奥能登楽しい教師入門講座

たのしい授業体験講座

ー 「たのしい教師生活」をめざして -

 2008年12月6日(土)~7日(日),奥能登の地(能登町)において「楽しい教師入門講座」を開きました。
 今回もまたメイン講師に東京の中一夫さんをお迎えしての会です。というか,中さんのみにお願いした会です。
 この会は,もとともは,土曜日の石川県教組能登珠洲支部主催の環境部会の講座が始まりでした。で,せっかく中さんをお迎えするのだからと言うことで,次の日にも講座を開き,たくさんの方に参加していただいたというわけです。
 予想どおり,とても楽しくて有意義な会となりました。
 中さん,参加者の皆さん,どうもありがとうございました。



【講座Ⅰ】《地球のいま,そして未来》

 最近,授業で二酸化炭素の話をすると,子どもたちが二酸化炭素に「悪い気体」というイメージを持っていることに愕然とすることがあります。それほどまでに,二酸化炭素による地球温暖化」というのは,人類を滅ぼす諸悪の根源のように扱われているのです。
 しかし,「二酸化炭素による地球温暖化」というテーマを,元のデーターにあたりながら根本的に考えてみると何が見えてくるでしょうか。
 中さんは,授業プランを進める中で,一般に言われている「地球温暖化の危機」というイメージとは大きくちがう実態を見せてくれました。
 第1部~3部まで,約2時間30分の会でしたが,とても短く感じられる講座でした。
 公害や環境破壊など,「環境問題」を話すと,ついつい未来が暗くなることが多いのですが,この授業プランをやったあとでは,将来と科学に対する確かな希望が生まれ,とてのやさしく温かい気分になれました。

本講座は「能登珠洲支部環境教育学習会」の一環として開催

【講演1】 「学力低下」の真相

 前回,中さんが能登に来られたときの中心テーマがこの「学力低下の真相」でした。
 そのときには,2003年のPISAとTIMSSの結果の分析から見えてくるのは「学力低下」以上に問題としなければならないものがあり,それは「学習への意欲」であると,熱く語っていただきました。
 今年もこの講座の前に「2006年国際学力調査(PISA)」の結果が公表されました(TIMSSは講座の後で公表されました)。
 そこで今回は,前回参加できなかった,青年部や若い先生方たちのために,再度,「学力低下の真相」について語ってもらいました。
 さらに,今,日本で進められている教育改革(学力テスト,教員免許更新制,学校選択制やバウチャー制など)が,イギリスのサッチャーの88教育改革と軌を一にするものであり,それはすでにイギリスでは失敗していることを教えてくださいました。

本講演は「能登珠洲支部青年部学習会」の一環として開催

【ナイター】

 途中で自己紹介をはさみがら,色々な話題について語り合いました。
 日ごろ思っていることや,「仮説実験授業研究会の夏の合宿・能登大会」にむけての話など,楽しい一夜を過ごしました。
 いつの間にか12時をすぎてしまって…次の日に影響しなければいいが…。

【講座2】 <いじめについて考える> 他

 中さんは道徳の授業プランもたくさん作っておられます。今回は,その中から「いじめ」についてのプランをもとにして,道徳というとについて話をして下さいました。
 「道徳」というと,強制されるのは嫌らしいと思う反面,人間が社会生活をする上では大切なことでもあります。教師はこのジレンマに悩まされたりするのですが,今回の講座ではそのあたりのこともすんなりと納得できました。
 子どもたちは,社会性を身に付けるために学校に来ているのですから,そういう人間関係を身に付けるための方法をしっかり教えてあげることができれば,安心して学校に来れるのではないか,友だちとつきあえるのではないかと思いました。

【ものづくり】 5角形の切り紙とファイル作り    担当  珠洲たのメンバー

 当初は,「切り紙」と「メロンパン作り」を計画していたのですが,わけあって「切り紙」のみになりました。しかもたったの30分しかなかったので,充分なことはできませんでした。すみませんでした。
 折り紙を5角形に折るのはなかなか難しいので,今回は,こちらで用意しておきました。子どもたちは,2,3枚折ると,ドンドン折って切り抜いていきます。そのうちにとてもきれいな切り紙を作り上げます。
 ぜひ,子どもたちとやってみて下さい。

【講演2】 学校現場の対処法 他

 最近のはやり言葉に「モンスター・ペアレント」と言う言葉があります。本屋に行けば「クレーマー」と題する本も並んでいるご時世。
 「なるべくそんな目にあいたくないなあ」と思うのが普通の教師感覚ではないでしょうか?
 でも,学校や担任にクレームを言ってくるのは,「しめた」かも知れないのです。「保護者の方から積極的に関係を求めてきてくれるのだ」と考えればいいのですから。むしろ,無関心の方がとりつく島もないと言えるのではないでしょうか。
 そんな話から,同僚との付き合い方までいろいろと話をして下さいました。
 一番大切なのは「自分の機嫌をとってあげること」です。
 自分がしんどくなってしまっては,何もできなくなりますからね。
 元気の出てくるお話でした。

2012年に発行された本です


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