珠洲たの通信・2012年3月号

2011年度

 なんとも慌ただしい年度末・年度始めでした。
 予定通りの行事と予定外の行事が重なって,心の準備どころではない状態で新学期に突入してしまいました。
 まさに「冠婚葬祭」が一気に訪れた感じです。
 1月に末娘の成人式。3月末には長女の結婚式。そして,そのあとすぐに義父のお葬式。さらには,なぜか神社の掃除~今年は我が家が御輿番とかで,先週の日曜日は朝の5時から掃除でした。それにしてもお葬式があったのに神社に行っていいのかなあ。うちの親父はあまり気にしていないようだけど,私は気にしています。だって親が亡くなったのには変わりないでしょ。ただ,いろいろと世間に説明するのが面倒なので,今回は,掃除くらいならということで神社の行事にも参加しました。9月の本祭りは遠慮しようと思っています。ま,とにかく「冠・婚・葬・祭」を文字通り順番に勤めた3ヶ月半でした。
 で,まだまだ日常に戻り切れていません。私にとっての〈日常〉っていうのは,韓国歴史ドラマを見る時間,ブログ更新時間を確保すること,です。残念ながら,まだ,トンイを見るのが精一杯。ハードディスクには,どんどん未視聴の韓国ドラマがたまっていきます。
 さてそれでも時間は進みます。
 今年度も私は級外=教務です。これで4年連続。代わり映えのない1年になりそうです。が,そんなわけにはいきません。何かやります!
 今年は初任研の関係で,私が初任者のクラスの生活科を担当することになりました。実は生活科の授業をするのは初めての体験です。これは面白いです。なにができるかと,わくわくどきどきです。今は,とりあえず教科書通りの授業を進めていますが,ちゃんと《空気と水》の印刷が済んでいます。町探検ができない雨の日にはいつでも《空気と水》ができる状態にあると言うわけです。さすが…。

■3月の例会の参加者(7名)
 M.S(S市T小)  H.K(S市M中)  M.O(N町U小)  M.K(NSSI)  T.M(A町A小)  S.N(N町U小)  M.N(W市K小) 

資料の紹介

1 「釜石の奇跡」を見て                  M.O
 2月のサークルに持ってきたものの補足です。授業で使ったA4版のプリントと授業通信(子どもたちに配布したやつ)を持ってきました。
 このサークルの前日の夜,「釜石の奇跡」を起こした張本人である片田敏孝さんが珠洲で講演をしていました。うちのサークルのメンバーも3名が聞いていたようです。片田氏によれば,今回の釜石の子どもたちがとった行動は決して「奇跡ではない」ということでした。「助かるべくして助かったのだ」というわけです。教育の成果をしっかり感じることのできる講演会でした。

2 「再び《基礎・基本》とは」   A5  24p       M.O
 このレポートも再提出です。
 12月だったかに持ってきたレポートに少し継ぎ足して,支部教研の理科分科会に持っていきました。特に神戸伊三郎が梃子について書いている文章は,なかなか貴重です。
 また,この小冊子を退職されたS先生に送ったところ,次のような感想を頂きました(S先生は,月に一度,仏教関係のお便りを送ってくださっています。そのお返しとして,私は自分の小冊子を入れたのです。で,その返信のお便りに書き添えられていたのが次の文章です)。
 その後,お変わりございませんか。新学期の学校は,忙しいでしょうね。
 3月10日届いた小冊子「再び『基礎・基本』とは-教材『てこ』を例として」を興味深く読ませて頂きました。支点は分かりやすく,力点もそれなりに理解できますが,冊子にあるように,作用点は分かりづらいです。教員になり立てのとき,中一の「作用・反作用の法則」を教えるのに,難渋しました。そのうち,この法則は,教科書からなくなりました。
 この冊子の23ページに神戸伊三郎さんが,「梃子」の学習の意義,「梃子の事実の発見」を上げています。私は,一昨年5月4日,七尾の青柏祭に,デカ山の辻回しを,梃子を使って行うのを見,感動しました。昨年も見ました。ぜひ,このシーンを撮影して,子どもらに見せてほしいです。(後略)

 今の教科書には,「作用・反作用の法則」が出ています。

3 「校内研究通信・第22号」 A4  2p      M.O
 2月に校内職員向けに配布した研究通信を持ってきました。
 『もうダマされないための「科学」講義』(光文社新書)という本を読んで,「これは是非うちの職員にも知っていてほしい」と思って書いてみました。特に,本書の第1章で取り上げられていた話題を問題風にして示したものです。
 最近,文部科学省が学力調査と共に行っている質問紙調査と絡めた感じで「朝食を食べる子は学力も高い」「朝食を食べると成績が上がる」というようなキャンペーンがはられています。これが眉唾物であることは,ふつうはすぐに分かるのですが,相関関係のあるグラフを示されると,信じてしまうのです。そこには,相関関係と因果関係との違いをわざと意識させないいやらしい統計の非科学的な取扱がされているのです。
 教育を預かる私たちは,冷静に,そして科学的な分析結果をもとにして子どもたちにあたらないと,とんでもない間違えを起こすことになります。ある農協のHPには次のような言葉まで出ていました。
 ある調査では,朝食の習慣がある学生の方が大学の現役合格率や志望校合格率も高いという結果があります。また,サラリーマンに対する調査では,年収の差に顕著な差がでているという結果もあるとのこと。
 過去の日本の歴史を見て「わたしはダマされないわ」と思っているあなた。本当に大丈夫でしょうか?
 北朝鮮は,圧倒的な悪者なのですか?
 日本の自衛隊は,もっとしっかりと装備すべきですか?
 子どもたちの道徳的な力は下がっていますか?
 最近の親は子育て力がなくなっていますか?
 地球は二酸化炭素のせいで温暖化しているのですか?

4 「お気楽たより」B5  4p              M,S
 今回の話題は,たんたんと進む授業のことと算数の珍回答のこと,そして3.11の1周年で考えたことをまとめてきてくれました。
 仮説実験授業では,授業のスピードは子どもに任せます。だから,3つも実験をすることもあれば,1つしかしないこともあります。でも,問題には,一応まとまりっぽいものもあるので,そのまとまりごとに授業を進めるのがいいでしょう。むりに先に進む必要はありませんが,もし,進みすぎた場合は,それまでの感想をとったり,その感想をお互いに読み合ったりするといいでしょう。授業前には授業書の問題を一通り見て,どこが区切りなのかを確認しておくといいでしょう。
 3.11の話題では,『朽ちていった命-被曝治療83日間の記録』『裸のフクシマ』の本を読んで思ったことを紹介してくれました。
 「来年も再来年もずっと1年に一回3月11日はやってきます」とSさん。そのとき,私たちは,どんな気持ちでそのときの日本を見ているのでしょうか。ここで変わることができなければ,またぞろちがう形の被害が起きるだけでしょう。
 夏の電力消費のピークが来るぞ!ということだけで,早く原発再稼働につなげたがる民主党政権。自民党となにも変わらないその姿勢に,がっかりです。かといって,世間受けすることが分かっていて原発再稼働に反対している橋本大阪市長にも賛成できないけど…。

今月の体験

体験! 大道仮説実験「じょぼじょぼ~」 約1時間      M.K
 3月のサークルのメインは,この大道仮説実験の体験でした。
 年末に愛知まで行って学んできたKさんが,実際に大道仮説実験をしてくれるというのです。お客さんへの呼びかけや,教訓の垂れ方なども,大変参考になりました。
 水を使うので,ホールに移動しての講座でした。
 Kさんは1時間も前から公民館に来て準備をしてくれました。ありがたい,ありがたい。
 さて,そうやって体験している間に,高校1年と3年(つまり卒業生)のメンバー4人が,このホールで遊ぼうと思って公民館に集まってきました。3年生の一人は,「明日,大学の方に行く」なんて言っていて,その前に友だちを遊ぼうと思ってやってきたのでした。でもホールは私たちが使っています。そこで,一緒に大道仮説実験を受けないかとさそうと,乗ってきました。
 結局,そのまま最後まで,問題に予想を立てながら,そして時々意見も交わしながらの時間となりました。「4月から理科系の大学に行く」という子も,問題に間違えたりして,なかなか楽しい会となりました。
 この子たちは,私が以前いた学校の卒業生で,私のことを知っています(授業に出たことはアリマセンがね)。
 大道仮説実験の模擬体験が,模擬ではなくなったわけです。大道仮説実験はやはり面白いですね。

 今回は時間がなくてわたしのレポートは来月に回しました。その他配布したものとして「単位の仕組み」「科学かわら版・うるう年って」,DVD「涙と笑いのハッピークラス(金森学級を取り上げた番組)」(O)などがありました。
 さて,新しい子どもたちとの出会いは,どうですか?
 そんな話を持ち寄ってみましょう。
 私は,今,私にとって新しい学問の世界の本を読んでいます。それは「地震考古学」というものです。これについては,次回のサークルで紹介したいと思っています。まるで理科系と文化系が合体したような学問ですが,それがまた面白いんです。
 隣近所,お誘い合わせの上,ご来店ください。

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