珠洲たの通信・2017年3月号

 新学期が始まり,新しい風に吹かれていることと思います。その風が,爽やかで肌と心を気持ちよくさせるものであることを祈っていますが,なかなか現実はそう上手くはいかないようです。倒れないようにしっかり足を踏ん張って立っているだけで,1週間が過ぎた気がしますが,みなさんはどうですか?
 さて,うちの職場も,わたしの立場も,少しは新しくなりました。そこで,これまでとは違った時間の過ごし方をする必要があります。今の段階で思っていることは,以下の通りです。
 今年度は,算数少人数の担当になりました。今までとは違い,完全に,少人数のための加配となったわけです。そこで,これまで担当していた理科などは1クラスしか持ちません。当然,算数について勉強したくなります。そこで,目標です!
○故新居信正先生のガリ本『正常化通信』を再読し学習する(200冊くらいある)。
○小倉金之助の本や藤森良蔵の本を読む。積ん読だったので…。
○これまでの算数関係の本を再読する。
などです。
 ま,これ以上のことは,4月のサークルで交流することとにしましょう。
 さて,3月のサークルには,私は京都に行っていて参加できませんでした。そこで,3月のレポート報告はSさんにお願いして書いてもらいました。今月の「通信」はそれを元にまとめました。Sさん,丁寧な報告,ありがとうございました。
 また,3月末には,サークルのメンバーであるT君の送別会を行いました。その際,Sさんが持ってきてくれたレポートも紹介しておきます。

■3月の例会の参加者(3名)
 K.H   M.S   M.K  

資料の紹介

1.「ミライくん日記・2017年3月号」 B5 2ぺ       K.H
 ミライ君と出会って半年が過ぎようとしている中で,Hさんが思っていることをまとめられました。
 ミライ君が愛読しているからと購入した『進撃の巨人』も第1巻しか読めていない。その原因は時間がないというのもあるけれど,巨人が人を食べるという行為がいただけないというのもあるとか。それは読む前から分かっていたはずなのに,自分の中に入っていかないのでしょうね。
 今回の資料の後半はミライ君との話ではなく,他の生徒に学習支援に関わっている話でした。前回同様,数学教師として関わっていた頃とは違った視点で子どもを見ているなぁと感じました。
 また〈最近思うこと…〉として,学テのために復習プリントを繰り返している現場に矛盾を感じていることが書かれています。これは,ゲンバにいる私たち全員が感じていることだと思っていました。過去形にしたのは,それを感じることなく,ひたすら邁進している仲間も増えているような気がしているからです。現実に「○○中学は,うちよりも△点点数が高い」「○○中の数学は,抜群に平均点が高いらしい。どんなことをしているか聞いてみる価値がある」などなど,子どもを見ていない発言を耳にしています。
 最後に〈子どものそばにいると…〉として,午後4時に玄関を出る時のすがすがしさが書かれています。本来は,どの教師も同じような思いを持って,玄関を後にしたいものですよね。
 このレポート発表の後に「もし,来年度,数学教師として講師に入ってもらえないかと聞かれたらどうしますか?」と聞いてみました。すると少し考えて「ないなぁ」ということでした。あと,FBに書かれていた懇親会の話などについて,来年度も支援員をするのならということで,その対応に対して話が出ました。

HP管理者の感想:送別会で資料をいただいたので,私も読んでみました。今後は,学習支援という形でもっと広く子どもたちと付き合うようですね。子どもたちがどんなところでつっかえているのか,分かる範囲でいいので,是非,教えて欲しいです。それが,小学校の教育にも参考になるのではないかと期待しています。

2 「吹く風を楽しむ」 B5   M.S
 おそらく,このタイトルのレポートは今回が最後になります。
 さて,今回は全て「卒業」に関する内容です。
 まず先月のサークルで話題にした「卒業アルバムと卒業文集」についての〈その後〉です。アルバムは業者仕上げなのでミスはなかったのですが,文集は私が中心になって構成・編集をしたのですが,想定内のミスが続出…想定内なら防げたはずなのですが,やっちゃうから「ミス」なんですよね。文集に関しては,前年度までは学校中の教室にばらまいていたのですが,それはやめました。卒業文集は基本,本人のものだからです。それを他人に読んでもらう必要もないし,ましてや各教室に10年以上前の卒業文集がボロボロになって置かれているのを見たら,悲しくなっちゃいます。だから,今年は職員室に保存用と図書室に3年限定で1冊おいてもらうことにしました。
 もう一つは前任校に贈る「卒業メッセージ」の話題。私はT小学校に「卒業おめでとう賞」という表彰状形式で贈りました。あんまり見ないタイプだと自負。絵心もないし,立体的に仕上げる余裕もなかったので。すると絵心たっぷりのKさんがU小に贈るメッセージカードを見せてくださいました。
 最後は,卒業式の形式について。M中学校では私が勤めた3年間で,主役が「生徒」から「校長」に変わりましたという話。校長中心になったことが一番ハッキリしたのは〈答辞の場面〉です。去年までは答辞を読むときには,ステージ上から代表が読んでいたのですが,今年はステージ上に仁王立ちになっている校長に向かって,フロアから生徒が読むことになりました。答辞の中身のほとんどは,在校生や親に向けてのメッセージで,教員向けは少ないのです。それなのに校長に向かって読み上げるのです。これが「普通」だと思ってはいけないという話で,少し盛り上がりました。

HP管理者の感想:文集に間違いがあるのは仕方ないですね。ただ,文集を置く期間を3年間と決めたとしても,そんなの守らない。守れない。文集ってのは,ボロボロになる運命なんだろうな。当人が持っていてもそうなることもあるし…。あと,答辞の話は,話しにならない。誰に「答えている」のか意味不明。これは「形式的云々」を通り越して,子どもたちへの犯罪でもある。昔に戻すことが自分の使命だと思っているんだろう。民主主義って何だ?

 あとは,口レポート。

3 Kさんが感じた小木の葬式  M.K
 先日,Kさんの義父さんが亡くなられ,その葬儀に関しての地区のしきたり?に驚きながら,自分の地元との違いなどについて話されました。また,K・H家ヒストリーについても,ここでは書けない話をわんさか聞きました。
 葬式に関しては,私が知る気仙沼の葬式事情やかつての葬儀と今の葬儀のあり方から多岐に話が進みました。またHさんから,仮説社から山路さんが葬式関係の本をだされたという紹介もありました。
 今回の例会は3人の参加で,レポート数も少なかったのですが,今が旬の卒業式の話題に始まり,卒業式に対して闘ってきた?過去の話から今に至るまでの話題などで,あっという間に3時間が過ぎました。
 次回は,4月の第3土曜でいいだろうということで別れました。

HP管理者の感想:Kさんの義父が亡くなられたことは,元校長からの電話で聞きました。元校長は,Kさんには厳しかったけど,いつもKさんのことを気に掛けていましたね。さて,葬儀の際の近所の参加の仕方は,本当にいろいろです。時代とか地域によっての違いがとても大きいですね。最近は,ホールで行うことが多くなり,葬儀屋にほとんど丸投げとなりました。が,今でも,家で葬儀をするとなると,昔のしきたりが顔を出します。

 2年前から珠洲たのサークルに通ってくれていたT君が,今回の異動で,金沢の方に引っ越すことになりました。うちのサークルメンバーたちは「せっかく彼から若いパワーをもらっていたのに…」と残念がっております。ま,これも仕方ないことです。3月27日に,送別会を企画。8名の参加がありました。

■T君の送別会の参加者(8名)

●「健太の送別会だって」B5 2ぺ  M.S
 「健太!」と呼び捨てなのは,元教え子だから。なんと,Sさんは,健太君の学年を4年(36名のクラス),6年(33名のクラス)と⒉回担任したそうです。そりゃ,思い入れがあるわなあ。
 4年生の健太君,6年生の健太君,小学校卒業後の健太君,そして,サークルに来だした頃の健太君との出会いを短く熱く語ってくれました。Sさんは,当時の学級通信を綴じて残してあるので,それを見ながらわいわいと話してくれました。
 自分の教え子が成長して,自分と同じ〈楽しい教師の道〉を歩んでいることに,感動しているSさんでした。
 最後にSさんからのメッセージを引用しておきます。
 一昨年,夏休み中に仮説の「川崎の会」に一緒に行きました。サークルにやってくる成長した健太くんに会えるのが楽しかったです。健太くんによると,小学校の思い出は「モルQの後始末で怒られたことしか覚えていない」ということですが,私も一人だけの思い出というものは少ないもんだなと思いました。せっかく「珠洲たのサークル」に若者の風が吹いていたのに,金沢に送り出すのは寂しいけれど,ここで何かを学んだことがあったら,新天地でもそれを活かして楽しい教師生活を送ってほしいものだと思う元担任でした。

 さて,4月です。
 各々の新しい出会いの様子を語り合いませんか?
 今の教育界にいると厳しいことばかりに目が行きますが,子どもたちに直接接しているのは私たち平教職員です。その私たちが子どもたちを守らないで,だれが守れますか。そんな気持ちで,今年度も,子どもたちに学ぶことの楽しさを与え,自分の成長を感じることのできる実践を積み重ねていきたいと思います。
 そんなわけで,今年度も「珠洲たのしい授業の会」を続けますので,みなさん,よろしくお願いします。若い者にも,声をかけていきましょう。

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