珠洲たの通信・2016年12月号

 2017年に入って初めてのお便りを差し上げます。
 というわけで…
 新年,あけましておめでとうございます。旧年中は,何かとお世話になりました。本年も,子どもたちのために,そして何よりも私たち自身の教師生活を豊かにするために,たのしい授業の普及を目指して歩んでいきたいと思います。
 さて,今年は,全く雪のない新年を迎えました。サンダル履きで近くの神社へ初詣に行ったのは何年ぶりでしょうか。
 先週あたりから雪が降って,いきなり冬になった感があります。私は,名古屋へ職員旅行に行っていて,雪の名古屋に出会いました。金沢からの帰路は凍結道路を走って帰ったので,運転手さんは大変でした(私は座っていただけだけど…)。
 例年のことですが,年末・年始をはさむここ1か月の生活密度は濃いものがあって,なんか,どんなことがあったのか,忘れてしまいそうです。それでも,身のまわりの出来事をブログやFBで発信しているお陰で,弱くなってきた記憶力を助けてくれています。
 3学期はあっという間,そのうち,異動の有無も聞こえてきて,またまた慌ただしい1年が始まります。
 今の子どもたちと,あと,何をしていこうかな。

■12月の例会の参加者(5名+忘年会より1名)
 K.H   M.S   M.K    K.T    M.O 

資料の紹介

1. 「ブログ的気楽レポ2016年12月号」        M.O
 先月は,附属小の研究会参加のために例会を欠席していたので,2か月ぶりのレポートでした。そのせいかタイトルに「11月号」と書いてしまっても,全く気づきませんでした。情けない…。
 まず,奥能登学教研で行った公開授業のことを,それまでの授業研究とからめながらまとめてみました。授業は私がやったわけではありませんが,当日の授業を計画するまでは少なからず関わってきました。そこで,授業後に,その授業研究にどんな問題点があったのかをあぶり出してみたというわけです。
 この小論のキーワードは,「子どもに任せる」。教師たちは,あまりにも準備をしすぎるのではないか。ある程度のあそびの中で,子どもたちが作り上げていく授業はできないのか,まとめているうちに,そんなことを考えていました。この文章を書いているときには,書きながら,自分の結論に気づいていく楽しさがありました。自分が考えていることでさえ,書いてみないとわからないものですね。
 今号のメインのもう一つが「ワロン」というフランスの心理学者と,それを紹介している浜田寿美男という発達心理学者の著作と,その考え方についての紹介です。
 ワロンは,ヒアジェと同時代を生きたのですが,なぜか,日本の教育現場ではピアジェの方が圧倒的に人気です。実際,サークルでも,ピアジェを知らない人はいませんでしたが,ワロンの名を知っている人もいませんでした。その違いはどこから来るのか…そしてワロンの考え方とは…。
 肝心な授業実践の話が,少なくなってしました。足は何本のあとのカードゲーム落ち葉のステンドグラス秋の窓クリップやじろべえなど,2年生との生活科を楽しんでいます。詳しく知りたい人は,またの機会にどうぞ…。

2.「個人的備忘録としてのふり返り」        M.O
 理科専科として,指導主事を呼んでの研究授業を行いました。毎年のことなので,もう慣れてきました。今年は,ふりこの授業をしてみたので,そのときのことをまとめてみました。
 このレポートは,授業後に,職員に配付したものです。
 レポートの内容は,まず実際の授業をふり返ってみました。授業がどのように進み,そのとき,リアルな私はどのように感じていたのかをまとめてみました。また,整理会で指導主事が話したこととそれに対する私の意見もつけておきました。
 鹿毛雅治さんの本(今年の附属小の記念講演をした先生)も2冊紹介しました。『学習意欲の理論』はとてもいい本です。お薦め。ただし,読むのは長期研修期間がいいでしょうね。骨があるので。
 写真は,私の出した課題に対して,なんとか解決策を考えようと前に出て来て説明する2人の女の子も場面です(ネットでは削除)。授業は私の思うように進みました。が,この子たちがいなくても,次への展開ができるように授業を組むことのが,教師の役目だと思っています。
 普通,指導案というと,教師側が「子どもの発言をつなげて…」みたいなことを予想して書くのがいい指導案だと言うことになっています。しかし,それだと,指導すればするほど,「教師の答えて欲しい意見は何かを探るような子どもができあがってくるだけ」です。わたしは,これが一番こわい。

3.「拝啓 金沢大学附属小学校理科部員様」        M.O
 金大付属発表会の理科の授業に授業協力者として関わったので,その感想を,それぞれの担当者への手紙風にまとめてみました。というか,このレポートは,まさに,手紙として担当者の方に渡して読んで頂きました。
 それぞれの指導者が,指導内容(単元)に対して,それぞれのこだわりを持って授業研究に臨んでいるようすが分かって,わたしも,この若い人たちからたくさんの刺激を受けました。附属の研究にはある程度,教師一人ひとりに自由があります。どんどん失敗していいし,どんどんはみ出してもいい。だから,研究をやっていてもエネルギーを感じるんです。
 また,今はやりの「学力向上」なんて言葉は,ほとんど出ませんでした。ただ,こんなこというと「それは附属だから…」という声が聞こえてきますが,附属にもいろんな子どもがいることを知って欲しいと思います。「附属だから…」といって済ませているようでは,附属の研究から何も学べません。
 後日談として…この文章,附属では,理科の先生以外にも数名の手に渡ったようです。そんなわけで,こうやって活字にするときには,それなりの責任がつきまとうので気をつけないといけないですね。もちろん,2次配付を許可したのはわたしですが。

4.「みらいクン日記・2016年12月号          K.H
 みらいクンとゆったりと関わる姿が印象的です。
 授業中の支援は,他の生徒の邪魔にならないように「カード支援」をするとよいということを学びました。カードを見せるだけで,みらいクンが動けるようにしておくことで,授業の支援がしっかり成り立つことになるというわけです。なるほど…です。
 みらいクン以外への対応は,あまり積極的にやる必要はないようです。これまで私が見てきた支援員も,他の子に対しては,「子どもの方から反応があったら関わる」という程度でした。それが,支援員の立ち位置なのかも知れません。
 また,ほかの教師に対しても,問題意識がない人へいろんな情報を教えても,鬱陶しがられるだけだと思います。さらに,授業に支援に入っていても,教員の指導方法などに踏み込まない(感想さえも言わない)など,「みらいクンへの支援員」としての立場をはみ出さないようにブレーキをかけるのが大切なような気がします。
 いずれも,あっちから求められれば,対応すればいいとは思います。

5 「吹く風を楽しむ」    M.S
 朝の会や帰りの会で,どんなことを話しますか? と,30代の同僚から聞かれたそうです。さて,あなたならどう答えますか?
 今頃の中3だと,子どもたちの視聴率もいいようで,とても真剣なまなざしで担任の話を待っているとか…。ある程度時間があるときには,ゆっくりと進路の話をしてあげるのもいいかもしれません。また,『たのしい授業』で山路さんが書いていた「どっちに転んでもシメタ」の話をしてあげるのもいいかもしれません。ただ,朝の会は,日常的にあるものなので,今までの私なら,時事問題や自然の話などからネタを取っていたことは間違いないですね。大抵,車の中で,何を話そうかと考えています。学級通信を準備したときには,その話をすることが多かったかも。
 教科の指導については「69の次の数は70」とすんなり出てこないという話。積んだり崩したりの指導と定着しずらさに,悶々とする日々のようです。子どもの成長が見えないと,指導者もしんどくなりますからね。
 昔のネタ(2000年7月号のサークル通信)は,ホント昔過ぎて完全に忘れていました。でも,当時,担任した子が,今,このサークルに顔を出していると思うと,感慨深いことです。

6 「インクルーシブ分科会について」      M.K
 今年,はじめて県教研の「インクルーシブ分科会」に出席したKさんが,その分科会で得たもの,その分科会で感じたことをまとめてきてくれました。
 Kさんがあげた「心に残った言葉」の中で,私の「心に残った言葉」をいくつか紹介します。
・大きな集団で学ぶことと小さな集団で学ぶことは両方ちがう意義を持ち,情緒の安定や自己有用感を持たせる意味で両方とも大切である。
・トラブル,アクシデント,失敗など,起こったことや行ってきたことは,すべてが財産となる。無駄なことは一つもない。
・「条件が良くなくても,ウチの子はこうします」と言えば,条件は整っていく。行政が動き出す。「条件が整ったら…するわ」では何も変わらない。
・先生たちが受け身になって,与えられた仕事をこなすだけでは,夢の実現は叶わない。
・今,学校の先生,保護者,また障害児の教育や生活に関わる仕事をしている人たちの一人ひとりが「自分はどう生きるのか」を問うことを強く求められている。
 言葉の一つ一つが重かったです。

 この他にも,定番の「カメラレポート」(H)などもありました。
 また,夜の忘年会には,久しぶりのメンバーも参加しての,意義ある会となりました。とてもいい話をしたのですが,アルコールのため,殆ど記憶にありません。ただ,記憶には残らなくても,血となり肉となっていると思っています。

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