珠洲たの通信・1998年4月号

1998年度

世界が見える授業ができたら,学びがいがないなんてこと無いでしょ。そういうような授業を探ってきた。それを私たちはキチッと訴えていけば,かなりの人たちはわかってくれると思う。なぜなら今,教育の夢を語る人が居てだれも説得されないでいるんじゃないのです。誰も語らないのです。私たちは本当のことが言えるのに,一般の人に向かってはこれまで言ってこなかった。そろそろ,そういうことをやりたい。アジビラでなく,キチッとした本当の積極的な提案として,私としては,知事という人,教育長とか指導主事とかそういう人たちがどういうことをしてくれれば明るくなるのかということを具体化して訴えていくことを始めたいと思っています。

板倉聖宣談・山田正男筆「夢を実現する処方箋」『たのしい授業5月号』より

 楽しいことがまたまた始まりそうな気配がする『たのしい授業5月号』でした。単なる分子模型の特集にとどまらない「教育の改革」の「実際」を示しているような気もします。
 今まで「流行することを嫌ってきた」仮説実験授業研究会でしたが,その成果をしっかり訴えるときが来たようです。もう今の教育の現状は尋常ではありません。日教組とか文部省とか言っている場合ではないのです。「学びがいのあるものを与える」「自分のすばらしさ,友達のすばらしさ,人間のすばらしさに感動できる機会を与える」ことが急務です。お説教ではだめです。ボクは,今年も仮説実験授業をして子どもたちに学ぶ喜びを味わってもらおうと思います。そして,余力があれば外に向かって楽しい授業の具体化を喧伝していきたいと思います。ホームページの発信も,その一助となればと思っています。

■4月の例会の参加者(5名)
M.S(珠洲市I小)  R.I(七尾市A中)  K.H(珠洲市H中)  M.O(珠洲市H小)  T.M(内浦町O中)

資料の紹介

1.学級通信「いまから ここから」最終号    3ぺ   T.M
 卒業式の日に卒業生に向けて書いた通信です。Mさんの優しさが伝わってくるとってもいい文です。
私は,自分の人生を楽しんでいる方だと思います。みんなはどう生きたいと思いますか。私には,今,挑戦したいことがたくさんあるのです。だから1日があっという間に過ぎていきます。友達にはマグロみたい(体型もそうかもしれませんが,とまると死んじゃう)って言われます。
とMさん。端から見ていて「Mさんってなんて忙しいんだろう」と思いますが,それが自分の生活をたのしくしてくれているものなのだから仕方ありませんよね。

2.学級通信「すまいる!」   13ぺ   M.S
 今年もまた命令形の学級通信の題名です。「笑え!」ですからね。この「!」があるからなんか命令形って感じがするんだよなあ。4年生36名のクラスです。
 No.4は「三原色で色づくり」の授業の感想特集。できた作品は手で破いて余白を切り取り台紙をつけて完成です。
赤,青,黄の色だけでいろいろな色ができたので,びっくりしました。色をたくさん作っていくうちに,だんだん楽しくなってきました。やぶってみると,すな時計のような形になったので,すな時計という題名をつけました。(A.M)
No.5は「アクロスティックで遊んじゃおう!」です。自己紹介を言葉遊びでと言うことで盛り上がった様子がよく分かります。

3.学級通信「気球」No.1~No.5   10ぺ  M.O
 No.1とNo.2はここ数年高学年を持つと必ず言っていることを紹介。
・生きていること  ・自分でやれるようにすること ・人のいやがることはしない  ・多様性から学ぶ
の4点です。No.5は新居先生直伝の「人間を言います」です。昨年の複式の研究会の算数の授業の時にも紹介しました。
・人間は,うれしそうによろこんで学校へ行きます。
・人間は,上品にします。
・人間は,はきはきします。
・人間は,正直にします。
・人間は,進んで仕事をします。
・人間は,親孝行をします。
最初はこれだけだったのですが,4月中頃に,一つ付け加わりました。
・人間は,石や泥やうんこを投げません。
石を投げてガラスを割り,泥を投げて校舎を汚ごすという事件があったので,付け加えたのです。

4.「期待されると困っちゃうな」   2ぺ   M.S
 「理科」がもてなかったというSさん。でも,そこはただでは転ばない(だろうね)性格。今年1年の取り組みが楽しみです。新しく持った子どもたちから,
「先生って,科学とか実験とか好きねんよね。ねえちゃん言うとった。」
「分子とかの勉強,いつするが」
「これ(水分子のキーホルダー)って,なんかの分子やろ」
と質問責めに会うSさん。
 「たのしさ」は先輩から後輩へ,お姉ちゃんから妹へ伝染しているようですね。なのに,理科を持てないなんて,ちょっとかわいそうです。鶴の一声はいけませんねえ(なんのことか分かる?)。理科を持ちたいと思っている人,子どもにも期待されている人こそが,その授業を受け持つ。これからはそういう時代ですよ。

5.「離任式と新任式」   2ぺ   M.O
 今年度,学校を変わり,通算5回目の離任式,6回目の新任式を経験することになったボクの思いと,そのときに話した内容を書いてきました。話す内容をこれほど考えたこともありませんでした。いつもは,ただ何となくその場に臨むのですが,今回は,なぜか「話す内容」についていろいろと考えました。歳とったせいかなあ。離任式には,ちょっと教訓めいたことを言っちゃったんで,反省してます。もっと派手に別れればよかったなあなんて思ってます。

 そのほかには,「印刷博士」「大名紋章城郭図」(紹介・販売:O,各一部ずつ残部あり),ドブリーデンNo.13(紹介:O),「班と係当番活動・クイズ100人に聞きました」の話(H)などがありました。
 4月は,忙しいけれど,それはそれで楽しみです。まだ軌道に乗っている感じじゃありませんが,少しずつ自分にあったリズムを作り出していきましょう。

珠洲たの通信・写真編

4月は新しい子どもたちとの出会いの季節。子どもたちも緊張,教師もちょっとだけ緊張。
新しい座席に新しい班。しかし,ともすれば
「あ~,いやなタイプと同じ班になった」
というわがままな声も聞こえたりして・・・。
●クイズ100人に聞きました
そこで班対抗ゲームの登場です。「クイズ100人に聞きました」と「キッチンタイマー」を用意して,いざ,学級へ。
子どもたちはいつの間にか,頭をつきあわせて答えを考えています。
●ホログラムシート
右の写真は「クリアホログラム」という透明な(回折)シートをを通して見たロウソクの光の様子です。3月の末に金沢で行われた「科学体験ひろば」のときに参加者に配られたものです。このシートを通してみると,単色に見える光も,いろいろな光が集まっていることがよく分かります。
離任式の日,このシートを子どもたちに配り,「友達のいろいろな色を探せるようになって下さい」というような話をしました。

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