珠洲たの通信・2006年3月号

 お久しぶりです。新年度が始まりましたが,皆様いかがお過ごしですか。
 ボチボチ桜も咲き始め,やっと春がやってきました。私にも春がやってきました。このたびめでたく3年ぶりに担任を持つことができました。担任が持てるのは,この先もなかなか無いかも知れないので,べったりと学級王国を作ってみようかと思っています。うまくいくかどうかは,これからのことですが…。
 そんなわけで「明日はこれ,明後日はこれ」と学級が動いていくので,3年間のブランクを取り返すのに大変です。級外をやっていると,この時期は,時間割を組んだりして,丸二日間ほどじっくりと授業の準備もできるのですが,担任って逆に授業が詰っていて本当に忙しかったんだなあと実感。ぼちぼちやろか…。
 さて,3月の末,Tさんが東京都に正式に採用になり,4月から東村山市の小学校の先生となりました。慌ただしく引っ越しをしているはずです。近況は,メールやミクシィの日記で教えてくれていますが,サークルには来れなくなって残念です。せっかく若いパワーをもらっていたのに…ね。「ネット上で交流しようね」って言ってありますので,このサークル通信も見てくださると思います。

■3月の例会の参加者
M.S(NYSB)  T.M(N町M小)  H.H(S市S小)  K.H(S市O中)  M.O(S市S小)  M.T(N町U小)  Y.N(S市M中)

資料の紹介

1.『ブログ的気楽レポ・2006年3月号』 B5  12ぺ  M.O
 新しい形式のレポートもなかなか板に付いてきたようです。
 今月の一つめの話題は,まずミクシィ関連が二つ。「特別支援教育」と「小学校の先生」のコミュニティでの発言を紹介しました。
 特に「小学校の先生」というコミュニティでは,私の発言をめぐって賛否両論,楽しく議論が交わされました。その意見を読んでいて,思ったことなどを書いてみました。最初は読むだけのつもりだったのですが,なんか無性に発言したくなって,書き込んでしまったという感じです。ミクシィには,圧倒的に若い人が多くて,発言する人も若い人が多いです。ですから,私のような中年の発言は,却っておもしろいかも知れません。4月9日現在で,このコミュニティの参加者は1941名にもなっています。このひと月で200名余りも増えていることになりますね。
 二つめの話題は,珠洲の珪藻土の埋蔵量に関する「その後のその後」。珠洲市の図書館の職員(同級生)も巻き込んでの調査となりました。次回の例会には,最終報告書を出せると思います。こうご期待!
 3つめの話題は,「卒業生」に関するもの。担任ではない私が,卒業生のためにしてやれることを2つ紹介しました。一つは「卒業のしおりに卒業生の顔写真を入れる」こと,もう一つは,「保護者向けに控え室で写真のスライドショーを見せる」ことです。二つともあまり卒業式そのものに影響を与えなくて,でも,ちょっと本人や親たちが喜んでくれるものです。そう職員会議なんかに全くかけていない,私だけの判断でやったものです。
 最後は「今月の本棚」。紹介した本は以下の通りです。
○桂米朝著『桂米朝集成・全4巻』(岩波書店,2004~05,350~400ぺ)
○西江雅之著『「食」の課外授業』(平凡社新書,2005,196ぺ,740円)
○米原万里著『必笑小咄のテクニック』(集英社新書,2005,205ぺ,680円)
○ゴーシュ編『懐かしの縁日大図鑑』(河出書房新社,2003,126ぺ,1500円)
○D.H.クラーク他著『専制君主ニュートン-抑圧された科学的発見』(岩波書店)
○中沢新一著『僕の叔父さん 網野善彦』(集英社新書,2004,186ぺ,700円)
○小川洋子著『博士の愛した数式』(新潮文庫,2005,291ぺ,450円)
○田中克彦著『名前と人間』(岩波新書,1996,204ぺ,650円)
○佐藤健一編『江戸の寺子屋入門』(研成社,2000,1996ぺ,1545円)
 米朝さんの本は,まだ2冊しか読んでいません。おもしろかったのは,やはり小川さんのベストセラー『博士…』ですね。あと岩波新書の『名前と人間』も,個性や文化とは何かを考える時の新しい視点を与えてくれた気がします。

2.『毎日少しずつ…を実感1年』 B5  6ペ  M.S
 月に出会ったマサキ君との1年を振り返り,その成長ぶりを感じとっているレポートでした。
「一つの変化が見られるまでに,思っている以上に時間がかかります」ということばに,ドキリとしました。それは,障害を持っていない子にも言えることではないか。一度言ったらわかるはず,もう5年生だからわかるはず,これだけ練習したから覚えているはず…と,教師が勝手に思い込んでいることがとても多いような気がします。一つのことができるのに,「10日間であったり」「長ければ半年」であったり。
 「人は,死ぬまで成長する」ということが本当なら,そんなに早くいろんなことができるようになったり変化したりする必要はないのかも知れません。やれ「基礎基本だ」「ドリルだ! 反復だ!」と言われる時代だからこそ,じっくり成長して何が悪いーと開き直りたい気持ちになります。
 そして,障害を持った子たちにつきあっている先生達の意見をもっともっと聞きたいと思います。
 幸い,このサークルには,障害児を担当している人も増えてきました。今年度も学ばせてくださいね。

3.『条件付運行』 B5  7ぺ  M.S
 これは,Sさんしか書けないレポートです。
 ANAという企業とメールした様子を紹介してくれました。
 だいたい,Sさんって,何かあったら「シメタ」とばかりに,いろいろと調べていきます。そんで,普通の生活をしている時には知らなかったりすることを,私たちに教えてくれるのです。ありがたい,ありがたい。
 今回は,羽田から能登空港への飛行機が,能登空港に下りることができなくて羽田まで引き返したことから話が始まります。
 Sさんは,引き返す飛行機の中で思います。
「羽田に帰るくらいなら,なんで小松か富山に降ろしてくれないのか?」
「小松に降ろす場合もあるらしいけど,それは一体どういうときなのか?」

 そんな疑問が発端となって,ANAに問い合わせた結果を書いてきてくれたというわけです。
 答えてくださったANAの方も,まさかこういうサークルで自分のメールがレポートになって掲載されているなんて知らないだろうなあ。
 でもANAさん,「サービス業の難しさ・命を預かる難しさ」などを知ることができました。我々教師も,サービス業だし,子ども達の命を預かっているのですから…。

4.『ごんぎつね第6場面』 B5  4ぺ  M.T
 先月は「ごんは,子どもか大人か」で盛り上げてくれたTさんですが,今月もごんぎつねの話題を持ってきてくれました。
 今回の課題は「ごんは,なぜくりを固めて置いたのか」です。
 今までどおり,玄関先に置いていれば,兵十に見付かることもなく償いを続けることができたのではないか… それを,わざわざ危険を冒してまで家の中に入り,しかも栗を固めておくという行為は不思議である。「単なる償いではないものがごんの意識の中にあったのに違いない」とTさんは言います。
 しかし,研究授業では,上のように問わないで「ごんは死を覚悟していたか」という発問にしたらしいです。結果は失敗。子ども達は,ごんの兵十への気持ちよりも詩への覚悟の方に意識が動いたらしい。
 私は,国語ってわりといい加減に「まあ,すらすら読めればいいや」という到達目標でやっているので,発問あれこれって,思いつきでやっているところがあるのですが,こうして,一つの文章を深く読んで議論し,発問を組み実験授業をしてみることもたのしそうですね。ただ,余りにもマニアックになると,教師の研究の成果を出させる授業を子ども達に要求することにもなりかねませんので注意が必要です。

5.『MY BOOK 2006年3月号』 B5  2ぺ  K.H
 以下の本を紹介してくれました。
○小川洋子著『博士の愛した数式』(新潮文庫)
○藤原正勝・小川洋子共著『世にも美しい数学入門』(ちくま新書)
○三田紀房著『ドラゴン桜①~⑪』(講談社)
 藤原さんは,小川さんが『博士…』を書くときに取材した数学者ということで再度対談されたものを記録したらしいです。読んでみようかと思います。『ドラゴン桜』も借りて読みました。結構おもしろかったです。詳しくは,4月のサークルで紹介しますね。この間,第12巻が出たので買っちゃいました。

 他に「20Q」というおもちゃの紹介(S)がありました。「20の扉」の携帯版です。結構当たるらしいですが,この日は思い浮かべた言葉が「シーラカンス」だったので,あてることはできませんでした。あまり一般的ではない単語は,無理のようです。

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