楽教セミナー 夏休み編(感想文編)

- 学びたいことがある 伝えたいことがある -

はじめに
 仮説実験授業研究会では,授業の善し悪しを決めるのは,エライ先生ではなく,一生懸命準備した担当の教師でもなく,学校長でもなく,校内研修会で見ていた同僚でもありません。その授業が良かったのかどうかは,授業を受けてくれた子どもたちの感想から判断します。文字通り,子ども中心主義なのです。いくら活発に見えた授業でも,子どもたちの半数以上が「つまらない」と言ったのでは,その授業は失敗です。シーンとして動きの内容に見えても,子どもたちが「楽しかった」「頭が動いた」と言ってくれれば,その授業は成功なのです。
 それと同様に,今回の講座を準備し設定したものとして,この講座の善し悪しは,参加者の感想を聞くことで判断したいと思います。感想を書いてくださった参加者のみなさん,どうもありがとうございました。
 でも,せっかく書いて下さった感想文。「主催者側だけが読んで終わり」ではもったいないので,ここに公開させていただきます。
 なお,個人が特定できるような文章は省かせていただきました。また,漢字や仮名遣いなど,少し統一した部分もありますのでご了承願いします。

講座の評価(楽しかった度を5段階で聞いてみました)

 感想を書いてくださった方…34名
「何回も参加した人」は「5.大変楽しかった」が13人、「4.楽しかった」が2人
「2~3回参加の人」は、5が3人、4が1人、
「初参加の人」は5が11人、4が3人、「3.どちらともいえない」が1人でした。
 全体の合計では
     5が 27人
     4が  6人
     3が  1人
となりました。

初めて参加した人

■本当に楽しく,多くのことが学べました。1年目で何もかもが初めてで不安ばかりでしたが,また2学期に,今回学んだことを活かせると思うと,楽しみになりました。
 先生方は,本当に多くのことを研究されて,熱意もあって素晴らしいです。現場には,こんなに熱く研修されている方はいません。本当に素敵でした。仮説実験授業のおもしろさや体験談,ドリルなど,もっともっと知りたいことばかりです。
 県外から来て下さった先生方や,準備・企画された先生方,お忙しい中,このような素晴らしい会を作って下さってありがとうございました。
 本当に来てよかったです☆

■どの日も,どの講座・講演も大変ためになることばかりで有意義な2日間を過ごさせていただきました。理科の仮説実験授業に参加して,子どもの気持ちになり,「自分も実際に授業をして子どもにこのようなワクワク感を感じさせたい」と思いました。
 まだまだ経験の浅い私にとって,自分の授業スタイルというものがあいまいで,毎日子どもたちに,どのように楽しんで興味を持って授業に臨んでもらえるか,また,どのようにしたら基礎学力が身に付くのかなど,悩むことばかりです。今回の講座を参考に,今後ぜひ取り組んでいきたいと思います。
 太田さんの合唱指導には大変感動しました。私も合唱をしてたし,大会出場経験もあるので,苦労など大変共感しました。

■仮説実験授業について,何となくしか知識がなかったのですが,今回のセミナーによって,だいぶ分かるようになりました。これから,少しずつ勉強していこうと思います。
 様々なドリルが紹介されていたのがとてもよかったです。2学期から行ってみたいと思います。

■どの内容も授業に使えそうなものばかりで,とても勉強になったし,楽しく活動することができてよかったです。

■どの講演も大変楽しく,今後に生かしていきたいと思う内容ばかりでした。どれも魅力的で,「こんな授業楽しいなー」と自分が生徒になった気持ちで聞いていました。
 また参加したいです。ありがとうございました。

■全ての講演や実技(?)を通して,まさに「目から鱗」の内容でした。仮説実験授業をぜひとも実践してみたいです。9月以降,教壇に立つのがとても楽しみになりました。

■どの講演・講座も,すぐに学校で使えそうな内容でした。いろいろな研修会に参加しても,授業に直結できるほど具体的なものがないと感じていましたが,今回,このセミナーに参加できて,9月以降,実践していきたいことを,沢山見つけることができました。
 また次回も参加して,自分の引き出しを広げていきたいと思いました。ありがとうございました。

■ものづくりは今すぐにでもやりたい!と思えるようなものばかりで,子どもの心を持って参加させてもらいました。
 あっという間の一日でした。次回も機会があったら参加したいです。今日のために動いて下さった先生方に感謝します。ありがとうございました。
 楽しさがたくさん詰まっていました。「楽教セミナー」という名の通りだと思います。

■仮説実験授業というものを初めて聞き,初めて経験しました。楽しさ+無理なく考え,理解することができるものだと思いました。
 二階堂先生と峯岸先生の授業プランは,すぐに使えるもので,夏休みがあけたら,自分もやってみたいと思いました。
 ものづくりも楽しかったです。きっと大人が楽しいのだから,子どもはもっと楽しいのでしょうね。今日は参加することができて良かったです。ありがとうございました。

■楽しいものづくり,道徳の授業が学べた。2学期にすぐにできそう。やってみたい!と思った。ありがとうございました。

■とてもためになった。仮説やものづくりを実際に見られたのでよかった。どの講演も講座もすぐに現場に使いたくなるようなものだった。
 特にものづくりは,学活の内容でいつも困っていたので,非常に参考になりました。

■実際に授業を受けたり,見たりできたのが楽しかった。ドリルもやってみたいです。

■自分が楽しいと思う教材は,子どもも楽しんでくれることが多いと思うので,楽しい授業を追求することも大切だなと思いました。たくさん学べて,ありがとうございました。

■たくさんの授業プランを体験でき,よかった。

2~3回目の人

□「楽しい」ということの他に「分かりやすい」ということがとても大切だと思いました。仮説の良さは,この「分かりやすい」も入っていると思うので,ものすごく勉強になります。
 今日は本当にありがとうございました。

□今日の会に参加して,「はやく二学期にならないかな」「これやってみたいな」と思いました。楽しみです。
 たのしい授業をするには,まず教師自身が楽しんでしないと子どもたちには伝わらないので,今回参加できてよかったです。

□いつも(と言っても今回が3回目の参加ですが),ものすごく充実していて,楽しくて元気をいっぱいもらえました。
 今年の勤務校は,肢体不自由の養護学校小学部で,残念ながら,授業書をするような環境にはありません。でも,ここでは「人として学べること」がいっぱいあります。教師としてだけでなく,人として,自然体で楽しく豊かにできていくヒントっていうか…。また9月からがんばれそうです!!
 ただの感想になってしまいましたが…また来年も楽しみにしています。

□道徳のプランはひきこまれて,自分におきかえて考えることができました。

何度も参加している人

■今回ドリルを担当させていただきましたが,どう受け止められたか正直不安な部分があります。また感想を見せて下さい。
 峯岸さんのお話,本当におもしろかったです。パワーを頂きました。楽しさを大切にしていきたいです。ありがとうございました。

■太田さんのドリルの話を興味深く聞きました。

■1日参加の人にも満足してもらえる会になったと思います。
 二階堂さんの《世界史入門》を受けられなかったのが残念だけど,今回はナイターで我慢しましょう。少しずつだけど,若い人もチラホラいてくれてうれしい。どのように広げていけばいいのか。
 情報を欲しがっている人はいるのだろうけれど,カラ(教育界の常識)を破らないとできない「仮説実験授業」は,やはりハードルが高いですね。
 自分自身が,「あんな人になりたい」と思ってもらえる教師になるのが大切だと思った。

■久しぶりに真面目に参加しました。楽しかったです。明日からの活力になるかなあ。
 《世界史入門》は,よかったです。歴史って暗記物ではなかったのネ~。とつくづく思いました(当たり前か)
 明治維新直後の輸入で,一番多かったのが○○○だとは…これが一番の衝撃でした。鎖国の時,中国とオランダのみと交易があったのもナットクできました。

■どの講演もよかった。道徳とドリルの講座もよかった。全体的にとってもよかったと言えるのではないでしょうか。

■超充実の2日間でした。二階堂さんの《世界史入門》,最高でした。おそらく半分くらいしか理解していないと思うのですが,世界がパーッと見えてきた快感! これぞ仮説のだいごみ!と感じます。
 峯岸さん,いいお話でした。研究会にこんなステキな若い方がいるということは,ほこりに思えてきます。
 貝田さん,いつもナイスな会の企画,ありがとうございます。

■1日目は,ほとんど参加できずに残念でしたが,ナイターや2日目もとても楽しかったです。
 峯岸さんの道徳プランは,とてもたのしくて必ず2学期に子どもたちとやりたいと思います。また,仮説の世界に入っていく峯岸さんのことが2日目でとてもよくわかりました。私もさわやかな朝の会,帰りの会のための自己紹介クイズを,子どもたちとやりたいです。
 また二階堂さんの《世界史入門》。あのむずかしかったオスマントルコとかプトレマイオスとかブルボン朝とか,まあ,高校世界史に落ちこぼれの私でも,その時,最先端の国ということでとてもすっきりしました。「小六でもできるかも」と総合で世界について取り組める学校なので,また考えてみます。
 今回はいろんな名言も学ぶことができました。
 自分でも忘れられないのは
  ・雑草と作物の芽をみきわめる。
  ・目にはかぞえきれない“うろこ”がついている,です。
 今日は,二階堂さんの世界史に本当にうろこが何枚はがれたことか…
 二階堂さん,峯岸さん,本当にありがとうございました。お世話して下さったみなさんもありがとうございました。

■きのう,おとといと全中で,1日しか参加できず残念です。今日は,何か疲れていて正直寝そうになりました。
 貝田先生の授業,とっても楽しく,特に生徒さんとのやりとりが,下手なお笑いの方々よりおもしろかったです。気分がUPしました。
 世界史の講座もたのしかったです。が,最後は,怒濤のように進み,落ちこぼれました。残念です。「歴史がつながる」ということを実感できず本当に残念です。世界史はとても好きなので,最後の方をゆっくり読んでみます。
 島先生の講演もとても共感できました。自分をなくさないこと。気をつけたいです。

■どの講演も,講座もよかったのですが,峯岸さんの講座が印象強く残りました。というのも,仮説と出会うまでの心の動きや,出会ってから本格始動までのいきさつを詳しく話してもらえたからです。仮説をしたけど,自分にかかった心のブレーキの数々は共感できるものだったし,それを乗り越える心と行動の具体的な対策のようなものを示してもらえたのはよかったです。道徳の指導案もありがたかったし…。
 ものづくりでは,『ものづくりハンドブック』のどこに紹介されているかを示した一覧表があったのは便利でした。
 ドリルの発表,不登校児を受け持っての体験談,本当にためになりました。ありがとうございました。

■今日はありがとうございました。今年の夏休みは研修が多くてうんざりしていたのですが,今日のものが一番ためになりました。これでスッキリした気分で,新学期を迎えられそうです。

■新しい学期へ向けてのよい刺激になった。
 歴史の見方(基準)ができてよかった。
 道徳の話がためになった。というか使ってやるぞ,と思えた。
 たくさんのグッズを購入できるのでうれしい。

■二階堂さんの〈沖縄〉の仮説実験授業はじっくり考えることができてとても理解しやすく目から鱗という感じでよかったです。ものづくりでは,手軽に作れて2学期からやれそうなものばかりでした。峯岸さんの若さあふれる「道徳の授業プラン集」や「教師が楽しくなった時」には大きな影響を受けました。2学期にやってみたい内容でした。島さんの講演もじっくり聞けてよかったです。

■楽しかった。ノーミソがピシピシ音を立ててカシコクなっていった気がする。こういう会が夏休みに県内で開かれるということは,とても得をした気になる。できれば,多くの人に参加してほしいものだ。
 仮説実験授業研究会の大会も近々開かれる可能性もあるし(ついで全小理の金沢大会も2年後にある),思い切った活動をして仮説実験授業に関わる人が増えていけばいいと思う。小松サークルも世代交代があってもいいなあ。

今後こんなことがあればいいなあ

▼学活の活動で行える楽しい活動がたくさん知りたいなと思っています。

▼体育の時間に楽しくできるゲームなど。

▼国語や算数において,仮説実験授業を実践した場合を見てみたいです。

▼子どもの行動に対して「こんな風にしているよ」とか気を付けていることなどの具体的な体験談が聞けたらと思いました。

▼ものづくりのブースがいくつもあってよかったのですが,できないのもあったのが残念でした。もう少し時間があったらいいです。

▼今回のように,講師はベテランと若手のセットがいいかなーと思いました。

▼今,特別支援学級を担当しています。小学校低学年でよくやられている授業書の講座があったら,私とするとうれしいです。

講師の方の感想

■峯岸昌弘さん
 生まれて初めて「講演」というものをさせていただきました。はじめは緊張してうまく話せませんでしたが、参加者の方々の笑顔に支えられ、とてもたのしくなっていきました。最後には、実に自分らしく話せていたなぁと思うほどでした。最後まで聞いていただいたみなさんに本当に感謝しています。
 初任の頃からの話をながら、改めて自分の経験を振り返ることができました。不思議なことに、今まで気がつかなかったことが見えてくるものですね。それは、やっぱり教育の世界には、使えるものや、うまく行かせる方法などの積み上げが、ほとんどないんだということ。みんながやっているから、何となく正しいことのような気がするだけで、それが本当に有効な手段かどうか、実験なんてしていないんですよね。初任者は、そういう正しいだろうとされているものを、正しいことのように教えられ、何の疑問も持てない中で、うまくいかなくて、とにかく悩む。でも、それは実は、初任だけの問題ではなくて、日本中の教師、いや、世界中の教師たちが悩みながらやっているじゃないか、と思うようになりました。
 しかし、その中で、ここに集まった元気な教師たちだけは、やっぱり特別なんだ、と思えたのです。僕たちは、未だ世界中のどの国も知りえていない、唯一、きちんとした実験によって、積み上げられてきた教育方法を知っているからだろうと思います。仮説実験授業は、子どもをたのしませ、教師をたのしませ、そして、みんなを生き生きとさせてくれる、スバラシイ教育なんだ、ということが改めてわかったのです。そして、その僕の気持ちを、みんなが共有してくれたからこそ、こんなにたのしい会になったのではないかと思います。企画してくださった石川県のサークルの皆様をはじめ、参加してくださった皆様に本当に感謝いたします。ありがとうございました!

■二階堂泰全さん
 新しく仮説実験授業に出会う人のために話をするのは,やりがいのある楽しい仕事です。この会に呼んでいただいて,とてもうれしく思います。自分の成長と発展とを若い人の中で感じさせてもらい,多くの人びとを仲間と感じられる,気持ちのよい2日間でした。ほんとにありがとう。また,よろしくね。

<編集後記>
 皆さんの感想を読んで,「やはり,こういう会を求めている人はいるんだな」と再確認しました。
 私たちは楽しい授業の存在を知っています。そして,それを子どもたちとやって,本当に楽しい教師生活を送っています。
 そういう教師が一人でも増えることは,学校に子どもたちの笑顔が増えることです。学校に子どもたちの笑顔が増えれば,家庭に親たちの笑顔が増えます。そういう相乗効果で,社会は変わっていくのかも知れません。
 そんな壮大な夢を描きながら,これからも楽しい授業を広めていきたいと思います。
 講師のみなさん,参加者のみなさん,どうもありがとうございました。
 今回知り合ったことをきっかけとして,また情報交換ができたらいいなと思います。(編集責任者 尾形正宏)

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