珠洲たの通信・2009年10月号

 今日は11月15日。外は大変な風が吹き荒れております。
 さて,今日は,能登町PTA研究大会が開かれ,参加要請をうけた私は内浦第2体育館に行ってきました。記念講演は今村克彦氏。私は彼のことを今日までまったく知りませんでした。7年前にも能都町に来たことがあるらしいのですが…。テレビにも出ているというのですが…。何せほとんどテレビを見ないので…。その半生がドラマにもなったらしいですが…。まったく世間知らずだなあ(^^ゞ
 その講演は,とてもおもしろくて,あっという間に時間が過ぎました。1981年に京都府教員となってから2006年に退職するまで小学校現場にいたという経歴の持ち主です。現場にいるときから,既存の公教育の管理的な枠にはまらず,子ども目線でものごとを考えようとしていたようです。
 ネット上にも今村克彦氏や今村組に関するいろんな話題が取り上げられていました。ちょっと前のヤンキー先生(義家弘介,現自民党参議院議員)とはまた違うものを持っているように感じられました。前ヤンキー先生は国会議員になりましたが,このヤンキー先生は未だにヤンキーだなあって思いました。
教育で理想を語って何が悪い。理想を持たない教育は教育ではない。理想を具現化しようという一連のたゆまない努力が教育を支える唯一の方法なのである。「今村克彦オフィシャルページ」より
 ちょっと本も読んでみようかなあって思っています。

■10月の例会の参加者(7名)
 M.S(NYSB)  K.H(S市M中)   M.O(N町U小)  M.K(NSSI)   T.M(N町U小)   初:S.N(N町U小)  初:M.N(W市K小)

資料の紹介

1 「久しぶりの出張」B5  5ぺ    T.M
 ある学校の参観記です。
 6年生の水溶液の授業の一コマ。
 車の排気ガスを集めて水に溶かし,その液が酸性かどうかを見る実験です。
 だいたい,これはなんのための実験なのか? 子どもたちはみな「酸性だ」と思って予想しているのに,それを実験する必要はあるのか? そこからがまず疑問。
 さらに,子どもたちに「実感力」(その学校の目当てらしい)を持たせるためか知らないが,この確認作業を「児童実験」としたらしい。
 しかし,外の車から集めてきた排気ガスに水を入れて反応を見るのですが,軒並みどのグループも「中性」と出る始末。結局「酸性」が1班,なんと「アルカリ性」も1つ…。挙げ句の果てに,教師が一言,
 教師  みんな何になって欲しかった?
 子ども 酸性!

だって…。
 そのあと,支援員がもってきた排気ガスで実験すると何故か酸性に…。
 子どもたちは「支援員が集めた排気ガスは酸性でした」って結論になるわけ?? この学校の「実感」って何? 
 「とにかく児童実験がいい」という前提自体がおかしいことに気づかないと,こういう失敗はこれからも起きるでしょう。
 一方,水槽の中に酸性雨を作る実験はおもしろかったようです。Mさんはこれを改良して,大型ビーカーと蒸発皿と丸底フラスコでやる実験を試しています。今度の公開授業で使うかどうかは微妙ですが,どうぞ見に行ってやって下さい。

2 「同僚からもらった感動」 B5  4ぺ    M.S
 Sさんの学校には,現国体選手がいます。このレポートは,彼の晴れ舞台を見ようと職場のメンバーと一緒に参観・応援してきたときの顛末が記されています。 
 「トキめき国体」でウエイトリフティングに出場したO選手。ウエイトリフティングのルールもあまり知らないSさんたちは,会場の張り詰めた雰囲気に飲み込まれてしまいます。
 最後は,中日新聞社のインタービューやその後の新聞記事にも話は及びました。

3 「エモちゃんと近づく」 B5 4ぺ       M.S
 エモちゃんについて初めて書いてきました。
 エモちゃんという子は,Sさんによれば,「よく言うと手のかからない子,悪い言い方をすれば何もしなくてもそこにいてくれる子」です。そんなエモちゃんに,もっと積極的にかかわりたいと思い,ジグソーパズルを用意しました。
 最初9ピースを完成させるのに10分くらいかかっていたのですが,だんだんはやくなってきました。それは,最初はピースをもって当てはまるかどうかをひたすら繰り返していただだったのに,そのうち明らかに絵と形を見て判断するようになってきたからです。
 お気に入りの35ピースは,今では両手に1ピースずつ持って,必要なものをはめます。きちんと絵を見て,ピースを手に取っています。すばらしい進歩です。(3ぺ)
 その後,エモちゃんと「発語」についても試行錯誤するSさん。そこでも確実に彼女の成長を感じているようです。「打てば響く」から教えることが楽しくなるのでしょうね。いつもそうとは限らないだろうけれども,あきらめずに,予想→実験を繰り返して,真実に迫りたいものです。これは特別支援学級じゃなくても同じですよね。

4 「一次方程式レポート」 B5  6ぺ    K.H
 表題の授業についてのレポートです。
 最初に「方程式の方程って何?」って質問したら,Hさんは,
『九章算術』という中国の本に載っているのです。」
って教えてくれました。すぐに答えることが出来るってさすが数学教師ですねえ。家に帰ってから,ネットでも調べてみました。

方程式の「方程」という言葉は,中国で紀元前100年頃に書かれたという「九章算術」の第八章「方程」に由来しているといわれています。「方程」とは「格子状に数を並べること」を意味し,また,方程の「方」は「比」,「程」は「求」であるという解釈もなされています。

啓林館HP

と,なんか分かったような分からないようなお話が載っていました。
 一次方程式の指導についてはくわしいことはよく分かりません。ただ,数学が苦手な子にも分かるような指導のためには「飛躍したい時に飛躍させる」ということが必要かなと思いました(舌っ足らずで申し訳ありません)。
 最後に子どもたちが問題を作りそれを解き合う場面があり,いい実践だなと思いました。全員の文章題を全員で解くという時間はないかも知れませんが,せめてお隣と交換して解き合うとかすればよかったね,というアドバイスもありました。参考までに,私が尊敬する新居信正先生は,全員の作った問題を印刷して子どもたちに渡していました。

5 「スノーケリング体験記」 B5  2ぺ     M.K
 この夏,海洋ふれあいセンターの「スノーケリング講座」に参加したKさんが,その参加記をまとめてきてくれました。いつもながら,手書きで,しかもカット絵がた~くさん入ったレポートです。
 しかも,報告は実況生中継のような感じで演技をしてくれます。終始笑いっぱなしの時間を過ごしました。
 センターの職員は,最初,一連の作業を説明してくれたそうです。その説明を聞いて「見通しが持てた」といっていました。
 Kさんが海の中で見たという「光る海藻」はワツナギソウというものです。センター発行「磯の生きもの観察シート39」に紹介されています。
 私も6年ほど前,スノーケリング講座に参加したことがあります。夏だったけど体がスーツで締め付けられるようで,ちょっとしんどくなったことを覚えています。一緒に行った末娘は元気に泳いでいました。体力の差を感じました。それにしても弱音を吐かなかったKさんはエライです。スポーツマンです。

6 「縦割り班活動を生かした運動会」 B5  4ぺ   M.O
 うちの学校の運動会の話題は先月にもMさんが話をしました。今回は,私の目から見た運動会の練習と本番の取り組みについて報告しました。
 少ない練習でありながら,かつ子どもたちにも満足感を感じてもらえる運動会のあり方を追求しています。運動会には「見せる」部分も必要なのですが,それもあまり「ピシッと」が要求されないようにすることもできるのではないか。ま,いろいろと思いをまとめてみました。

7 「使えます。サイト『デジタル台風』」B5  4ぺ   M.O
 デジタル台風というサイトの紹介です。
 これを使えば,5年生の台風の授業はOK。あとは,今年起きた台風のニュース映像を録っておけばいいのです。

8 ものづくり「協力のミサンガ」A4  1ぺ   紹介 M.O
 この夏,能登大好き一家の東京・三鷹のUさんから教えていただいた「超簡単ミサンガづくり」を体験してもらいました。このものづくりの「協力」っていう部分がとってもいいです。
 その名の通り,2人で2本の毛糸をもって寄り合わせ2人で完成させます。2人分作るには2回同じことを繰り返すことになります。なんか,学級の中がほのぼのしてきそうです。

 このほか「UMISACHI通信第8号」「珠洲原発反対運動を描いた物語」「ナイチンゲール著『看護覚え書き』から学ぶ・その1」(O),「単位のものさし」(紹介:H),「日本の都道府県カルタと歌(日本列島どっこいしょ)」(紹介:M)などがありました。
 今月もまた新しい参加者があってとってもうれしかったです。

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