珠洲たの通信・2017年2月号

 なんとも悲惨で残念な事件がこんな田舎で起きてしまいました。連れ合いから聞いたとき,我が耳を疑いました。なにがどうなってそうなったのか,今の段階では分かりませんが,亡くなった生徒は,本当にかわいそうです。これからいっぱいいっぱい楽しいことが待っていたのに…。加害者の青年も,いったい何が彼にそうさせたのかと思います。今の閉塞感のある教育界には,全く問題はないのか? いろんなことが整理できずに過ごしていた今週の土・日でした。
 冬ともおさらばということで,池の雪囲いを取り外し,裏にあったブドウの木は切り倒しました。面倒見切れませんでしたから…。そんなわけで,久しぶりに午前中はずっと外仕事,午後は,旅番組を観ながら,ダラダラ過ごしていました。要するに,何もやる気が起きないということ。でも,通信を書かねばと,今,書いています。
 さて,3月は異動の季節。「人事を尽くして天命を待つ」※という言葉があるけど,この諺でいう「人事」という言葉と,われわれが勝手に移動させられる〈人事〉という言葉って関係ないのかな。どれだけ努力しようが,この〈人事〉だけは,どうにもならないからなあ。「人事」をつくせないのが〈人事〉ですからね。

※自分の全力をかけて努力をしたら、その後は静かに天命に任せるということで、事の成否は人知を越えたところにあるのだから、どんな結果になろうとも悔いはないという心境のたとえ。/南宋初期の中国の儒学者である胡寅の『読史管見』に「人事を尽くして天命に聴(まか)す」とあるのに基づく。

サイト「故事ことわざ辞典」より

 そうそう,金曜日に,6年生からお手紙と和菓子(手作り)を頂きました。担任が指導して,分担し,書かせたとは言え,素直にうれしいことです。わたしには,ある男の子からの手紙でした。短いけどステキなメッセージでした。文章を書くのが苦手な子だったのに…。

■2月の例会の参加者(4名)
 K.H   M.S   M.K   M.O

資料の紹介

1.「ブログ的気楽レポ2017年2月号」 A5  8ぺ         M.O
 生活科のまとめで「かるたづくり」をしたことをまとめてきました。
 生活科なんて1年間担当したのは初めてなのですが,なかなか時間をつぶせませんでした。何せ,週に3時間もあるんですから。単なる遊びではもったいないし…。かるたづくりでは,コピー機が大活躍。最近のコピー機には,自動的に複数枚の用紙を読み取るスキャナ機能もついているので,人数分のかるたの絵札を印刷することも簡単にできました。これは便利です。「かるたづくり」の記事をまとめてあります。
 また,仮説実験授業のプラン〈おもりのはたらき〉のその後もまとめてきました。このレポートの後,1年生に作り方を教えてあげるという続編もあります。このあたりのことは,今度,まとめておきます。
 ガリ本の紹介もしました。山路さんがまとめた,栗原つとむ著『ぼくはタクシー運転手』についてブログに感想を書いたところ,作者から返信があって,その後も,数回メールをやりとりしたことをまとめてきました。この後,さらに続いています。それは,次回に持ってきます。
 今月一番言いたかったのは,最後の〈「できる」と「する」はちがう〉ということです。こんな当たり前の事が共通理解できていないために,学校現場はとてもすみにくくなってきているんだと思います。これで,年末から読んできた浜田寿美男さんの本も,一段落つきました。

2.「算数パズル問題(川渡し)」 A5 4ぺ           M.O
 3年前から,6年算数の全ての単元が終わってからやっている楽しいパズル問題(旅人と狼と山羊とキャベツ)を紹介しました。算数パズルの本などにも載っているのですが,わたしが紹介したいのは,この問題を扱っているサイトです。
 このサイト(http://r27.jp/quiz/across-cabbage/)には,ここに紹介した問題以外にも,たくさんのおもしろい問題が載っているので,時間がある方は挑戦してみてください。自分がやってみないと,楽しいかどうかは分かりません。
 パソコン上で自分の考えが合っているかどうかを実際にマウスでイラストを動かしながら点検できるので,とても考えやすいんです。今年も一斉でわいわいと解いたけど,1問目だけ一緒にやって,あとはタブレットで一人ひとりやってもいいかも。
 問題だけなら,他にもいくつかのサイトに載っていますが,画像が動いてくれた方が考えやすいです。

3.「ミライくん日記・2017年2月号」 B5 2ぺ        K.H
 ミライ君の好きなマンガが『進撃の巨人』。ミライ君は,やさしいおとなしい性格なのに,なんで,こんな残酷な戦いのあるマンガが好きなのかと訝しむHさん。他の男の子のペン・ケースにも,ナイフのアクセサリーが付いている。こういうことに敏感になる今日この頃。
 考えてみれば,私たちも,チャンバラごっこや他の闘う遊びをしながらみんな大きくなってきました。でも,最近の子どもたちは,少子化により,帰宅してからは,家も離れているので一緒に外で遊ぶ機会も少なくなってきていると思います。学校でしか闘う機会はないのに,学校では先生の目があり闘いはできません。そうなると,マンガの世界くらいで,闘う気持ちを整理するしかないのかもしれません。
 闘い=悪ではないとは思っていても,あまりにも残酷な内容には,ちょっと…と思ってしまいます。
 子どもの心にはもともと残虐な部分が潜んでいるのか,それとも,人は闘いの中から見つかる“何か”を求めているのか。その両方なのか…。ミライ君とお話ししてみたいものです。

4.「小原さんに聞いてみました」 B5 1ぺ    K.H
 1月のサークルで,チョット悩んでいたことに対して,小原先生にも聞いてみたそうです。そしたら,小原先生から返事が来て,少しは楽になったとか…。「女の子はむずかしいです。だからあまり気にしないことです」…そのとおり。

5 「吹く風を楽しむ」 B5 4ぺ   M.S
 2月初旬にあった全国教研参加記をまとめてきてくれました。全体会では,委員長が辞任したために,なんと石川県出身の岡島副委員長が挨拶にたったそうです。岡島さんは,もともと能登町鵜川の出身なので,わたしもよく知っています。
 さて,参加したのは「自治的諸活動と生活指導」。1日目は,なんでもありの分科会だなあという印象を持ったようです。
 継続的な実践が多くて,Sさんのように「いざこざが起きないように修学旅行の班をどう作ったか」というような単発ものはなかったので,可もなし不可もなし…のような雰囲気だったとか。
 共同研究者がしゃべりすぎであった…という点については,反省して欲しいですね。どっかの研究会も同じですが…。
 「卒業間近」では,「卒業アルバム」づくりに取り組んでいる様子を紹介してくれました。ここでも,Sさんは,子ども中心の「卒業アルバム」を作ろうと改革します。また,卒業文集も作っているそうです。本来は担任がやるんじゃないかと思うのですがねえ。中学校は違うのかな。担任は忙しいということかな。

6 「『いい子どもたち』といい出会い」 A4  4ぺ   M.K
 少年自然の家に勤めたことのある角さんは,現場に来てからも時々,少年自然の家にお手伝いに行きます。今回も昼のスキーや夜のレクリエーションのために働いてきました。
 スキーの話もありましたが,ここでは割愛します。
 夜の会は,7家族25名居たそうです。
 夜の会は大道仮説実験「しゅぽしゅぽ」をしてみました。
 もちろん,最初は,Kさんお得意のレクリエーションで,仲良くなるところからです。「どんぐりころころどんぶりこ…」やら「負けましたジャンケン」やらで,心も体もリラックスした後,いよいよ「しゅぽしゅぽ」の出番。これが,どんなプランなのかは,ここでは語りません。興味のある方は,Kさんか大道仮説実験を提唱・推進している「楽知ん研究所」まで問い合わせてください。
 今回の助っ人Kさんのできばえはどうであったのか…。次の会話がその全てを物語っています。
 次の日の朝のこと。
子ども「あ,かど先生,おはようございます。昨日,おもしろかったぁ~」
角さん「「うん,だいぶ2人,すべれるようになったからね。じゃ,今日も練習しようね。」
子ども「ちがうよ,スキーじゃないよぉ。『しゅぽしゅぽ』だよぉ。」
子ども「『どんぐりころころ』のやつも…」
しあわせだ…と思った。しあわせな出会いがあったんだと思った。

 そして,今回の経験を元に,Kさんは次のようなことを感じたそうです。
タイトルに『「いい子たち」といい出会い」と「いい子」に「 」をつけたのだけれど,あらかじめ完全無欠な「いい子」がいるんじゃなくて,いい出会いをすれば「いい子」になっちゃう? 自分の関わりひとつで「いい子」になるのだと思う。だから,いい出会いをすることが大切なのだ。
 このあたりのことは,今月のわたしのレポートの〈「できる」と「する」はちがう〉とも重なり合ってきます。ある人との出会いが,自分にとって「いい出会い」ならば,「する」自分が発揮できますが,そうでなければ「しない」自分しか出せないのです。いろんな指導者の中には,そこが分かっていなくて,子どもたちの好奇心を引き出す(せめてじゃましない)ための指導ができないくせに,「お前たちは,積極的ではない」といって,子どもたちをいじめる人もいるようですが,それは,全くのお門違いなのです。子どもたちに「ちゃんとまじめにやれ!」と責める前に,まずは自分の指導力をふり返るべきなのです。
 このようなことは,わたしたち教師を指導する立場にある方たちにも言えることです。指導者とのいい出会いがないのに,教師が自分の力を発揮しようと思うわけがないのです。もちろん,大人ですから発揮している振りはできますが,それは,教師の力にはならないでしょう。「世渡り力」は,身につきますがね(^^;;。

 可愛いおきあがりこぼしをおみやげに持ってきました。子どもたちにもプレゼントしたら大喜びでしたよ。〈おもりのはたらき〉の授業のあとに,いかがですか?

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