珠洲たの通信・2012年5月号

2012年度

 5月の例会は,第4土曜日でした。
 5月21日の日食騒ぎの1週間後だったこともあり,みなさんから,「あのときやっていたこと」の話が出ました。詳しくは,「資料の紹介」欄をお読みください。
 この通信が発行されるころには「金星の太陽面通過」も終わっています。ちゃんと見られましたか。今回,私は子どもたちとしっかりと観測できました。

■5月の例会の参加者(5名)
 M.S(S市T小)  M.O(N町U小)  M.K(NSSI)  K.Y(W市K小)  M.N(W市K小) 

資料の紹介

1 「日食観測会をしました」 A4  8p            M.N
 「子どもたちと一緒に学校で日食を楽しんだ」という話をまとめてきてくれました。
 Nさんは,日食観測を全校に呼びかけるにあたり,次のようなことを準備したそうです。
①観察会の場所の確定…かけ始めから終わりまで見るためにどこから観察すればいいのかを探し出す。なんと「金環日食2012」というアプリがあるらしい。これはすごかった。
 どうすごいって,写真のように,スマホのカメラで外の景色を映し出しておいて,そこに5月21日の太陽の通る道が日食の絵と共に見えるんです。とにかくすごいんです。時代を感じました。スマホもipadも持っていない私は古い人間だなあ。
②日食グラス作り…全校児童数分を準備。すごい!
③撮影機材の準備…デジカメ,ビデオ,そして大型テレビまで準備。
④事前学習…全校児童の前で「いつ,どこで,どんなふうにみえるのか」を説明。
 以上の他,6年生には,もう少し詳しい授業をしたようです(そのときのプリントも持ってきてくれました)。当日は,全校児童のほぼ9割以上の子が参加してくれたらしいです。「みんなで体験を共有できたことで,準備した甲斐があった」と話すNさんでした。
 震災以来,子どもたちに何を伝えたいのか,何を伝えて,教えなければならないのか,その思いが教師として必要なことではないかと,強く思うようになった。そのためには,いろんな方向にアンテナを高く張り,感じ取ることができるようになっておかなければならないと思う。
 この言葉に私も強く同感します。
 教科書にあるから教える…そんな教師にはなりたくありません。せめて,「なぜこの内容が教科書に取り上げられているのか」くらいは考えてから教えたいものです。

2 「風のようにおもむくままに」 B5  6p      M.S
 なんか,今月からサークルレポートのタイトルがこのようになったようです。どんな心境の変化なのかねえ(^_^)
 さて,今月の話題は,次の4つ。図工ネタ「ガイコツてつぼう」「オオトカゲで大興奮!」,食べものづくり「きなこあめ」,そして「日食観測会」です。
 「ガイコツてつぼう」「オオトカゲ」は,低学年~中学年に人気の簡単ものづくりネタです。
 Sさんの担当はまだ2年生。一枚の紙に印刷されたガイコツを線通りにハサミで切ることもおぼつかない子どもたち。でも,相手はガイコツ。転んでもガイコツ。切り落としてもガイコツ。どうなろうがガイコツできたと大喜びだったようです。
 一方,できあがった「オオトカゲ」には,名前がついて完全なペットに…昨年,私が3年生でやった時も,子どもたちは大事そうに新聞紙の塊を持って帰りました。トカゲのリボンには,キラキラしたオーロラテープを使ったんだそうです。上品なペットのできあがりですね。
 オオトカゲと子どもたちとの記念撮影の時の会話が秀逸です。
教師「じゃあ,ペットのトカゲと並んで。」
子ども「ひどい。ペットじゃなくて,友だちです。」

だって…。友だちにしてしまうなんて,生活科の威力か? A4版表裏の「オオトカゲの作り方」も持ってきてくれました。ありがたい。
 「きなこあめ」は,『たのしい授業』(2012.2月号)に載っていた食べ物づくりネタ。水飴ときなこでとても美味しい飴がすぐにできるとか…。
 最後に「日食観測会」。
 16日,児童集会で日食の仕組みについて説明。その日の昼休みには,丸い太陽を日食めがねを使って観測。太陽の正しい見方を身につけてもらった。
 17日の昼休み。テレビのある部屋で国立天文台から送られてきた日食の楽しみ方のDVDを視聴。全校生徒の約半分が視聴に来たそうです。
 これだけの準備をしておいて,いよいよ21日の本番です。いつもより早い時間に登校して待っていると,続々と子どもたちがやってきて…ピンホールや木漏れ日を使って太陽の像を見たりもしたそうです。
 それにしても,全校児童分の「太陽観測用メガネ」を手作りしてしまう行動力には脱帽します。
 別件を一つ。今年生活科を持っているSさん。やっぱり理科と社会になるって…おお~,私と同じだ!って思いました。それでいいのです。科学認識と社会認識を育てなければダメなんです。たぶん。
 毎日発行する学級通信も,子どもたちの笑顔に後押しされるから…発行することが自分の生活の一部になってしまえば,こんなことたいした仕事ではないのですよね。

3 「日食観測だより」   B5  4p           M.S
 そんな,「日食観測会」に参加してくれた子どもたちの感想文集です。1年生から5年生まで,さらには他の小学校の参加者(職員の子ども)の感想まで網羅されています(6年生は単独行動をとったらしい)。
 ちょっと紹介しましょう。
1年…ほそかったけど,たのしかったです。
5年…太陽がどんどん欠けていっているのを見ていたら,とてもわくわくしました。手ですきまをつくって合わせて見たら,三日月が出てきました。みんなと見て楽しかったです。

 このお便りは,感想を書いてくれた子どもたちに配布するそうです。Sさんは,このお便りの最後を次のように締めくくっています。
 (能登で皆既日食が見られる23年後に)このお便りを読みながら,23年前の自分が,朝早くから学校に行って,メガネでのぞき込んだことを自分の子どもに話していることを想像して楽しんでくれたら何よりです。

4 「金環日食を見てきました」 B5 8p          M.O
 5月21日(月),私の勤務している学校は運動会の振替休日でした。まるで,天の恵みのような日です。当然,金環日食が見える場所まで行くことにしました。紀伊半島の先端付近-南紀白浜へ向かいました。
 前日は小雨が降るあいにくの天候でしたが,当日は7時過ぎから少しずつ晴れてきて,金環の時にはしっかりと拝むことができました。まさに「拝む」という感じでした。
 今回の観測を機会に,一眼レフを手に入れてありました。日食の姿をいろいろと撮ってみました。全部マニュアルで撮影しました。そのときの写真も,編集して持ってきました。シャッタースピードがもう少し速ければよかったなあと反省。
 なおレポートには,「どこで見ることにするか」という決定についてのいきさつや,「南紀白浜の観光」などについても書いてきました。
 今年の11月14日にはオーストラリアで皆既日食があります。私は行きませんが,映像などが興味深いです。本当は行きたいのですが…。

5 「教職員の世代交代」A4  2p              M.K
 タイトルを聞いて,どんなことを思い浮かべますか? 教育界の常識の移り変わりでしょうか。学校には年老いた自分の居場所がなくなってきたという感覚でしょうか…それとも…。
 最近よく聞かれる言葉…「あと10年で現場の先生の半分が入れ替わる」…この言葉を5年前から聞いているけど,本当はあと5年しかないってことになるのかな?
 ある社会教育施設に勤めている関係上,いろんな学校の先生と出会う機会があるKさん。そんな彼にとって,今まであまりやらなかった対応をとる若い先生に,ちょっと違和感を感じているようです。
 下準備をせずに堂々とやってきて,いきなりそこで相談しようとする先生。その行事の意味をあまり考えずにただただすまそうとする先生。初めて担当するにもかかわらず,どんどんその場で決定を下す若い先生。いいのか悪いのかよくわかんないけど,とにかく昔とはちがうタイプの対応をするようです。
 まあ,いいじゃないか…と私は思います。
 みんなそうして大きくなったんだし。
 ただ,子どもたちにとっては1回しかない大きな行事なわけで,それはそれでしっかりと準備段階から組織的に計画しておくべきでしょう。行ったら何とかなるわ…というのは,プライベートな旅だけにしてほしいものですね。
 でもでも,Kさん! こんな先生,前からいたけどね。

6 「仮説実験授業を初めて体験した子どもたち」 A5  4p    M.O
 初任研がらみで,小学2年生の生活科を担当することになりました。初めての事です。さっそく仮説実験授業《空気と水》を始めました。最初は「町探検!」と言っていた子たちも,「空気と水だよ」というと,喜ぶようになってきました。さすが仮説実験授業です。この授業は,時々しかやれていないので,まだ終わっていません。生活科ってやることがたくさんあるんだよなあ。

7.「東福寺の三門と太閤柱」 A5  4p          M.O
 京都・東福寺には立派な三門があります。この三門の四方には,太閤柱と呼ばれる柱が付いています。見ると分かりますが,明らかに後から取り付けた柱です。この柱は,豊臣秀吉が地震対策として付け加えたものだそうです。
 以上のことは,この三門の説明看板に出ていました。が,そこに書かれている地震の話が,史実とはちょっと違うような気がして,東福寺にメールを送ってみました。その東福寺とのメールのやりとりをまとめてきました。

 その他配布したものとして「スイヘイリーベ 魔法の呪文」の歌詞カード(O),「ひっくり返る猫」の台紙(S)などがありました。

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