珠洲たの通信・2010年1月号

2009年度

 いよいよバンクーバーオリンピックが始まりましたね。
 ほとんどテレビを見ない私も,このシーズンだけは夜昼を問わずテレビを見てしまいます。昨日も,金沢から遅く帰宅したっていうのに,ずっと開会式を見ていました。
 カナダの国旗(タイトル写真)に掲げられているカエデは「メープルリーフ」とよばれていますが,それが会場でたくさん降ってきたのには驚きました。で,初めて知ったのが,両側の赤色の部分の意味です。この赤い部分は,左が太平洋,右が大西洋を表しているらしいです。なるほど…ですね。
 カナダの先住民なども大切にされている開会式でした。これを機会にカナダの歴史を調べてみたいと思います。
 さて,学校では,もうあと1ヶ月ほどで今年度も終わりになります。未だに最終単元に入っていない私はちょっと焦っていますが,子どもたちにはいろいろと楽しんでもらいたいので,結局担任の先生に「もっと理科の時間を下さい」ってことになりそうです。授業時間をもらってでもやりたいことがあるっていいでしょ。

■1月の例会の参加者(7名)
 M.K(NSSI)  M.S(NYSB)  K.H(S市M中)   M.O(N町U小)  T.M(N町U小)  H.H(S市S小)  K.Y(S市H小)

資料の紹介

1 「日本語のいやらしさ」B5  4ぺ      M.S
 このタイトルを見て,Sさんは日本語にどんな<いやらしさ>があるのだと言っていると思いますか?
 それは数字につける単語=助数詞のことについてです。
 「1本,1足,1個…」などの時には「1」を「いっ」と読みますが,「1枚,1台,1羽…」の時には「いち」と発音します。私たちのように耳が聞こえる者にとっては日常生活でいつの間に使い分けが身に付いたのだと思います。だって,「これは<いち>と発音する」「これは<いっ>と読むよ」なんて教わったことはありませんから。
 でも,聴覚に障害を持っている子の場合は日常的に入力されてくることはないので,一番目(いちばんめ)を「いっばんめ」と言ったりするのではないかというのです。
 おそらく,単語の発音というのは,何度か発声を繰り返しているうちに発声しやすい方に流れていくだけなのだと思います。「行く」は「いく」よりも「ゆく」と発音しやすい時があるように…。雨傘だって「あめがさ」よりも「あまがさ」の方がより発音しやすいですよね。「雨水」「雨宿り」「雨雲」…
 でもこういうことを日本語以外を母国語としている人たちが学ぶときには,「あめの<め>が<めの含まれているま行のま>となる」なんて覚えるのでしょうか。それは確かに大変でいやらしいことですよねえ。
 しかし,こういう発音の変化を「日本語のいやらしさ」と言えばそうだけど,多分,どの言語にもいやらしさはあるのだと思います。それは「慣れで身についた人たちにとってはあまりにも当たり前」だからこそ,知らない人にとっては「いやらしい」のでしょう。
 なのに「こんなこと当たり前だろう」って言ったりすると,知らないところで子ども達を苦しめたりするのかも知れません。

2 「ブログ的気楽レポ」 A5   12ぺ       M.O
 今月はまとまってレポートするほどの話題がなかったので「気楽レポ」形式にして持ってきました。
 内容は,
①「オムライス,オムレツのオム」の語源を探ってみたこと
②「珠洲たの」はどのHPに紹介にされているのか,検索をかけて探してみたこと
③「年賀状から」ということで,KITのテレビ放映で私を見つけたという話題
④今月の本棚
の4つです。
 ま,そういうことです。
 みなさんも,ちっちゃなことでもいいから文字に書き留めておくと,後々いろんなところで役に立つかも知れません(立たない方が多いだろうけど)。サークルを機会に気楽に書いてみてはいかがでしょうか。

3 「クリスマスカードを作ろう」 A4  2ぺ       H.K
 11月のサークルで紹介した「ポップアップカード」。それを自然の家に来た参加者に作ってもらったというお話でした。
 まずは,15分で実演して見せたあと,Kさん手書きの「作り方(説明書)」の用紙(A4表裏)を見ながら参加者たちが作ったそうです。
 その説明書はいつもながらオリジナルのイラスト入りで大変ていねいなものでした。
 例えば,厚紙に折り目をつけるとき,シャーペンの先やボールペンの先(つかないヤツ)あるいは柄の付いた画鋲などで筋を入れておくと折りやすくなることや,カッターで切り込みを入れて紙を切り取るときに,紙の厚さがあるので下の方はまだ完全に切れていないことがあり,下書きの線より何ミリか余計にはみ出して切らないといけないなど,ていねいな説明でした。
 このものづくりは主に大人達に人気だったようです。子ども達には、「どっこいしょ」「トンコロリン」などを作ってもらったようです。
 トンコロリンがちゃんと「トンコロリン」と動くためのコツは,テーブルの質にもよるようです。滑りやすくて摩擦の少ないところはよくないみたい。そのあたりのことは,研究の余地有りですね。

4 「1年数学 比例と反比例」B5  1ぺ    K.H
 中学1年生との「比例」の導入の部分の指導法として「ブラックボックス」を使ってみたという報告です。
 比例は,小学校でもやりますし,ブラックボックスもよく使います。
 それでは,中学校での指導とどう違うのか…というわけですが…ま,私が思うにあまり違わないようです。ただ,中学校ではブラックボックスから,すぐにχやyにおきかえていくので,どうしてもそこでギャップのある子が出てくるわけですよね(小学校でもブラックボックスの練習問題をやらせる先生は少ないかもなあ)。
 子ども達は文字が出てくるだけでなぜギャップを感じるのでしょうか。そういうギャップを感じさせないための指導法は何かあるのでしょうか…これを見つけることが先決でしょう。中学校って本当に大変です。

 ちょっとレポートから離れます。
 わたしが算数・数学の基礎・基本で気になっていることがあります。それは「等号の意味」についてです。小学校でも充分意識されて教えられていないのではないかと思っています。たとえば,
①3+4=7

②7=3+4
とを見たときに,「②の書き方ははおかしい」という子が必ず出てきます。これは小学生だけではないかも知れません(中学生は「おかしいなあ」と思いながら声に出さないだけでしょう)。数学では,まず①と②は同じことを言っているのだ(言ってもいいのだ)という意味から「等号」の概念を身につけないといけません。
 1年生から算数を習ってきた子どもたちは,①の式の「=」を「→」と考えていると思います。それは決して間違いではありません。日本語の「~は…です」という言葉からは「→」が連想されるからです。だから,
③「AとBは6年生です」
は変な文ではないし、すんなり理解できますが,
④「6年生はAとBです」
は,何の説明もなく成り立つ文ではありません。④の文の前に「ここの中のだれが6年生ですか?」と聞かれてそれに答えたとか,まあ,そういうような何某かの限定がなければならないことがあったのだろうと想像されるのです。そんな意味で言うと②を「7は3+4です」と声に出してみると,何か変な感じがします。「7」という数字が,あるパターンに限定されているような気がするのです。
 このように,「=(は)」というのは日本語的にはなんとなく「→」のイメージを持ってしまっているのです。
 でも,「=」は「右項と左項が等しい」(等価)という意味であって,①から連想されるような「→」ではないのです。
 このような等号の持っている概念を小学校のうちにやっておかないと,y=2χ なんてのは気持ち悪くてついていけないでしょう。もし小学校のうちに「等号」の意味を教えていないのならば,中学校でそのことをやらないといけません。

 このほかに「MY BOOK」(H),おもちゃ[ジービーズ,点滅するタコ] の紹介(S,タイトル写真の二つを見よ)などもありました。
 さて2月のサークルでは『たのしい授業2月号』に載っていた「対数グラフ」を書く体験をしてみようと思っています。「対数」といっても,決して難しいわけではありませんよ。普通のグラフと対数グラフから見えてくるものを考えてみたいと思います。
 また,簡単な授業書体験もしてみたいと思います。乞うご期待!!
 なお,5月の会の案内をHPに載せましたので一度ご覧下さい。ものづくりなどのスタッフも募集しています。

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