珠洲たの通信・2012年6月号

2012年度

 6月のサークルもまずは天体現象の話題で盛り上がりました。偶然かどうかは分かりませんが,こういう天体現象があるときには,全校にその現象を説明する側に回るメンバーが今回も3名いたからです。こんなふうだから,このサークルを外から見ると「自然科学サークル」に見えちゃうのは仕方ないかなあ。でもキミ子方式で絵も描くし,図工の実践もいろいろあるし,国語だって楽しい授業を研究しているんですがね。
 さて,7月に入って,九州地方はたいへんな雨が降っています。よくもまあこれだけ降るもんだと思います。なぜだろうって気になってふだんはほとんど見ないテレビをつけたりします。
 テレビに気象予報士がたくさん出てくるようになってから,天気の解説が面白くなってきました。これは,天気について解説をする予報士の指導技術が上がってきたからだと思います。視聴者のレベルに合わせて,しかも本格的な天気の解説をするためには,相当の技術がないと難しいでしょう。そう思ってみてみると,教員として学ぶべき場面がたくさんありそうです。
 もうすぐ夏休み。仮説実験授業の全国大会は宮城県松島町で開かれます。大会の申し込みはしたけれど,その前後の宿泊はまだ取っていません。予定が決まらないからです。震災の傷跡も見ておきたいし,趣味のお寺周りもしたい…すると日にちが足りない…どのあたりに宿を取るか…迷っている間にいい宿が埋まっていきそうです。早くしないとなあ。

■6月の例会の参加者(5名)
 M.S(S市T小)  H.K(S市M中)  M.N(W市K小)  H.H(S市S小)  M.O(N町U小)

資料の紹介

1 「天体観測三部作」 A4  3p            M.N
 前回の部分日食,そして,部分月食金星の太陽面通過と,3つ連続して身近に観測出来る天体ショーがありました。そのうち,部分月食はあいにくの天気で見られませんでした。
 どの現象についても,事前に子どもたちに説明してあるので,子どもたちは興味津々で当日を迎えています。
 残念ながら部分月食は天候が悪くて見れなかったのですが,子どもたちの「みれなくてざんねんだった」という感想があるってのがいいですねえ。
 一方,金星の太陽面通過は,子どもたちと一緒に観察出来ました。サークルMLで話題になった3倍や5倍の太陽観測用の双眼鏡,理科室にあった望遠鏡を準備しての観測です。望遠鏡で太陽画像を映そうと思ったらしいですが,うまくいなかなったようです。レンズの焦点距離をしっかり確認しておく必要があったと反省していました。私も,前日にやったときには,なかなか出来ませんでしたのでね。
 3つの観測をしての格言を一つ述べています。
 何事も事前の準備を怠ってはいけない。
 そのとおりですね。

2 「風のようにおもむくままに」 B5  6p          M.S
 なんというか,エッセイ集みたいなものです。今月の内容は,「3原色で色づくり」「金星太陽前通過観測」「生活科で町たんけん・人たんけん」「定期便・いっぽ」「よく泣く子どもたち」です。
 この中でも,生活科と定期便の話は面白かったです。
 生活科では,教科書のような商店街なんてない校区で,いかに楽しく,しかも教師の興味も入れて活動したのかが語られました。元銭湯と提灯屋の見学は,大人が聞いても「いってみたい」と思わせる内容でした。
 また,「定期便」は,いわゆる☆☆☆☆(伏せ字)のこと。ただ,☆☆☆☆と銘打つと「管理職に見せろ」ってな話になっていくので,ここは,授業プリントとして十分成り立つようにやっています。毎回,詩を掲載しているといいますから,立派な国語の副教材ですね。毎日ちがう詩を読んでいるなんてなんとすばらしい。
 こういう文章を定期的に出すコツも書いてくれています。私なりにまとめて書いてみます。
 ①何かするたびに小さな紙に感想を書いてもらう。
 ②隙間時間を利用して,すぐにパソコンに入力する(編集はしない)。
 ③詩などは,あらかじめ,パソコンにストックしておく。
 ④教室にデジカメを置いていて,ちょっとしたときに撮影する。
 これくらいのことをやっておくと,毎日,定期便を出すのもそんなに時間のかかることではありません。
 通信は,出さないからといってどうってことないのですが,定期的に出すようになると必ず「期待」されます。そして,その期待に応えようとやっているうちに,自分の実践記録を残すことにもつながるし,子どもたちの思い出を残すことにもつながるんです。これは順序的にこういうことなわけで,決して逆ではありません。つまり,何かを残すためにやろうとすると,しんどくなって続かなくなることがよくあります。

3 「金星の太陽面通過」 A5 4p           M.O
 私も前日の昼食時間にランチルームに集まっている全校のみなさんに,金星の大きさと見かけの大きさの話をして,それがどう見えるのかを実演して見せました。で,前回配布された遮光板も持ってくるように言っておきました。
 当日は,双眼鏡と望遠鏡で半日じっくり観測できました。

4 「地震のメカニズム」をめぐる・ふしぎ探検ナビ A5  2p   M.O
 明治図書の『社会科教育・2012年7月号』に掲載された原稿を持ってきました。
 4月のサークルで持ってきた文章を,みなさんの意見を聞いて,ばっさりと切り取り,テーマを絞って社会科と理科の狭間のような文章を書いてみました。ま,読者の反応はどうなのか知りません。サークルでは,「まとまっているんじゃないの」という反応をいただきましたが…。そうそう,原稿を受け取った編集者の一人は「興味深い内容です」という返事をくださいました。
 また,それと同時に,この文章で紹介した「秀吉が体験した地震」を扱った番組を見付けたので,その紹介もしました。ちゃんと見てくれましたか?
 今年の地震の単元は,ちょっとだけちがったものになりそうだなあ。

5 「動物のからだのはたらき」の授業ネタ A5  12p      M.O
 久しぶりに新しい本を購入したり養護の先生から借りたりして教材研究をした「動物のからだのはたらき」の単元について,研究成果?をまとめてみました。実際に作ってみた模型は,次回のサークルに持っていきますね。
 実際には,ここに紹介したのに,時間の関係で出来なかった実験や観察もあります。理科の時間がもっと欲しいなあ。担任じゃないからなあ。
 教科書の単元も,それなりに面白く授業出来る方法があるのですが,「書くこと」で時間ととったりすると,それだけさらに時間がかかるんですよね。それで,教科書がなかなか終わらない…ということになってしまうんです。今年も,1.5単元を残して1学期を終えました。

6 「銭湯について考える」 A5  8p             M.S
 校区で見付けた「営業していない銭湯」がずっと気になっていたというSさん。
 今年は2年生と生活科で町探検(資料紹介2をご覧下さい)。今回の子どもとの町探検を通して,さらに銭湯に興味をもったので,それをまとめてきてくれました。
 「銭湯の定義とはどのようなものでしょう」
 「日本での銭湯のはじまりはいつ頃?」
 「戦後,東京での銭湯の値段はいくらくらい?」
 「石川県公衆浴場業生活衛生同業組合に加入している銭湯は何軒くらい?」
 「銭湯の名前に見られる傾向は何?」
 最後は次のような言葉でしめられています。
 生活科の流れで,ちょっと気になった銭湯について,ほんの少しだけ楽しんでみました。教室の子どもよりも,私が楽しんだのは事実のようです。
 子どもよりも楽しんだおかげで,私達も楽しみました。知っているようで知らない話について語り合うのはおもしろいですねえ。ついつい銭湯についての本を読みたくなりました。

7 「MY BOOK 2012年6月号」 B5  4p             浜岸君夫
 紹介してくれた本は次の通り。
○小原茂巳著『たのしい授業のすすめ方』(ガリ本)
○中一夫著『学校現場カルタ』(仮説社,1680円)
○奥野宜之著『「処方せん」的読書術』(角川新書,760円)

 小原さんの本は,明星大学での講義から生まれたものです。仮説実験授業の運営法と,仮説実験授業がよって立つ考え方(哲学)がよくわかります。最近になって,やっと文科省の資料などにも「実験観」がまともになってきましたが,現場ではまだまだですね。
 来年,わたしも免許更新の歳です。民主党がふがいないので,そのままなくなりませんでした。しかし,小原さんも免許更新の担当をしているそうなので,わたしもそちらへ行って講座を受けようと思います。楽しい免許更新になります。ただし,小原さんの講座だけでしょうけれどもね。
 中さんの本も座右の書にしておきたい本です。このカルタの言葉が頭の中に残っているだけで,自分の思うとおりにならない現場でも,少しはゆったりとマイペースを失わずに過ごせるのではないでしょうか。
 読書術の本は,ま,読書の好きな人向けですね。

 このほかに,新聞の切り抜き(大飯原発再稼働について,紹介:H),肺の模型の作り方(紹介:O)などがありました。
 7月の例会は,日曜日にします。土曜日に通知表わたしのある学校があるからです。どうぞお間違えのないようにおいでください。

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