珠洲たの通信・2009年12月号

2009年度

 あけましておめでとうございます。
 さあ,ついに2010年です。何が「ついに」だって? 仮説実験授業全国大会が能登で開催される年が来た!-ということで「ついに」なのです。
 お正月は酒飲んで箱根駅伝を見て過ごしました。12月始め頃から『宮廷女官キム尚官(西宮)』(52話)のDVDも見ていました。『西宮』のイ・ヨンエ(キム尚官)は,悪役ですごみもあり怖かったです。やっぱり『チャングムの誓い』のイ・ヨンエの方が落ち着きます。DVDと言えば,『西宮』の前は,やはりイ・ヨンエの『火花』(全32話)を見ていました。これは現代劇なのですが,不倫を描いたもので男と女のチョメチョメがドロドロしくて,なんともすごい物語で,すごい役でした。ま,いろんな人物の<役>が出来るというのは,それだけ役者としての器が大きい証拠なんでしょうが…。あ,これらのDVDは職場の先生に貸してもらったものです。
 これをいつ見ているのかというと,毎朝です。毎日,5時前後には起きるので,6時ごろまでに1本見ているのです。この時間帯は,本来なら学級通信を書いている時間です。が,今年は担任を持っていないので,こうして連続ドラマを見ることができていると言うわけです。
 今年は大河ドラマ「龍馬伝」も始まったので,いつもよりテレビを見ている時間が多くなるようです。限られた時間を有意義に使うことが私の毎年の目標です。今年もやらなければいけない仕事はさっさと済ませ,自分のやりたいことに時間を使っていきたいです。

■12月の例会の参加者(8名)
 M.S(NYSB)  T.M(NYSB)  T.M(S市T中)   M.O(N町U小)  T.M(N町U小)  S.N(N町U小)  M.N(W市K小)  初:Y.K(N町N中)

資料の紹介

1 「これも繰り下がるの!?」B5  4ぺ   M.S
 繰り上がりの足し算をクリアしたキョウヘイ(仮称)君に,今後は繰り下がりのある引き算を教えているという報告でした。
 53-25という計算の順序は次のようなものです。
①はじめに一の位から計算します。
②3から5は引けません。
③十の位から,1本お引っ越し~変身(十の位の5を斜線で消して,4と書き,3の上に小さく10を書く)。
④(3を指で隠して)5のお友だちは5(と言って,3の斜め下に5を書く)。
⑤(3と小さく書いた5を丸く包んで)3と5で8なので,一の位は8(と言って,答えの欄に8を書く)
⑥次は十の位。1本変身したので,4-2で2(と言って,答えの欄に2を書く)。
⑦答えは28です。
 今回の指導で新しく工夫したのが④と⑤だそうです。もともとあった「3」を「指で隠す」ことで,変身した10と5との引き算のみに集中することができるようになります。そして10-5=5をしたあとで,もともとあった3と書き加えた5を丸で囲むことで,足し算して答えを出すのです。小さな数字を書くことで数字ばっかりになり,何が何だかわかんなくなることを防ぐための工夫。普通学級でも充分使える指導法だと思います。
 これらの指導をするときには,もともとタイルを使った位取りの指導をしておかなければなりません。高学年での指導が効果的になるかどうかも,低学年からのシェーマの扱い方によって大いに左右されます。
 このあとのレポートには,なんでも「引っ越し変身!」をしたがるキョウヘイとSさんとの闘いの様子も描かれています。

2 「酸性雨の授業を終えて」 A4  4ぺ   T.M
 学力向上発表会で公開した自分の授業について,その公開授業実施前後の指導者としての感想を授業記録も含めながらまとめてきてくれました。
 授業の様子は以下の通り(詳細は「酸性雨」を授業するをご覧下さい)。
○学校前の銅像を見せる
・白い,色うすい,はげている
・雨あたって溶けたんじゃない? 酸性雨って言うし…
○本当に雨は酸性なの? 銅像を変化させるはたらきがあるのかなあ?
・あると思う…22人,ないと思う…1人
・そんな酸性の雨が降っていたら危ない,なめたことあるけど味もしなかった。
・新聞で木が枯れるって読んだことがある。
○予想変更で,ないと思うが2人になる。
○これを確かめるにはどうしたらいいのでしょうか?
・雨水を蒸発させればいい
これは指導者が「出る」とは予想していなかったもの。そこで授業者は少し焦ったのだが,理科支援員が素早く実験道具を準備してくれて,やることができた。
・リトマス紙で酸性か調べればいい。
蒸発の実験をさせながら,子どもたちはリトマス紙の実験をした。
○リトマス紙の反応はイマイチ
○BTB液でやってみよう
○雨水は黄色くなったから酸性だね。じゃあ,何が溶けているのだろう。
・気体,二酸化炭素,排気ガス
○教師が真水にBTB液を入れ,そこに息を吹き込んでいくと黄色になる様子を見せる。
 今回は「雨水はもともと酸性である」ということを押さえるための授業となりました。このあと,最近の雨水はリトマス紙で反応するくらいに酸性になっているということを押さえ,酸性雨,環境問題とつなげていくことになります。
 なかなかおもしろい授業になったと思います。

3 『量と率で見る「温室効果ガスの削減」』 A5  5ぺ    M.O
 結局,あまりいい結果に終わらなかったCOP15[COPは,締約国会議(Conference of Parties)の略です。COPは、国連気候変動枠組条約(UNFCC)を受けて設置された会議で,年に一度,各国の環境に関わる省庁の大臣が集まり,同条約の成果について話し合います(COP15オフィシャルサイトより)]。
 日本政府やアメリカ政府は,独自に温室効果ガスの削減目標を掲げていました。その目標値とそれが達成されたときの国の排出量について,予想を立てて考えてもらうプランを作ってみました。
 このプランは,大人向けに作ったものですが,もう少しグラフも入れて進めていくと,「ものの見方考え方」「数値に騙される怖さ」のようなものを教えるプランのにすることが出来ると思っています。
 報道されている数値に惑わされるのではなく,その数値がどんな意味を持っているのかを原点に戻って考えるクセを私につけてくれたのは仮説実験研究会と板倉先生の著書です。
 予想を立てて調べていると,結果がどうなるのかとても気になってきて,どんどん調べたくなってしまいます。
 今回は,日本と米国のことだけ取り上げましたが,中国やインドの言っていることも調べてみるとおもしろいことが分かるかも知れませんね。

4 「ナイチンゲール著『看護覚え書』から学ぶ・その2」B5  4ぺ  M.O
 10月のサークルに持ってきたものの続編です。先の「その1」と合わせてネット上に掲載しておきましたのでサークルに来れなかった人は読んでみてください。

5 「私のお薦めベスト5」 B5  4ぺ     M.O
 『たのしい授業』編集委員会から「2009年に読んだ本の自己ベスト5を選出し簡単な紹介文を書いて欲しい」という要請があったので,これ幸いにと,昨年読んだ本の中から7冊選んで書いてみました。
○板倉聖宣著『日本理科教育史』(仮説社)
○斉藤裕子・萌木著『今日もどこかで』(ガリ本)
○ナイチンゲール著『看護覚え書・改訂第6版』(現代社)
○米本昌平他著『優生学と人間社会』(講談社現代新書)
○澤上篤人著『お先に失礼!』(ガリ本)
○池上彰著『伝える力』(PHP)
○吹浦忠正著『国旗についての12章』(YMCA同盟出版部)
 『たのしい授業』2010年1月号には,このうちのガリ本をのぞいた5冊の文章が紹介されていました。読者の中に私の選んだ本に興味を持ってくれる人はいるのかなあ。

6 「折り紙・2種」「スノーマン」      紹介 M.S
 動く折り紙の作り方を2種類紹介してくれました。「どっこいしょ」「トンコロリン」です。
 「どっこいしょ」は,三角形にして折って寝かせておくと,ゆっくりと起き上がる(一番尖ったところが上になる)のです。本当にどっこいしょという感じで,かわいいです。
 「トンコロリン」は,右のように四角形に折って手を離すと,トンコロリンと言って3/4回転します。本当に「トンコロリン」という音が聞こえてくるような気がするのですよ(下に動画あり)。
 いずれも,出典は『ものづくりハンドブック4』(仮説社)です。
 また,「スノーマン」は,発泡スチロール球で作る雪だるまです。いろんなかざりをつけてとても可愛いスノーマンができあがりました。仮説実験授業研究会のメンバーは分子模型用に発泡スチロール球をたくさん持っています。そこで,こういう授業もすぐにできるんです。このスノーマンを作るためだけに,スチロール球を買おうなんてなかなか踏ん切りが付きませんよね。注文は100個単位だもの…。
 ま,近くのメンバーに分けてもらって下さい。私も1000個単位で購入しています。

 その他に,「百均のおもちゃ[笛と華氏メモリ付温度計]」,DVD「授業書《水分子の冒険》ができるまで」(紹介:O)などもありました。予想を立ててDVDを見るのも楽しかったですね。
 夜は忘年会をしました。参加は5名でしたが,たくさん話ができました。どんな話をしたか覚えていないけど(^^ゞ

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