珠洲たの通信・2006年2月号

 早いもので今年度もあと数週間で終わりですね。
 この通信が届く頃には,もう卒業式も終わり,在校生のまとめと,自分の身の振り方について思いをめぐらしていることでしょう。今,受け持っている子たちとどんなお別れが出来るのでしょうか。 最後の授業なんかも考えている今日この頃ではないでしょうか。
 最近の私の生活は,ミクシィに嵌っています。最初は,「こんなもん…どうせ若者の遊びだろう」と思っていたのですが,ミクシィの社会にはいろんなコミュニティがあって,その中の発言を読んでいるだけでもそれなりに勉強になるのです。著書を出している研究者や作家のコミュニティもあったりして,直接会話(メール)できるのはなかなか刺激的です。以前(2003年10月号「今月の本棚」で)紹介した『アドラー心理学入門』の著者の岸見さんともお話ししましたよ。もちろんパソコン上のコミュニティの発言でですが…。ミクシィについては,今月のTさんのレポートに詳しいです。

■2月の例会の参加者
M.S(NYSB)  T.M(N町M小)  H.H(S市S小)  K.H(S市O中)  M.O(S市S小)  M.T(N町U小)

資料の紹介

1.『ブログ的気楽レポ・2006年2月号』 B5  8ぺ  M.O
 今月号の話題の一つめは,校内研修会でうちの職員相手に中一夫さんの「学力低下の真相」をしたということ。研修会1時間をもらって,いくつかの問題を一緒に考えてもらいました。時間がなかったので,予想の理由などを言ってもらえませんでしたが,それでも,今までただ漠然と思っていた「学力低下」の実態が分かって,「大変勉強になった」という感想をたくさん頂きました。職員の感想については,校内研究通信『koudou通信25号』に紹介しました。
 二つめの話題は,「刑法犯が減少したという新聞記事」のことです。犯罪が減少したというのに,あまりマスコミは騒ぎません。一体どれくらい減少したのでしょうか? そんなことを考えてみるために書いてみました。事件があると騒ぐマスコミは,なぜか,こういう話題には消極的です。「住みやすい日本」というイメージがいやなのでしょうかねえ。
 3つめは,「珪藻土の埋蔵量と比重・密度」という話題。これは後掲のレポート『珪藻土の埋蔵量はどれくらいなのか』を書き上げた後に,鍵主工業さんと少しやりとりしたメールを紹介したものです。詳しくは,来月以降のレポートで取り上げるつもりです。
 4つめは,「今月の本棚むです。紹介した本は,以下の10冊です。
○向山洋一・根本正雄著『向山洋一の学校論ー教育課程論ー』(明治図書)
○中一夫著『学力低下の真相』(板倉研究室,2005,185ぺ,1200円)
○中一夫著『増補改訂版 指揮者のミス・太郎と花子と桃子』(ガリ本)
○貴戸理恵著『不登校は終わらない』(新曜社,2004,327ぺ,2800円)
○織田道代著『ねこのどどいつあいうえお』(のら書店,2005,95ぺ,1300円)
○庄井良信・中嶋博著『フィンランドに学ぶ教育と学力』(明石書房,2800円)
○三浦展著『下流社会』(光文社新書,2005,284ぺ,780円)
○白石昌則著『生協の白石さん』(講談社,2005,150ぺ,1000円)
○藤原正彦著『国家の品格』(新潮新書,2005,191ぺ,680円)
○養老孟司著『超バカの壁』(新潮新書,2006,190ペ,680円)
 ここには,ベストセラーで取り上げられている本も多いのですが,これは,私の興味とベストセラーがたまたま合致したことによります。ベストセラーをみて本を買うことは先ずありません。ただ,新聞(日曜日)の読書欄・書評欄は,毎週読んでいますので,そこで気に入った本・気になった本は購入しますけどね…。
 仮説実験授業関係以外での,今月のお薦め本は『不登校は終わらない』『フィンランドに学ぶ教育と学力』です。いずれも,<不登校>や<フィンランド>を語る時には,基礎知識として知っていて欲しい内容が書かれていると思います。

2.『珪藻土の埋蔵量はどれくらいなのか』B5 10ペ  M.O
 先月紹介した「珪藻土見学記」をまとめるに当たって文献やネットで珠洲地方の珪藻土について調べていたところ,推定埋蔵量の数値に大きな違いがあることが判明しました。そこで,珠洲の珪藻土の埋蔵量について調べてみたこと,新たに出てきた疑問などをまとめてみました。この問題は解決したわけではありません。疑問は益々ふくらんでいるのですが,最近,少しずつ分かってきたこともあります。それはまた,4月までにまとめますね。
 このレポートは「珠洲たのサイト」にアップしておきます。サイトには,来月までに作成する予定の第3弾と併せて,珪藻土3部作としてまとめますね。こう言い切ってしまうと,まとめざるを得ないからね。

3.『特別ルールを「ひいき」といわせないために』 B5  7ぺ  M.O
 運動の苦手な子の為に,クラスで話し合い,特別ルールを作ってバスケットのゲームをしたという実践です。単元の最後に感想を書いてもらいましたので,それもまとめてみました。
 「今日,試合をして終わりに,みんなと同じように<はあはあ>となったので,少しはうごけてよかったです」と書いてくれた体育の苦手な女の子。この感想を読んだとき,時間をかけて話し合ったかいがあったと思いました。特別ルールを適用された子たちが満足しているのはもちろんのことですが,運動が得意な子たちも,「Sさんが動けてよかった」「Iさんが取ってくれたのでうれしかった」と書いていました。
 丁寧に授業をしていきたいものだと思います。

4.「ソーシャル・ネットワーキングサイト(MIXI)」について A4 3ぺ   M.T
 いやー,全く知らなかった世界を教えてもらいました。友達の紹介で入れるブログというか,コミュニティというか,そういうサイトについての情報です。
 ま,ボクのイメージで言うと - 開かれすぎたネットワークの危険性を少し減らし,一応,誰かの友達である人たちだけでお互いのブログが見えるようにしたもの - といった感じです。昔のニフティーサーブのフォーラムのように,いろんなコミュニティに参加することができます。誰かが立ち上げていなければ,自分で立ち上げることもできます(このあたりはニフティの時より簡単!なのだ)。新しい発言は,自分のホームページに出てくるので,探しに行く必要はありません。発言しないで読むだけでの参加もできます。
 2月のサークルの日の夜,早速,Tさんからのお誘いを受け,入会しました。 まだまだ,どんなことができるのか分かりませんが,とりあえず,すぐに以下のようなコミュニティに入ってみました。
・仮説実験授業 ・米朝一門 ・枝雀師匠 ・アドラー心理学 ・トンデモ本 ・浮世どどいつ ・キャリア教育研究会 ・理科教育 ・網野善彦 ・一太郎ファンクラブ ・小学校の先生
 その他に,この3週間で追加したものには,
・高機能広汎性発達障害 ・ビーグル ・チャングムの誓い ・石川県方言推進委員会
 こうしてみると,ちゃんとボクの趣味があるじゃない。ただ,その人たちと仲間になったわけではありませんよ。まあ,発言しなければ,知られることもないでしょう。
 たとえば,ここで「珠洲たの」のコミュニティを立ち上げると,サークルのメンバー以外にも見ることができるメーリングリストのようなものができあがります。それって何かできそうかなあ…。まあ,発言はブログのようにHP上でできるので,どこにいてもパソコンさえあれば(ネットにつながっていれば)書き込みなどができます。
 ん~,また,いろいろやってみますね。
 この間,研究会で学校に来た若い衆に聞いたら,「知っている」と言っていました。
 断然若い子の世界であることは確かなようです。
 大学の同級生や,高校の部活の同級生同士のむちゃくちゃちっちゃいコミュニティーもたくさんありますよ。
 みなさん,どうですか? やってみますか。

5.『ごんぎつねは,子ども?大人?』 B5  6ぺ  M.T
 この話題の発端は昨年の5月にさかのぼります。「<子犬>と<小犬>はどう違う?」というような話で盛り上がっていたのですが,「子も小もそんなに違わないんじゃない」というような話ではなかったかな。
 その時の話がキッカケというわけでもありませんが,数年前からTさんが気になっていた「ごんぎつね」の年齢の設定について,子ども達と考えてみたという報告です。
 ごんは大人か子どもかについて,ネットでいろいろ調べて,原典にまであったったこともまとめられており,なかなか参考になるレポートでした。
 本レポートは『珠洲たの』のサイトに載せておきましたので,興味のある方はご覧下さい。

6.『あれから…』 B5  3ぺ  M.S
 昨年度,しんどい思いをしてしたクラスの子たちとの再会の物語。
 お正月に来た年賀状のメッセージに「ミニバスの応援に来てください」とのメールがあって,応援に行った時の話。保護者とも仲良く過ごしている様子が伝わってきます。もう違う学校に行ったというのに…。前任校で,保護者や子ども達との人間関係をじっくり作ってきたSさんならではの姿ですね。
 今回は,さらにドッチボールの大会にも行ってきたらしいです。そこには,昨年度,一番頑張って反抗していたケンジもいました。そのケンジの歓迎の第一声が「あんた,だれ」。思いっきりケンジらしくしているんだろうなあって思います。なかなかいいお話でした。

7.『マニュアルかもしれないけれど』 B5  2ぺ  M.S
 ドーナツ屋さんと携帯ショップの店員との対話の中で考えた「マニュアル」についての報告です。
 まずはドーナツ屋さんでの話。おみやげにしようとドーナツをたーくさんお皿に取ってレジに持っていたとき,どう考えても一人で食べきれる量ではないのに,「お持ち帰りですか」という店員さんの言葉。これは,必ず聞くことになっているのだろうか。余り気分がよくないが…。
 また,携帯ショップで新品を購入し,嬉しい顔で機種を持って帰ったものの,カメラ機能の切り替えボタンに気づかなくて,「これは故障か」と思ってもう一度携帯ショップへ寄った時の話。そのとき,切り替えボタンの解決策を聞いて恥ずかしがっているSさんに対して,「よくいらっしゃるんですよ。この機種では」という店員の優しい言葉で少しほっとしたといいます。
 この両者とも,もしかしたらマニュアルに沿っているのではないか,一方は,余計なマニュアルに思えるし,もう一方は,なかなか人の心を気持ちよくさせるもののようだ。
 一般的に「マニュアル」を悪く言う風潮は困ったものですね。
 自閉の子はマニュアルがあるからいいらしいです。買い物学習も相手がマニュアル通りにやってくれると,スムーズに行くそうです。ただ,自然に出てくる言葉さえも「マニュアルではないか」と思ってしまう風潮は,寂しいものがあるのではないか…でも,「あいさつもマニュアルだ」と言われれば,そうかもしれない。子ども達は,いろんなマニュアルを覚えて社会に適応していくと考えられないこともない。そんなわけで,マニュアルについて,改めて考えてみたいね。

8.『第1学年 数学科学習指導案』 A4  3ぺ  K.H
 市内の算数数学研究会で公開授業をした時の指導案を持ってきてくれました。教科書の写しと,参考図書の写しも持ってきてくれたので,話がしやすかったです。
 数学というと,専門的すぎて私たちのような素人は話が出来ない…というようになりがちですが,うちのサークルは違います。このサークルでは,出来ない人の方にこそ市民権があります。数学があまり好きじゃないメンバーが「おお~,これならおもしろそうだ」と思えるような教材や指導の仕方こそ,子ども達にも受けるに違いないからです。<論理の飛躍>なども,数学の得意な人達が集まっているときにはなかなか気付かないことに,私たちなら気付くことも出来るでしょう。
 残念ながら,モウ授業は終わっているのですが,こんな風に。このサークルに指導案を持ち込んでもらっても嬉しいです。サークルで間に合わなければ,メールで意見交流してもいいしね。
 中学校の情報がなかなかないサークルなので,こういう話題はいつも刺激的で話も盛り上がっておもしろいです。

 その他に,斉藤喜博のCDの紹介(H)3種類の遊び方がある日本地図のパズルゲームの紹介(M)などがありました。斉藤喜博のはアマゾンで,パズルゲームは生協のフレッシュで手に入るそうです。ご入り用の方,どうぞ。

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