珠洲たの通信・2017年7月号

2017年度

 珠洲では,奥能登国際芸術祭一色という感じです。各学校でも,近くの藝術作品を見に行くように言われているので,児童/生徒を引率して訪問しているはずです。私も2カ所へ行ってきましたが,ま,それなりに,なんとなく分かる藝術でした。芸術祭は10月中頃までやっているそうなので,こつこつ回ってみたいと思っています。というか,まずは,サークルが始まる前に,宝立にある藝術作品を見に行きますか?
 さて,2学期もまだ始まったばかり。子どもたちも私たち教員も,少しずつ学校生活のリズムに慣れてきた感じです。ただ,夏休み気分が抜けずについつい読書に一生懸命になってしまって,授業の準備ができていなかったりします。反省です。

「学校のことを外部の人にしゃべることがないようにしてください。守秘義務でもあることだし…」とある管理職が職朝で話したそうです。
 へ~,守秘義務ねえ。それって,どこまでが守秘義務なの?
 私たちのサークルでは,学校での取り組みを話し合っています。
 どのようにすればたのしい授業が実現するのか。
 どんなことをしたら子どもたちの躓きを軽減できるのか。
 どうすれば,はたらきやすい職場になるのか。頑固な大人と付き合うときには,どのようにすれば我々自身が精神的に追い込まれなくてすむのか。
 どんなはたらきかけで,子どもたちのいじめを減らせるのか。
 子どもたちの生き生きした顔は,どのような場面で見ることができたのか…。
 これらのことを交流し合うためには,なるべく具体例で話し合う必要があります。具体のない「学習指導要領にこう書いてあった」というような上っ面の話では,ホンモノの研究なんて全く前に進まないのです。ただし,個人名などは必要ありません。〈Aさんの変容〉を話すには,もちろん「Aさん」で十分です。
 ただ,クラスの児童生徒数が少なくなってくると,ある教師の話したことが,聞く方にすれば「○○さんのことだな」と分かってしまうかも知れません。その点については十分注意をしながらも,やはり,具体例を挙げて授業を語っていきたいものです。
 私は,思うのです。
 「学校のことを外部の人にしゃべらないように」するのなら「学校発の研究発表会」の公開授業などもやめた方がいいでしょう。学校公開などをすると,外部の人が「○○ちゃんは立ち歩いていた」「××くんは,計算が遅いらしい」「△くんの壁に貼ってある作文の文字が汚い」などと,それこそ不特定多数に「学校や個人のイメージが伝わっていきます」からね。
 学校公開も公開授業もやめますか? 心配性のみなさん!

■7月の例会の参加者(6名)
 K.H   M.S   H.H   M.O   T.N   M.K

今月の写真

資料の紹介

1.「アイくん日記・2017年7月号」 B5 2ぺ    K.H
 今月は,主に1年生の様子についてまとめて来てくれました。一人一人について,丁寧に見ているな…という気がします。私は,担任している子を,こんなに短く特徴的に書けるだろうかなんて,思ったりしました。市内の学校は,どこも少人数になっていますが,それなりに,やはり,いろいろな子がいるものだなあと改めて思いました。だから,おもしろいんですよね。金太郎飴のような子どもたちだったら,気持ち悪いです。
 「自分から進んで教師に質問する」のですが,その行為は「友だちからうるさがられる(またお前か)」という面もあるといいます。こういう表裏一体が,子どもたちが生きている世界なのでしょうね。だから,社会で生きるのは難しい。ワロンを持ち出すまでもなく,子どもたちは一人で生きているのではないので,友だちとの関係づくりの中で,自分をどう発揮していくのかを学んでいく必要があるようです。その手助けをどのようにしていくのか。教師が学ぶことは,まだまだいっぱいあるようです。

2 「早く来い来い夏休み?」 B5  3ぺ    M.S
 複式のやりかたにも少しずつ慣れてきたSさん。最近の悩みのタネは,音楽らしいです。はじめてリコーダーを吹く3年生と,もうやってしまっている4年生と如何にしてコラボして授業をするのか。年間指導計画があればいいのに…ということですので,自分の好きなように作っちゃって下さい。たのしい授業のネタもたくさんあるので,是非,取り入れればいいのではないかと思います。音楽なんて,同じ曲をやってもいいと思えば,そういうもんですから。
 夏休みと教師の思いについては,全く同感。夏休みは,教師が成長する季節。しかも自主的に…です。これがないと,またまた行き詰まり感だけの教員生活になってしまいます。
 以前紹介してくれた,夏の簡単食べ物づくり「カルピスゼリー1/2」の作り方を再度紹介してくれました。よっちゃんも喜んでくれたそうですが,やはり,一悶着はあったようです。私は,今,学級を持っていないので,なかなか出来ないのですが,こういうものづくりは,学期末や学期はじめのちょっとした時間でやってあげたいね。

3 「ブログ的気楽レポ2017年7月号」 A5 4ぺ  M.O
 今月は,「分数の乗除」「ハングル文字のゴミ」「多数決を科学する」の3本をまとめてきました。
 「分数の乗除」では,「分数のわり算がかけ算に変身する方法」を授業をしたという報告です。このわり算→かけ算の方法は,銀林先生が提唱し,新居先生が授業プラン化したものです。実際には,分数の割り算を習っていない子どもたちへの授業プランのようです。私は,個別単位を使うことで,1あたり量を求めるわり算が全体量を求めるかけ算に変身するということを伝えたくて,授業をしてみたのです。2時間だけの授業です。子どもたちは,個別単位を使うことで,逆数が出てくることにも驚いていたし,かけ算に変身することにも納得した感じでした。授業に使ったプリントも持ってきました。データーもあるので,欲しい方は,言って下さい。
 「ハングル文字のゴミ」は,家の下の浜に流れ着いたゴミについて,調べたことをまとめてみました。今じゃ,ネットでハングル文字を解読することも出来ますので,ある程度,そのゴミが,何の製品なのかが分かります。読めると楽しくなってきます。ゴミの写真は,私のブログにも掲載してあります。
 「多数決を科学する」は,『たのしい授業』で紹介されていた記事に触発されて手に入れた本の紹介です。「民主主義=多数決」のような風潮が教育現場,とくに子どもたちの世界にはあるようで,以前から気になっています。多数決以外にも,多様な意見を吸い上げる方法はたくさんあるようです。こういうことを知っているのと知らないのとでは,やはり,教師の構えが違うと思います。民主主義を教える教師の基礎基本として,もっともっと広まって欲しい本です。

4 「いじめについて考える」 A5 4ぺ  M.O
 教育月刊誌『教育』に掲載されていた論文をキッカケに,久しぶりに,いじめについてじっくりと考えてみました。
 いじめの構造を「被害者,加害者,傍観者」と見るのではなく「被害者,加害者,共犯者」と見ることで,子ども世界に起きていることが,とてもよく見渡せるようになってきます。しかも,「いじめは,子どもたち自らが〈社会〉を作っていく上で,どうしても起きてきてしまうものかも知れない」という見方を知っていると,冷静に判断できるようになるでしょう。加害者への指導も,意味のあるものになってくると思います。
 このレポートは,少し添削して,学校職員にも配付しようかと思っています(配付しました)。

5 「生活科の一コマ(写真で見る)」 A4 2ぺ      H.H
 2年生の生活科を担当しているHさん。生活科ははじめてだそうですが,子どもたちとの楽しい授業の様子が伝わる写真を持って来てくれました。そして,もちろん,臨場感あふれるお話付きです。
 生活科ってそもそもなんや? 野菜を育てたり,生きものを飼育したり,町たんけんをしたりすることらしい。それならば…ということで,学校の池に住んでいるカエルを捕まえて育てることにしたそうです。
 まずは,カエルを捕まえるには,どうすればいいか,子ども達と一緒に考えます。
 子どもたちからは,「昆虫ケースを持っていって,つかまえて入れればいい」という意見がでてきますが,実際にやってみるとそんなに簡単につかまるはずはありません。人影に気づいただけで,カエルは池の中に逃げ込んでしまいます。
 捕獲に失敗したこどもたちは,教室で,次の対策を考えます。
 こんな風にして,カエルを捕まえるために何度も「予想→実験」をくり返す子どもたち。ついに,子どもたちはそれぞれの分担まで決めて,カエルを池とは違う場所へと追い込み,捕獲に成功します。
 次の勉強は,「カエルは何を食べるのかな」。これもまた,試行錯誤です。カエルは生きている虫しか食べないのでしょうか。
 今回の報告を聞いていて「生活科だからこそできることがある…」と改めて思いました。それは,「何度も失敗してもいい」「〈失敗〉という経験を積み重ねることのできる時間的な余裕がある」ということです。
 カエルの飼育のためには,カエルの捕獲からやる…これは,当たり前の様でいて,なかなかやっていないことかも知れません。
 そういえば,5年生のメダカの授業のときに,これまで私は,池にいるメダカを捕獲するところからやってもらっていますが,それも大切なことかも知れません。メダカを知るためには,たまごを生むだけではなく,生活全体を知ることが大切なのですから。メダカは,あれでいて,なかなか捕獲できません。今年は,池のメダカが少なくなってきたので,ヒメダカを飼ってきたのですが,やっぱ,捕獲した方がいいですね。

 他にも,ストロー2本で作る簡単吹き矢(紹介:Kさん)おもしろいおもちゃの紹介(紹介:Nさん)もありました。いずれも「子どもたちとやれば笑顔が見えるだろうな…」というものばかりです。あとは,これらのネタと如何に出会わせるかですね。テストの空いた時間の単発ものでも良いけど,なにかしかけをしたいと思うのは,教師根性なんでしょうね(^o^)

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