奥能登楽しい授業体験講座

たのしい授業体験講座

- 『学力低下』問題を超えて -

 2005年12月3日(土)~4日(日),奥能登の地において「楽しい授業体験講座」を開きました。メイン講師に東京の中一夫さんをお迎えしての会です。
 3日,当日の朝は,初雪が降り,金沢方面から参加された方々は道中冷や冷やだったようです。中さんを乗せた飛行機も,しばらく能登空港上空で旋回していたらしいと聞いて,主催者としてもドキドキもの。
 終わってみれば大変楽しい会でした,参加者にも満足してもらえたし,何よりも主催者側の私たちが一番楽しませてもらいました。
 中さん,参加者の皆さん,ありがとうございました。



【講座Ⅰ】授業書体験《ものとその電気》  尾形正宏

 中さんが飛行機で能登に向かっている時間を利用して,仮説実験授業の授業書を体験してもらいました。
 参加者の中には,はじめて仮説実験授業を体験する人もいたようです。
 中学校では8時間くらいかかる授業書を2時間半で進める関係上,じっくり意見などを聞けなかったのが残念です。もう少し短い授業書で体験してもらえば良かったかなと思いました。
 母親と一緒に参加していた小学校2年生が実験のアシスタントとして大変協力してくれました。大人も子ども(小2)も楽しかったと言ってくれました。

【講演1】 「学力低下」の真相    中 一夫

 中さんの『<学力低下>なんかこわくない』というガリ本を一気に読んだとき,「中さんの話を間近で聞きたい,みんなにも聞いて欲しい」と思いました。そして,実現したのがこの会でした。
 あっちに揺れこっちに揺れる教育現場を見るとき,本当に大切なものを見失っているのではないかと感じます。
 とても短い時間でしたが,簡潔にPISAやTIMSSの学力調査の問題点を示してくださいました。
 「学力なんてそんなに低下していない。問題なのは学ぶ意欲の方だ」
という指摘には,参加者一同,<目から鱗>だったと思います。
 だから仮説実験授業をはじめとする楽しい授業が大切なのです。

【ミニ講演】 仮説実験授業と出会って   菅原美津子

 珠洲で仮説を続けてきた菅原さんが,これまでの自分の歩んできた教師生活を語ってくれました。この講座には,かつての教え子も参加していました。仮説実験授業を知ってから,子どもとの関係だけではなく,親との関係まで良くなっていったという話や,離任式に,他の学年の子からも「来年は担任してくれると思ってたのに」と惜しまれたと言う話には,うらやましい限りです。

【講演2】 「犯罪と報道」の真相   中 一夫

 最近,少年犯罪がふえている,しかも凶悪化している。これは一大事だ! 教育の危機だ! という常識があります。でも,それは本当なのか?
 統計をしっかり読み取ることから見えてくるものは,マスコミが喧伝する少年の姿とは別の姿でした。
 今の子どもたちは決して残酷になんかなっていない。日本の国の凶悪犯罪が多くなっているなんてことはない。まだまだ安全な国なんだと教えてもらいました。
 ただ,寂しい思いをしている子どもたちがいることも事実。今の子どもたちは…というヒマがあったら,私たちにできること,楽しく学ぶことを体験させてやりたいですね。

【ものづくり】          珠洲たのメンバー

 3種類のものづくりをしてもらいました。どれも簡単に作れて,しかも楽しく遊べます。学級ですぐに子どもたちに還元できるように,手に入れにくい材料(高速W回転浮沈子やレインボースコープの材料)も販売するようにしました。これが主催者の優しさなのですよ。別に売ってもうけようなんて思っているわけではありませんからね。 


【ナイター】

 自己紹介をしながら,色々な話題について語り合いました。講師の中さんがビックリするくらい,みんな残ってくれました。
 日ごろ思っていることや,レポートの交流など,楽しい一夜を過ごしました。しかし,ボクは途中で寝てしまいました。これがナイターのおもしろところです。
仮説実験授業学派にはこれがやみつきになっている人も多いようです。

【講座Ⅱ】授業書体験《タネと発芽》   中 一夫

 ハトのえさを使った≪タネと発芽≫の仮説実験授業を体験してもらいました。中さんは,この授業書の制作にも関わっており,授業書ができるまでの話もしていただきました。また,授業書から削除されたお話も紹介してもらいました。
 今すぐにでも学校に持って帰って授業ができるほどタネの分類分けに熟練したようです。タネの名前を覚えろと言われなくても覚えたくなる授業でしたね。


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