珠洲たの通信・2014年6月号

 6月の例会。中学校の部活の大会やご自身の負傷などで,常連の方がお休みする中,昨年採用された新しい人が,顔をのぞかせてくれました。うれしいことです。
 このサークルは,ほんとうに,細々と続いてきました。集まるメンバーも,多くて8人,少ないときには2人。そんな感じです。でもでも,今まで,よく続いてきたなあって思います。
 サークルの内容は,文字通り「授業研究の話」がほとんどなのか…と思いきや,そうでもないですね。
 「たのしい授業」に直接関連することはもちろん,間接的に関連することであれば,なんでもOKです。だから,最近の「親の介護」の話だって,自分の授業に大いに関わることにもなるんです。それは,病院が教材研究のいい場所だったり(これは直接)…あるいは,介護をしながらたのしい授業もしていく,そんな両立について考えることも大切です(これは間接)。
 6月25日にオヤジが救急車に運ばれてから,毎日のように病院へ行っています。私は6時頃から7時30分頃までいます。午前中来ていたお袋からの伝言がある場合は,足りない物の買い物に行ったりします。来た時と帰る時には,オヤジと少ししゃべりますが,後は,ヒマ。看護婦と会話する以外は,タブレットを触って過ごしています(病室で使用するのはいけないようです)。オヤジの近況は娘たちへLINEで送信。半年前には考えられなかった,わたしの生活です(通院もタブレットも)。

■6月の例会の参加者(5名)

 K.H(元教員)  M.K(N町U小)  M.O(S市T小)  初:A.U(S市T小)  初:K.T(N町U小)

資料の紹介

1 「学力調査(理科)結果を見て(分析と対策についての一考察)」A4 2ぺ   M.O
 教務から「6年理科の基礎学力調査の成績を見て,到達度の低い問題についての対策を考えてください」という要請がありました。「あ~,またか」と思いましたが,やらざるをえないので,「本音を書きますから,あとは,どうにでもしてください」と言ってまとめたのが,このレポートです。
 到達度の低かった問題は,「沸騰した水から出る泡の正体」「関節を伸ばしたときの筋肉の動き」「異なる物質で重さを一定にしたときの体積の違い」「正確なデータを得るための実験方法」「水の温度変化のグラフ化」です。
 毎年のことで,いやになります。
 教科書では,単なる断片的な知識として,記憶にたよるしかないような教え方をしておいて,「子ども達はできていない」と言われても困ります。
 一昨年くらいから,「科学検定」が始まりましたが,いったい,何人の大人が,あの検定に合格できるのでしょうか? 小中学校の教科書の内容に関する問題に対して,どれくらいの達成率になるのか…。子ども達の通過率が低いと嘆く前に,自分達をふり返ってほしいものです。例えば,次のような問題がありますが,どうですか?(5,6級の問題です)
 家の台所で、500mLの食用油を鉄の大きななべに入れます。ガスコンロの火をずっとつけたままにしておくと、なべの食用油はどうなるでしょうか。この実験は火事になる危険があるため、絶対に試さないでください。
 ア 油に自然に火がつく。
 イ 火を近づけると火がつく。
 ウ 油に火はつかない。       (第2回科学検定出題 正答率69.4%)

 ただ,指導者が,子ども達の達成率が悪い問題を知ることは大切です。それは,今の教育課程が-「教師の教え方が」ではありません。念のため-その部分の教育に成功していないという証拠だからです。そして,わたしたちが考えるべきことは,如何に点数を上げるかではなく,どのようにカリキュラムを改革し,そのための教育方法を創造していくかということなのです。本来,<学力調査>とは,そのように活用すべきものです。「沸騰した水からでる泡の正体は水蒸気」というためには,少なくとも「物質の三態変化」について学んでいる必要があるでしょう。水の例だけでお茶を濁している今の教育課程では,反復練習して「記憶に頼る」しかないのです。
 さて,サークルでは,筋肉モデルについて「円形モデル」という発想が出て来ました。これはおもしろいです。どのように作れるのか,まだ,分かりませんが,夏休みに考えてみたいと思います。

2 「ブログ的気楽レポ」A5 12p            M.O
 今回の内容は,「昆虫写真クイズ」「出会いの授業は仮説実験授業で」「本の紹介」「算数」です。
 「昆虫写真」は,私が撮影した主に昆虫の写真を掲示して名前を当ててもらうというものです。最近は,60名以上の子ども達が参加してくれています。子ども達は,毎日のように,私に虫や動物の情報を話してくれます。面白いなあ。
 「仮説実験授業」については,理科通信とともに,紹介しました。仮説実験授業をすると,どうしても教科書授業が遅れたように感じますが,2学期以降,取り戻せるから気にしない気にしない。
 「本の紹介」は,図鑑です。わたしが,図鑑の紹介をするなんて,もしかしたら,初めてかも知れませんね。それほど,凝ってしまっています(^^;;
 「算数」は,割合の指導法について書いてみました。これについては,まだ,実践中です。今後,どのように定着していくのかいかないのか。興味のあるところです。教科書にある数直線だけでは,算数の苦手な子は,理解できません。数直線まで一般化してしまうと,難しいんです。その点,「学校図書」の新しい教科書は,なかなかいいです。

3 理科通信2種  M.O
○「科学のひろば・第3号」A5 6p                 
 4年生と行った《空気と水》の感想文集です。授業の楽しさ度は,なんと100%(5と4で)でした。さすが,仮説実験授業です。討論好きな子がたくさんいて,とてもたのしい授業でした。
○「科学かわら版・第1号」A5 4p
 6年生と行った《もしも原子が見えたなら》の感想文集です。5と4で,80%。1と2はなしですから,これもまたいい評価をもらえたと言えるでしょう。このあと,《燃焼》の第1部をしました。今年の夏のKITでは,また,「原子・分子」を担当することになったので,もう少し研究してみたいと思います。全国大会へ行けないのが残念です。

4 「MyBOOK 2014年6月号」B5 2p             K.H
 今回紹介して下さった本は,以下の2冊です。
○板倉聖宣著『新哲学入門』(仮説社)
○小原茂巳著『たのしい教師入門』(仮説社)

 『新哲学入門』は,私にとっては読みやすい本だと思ったのですが,やはり,人によってその感覚は違うようです。Hさんは「言葉の意味が分からずに,頭の中を整理するのに必死でした」「やたらに弁証法という言葉が出てくる」と書いていて,確かに,今は,そんな人が多いのかも…と思いました。
 わたしは,学生時代から「弁証法」というものに興味があって,科学や哲学の本を読んだりするようになった経緯があります。だから,板倉さんの本を読む前から,弁証法に対するイメージはなんとなくあったんですが…。板倉さんが師匠としている三浦つとむさんという哲学者の著書にそのものズバリ『弁証法とはどういう科学か』(講談社現代新書,1968年,初版1960年),『弁証法,いかに学ぶべきか』(季節社,1975年,初版1950年)という本もあります。が,これらの本よりも,板倉さんの本の方が,断然,読みやすいし,弁証法に対する評価にも,同意できるものがあります。板倉さんは,「弁証法は科学ではなく発想法の一つだ」と言っているんです。
 小原さんの本を読むと,いつも「早く授業をしたいなあ」「夏休みが終わって子ども達に会いたいな」と思わされます。子どもに寄り添った教師のあり方を,まざまざと見せてくれるんです。だから,わたしも彼の大ファンです。

5 「カメラレポート 2014年6月号」B5 2p           K.H
 今回の花の写真は,兼六園のカキツバタやツツジ,金沢運動公園のバラなどでした。
 私は,撮影者の今月のイチオシを見事当てることができました。横に書いてあるコメントが,その決め手でした。これからも,当てるぞ!!
 私の昆虫といい,Hさんの花といい,サークルでも一眼レフの話題がのぼるようになりました。いつかは,一眼レフ(カメラ)の基礎・基本についても,学んでみたいと思います。

 昨日,オヤジの病室にいたら,看護婦さんが白色の点滴を持って来ました。まるで牛乳のようです。聞いてみると「脂肪乳」って言っていました。「はは~ん,血管に直接,脂肪酸やグリセリンを入れるってわけか?」って思ったのですが,ほんとの所はどうなんでしょうか。気になったので,少し調べてみました。
 あるサイトによると,
 脂肪乳剤という点滴があります。真っ白な点滴なので、患者さんから牛乳じゃないんですよねと良く言われます(確かに見た目は牛乳そっくりです)。経管栄養剤を間違えて点滴してしまったと言う事故も起こっていますからね。
 他の栄養素が1グラムあたり4kcalしかないのに、脂肪は9kcal補給できますし、必須脂肪酸と言うのもあって体内では作れないものもあるので、栄養剤として重要です。

と書かれていました。別のサイトでは,「イントラリポス」という商品名も出ていて,そこには,詳しい成分比も出ていました。うちのオヤジのやっているヤツが,どんな名前の点滴なのか,もう一度機会があったら見てみます。
 ま,そんな風にして,病院通いも,ゆったりと楽しんでいます。

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