珠洲たの通信・2006年1月号

 2月は28日しかなくて,ふつうの月よりちょっと短いだけなのに,なぜか,毎年,2月末になると,「ええ~もう3月か」と思ってしまいます。これって学習能力のないせいなのかな。
 さて,メールでもお伝えしたように,今年も一太郎の新しいバージョン(2006)が出ました。今までとそんなに変わったわけではありませんが,なかなか軽快に動きます。なぜだかは知りませんが,とにかく気持ちがいい。といいながら,毎年,バージョンアップをしてしまう自分が悲しい。ただ,今回は,『広辞苑第5版』『角川類語辞典』(いずれもATOKと連携した電子辞書)を同時に購入したので,少しは日本語に強くなれるかも。
 『類語辞典』について少し説明すると,例えば「私はすっかり困惑しました」なんて文章を書くときに,「困惑」って小学生でわかりにくいよなあと思ったら「こんわく」とタイプして決められたキーを押すと,いろいろとそれに似た意味の言葉が出てくるのです。
「私はすっかり困惑しました」を,適当に類語を組み合わせてみると,こんな文章もできます-「手前共は,身ぐるみ難儀しました。」この例文じゃあまり便利じゃなさそうだけど…。
 2月のサークルは,都合で午前中にします。お間違えのなきよう。

■1月の例会の参加者
M.S(NYSB)  T.M(N町M小)  H.H(S市S小)  K.H(S市O中)  M.O(S市S小)

資料の紹介

1.『ブログ的気楽レポ・2006年1月号』 B5 12ぺ     M.O
 今年は,昨年までの「今月の本棚」を発展的に解消して,他のショートレポートともあわせて「ブログ的気楽レポ」と称し,月に一度のレポートをまとめていきたいと思っています。そこで,「今月の本棚」の内容は,少し軽くするつもりです。
 今回の「気楽レポ」の話題は4つ。
 1 サケの成長をブログで紹介
 2 森達也と『A』
 3 「いじめは善意から」は本当か
 4 今月の本棚 
 1は学校に来た鮭の卵の成長記録を,子ども達が「gooブログ」を使い,日記の形で紹介していく取り組みの紹介です。担当は二人の女の子ですが,喜んでやっています。こういうことをすぐに身につけてくれるところが,現代っ子ですよね。みなさんも,是非ブログを見てやってください。サケは3月上旬に放流するつもりです。
 2は,正月前に読んだ本ではじめて知った人です。気に入ってしまって,のめり込みました。『A』というのは,森達也氏がプロデュースしたオウム真理教を巡るドキュメント映画です。とてもおもしろくて,お薦めです。
 3は,学校であった女の子同士の事件を元にその解決までを書いてみました。今年は担任をしていないのですが,こうして事件に巻き込まれると,いろいろと「予想→実験」をしながら,子ども達とつきあうことができます。
 4は,今までどおりの本の紹介です。今月紹介した本は,
○板倉聖宣・湯沢光男共著『コマの力学』(仮説社,2005,134ぺ,2000円)
○桜井信夫著『燃えるいなむらの火』(文溪堂・てのひら文庫,2004,80ぺ)
○板倉聖宣他著『たのしく教師・第6号』(ガリ本図書館,2005,179ペ,800円)
○板倉聖宣他著『仮説実験授業の革命』(ガリ本図書館,2005,187ぺ,1000円)
○斉藤裕子編著『仮説実験授業ノート・トルクと重心』(ガリ本図書館,2005)
○板倉聖宣他著『授業学から授業科学へ』(ガリ本図書館,2005,148ペ,1000円)
○門脇厚司著『子どもの社会力』(岩波新書,1999,213ぺ,740円)
○加藤明著『評価規準の基礎・基本』(明治図書,2003,135ぺ,1760円)
○森達也+姜尚中著『戦争の世紀を超えて』(講談社,2005,294ぺ,1800円)
○森達也著『放送禁止歌』(光文社・知恵の森文庫,2003,256ぺ,650円)
○マルコム・グラッドウェル著『テッピング・ポイント』(飛鳥新社,2000,310ぺ)
○月光天文台監修『世界「暦」めぐり』(国際文化交友会,2005,62ぺ,350円)
○新垣勉著『ひとつのいのち ささえることば』(マガジンハウス,2004,190ぺ)
○中瀬精一著『百姓覚えた者はない』(北國新聞社,2005,209ぺ,1000円)
 お薦めは,『授業学から授業科学へ』『子どもの社会力』『戦争の世紀を超えて』です。

2.『無尽蔵といわれる珪藻土掘削場の見学』 A4  8ペ  M.O
 昨年の7月に,途中までまとめてサークルに持ってきたレポートの完成品です。本レポートの4ページ以降が,新しくまとめた部分です。2章として「珠洲の珪藻土」,第3章に「珪藻土の利用方法」,第4章に「珪藻土から珪藻の化石を取り出す方法」,そしてオマケとして,参考になるサイトも書いておきました。
 珠洲の理科部会でも発表ましたが,なかなかいい反応でした。ただ,珠洲の珪藻土の推定埋蔵量に若干疑問が出てきましたので,その後調べたことを次回のサークルでご紹介するつもりです。間に合えばですが…。

3.『KOUDOU通信№14,№17』 A4  7ぺ  M.O
 これは,学校で出している研究通信です。№14は「6年生社会科の授業整理会の記録」,№17は,「1年生算数の授業整理会の記録」です。6年生の授業は,濱野さんのクラスのものなので,レポート発表はHさんにしてもらいました。
 そこで出てきた話題として以下のようなものがありました。
・社会科は,発表が苦手な子どもでも発表できるようにすることができる教科である。資料を調べ,その調べたことを云うのは安心感があるだろう。
・「友達と関連したことが出てきたら,言ってね」と。ちゃんと調べてあったら,「発表の準備していてね」と話したりします。
・発表できなくても,また次の単元もあるし,発表する機会があるということが大切です。「次の単元でも同じことをやるからね」といって,リベンジの機会を与える。うまくできたら,「すごいやん!」といってほめる。すると,今まで,友達のあとに言っていた子が,最初に発表しようとするようになる。

4.『平成17年度 学力向上セミナー実践報告』 A4  2ぺ  K.H
 これは,今年度,県教委が力を入れている「学力向上セミナー」の宿題として提出を求められたレポートです。国語と算数・数学と理科が対象でした。このセミナーは,PISA2003やTIMSS2003で明らかになった(と言われているが,<学力低下の真相>を学んだ私たちには真相が分かっています)日本の子どもたちの「学力低下」について対策をとったことにしたいという目的で,各校1名ずつの教員が集められたものです。
 それで,一人1レポートという宿題が出たわけです。
 私は理科でもっていきました。Hさんは国語でもっていきました(これは前月紹介しましたね)。
 K.Hさんの与えられたテーマは「数学的な概念の意味理解を深めるための指導の工夫改善」というものです。本人は,「あまり工夫になっていなくて申し訳ない」とおっしゃっていましたが…。ただ,このレポートについて話し合う中で「座標というのはデカルトが発見した」という話題が出たのがおもしろかったです。
 後でネットで調べたら,ちゃんと出ていました。例えば金沢工業大学HP『世界を変えた書物「工学の曙文庫」所蔵110選』には,デカルトの『方法序説』の解説の中で,次のように書かれています。
最も重要な業績は,「幾何学」の中で述べられた三次元空間座標系の概念の考察です。これを彼はテントの中でハエが空中を飛ぶのを見て,このハエの位置と運動を正確に数学的に記述する為には,互いに交差する三つの平面(つまりテントの面)からの距離を計れば良いという着想を得たといいます。彼のこのアイデアを発展させたものが現在我々が使っている x.y.zの空間座標系で,彼の名をとってデカルト座標系と呼ばれています。この発見によって彼はまた解析幾何学の創始者となったのでした。
 蛇足ですが,このHPにはいろいろな科学の古典の簡単な解説(A41ページくらい)があって,ちょっと調べてみるには便利です。

5.授業プラン『サケの一生』 A6  13ぺ  M.O
 学校でサケの稚魚を育てることになったことに合わせ,その世話をしている5年生を対象にサケの授業を組みました。資料を探していたら,10年以上も前の資料に「サケの一生」という国語の授業プランがありましたので,今回,それを打ち直し,挿絵や写真を入れ,選択肢も少し変えてプランを作りました。
 サークルの後,授業をしましたが,1時間では無理がありました。全部で8問,じっくり話し合いながら文章を読んで行くには,時間が足りません。最後は,予想だけ立てて,文章を読むというようになりました。2時間かけてじっくりやりたいプランです。映像もあったらいいかも知れません。時間がなくて,感想も聞けなかったのが残念です。ここらあたりが,担任ではないつらさです。このプランのもとになった本がどんなのか分からないのが残念です。サケの帰ってくる率が少々高いのが気になるのですが‥。原典がないので,調べようがない。

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