ずいぶんとご無沙汰しております。
と書いたのが,5月号でしたが,さらに,それからも「サークル通信」を書かずじまいでした。今年度は,久しぶりに担任をして,なんとなく学級の事を優先したり,趣味のことを優先していたのです。学級の次に趣味を優先したのは,やっぱり,学校のことばかり考えているとストレスになるので,それなりに,家庭ではゆったりと過ごした(要するに「韓国歴史ドラマ」を見ていた)ということでもあります。さらには,お出かけも,お寺を中心に-行きましたしね。これもまた,わたしのストレス解消の一つなんです。
と,まあ,言い訳はこれくらいにして,今月はちゃんと書き始めました。今月は,これまでに紹介できなかったレポートも,紹介したいと思いましたが,スペースの関係で,結局,一つしか紹介出来ませんでした。残りは,来月に…。
■10月の例会の参加者(3名)
M.S(S市T小) M.O(N町U小) K.H(S市M中)
今月の写真
今月の本棚
資料の紹介
1 「風はどこに吹くのか?(10月号)」 B5 3P M.S
まず一つ目の話題は「折り染め封筒と乙女」という題。
定番ものづくりである「折り染め」を,授業内容にある程度自由度のある生活単元学習として取り組んでみました。予想どおり,「折り染め」自体はとても喜んでくれたのですが,二日後に問題はおこるのです
この「折り染め用紙」を使ってかわいい「封筒」を作ろうと準備をしていた担任。2限目に教室に入ると,教卓の上に置いてあった折り染め用紙がくちゃくちゃになっていたのです。これは,1限目に,ある課題を出された乙女(匿名)が,自分がその課題を出来なかったことに腹を立て,キレて,自分の作った折り染め用紙に当たり散らしたのでした。
その乙女の乱暴な行動に対して,担任は,日ごろの冷静さを欠き,ついついしかりつけてしまいます。
その後,なかなかドラマチックに話が進んでいて,聞いている方は,おもしろかったです。
二つ目の話題は「自由電子が見える」です。仮説実験授業《自由電子が見えたなら》を始めたそうです。これまで,ずっと「理由」を言わなかった乙女が,この授業では言うようになったそうです。「言いたくなるまで待つ」ことのできる仮説実験授業ならではの成果でしょうね。
2 「MY BOOK 2013年10月号」B5 1p K.H
今月は,以下の2冊を紹介してくれました。
○板倉聖宣著・中一夫選『いま,民主主義とは』(仮説社)
○田辺守男著『たのしい学級担任の春夏秋冬』(ガリ本)
板倉先生の本は,今後発売される「板倉セレクション」の中の一冊です。わたしもこの夏の大会で手に入れて,とても刺激を受けました。板倉先生の文章は,単行本になっているようなものなら,全てと言ってもいいくらい読んできましたが,こうして,ある視点・問題意識ものとで再編集された本には,また違った味わいがあります。
わたしは,自分のブクログで,次のように感想を紹介しました。
今後,編集出版される予定の「板倉聖宣セレクション」(著作集というか選集のようなもの)の第1巻目です。
どの文章も,一度は読んだはずなのに,とても新鮮に感じる文章がたくさんありました。
「それは,なぜか?」と考えてみました。
一つは,その文章を,〈今の時代に合わせて考えながら読んでいるからだ〉と思います。「多数決原理」「浮動票」などは,まさに,ここ数年来の選挙の結果を思わせます。また,「湾岸戦争」「9.11」など,その後を知ってから以前の文章を読むと,〈板倉さんの社会のとらえ方が如何に的確であったか〉がわかります。
もう一つは,編集者である中一夫さんのちょっと変わった「編集」のおかげです。
著作集や選集というものをそんなにたくさん読んだわけではないので強くは言えませんが,わたしの感覚では,とても新しい編集でした。それは,〈発表された当時の文章の一部分を取り出して紹介したり,他の論文から,関連する文章をつけ加えたりして,新しい読者がはじめて読んでも分かるように編集されている〉ということです。
今後,このシリーズで,板倉さんから学んできたものを再確認できることと期待しています。
領土問題や戦争責任問題,憲法改「正」問題など,いろいろやかましい世の中ですが,それらの問題を考えるときの指針として,生きてはたらく文章がいっぱいです。
ガリ本の著者の田辺さんは,埼玉県の中学校の理科の先生です。学級担任として気をつけていること,生徒さんたちと上手につきあう方法など,ベテラン教師が身につけてきたものが詰まっているそうです。
3 「ブログ的気楽レポ・10月号」A5 8p M.O
今月もいくつかの話題を,つれづれなるままに書いてみました。
一つ目は算数の話題。3年生では「1億までの数」が出てきます。そういえば,故新居信正先生がまとめられた「大きな数」のプランがあったはず…と探してみましたが,これは3年生ではちょっと敷居が高そうです。その改訂版はもっていないので,サークルメンバーに緊急メール。ほどして私の手元に,最新版の〈大きな数と十進数〉が届きました。お陰で,楽しく大きな数の勉強をすることができました。持つべきものは,研究仲間です。
二つ目は,図工の絵の話題です。急に〆切を宣言された「絵画作品」。「各学級2割程度提出してください」といわれて,大慌て。今時の図工の教科書には「ちゃんとした絵をかく」なんて皆無に近いです。しかも3年生相手に,どんな絵をかかせればいいのだ…。そこで『たのしい授業』での実践や「キミ子方式」の本をぱらぱらめくって,決めたのが「空と友だちの後ろ姿」です。学校の先生たちからは,「大人っぽい作品だ」と言われました。そうそう,レポートには,「実践を真似ることの難しさ」というような視点で,私の実践をまとめてあります。
3つめの話題は,仮説実験授業《かげとひかり》(『仮説実験授業研究№9』【1982年】に掲載)です。この授業書は,低学年向けなので,今まではやったことがありませんでした。それだけに,私自身も100均へ行って準備したり,予備実験をしたりと,楽しんで授業を進めてきました。先日終わりましたので,11月のサークルには,子どもたちの感想をまとめてもってこれると思います。
最後は,読書感想文です。
読んだ本は無着成恭の『無着成恭の昭和教育論』(太郎次郎社,1989年)です。教師になり立ての頃(というか,採用される前)から,私は,太郎次郎社が発行していた月刊誌『ひと』を読んでいました。だから,この本のことも知っていたのですが,読んでいませんでした。今回,読んでみて,あらためて,今の教育界の現状のひどさを感じてしまいました。わたしの読書感想文は,少し編集し直して,県教研の理科分科会で紹介しました。この文章は「珠洲たの」のHPにも載せておきましたので,興味のある方はご笑覧ください。
4 「学級通信」B5 10p M.O
上の「気楽レポ」に関するものも含め,5日分の学級通信を持って来ました。
・第70号「あいさつ運動をふりかえって」
・第71号「何気ない一言に癒されます」
・第74号「学年発表を終えて」
・第83号「1億タイルの上で」
・第84号「空と友だちの後ろ姿を描きました」
これらの「学級通信」は,なんとなく子どもたちも喜んで待っていてくれるようですが,親からの反応は全くありません。まあ,親から見ると,私なんて,ずっと先輩なんですから,ホメるのも,けなすのも気がひけるんでしょうね。そんな意味では,若い頃は,親の意見がどんどん聞けて,とても刺激がありました。今は,本当に,ないんですよ。不思議なくらいです。いいのか,悪いのか…(^^;)。
先日,鵜川小学校の道徳の研究発表会に行ってきました。なんとなく,居心地のいい研究会でした。それは,今,教育界を席巻している「学力向上」という言葉が申し訳程度にしか出てこなかったからなのでしょう。私も「もう少し,しっかり道徳をしようかな」と思うような会でした。でも,副読本は「…」ですがね。
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