珠洲たの通信・2013年6月号

2013年度

今回もまた,リアルタイムで発行できなかった通信を書いていきます。書いているのは2023/12/04ですので,もう,10年以上も前の出来事です。今更…ですが,全ての資料のキーワードをサイト上に残しておくと,このHPが資料検索にも使えるんです。それが便利。サークルを30年もやっていると,月々に頂いた紙の資料から自分の欲しい情報を見つけるのは,もう,不可能に近いですからね。

今月の本棚

今月の資料

1 「風はどこに吹くのか?・2013年6月号」 B5 4ぺ  S.M
 そうか,このときは,中学校の現場にいたんでしたね。部活の担当があって,休日でも自由の効かない日々を過ごしていたようです。10年後の今,これだけ中学校の部活動が社会問題になるなんて,当時は思っていませんでしたね。
話題1 続・授業書の魅力
 特別支援学級の子どもたちとの理科の授業は,仮説実験授業《空気と水》《ふしぎな石,じしゃく》に続いて,《もしも原子が見えたなら》をやっているそうです。何度も授業にかけている授業書なのですが,今回は夏の大会で手に入れた井上勝さん作成のCDーR(掲示用資料)を大いに使って行っています。そのお陰で,これまで以上にたのしくできているとか。特に特別支援学級の子どもたちなので,視覚等に訴えるのは大切ですものね。
話題2 特別支援学級の特別なところ
 特支の授業で困るのは,「自立活動」「生活単元学習」といった,担任が全てのカリキュラムを作らなければならない授業時間です。しかも,クラスには生徒が3人もいるので,それぞれの生徒の「大切なこと」「学んで欲しいこと」が違ってきます。こういう話を聞くと,つくづく「特別支援の教育は,教育の原点そのものだなあ」と,わたしは思うのです。「個にあった…」というのが一番大切なんですからねえ。そして,時には通常学級との交流の時間もあったりして,ほんと,担任にとっては,自分の自由に出来るような出来ないような…。わたしは一度も担当したことがないので,その大変さは分からないです。
 また数学の時間というのもあります。数学といっても内容は算数。今は,単位の勉強をしているそうです。長さ・水のかさ・重さと教えていくつもり。水のかさでは「デシリットル(dL)は必要ないのではないか」とSさん。そうですよね。中学校を卒業してからのことを考えると,dLなんてほとんど使わないものね。基本単位とm(ミリ)とk(キロ)くらいは,理解できるのなら,量感と共に定着させてあげたいですね。
 それにしても,このように,どんな教科であっても,いろいろと工夫してやっているSさんを初めとする特別支援担当の先生方に脱帽です。
話題3 ペータークイリング
 数年前に東京の牛山さんに教えてもらい,製作用のキットまで頂いてあった「ペータークイリング」を生徒と作りました。せっかくなので,これを父の日のプレゼントということで作ったそうです。(本ページのアイキャッチ写真を見てね~)
話題4 中学生と部活
 時々聞こえてくる生徒からの顧問への不満。生徒さんたちにとってSさんは,おそらく話しやすいんでしょうね。いろいろと聞こえてくるのだけれども,そして要求もされるんだけれども,ちょっとまって! わたしには,もっと優先すべきことがあるんですけれども…。部活担当問題は,やっぱり頭の痛い問題です。ないせ,やって当たり前という教育界なのですからね。

2 「MY BOOK 2013年6月号」 B5 2ぺ  K.H
 今月は,以下の3冊を紹介してくれました。
① たのしい授業編集委員会編『子どもがよろこぶ算数数学』(仮説社,2009年)
② 板倉聖宣著『哲学的とはどういうことか』(つばさ書房,ガリ本)
③ 佐藤暁著『入門特別支援学級の学級づくりと授業づくり』(学研)
 ①について…「よく分かる算数・数学」なんて本ならよく聞きますが,「子どもがよろこぶ」と題された算数・数学の本はが存在するんですね。もちろん,それは仮説実験授業の授業書があるからです。
 ②について。当時はガリ本(自家製本,研究会の講座などで販売されている)でしか読めませんでしたが,今は,改訂版が仮説社から出版されています。上の本の紹介にもリンクを張っておきました。仮説実験授業を生み出した板倉聖宣氏の,ものの考え方がまとめられていて,とても素敵な本です。Hさんは,「いろいろな考えが登場してきて,それらを自分の頭の中で整理するのに必死でした」と書いておられますが,仮説実験授業のよって立つ哲学を知りたい方にはお薦めの本です。
 ③の著者曰く。
自立活動について,日ごろの学習や生活の様子から,子どもがどんなことにつまづき,「困り感」を抱いているのかを的確に把握したい。(Hさんのレポより孫引用)
 Sさんが言うように,それが難しいんですがね。各自が持っている「困り感」を的確に把握するための方法を知りたいんですよ。本書には書いてあるのかな。

3 「ブログ的気楽レポ 2013年6月号」 A5 6ぺ  M.O
話題1 みんなが手を挙げる…でも,全員ではない
 高学年を主に担当してきたわたしが,最近,低学年の授業を見ると気になることがあるんです。それは,もう,物心つく頃から始まっていると考えられる「分かった子は手を挙げましょう」みたいな対応です。
 別に保育園で習わなくても,「○○をやりたい人!」「○○が欲しい人!」とか言われると,我先にと手を挙げるのはヒトの一般的な特性なのかも知れません。より目立とうとするというか…。
 でも,小学校の授業ともなると,ちょっと違ってくるような気がするのです。詳しくはレポートに譲りますが,わたしの違和感は「ほとんどの子が手を挙げているのに挙げていない子」や逆に「高学年になるとだんだん手を挙げる子が減ってくること」などに対して,です。特に低学年で手を挙げていない子を見ると,なんだかそちらの方が気になってしまって,手を挙げさせるという教師の行為に疑問を持ってしまうんです。うまく言えないけど。
話題2 生物教材はだらだらと続く
 《にている親子,にてない親子》《タネと発芽》の授業が終わったのに,子どもたちの感想を聞く気がなかった…という話をまとめてきました。わたしの中のモヤモヤ感は,行事などで1つの授業が3ヶ月近くかかったことや,切れ目を感じられない生物教材の継続性(単元や授業書が終わっても,観察は続く)にあるようです。それでも,子どもたちの感想を聞くことは大切なんですがね。「子どもたちは,仮説実験授業を受け入れているに決まっている」という教師のおごりもあるようなので,反省です。
話題3 図工の時間
 図工で「3原色で色づくり」と「オオトカゲづくり」をしました。その報告です。特に,最初からなにもやろうとしないMくんとの対応についてまとめてきました。
 Mくんは,なにもやろうとしないので,わたしが説明しながら作ったトカゲをMくんにあげて,目だけ作ってもらいました。
Mくんはそれまで友だちの机の間をふらふらしていたのですが,完成したオオトカゲをちゃっかりわたしから受け取り,白い画用紙を切り取って目をつけ,ペンで黒目を書いて,散歩させていました。(レポ,3ぺ)
「おまえは作らなかったんだから,遊べないのは当然」なんて厳しくあたることもできるんですが,それじゃあ,いっしょに溶け下の散歩ができません。教育的配慮に欠けているのか,これこそ教育的配慮なのか。「たのしい授業の原則」から言えば,後者なのだと思います。(レポ,4ぺ)
 教師の対応って難しいですね。ただ,この年(2013年度),久しぶりに担任(しかも3年生)を経験したわたしは,結果的にMくんとたのしい1年を過ごしたのでした。
話題4 薬師寺展
 特に,切手の図案にもなっている薬師寺吉祥天の話題です。新居先生からお聞きした言葉「田舎の利口より,京の阿呆」についてまとめてみました。せめて田舎の利口でいたいなと。
話題5 学年配当漢字以外も教えよう
 「この漢字はまだ習っていないから」と,二字熟語を〈漢字カナ交じり〉で書いたりしないで,ルビを振ってもいいから漢字で書こうよということは,サークルでもよく話題にしてきました。だから,学級通信などでも,なるべくそのようにしてきました。今回は,「モンシロチョウ」「ニュウシ」「キュウシ」を漢字で表すことで見えてくるものについてまとめました。漢字の学習は国語の時間だけではありませんからね。

ほかには「カメラレポート2013年6月」(H)もありました。また,数学教育協議会編集の『わかるさんすうの教え方』の紹介(O)もしました。この本は1年~6年まで持っていると,タイルや水道方式,量の理論,割合や図形などの基礎基本を学ぶことができます。お薦めです。古本屋にあたってみてください。

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