珠洲たの通信・1998年11月号

1998年度

 師走に入り,何かとお忙しいことと思います。例年ならばすでに初雪の一つでも降っている時期なのでしょうが,今年は,まだ雪らしいものを見ておりません。もっとも柳田村あたりでは降ったとか降らないとか…。まあ,今年の冬は大雪だという科学的?な予報もあるのですが,さて,実験結果はいかに!
 話は変わりますが,うちの学校の職員室前のローカに,海水用90㎝水槽(本ページ下段の写真)が置いてあります。水槽の中の生き物は,学校の近くの宝立漁協の方(保護者)が持ってきてくださる,地元にとれた馴染みのない魚やカニなど。「馴染みのない」というのは,本当です。タイやベラなどなら,見たことがあるのですが,初めて見る魚やカニたちもいます。「こんな生き物が,この海に住んでいるのかあ」と,発見のしっぱなし。その仕草もおもしろくて,子どもでなくても夢中になります。時々,弱肉強食や飢餓状態,あるいは環境破壊による死亡で,水槽の生き物が変わります。今までの学校の水槽は「いかに生かすか」ということがもっとも大切でしたが,この水槽は,弱肉強食も見られる「生きた水槽」です。たまにはこんなのもいいかなあと思います。なお,生き物の情報は「珠洲たの」のホームページにありますので,もしよろしかったら見てみて下さい。「不思議発見」のコーナーです(新サイトでは削除しました)。
 今年も,いろいろと楽しいことがあったなあと思います。みなさんはどんな年でしたか。先月号でもお知らせしたように,よろしければ「私の重大ニュース」などという形で1年を振り返ることが出来ればいいですね。
 なお,次回のサークルの例会は12月19日(土)ですが,5時30分頃からは忘年会も予定していますので,参加できる方はOまで連絡してください。電話でもEメールでも結構です。なるべく早いと助かります。
 11月のサークルは,次のメンバーで行いました。5時から喫茶オランダでやろうと思ったら,閉まっていたので,近くのJoyという喫茶をあけてもらってやりました。

■11月の参加者(5名)
M.S(珠洲市I小)  M.K(珠洲市S小)  K.H(珠洲市H中)  H.H(珠洲市T小)  M.O(珠洲市H小) 

資料の紹介

1.『人生はだんごか? 串かつか? サイエンスシアターを考える』  5ぺ  M.S
 人生の節目の数を竹串の数とすると,その竹串の数が多いほどほど,記憶がはっきりするのではないかという話が,名付けて「人生だんご論」。1年1年が竹串に刺さった「だんご」だとすれば,小学校の竹串には6個のだんごが突き刺さっていることになる。しかし,転校したりして(節目が出来て),小学校だけで竹串が2本になると,それだけで「6個/竹串」状態よりは,小学校の時の記憶(その事件がいつだったか)がはっきりしてくるだろう。
 しかし節目そのものは,自分で作ることはかなり難しい。進学・就職・結婚などと言うものはそう何度もできるものではないからである。そこで,ただの白いだんごばかりでなく,たまには色の付いているものがあったりすると,前後関係がわかりやすくなるだろう。
 さらには,竹串に刺さっているのが,だんごではなくて,ネギや肉などの「串かつ」ならば,その単調な竹串にも特徴が生まれそうである。単なる1年を「白いだんご」にするか「色つきのだんご」にするか,もっと積極的に関わって「串かつ」にまで持っていくかは,その1年の過ごし方にかかっているのです。
 と,まあ,そんな話とサイエンスシアターを絡めてまとめたおもしろいレポートです。この論には,ぼくも少し関わっているので,詳しく紹介させてもらいました。

2.本『あらしのよるに』『あるはれたひに』『くものきれまに』    紹介  M.S
 ある嵐の夜に,オオカミとヤギが出会いました。真っ暗闇で,お互い顔は見えません。エサであるヤギとオオカミの取り合わせからはじまる楽しい絵本です。
 ここで内容を書いてしまうと,読む楽しみがなくなりますのでご勘弁を。作者は木村裕一,出版社は講談社です。Sさんは,この本のことを「小松サークル」の通信から見つけたそうです(島さんが『あるはれたひに』を紹介していた)。

3.『<ふりこと振動>の第2部(1時間目)の感想』    2ぺ  M.O
 予想通りいい感想を貰いました。この時の授業は,教頭先生や校長先生も見ておいでたのですが,教頭先生曰わく(昨年と比較して)「女の子も自分の意見を言っていたね」。ボクにしてみれば,ほとんどしゃべらないクラスなのに,それでも仮説実験授業の時はいつもとは少し違うのかなあ。
 確かに「なんとなく」で済ませても良いのにちゃんと意見を言ってくれる子が増えています。4月からというもの,授業の乗りが悪くて「スムーズに進んでくれない」と,ことあるごとに嘆いていたのですが,やはり,こんな時こそきっちりと時間をかけて仮説実験授業をするといいのですかね。「
 「授業中しゃべらない→授業が進まない→他のことをする時間がとれない→たのしい授業ができない」という悪循環を断ち切るには,あえて仮説をする時間を見つければよかったのです。またまた原点に返った思いです。本当は,レポートとしては,こっちのことをまとめたかったのですがね。《ふりこと振動》の2時間目が終わっての感想を載せた学級通信も持ってきました。

4.学級通信『気球No.35』   2p  M.O
 《もしも原子がみえたなら》の授業感想文です。今までも分子模型は必ず作ってきましたが,今回は,透明ケースに収めました。感想も大変いいものばかりでした。今回,初めてやったのが,「発泡スチロール球を切っておいてやる」ということです。今までは,自分たちで切るところからやっていたのですが,これだと,時間もかかるし,慣れないと曲がってしまいます。それに失敗したら発砲スチロール球もいっぱいいります。準備は大変だったけど,2時間で全てを作り終えることが出来ました。

5.『《もしも原子が見えたなら》の影響』   2p  M.O
 《もし原》の授業後,「モルQ」を手に入れて,学級でやったところこれまたバカ受け。休み時間も続いています(いまだに)。その他,《もし原》の影響が現れた現象を取り上げて,この授業書のすごさに迫ります。

6.ガリレオの温度計      紹介  M.K
 ガリレオの温度計の小さいのを持ってきて見せてせてくれました。写真はホームページの方でどうぞ(下にあります)。仕組みは,浮沈子を使って液体の比重(温度に左右されやすい)を利用したものだと思います。ブルーチップだか,ゴールドスタースタンプだかで,貰ったそうです。いいインテリアです。ボクも(生協から買ったのを)玄関に飾ってあります。

珠洲たの通信・写真編 

●絵本
最初は絵本です。1冊1000円くらいの本ですが,子どもたちに受けること間違いなしの絵本です。『あらしのよるに』『あるはれたひに』『くものきれまに』の3部作。作者は木村裕一,出版社は講談社。
写真の下にかすかに見えているのがバンダイのおもちゃ「サイレントシャウト」です。これは,別売りのチュッパチャップスというアメを差し込んで,ボタンを押すと,アメをなめている人にだけ,音楽や鳥の鳴き声が聞こえるというもの。何が聞こえるかは機種によって違います。この「サイレントシャウト」は,かすかな振動を歯を通して骨に伝えて「骨振動」を起こす物なのだそうです。1500円と,ちょっと高めですが,いかがですか。<音と振動>のサイエンスシアター研究会で教えてもらいました。
●ガリレオ温度計
2枚目の写真は,ガリレオの温度計のミニチュア版です。精巧に作られたガラス容器の中に液体がはいています。その中に,これまた液体と空気の入ったおもり付きの玉が浮かんでいます。それぞれの玉が微妙にちがうので,それぞれある温度になると沈んでいきます。その時,浮いている玉に書いてあるのが今の温度というわけです。液体の比重が温度によって変化しやすいという性質を利用して作られています。インテリアとしても上品なので,ボクも一つ持っています。
●海水用水槽の中の生きもの
学校の職員室前にある水槽の生きものたちです。こんな魚やカニやアメフラシなどが,月に一度くらい更新されていきます。保護者でもある定置網の漁師さんが持ってきてくださるのです。海水は,わたしと校務員さんとで,見附海岸で汲んできています。

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