珠洲たの通信・2014年10月号

 慌ただしかった研究発表会もほとんど終わり,学校は,2学期のまとめの季節になってきました。ただ,私は,12月に指導主事に授業を観てもらうという,本年度もっとも主役になる機会(^^;が控えているので,久しぶりに指導案を書いています。あ~めんどくさい。
 現場の忙しさは,半端じゃなく,どうも,みんなギスギスしています。これってどうにかならないものかねえ。もう少し余裕がないと,子どもたちへも悪影響を及ぼしそうです。
 <新しいものを取り入れたら,何かをやめる>こともしなければ,現場は忙しくなるに決まっています。そんな当たり前のことができないのはマネジメント能力がないとしか言えません。職場でも,そういう声が大きくならないのは,「いいことをやっているんだから,文句を言うな」という無言の圧力があるからかもしれません。「破滅への道は善意で敷き詰められている」とはよく言ったものです。学校が,今,なぜブラック企業と呼ばれるようになったのかを考えて,少しずつ改善していきたいものです。

■10月の例会の参加者(5名)
 K.H(元教員)  , M.K(N町U小)  , M.O(S市T小) , M.N(K市F小) , K.T(N町U小) , M.S(N町M中)

資料の紹介

1 「ブログ的気楽レポ10月号」A5 16p           M.O
 研究発表会に参加した感想などを書いてみました。
 道徳研究発表会,月蝕観察のための観望会,県教研,県理科研究大会などについて,私の備忘録としてまとめておきました。
 道徳研究発表会は,前任校の発表会。子どもたちに会えたのはうれしかったけど,なんとなく居づらくなって早々に帰宅。
 月蝕観察会は私が企画したもの。10名近い参加者で,楽しい夜を過ごしました。思えば,昔から,こういうイベントが好きでした。「決まっているからやる」「やらなければいけないからやる」んじゃなくて,「やりたいから,やる」ことの楽しさを,久しぶりに存分に味わいました。今の現場は,「やらなければいけないこと」が多すぎで,「やりたいこと」さえどっかに置いてきているように思います。
 県教研は,7年ぶりくらいの「環境・公害と食教育」分科会に参加。分科会の雰囲気の中に「里山里海」が常に位置付いていることを感じられて,なんとなく今後の方向性が分かったような気がしました。来年はレポートを持っていこうかなあ。
 県理科研究大会の開催場所は加賀市。この市は,私の新採赴任地なので,とても懐かしい場所です。小中高と校種を超えた授業が見れるのでおもしろいです。今回も,前泊しての全日程参加で,しっかり楽しんできました。特に,高校物理の「モンキーハンティング」の問題では,高校生に戻って,久しぶりに運動方程式やsin・cosを使って,秘密を解こうとがんばりました。嬉々として数式を扱っている生徒さんたちの様子を見ていて,とてもうれしくなりました。
 あと,算数の話題として「比例」と「わり算」について,今,意識してやっていることを少しだけ書いてみました。

2 「風向き」B5 8ぺ    M.S
 母親の死を前に考えた様々な思い。その一端をまとめてきてくれました。サークルでも,「両親の老い」についての話題がよく出るようになっていました。ここに来て,Hさん,Sさんのご母堂さんがなくなり,ますます,「生と死」に向き合わざるをえない状況になっています。
全ての人に平等にやってくる「死」というものを目の当たりにして,うまく言えませんが,死んでいくというのを学びました。自分もいつかこうなるというのを受け止める経験をしました。
と,Sさん。その後も父親の入院があったりして,3か月ぶりのサークルへの参加でした。
 さて,レポートの内容の二つ目は,生の星のお兄さんを見聞きしてきたこと。ラフォーレ琵琶湖にあるプラネタリウムの解説者が,あの星のお兄さんです。中学3年生の甥っ子と行ってきたそうです。「わかっているギャグなのに楽しめた」ってことは,この「星のお兄さん」,やはり<本物>ですね。漫才ブームのときも,分かりきっているギャグを待つ観客がいたし,古典落語だって落ちは分かっているんだけど,何度聞いてもいいですから。星のお兄さんは,まさに,プラネタリウム界のエンターテーナーですね。私も一度,生兄を聞いてみたいです。
 3つ目の話題が,ジャポニカ百科事典。断捨離を敢行しようと,張り切ってはみたものの,家族から「だれかほしい人がいるかも」と言われ,FBっで投稿。すると,仮説仲間から「ジャポニカには仮説実験授業のことがしっかり書かれているよ」と聞いて,その部分だけちぎり取ったとか。この文章は,板倉先生自らが書かれたもので,しっかりまとめられているものです。
 4つ目の話題は,珠洲分校主催の合同学習会に行ったときの売り物について。Sさんたちが作って持っていった「くるくるくらげ」をサークルでも作成してみました。色紙1まいからできる,とても簡単で,しかも可愛いものでした。商品としての完成度もあり,お持ちかえりのことも考えられいて,さすがきめ細かです。
 5つ目の話題は,学校の文化祭の取組について。慣れない学校の伝統に,ついて行けない様子…ストレスがたまるのももっともなこと。そんなときは,「どう付き合えば自分にとって有意義になるのかを考える」のがいいかもしれません。学校に残っていなければならないのなら,その時間を,どう使うかを考えるとか…まあ,そんな簡単なわけには行かないでしょうがね。
 6つ目の話題は「県教研で感じたこと」。共同研究者の言葉が厳しかったようです。ある人が使う言語はその人の思想を反映するんですから,ある程度,それを指摘されるのは仕方ないことだと思います。「言語は中立」なんてことはないのです。だからこそ,言葉狩りが生まれてくる。
 しかし,使っている方は,そうとは意識していないこともあります。それは,そういう思想に同意しているからではなく,単に知らないだけかも知れません。そんなときには,そっと教えてあげるのが大切。だって最初はみんなしらないのだから。あまりにも高飛車に押しつけられると,実践そのものを躊躇するようになるし,県教研なんかに行きたくなくなりますからね。教師の勉強が必要なのも確かですが。それは,共同研究者の助言云々のレベルとは,また別の問題ですね。こちら側としても,「そこに出ていくくらいなら,しっかり勉強してから…」という姿勢も大切だと思います。
 7つ目の話題は「ゆずれないもの」。タイトルは仰々しいですが,内容は「指導のポイント」こと。教えたことがなかなか定着してくれない特別支援の子。それでも,教え続ける意味はどこにあるのか。自問自答しながら,進んでいこうと決意するSさんの意志を感じました。
 最後は,自閉症の子が書いた本の紹介でした。東田直樹著『自閉症の僕が跳びはねる理由』(エスポアール出版)という本です。わたしも,Kindleで購入。まだ,読んでいませんが…(後日談:その後,読みました。とても参考になる本です。自閉症について理解したい方は,是非,手に取ってみてください)。

3 「MY BOOK 9月号/10月号」B5 6p     K.H
 本の紹介を2か月分持って来てくれました。
①小原茂巳著『たのしい授業楽しい人生』(ガリ本)
②小原茂巳著『いじめられるということ』(仮説社)
③丸屋剛編集『たの教サークルから学ぶ/伊藤・小原・山路』(ガリ本)
④遠山啓著『数学の学び方・教え方』(岩波新書)
⑤遠山啓他著『わかるさんすうの教え方1年』(むぎ書房…古本)
⑥森毅著『まちがったっていいじゃないか』(ちくま文庫)
⑦板木利隆著『はじめての野菜づくり12か月』(家の光協会)
⑧ユキシマダ著『掃除と収納』(主婦の友社)
⑨徳大寺有恒著『2012間違いだらけのクルマ選び』(草思社)
⑩馬場雄二著『ぬり字ドリル1年』(仮説社)
⑪佐高信著『筑紫哲也の流儀と思想』(集英社新書)
⑫定松勝幸著『こんなふうに終わりたかった中学数学教室』(SB新書)
 ずいぶんたくさんの本を紹介してくれました。
 ①~③は,仮説実験授業の仲間が書いた本。中でも,小原茂巳(元中学校教師,現明星大学)関連本です。浜岸さんは,現役時代から,小原さんの話を聞いたりしていましたからね。たぶん,仮説の中でも小原さんのことが一番好きなんだろうなと思います。
 ④~⑥は,数学教育協議会に関わってきた学者さんの本です。遠山さんも森さんも,もう故人になっていまいました。2人の本は,私の本棚にもいっぱいあります。私の場合は,大学時代に森毅さんの著書に影響され,なんと,京都大学の講義にまで潜り込んだことがあります。講義の内容は,落ちこぼれの私には全く分かりませんでしたが,森毅さんが醸し出す雰囲気には独特のものがあったことを思い出します。
 ⑪は読んでみたいなあと思いましたのでKindleしましたが,アマゾンの電子書籍には,ありませんでした。ここ半年は,本を1冊でも増やさないようにしているので…。Hさん,貸してください。

4 「カメラレポート 9月号」B5 2p            K.H
 最後は,恒例の「カメラレポート」。今回は,8月~9月に咲いてた「ヒマワリ」「コスモス」そして,サルビアロードの「サルビア」が,被写体です。
 お気に入りは,夏の全国大会を思い出させてくれた「ヒマワリ」だそうです。

 私が持っていった本も,ほとんど押し売り状態で引き取ってもらいました。本棚には,まだまだあるんだけどなあ。
 さて,次回のサークルは,第4土曜日です。第3土曜日には金大附属小の発表があって,珠洲たのメンバーの何名かも,それに参加していたためです。

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