史についても,もう少し調べてみたいと思います。

実験紹介

 ①マルデブルグ半球
 Oが,簡単な「マルデブルグ半球」の実験を紹介しました。
 これは,金属のボールを二つと金具を使ったマルデブルグ半球で,プラスチックの注射器で中の空気を吸い出すと,ボールの中がけっこうな真空になります。大気圧を実感できる実験道具です。今年の仮説の大会で手に入れました。

②バンジーチャイム
 Nさんが,クラスでお披露目したバンジーチャイムを紹介してくれました。このバンジーチャイムは,アルミでできたものです。子どもたちの誕生日には,クラスのみんなで演奏しているようです。今度,演奏している子どもたちの写真も見てみたいです。赤いボンテンを吹き落とすときの照れた顔や,演奏しているときの笑顔をね。

 今回も少人数ながら,楽しい3時間を過ごしました。この後,一行は,公民館の近くの鵜飼駅にある「奥能登国際芸術祭」の作品を見に行きました。列車の車両の中にでっかい蛍光灯のようなものが怪しく光っている作品です。私たちも,妖しく光ながら,ゲリラ的に子どもたちにたのしい授業を届けていけたらいいなあ。

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