珠洲たの通信・2017年11月号

 師走です。師走らしく走っているかというと,すでに息切れ状態。早く来い来いクリスマス(^^;;
 「研究」発表会の秋も終わり,いよいよ初冬。ホンモノの研究をすることができるようになってきました。
 まずは,12月2日~3日には,東京の中一夫先生をお迎えして,「日本の戦争と修身教育」「いじめ問題のとらえ方」などについて,集中した講義を受けました。2日間で講義8時間という時間は,確かに長い。これだけ,集中してこの時代のことを勉強したことはこれまでにありません。が,しかし,この講義の内容をここまで作り上げるために,中さんはこの数十倍もの時間をかけて文献にあたり,問題などを作成したのに違いありません。それも,中学校の理科教師をしながら…です。そのエネルギーには脱帽です。私は,少しでもその研究法をぬすみたくて中さんの資料「僕のシロウト研究法」を手に入れてきました。今,Kindleに入れて読んでいます。「4.仕事のこなし方,早い終わらせ方」には,どんなことが書いてあるのかな。楽しみです。
 私は,今,サークルメンバーに刺激されて,前島密について調べています。さらには,前回の中さんの会に出てきた外務大臣東郷茂徳についても,読んでみようと思っています(すでに,県立図書館から3冊借りました)。これらのことは,直接,子どもとの授業に結びつきませんが,私は,それ以上のものを習得できるはずだと思っています。それは,ある時代を生きてきた人を扱っている以上,人の社会認識のしかたやその時の決定方針などに学ぶべき事がたくさん詰まっていると思うからです。
 ずっと優等生でいたのに,オウムに入信する子どもたちを作ってしまったのは,学力学力と言い続けてきた大人たちの責任だったはず。もう一度,原点に帰らないと,またまた同じ過ちをくり返すのではないでしょうか。

■11月の例会の参加者(6名)
 K.H  M.S   M.O   T.N   M.K  H.H

資料の紹介

1 「冬が来る前に」 B5 4ぺ  M.S
 2017年という年を,「あれから150年」と思える人は,日本人でどれくらいいるのでしょうかね? 車のナンバーにも「1867」を指定しているという某女史には,忘れなれない年として記憶されているようです。そう,この年の11月15日(これは旧暦です。新暦にすると12月10日,あ,今日だ),坂本龍馬は京都近江屋で暗殺されたのでした。学校の社会科としては「大政奉還の年」といういことでしょうか。
 今年,長崎の亀山社中資料館へ行ったときに,右のような冊子を頂いてきたそうです(写真省略)。あれ,これ,オレも持っている。
 前島密坂本龍馬のニアミスを調べながら,久しぶりに龍馬に浸かりたくなってきた私も,NHKオンデマンドで「見放題パック」(972円/月)を購入。「龍馬伝」を見始めました。
 明治維新という革命から,戦争の時代に入っていく日本は,だれも止められなかったのか。戦争について考えるとき,この明治維新という節目から考えざるを得なくなるので,手に負えなくて困っています。
 東京に行ったときに見た「豊島清掃工場」の煙突を紹介してくれました。煙突の高さはなんと約210メートル。東京都にある煙突としては一番高いそうです。見たい方は,池袋の東口に出てみてくださいとのこと。
 さらに,県教研に参加しての感想もまとめてきてくれました。何気ない言葉「常連」。これを言われると,新しい人が参加しにくくなりますね。
 あと,訪問Bに関する指導案も持ってきてくれたので,簡単に検討してみました。今,現場では模擬授業というのが流行っていて,私はそれにはまったく賛成できません。授業者本人が「模擬授業をして欲しい」というのなら分かる(その時も,検討してほしい人だけにしてもらえばいい)のですが,そうじゃないのなら,そのままやらせればいい。少なくとも「研究」というからには,本人の自由が尊重されなければならないと思うのです。また,今の「校内研修」が,一人一人の教師の力を伸ばしているのかどうかも疑問です。採用時に持っていた〈やる気〉を削いでいるような気がしてなりません。

2 「漢字学習 いい感じ!?」 A4 2ぺ   T.N
 2学期から始めた漢字マッキーノ。第6回まで終わったそうですが,その成果と課題を持ってきてくれました。
 漢字といえば,習熟具合が一番心配です。そこで,14問のミニテスト(6回分)の解答率を調べて一覧表にしてくれました。すると平均で,満点が2名,90以上100未満が7名。85以上90未満が2名という結果でした。それぞれ回で漢字を5回ほどしか書かないのに,どうして覚えてしまうのでしょうか? これは不思議ですが本当の話です。
 今までのように,漢字練習帳で何度も練習するという方法でも漢字は覚えられると思います。が,このマッキーノとの決定的な違いは,「クラスのみんなと漢字をする」ということにあると思います。
 Nさんは課題として「定着」を上げていましたが,これはどんな方法を取ろうが同じです。2学期の早い内に当該学年の漢字の学習を終えて,定着のよくない漢字を選んで,再度復習マッキーノをするのが一番でしょう。
 漢字の学習については,「漢字の部品」というような授業プランもあります。ある程度の部品や,部首などを楽しく授業していくことで,漢字に親しみ,漢字と仲良くなってくると思います。

3 「全国大会報告2017」        B5  3ぺ    K.H
  「たのしい授業講座刈谷報告2017」  B5  2ぺ    K.H

 先月・先々月とサークルを休んでいたHさん。夏休み中に参加した「たのしい授業の会」で学んだことについて,簡単にまとめてきてくれました。
 全国大会では「仮説を伝える分科会」に参加。今年も,明星大学の小原さん,山路さんの司会で進められたそうです。そして内容的には正反対のイメージの「ビギナーズ分科会」。これもまた,お二人が司会者だったとか。
 刈谷の会では,「たのしい教師生活入門」「あかりと文明」「割合」「たのしい道徳」「講演」に参加。
 「たのしい教師生活」では,井上さんと松木さんが自分たちが関わってきた子どもたちと仮説実験授業について話してくれたそうです。「あかりと文明」「割合」は,それぞれ授業書を体験する感じで講座が進んだようです。〈割合〉は私が紹介してきたプランです。〈あかりと文明〉は仮説実験授業お得意の「○○と○○」という題名の授業書になっています。「あかりの歴史を通して文明について学ぶようになっているのかな」と想像します。

4 「ブログ的気楽レポ2017年11月号」 A5    8ぺ        M.O
 今回の内容は,学校ネタが少ない^^;
 体育で始めたTボール。Tボール用の用具がなかったので,手作りしてみました。今は,6年生も使っているようです。いいもの作りました。このセメントのおもりは,どの学校にも残っているようなので,どこへ行ってもすぐに作れると思います。
 他の話題としては,「鶴彬」。私がたまたま見た「北陸中日新聞」の投書欄に,鶴彬のことが載っていたので,ちょっと思い出して書いてみました。新しいメンバーもいますのでね。
 あとは,前島密についての中間発表です。前島について,3冊の本を手に入れて読んでみました。読めば読むほど,幕末の生き方が龍馬と重なってきます。それでも二人が直接会った形跡はありません。ただ,お互いを知っていた可能性は残っているような気がします。
 郵便の話ついでに,『珠洲市史』を紐解いてみましたので,紹介しておきます。
 明治4年に郵便制度が布告され,全国的に郵便網が組織された。大谷郵便取扱所が明治4年3月郵便制度と同時に,飯田郵便取扱所は同5年7月に開設された。尓後,制度は普及し,明治37年には珠洲郡下に7局が置かれた。大正8年には10局となったが,集配局は飯田・大谷・三崎(明治13年開局)・宝立(同35年開局)と小木・松波の6局,無集配局は蛸島(明治35年開局)・鵜島(大正3年開局)・正院(同5年開局)と真脇の4局で,珠洲市域には7局があった。このあと若山(昭和3年開局)・狼煙(同4年開局)・折戸(同22年開局)の3局が設立された。(509p)
とあります。郵便制度と同時にできたのは大谷だったんですね。へ~。先日のお葬式は大谷郵便局長さんのお家でした。郵便局関係の人たちが大勢参加していたのは,こういう関係もあるのかも知れませんね。

5 「積極的な生徒指導」 A5    4ぺ         M.O
 学校で「生徒指導について少しだけ話をしろ」ということだったので,思いつくまま書き綴ったみたレポートです。まとまっているわけではなく,学校で話す内容をまとめるキッカケになればと思って書いてみました。
 結局,ここから見えてきたものは,「関係性」の大切さです。人間関係ができている場所では,きつい言葉を言ってもさほど問題にはならない。その言葉を話している人と聞いている人との関係性で,いろんないざこざが起きたり起きなかったり。
 先日の中さんの会でも,この「関係性」が話題に上りました。新しい集団で,その関係性を如何に作っていくのかで,いじめも起きるし,不登校も起きる。関係性(これは異質な人に対してのアキラメも含める)さえできてしまえば,居心地もよくなるし,いじめもおさまる。そんな話でした。

 他にも『教科の論理と真理・理科編』抜粋(改訂版:O)などもありました。
 さて,次回は,今年最後の例会です。忘年会もありますので,じっくりと話ができますよ~。連絡を待っています。

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